冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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胸のために分裂したい

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木曜日、今日の学校もバイトもいつも通りだった。リュウのバイブをトイレで弄ってやったり授業中にスイッチを入れてやったり、カンナとディープキスしながらの兜合わせをしたり、シュカを抱いたり──俺、学校に何しに行ってるんだろう。

「ふーっ…………ひゃっ!?」

昨日のリュウのように遊びに来る彼氏も居ない、本当に何事もなかったバイト終わり、着替える前の小休止、長椅子に座って深く息を吐いていると頬に冷たいものが触れた。

「ははっ、高い声が出るもんだな」

「先輩! もう、やめてくださいよ」

頬に押し当てられたペットボトルの麦茶は自販機で買ったばかりのようでよく冷えていた。分けてくれるらしいのでありがたく少し飲み、歌見に返す。

「……昨日は何か色々すいませんでした」

「あぁ、もう過ぎたことだ」

ハーレムについて話すつもりだったのに浮気バレのようになってしまったり、素を出して泣き喚いたりオタトークに花を咲かせたり、色々とやらかした。

「でも、もう二度とあんなカッコ悪い姿は見せませんよ」

イメージ回復を測ってキリッと顔を作ってみると、歌見に唇をつつかれた。まるで「しーっ」と静かにしろと言うように人差し指を立てて。

「嘘はナシだと約束したばかりだろ? 本当のお前が見たい。もっと早口でまくし立てるように気持ち悪く話してくれ」

「……本当の、俺……いえ、わたくし。わたくしの本当の気持ちを今、パイセンに伝えてよろしいか」

「気持ち? 何か言いたいのか? あぁ、いいぞ」

母に禁止されている気持ち悪いらしい話し方を解禁すると歌見は嬉しそうに笑顔を浮かべてくれる。

「パイセンの胸の谷間に鼻ねじ込んでくんかんくんかしたいでそ! 雄っぱい揉みたい蹂躙したい雄っぱい雄っぱい!」

「……お前本当に残念イケメンだな」

深いため息をついた歌見は俺に背を向けてロッカーを開け、制服である青いシャツを脱いだ。いつもの黒いタンクトップ姿になると俺に向き直って困ったように笑い、二の腕で胸筋を寄せた。

「こ、こういうのが……好き、なのか?」

身体を丸めただけでも丸みを増す胸筋が更に二の腕で挟むように寄せられて谷間が深くなっている。

「神っ……!? この本屋は降誕の地として聖地にすべきではそして世界遺産登録も頼んでおきますぞ」

「大げさだ……その、こんな厳つい男なのに胸を寄せるなんて恥ずかしいんだ、嗅ぐでも触るでもさっさとしてくれ」

胸ぐらを掴まれて引き寄せられたかと思えば、歌見の左手は後頭部を鷲掴みにして俺の顔を自身の胸に押し付けた。

「あ……ぁ、ああっ……巨乳世界遺産!」

「巨乳はやめろ……胸筋だぞ」

歌見の腰を軽く掴んでまずは胸に頬ずり、その後は頭を揺らしてぽよんぽよんと跳ねて楽しみ、最後に谷間に鼻を挟ませて思いっきり深呼吸をする。

「……っ、お、おい……本当に、そんな嗅ぐヤツがあるかっ……や、やめろ」

歌見には力で適わない。引き剥がされてしまった。

「まだ嗅いでいたかったのですが……仕方ありませんな。次は腋を舐めさせてくだされ」

「わ、っ腋!? 嫌に決まってるだろ! そんなの……ダメだ。も、もう終わり!」

そんなにハードな要求をしたつもりはないのだが、歌見はぷいっとそっぽを向いてしまった。私服のシャツを着る彼の真後ろに立った俺は彼の腋が開いた瞬間に腕を伸ばした。

「ぅわっ……!?」

両手を腋の下に突っ込んで背後から胸を鷲掴み、これを一度やってみたかった。出来た。手から零れる柔らかい肉……最高の気分だ。

「水月っ、お前……ひぁっ!?」

「パイセンの弱いところは心得ておりますぞ~?」

歌見はシャツの前を閉めないタイプの男だ。大した厚みがなく身体にぴったりと張り付くタンクトップの上から乳首を探り当てるなど容易。

「んっ、待っ、んんっ……!」

歌見の乳首は陥没しているから、正確に言うなら触れているのは乳輪だ。乳輪を指の腹ですりすりと撫で回してやっている。

「お~ん? ここがええんかここかほれほれ」

「ゃ、めっ……ほんとにっ、そこ、弱いっ……」

「知ってますぞ。こないだなんて乳首でイったようなもんですものなぁ。うりうり」

「……っ、んっ……ぅ~っ……!」

歌見は左手で強く口を押さえ、閉じたままの隣のロッカーにもたれかかった。

「この辺りとかもたまりませんよな」

俺はあえて指を乳輪の外側へずらし、赤い色が差してもいないだろうただの肌をカリカリと引っ掻いた。

「な、にっ……を……」

「パイセンがわたくしに乳首弄ってぇ~んって可愛くおねだりするまで焦らしてみようかと」

「そ、そんなことっ……言うわけ、ない」

力が抜けかけていた足がしっかりと体重を支えるようになった。余裕が戻ったのか? いや違う、呼吸は荒くなっている。快感は弱まっても焦燥は強まって身体の熱は上がるはずだ。

「あっ、今日はせんぱいまだ居た。お疲れ様っすせんぱい!」

「……っ!?」

「あぁ、レイ、お疲れ様」

いつもパーカーのフードを目深に被っているからか、制服の青いシャツ姿で頭がちゃんと見えるレイにはいつまでも新鮮味がある。

「何してんすか?」

「見ての通り、歌見先輩の巨乳を楽しませてもらってるんだよ」

「ちがっ……俺のは、胸筋っ……やめろ見せるなっ!」

胸筋を鷲掴みにして寄せて上げて谷間を深くし、レイの方へ歌見の身体を向けてやったが一瞬でロッカーの方へ向き直られてしまった。

「巨乳……せんぱいおっきいのが好きなんすね、俺ぺったんこ……」

俺はBLを嗜む身として少女マンガも読んでいる。憧れの人が巨乳好きだと知って落ち込む貧乳女子というよくある展開も知っているしそれを再現してくれたレイには萌える。

「何言ってんだよレイ、貧乳も素晴らしい。貧乳は希少価値だ、ステータスなんだよ。雄っぱいはみな等しく素晴らしい!」

歌見から離れレイの背後に回り、やはり脇の下から手を入れて胸をまさぐる。レイは乳首にピアスをつけているから分かりやすくて助かる。

「……男の話だよな? 貧乳しか居ないだろ……いや、全員無乳だろ」

「ひぁんっ! ん、ゃああっ……! ダメっす、せんぱいっ……」

柔らかい乳首を貫いているピアスの感触を楽しみつつ、少しずつ硬くなっていく乳首の様子も楽しむ。

「レイはすぐ硬くなるなぁ、敏感なのも貧乳の素晴らしいところだ」

「…………敏感さなら負けない」

自分の胸をさすりながらボソッと呟いた歌見の胸をまた揉みしだいてやりたくなってきた。あぁ、分裂したい。
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