冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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バイト復帰

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彼氏達の縫い物スキルが見られたりして楽しい時間を過ごしていたが、シュカに衝撃的な事実を知らされて思考が乱れる。

(小さい頃にアイロンで殴られたってどういうことなんでそ……ぎゃ、虐待ってことですか? ヒェェ)

アイロンを終えたシュカは俺の隣に並び、アイロンはハルの手に渡る。アイロンがけという家庭的な姿は是非目に焼き付けておきたいのに、集中力が足りずその機能が使えない。

「……水月、ちょっと」

くい、とシュカにシャツを引っ張られてみんなから数歩離れる。

「……もしかして気にしてます? 変なこと言ってすいません」

「い、いや……そりゃ気にしてるけど、シュカが謝ることじゃないよ」

「水月は優しいですからね、気にすると思ってました。困った顔が見たかったんですよ、これでも謝らなくていいんですか?」

困った顔をしてしまったこと、それに気付いてもいなかったことを反省し、改めて「謝らなくていい」と伝えた。

「……ふふふっ、水月のそういうところ、好きですよ」

「…………なぁ、お父さんには他に何かされなかったか?」

「ご心配なく、流石に実父が初めての人なんて言いませんよ」

「そういうことじゃなくて……」

「分かっています。大丈夫ですよ、物心つくかつかないかの頃に死んだんです。覚えているのはアイロンで殴られたことだけ……よっぽど痛かったんでしょうね」

痛み自体は覚えていないのだろうか? 不幸中の幸いだな。

「……お母さんは?」

「大人しい人ですよ。時雨さんくらい」

「それは大人しいな……」

「そんなに心配してくださらなくても、今は何も問題ありませんよ。優しくてカッコよくて最高のちんぽ持ってる恋人が居て、順風満帆です……いえ、今日はまだ抱いてもらえてないので微妙ですかね」

「明日二日分頑張るから許してくれ……」

周囲に見えないよう机に隠れる足を擦り寄せてきた。シュカは積極的な上にボディタッチが上手い、こればかりは勝てないな。



完成したエプロンは評価のために一旦教師に預ける。後日再配布、洗濯やアイロンがけをして保管、調理実習の日に持ってくる……といった感じだ。

「調理実習ってテストの後だっけ?」

「ええ、サバの味噌煮と米ですね」

「うぇー……ガッツリご飯じゃん、カロリー調節しなきゃ」

俺もカロリー計算と調節が必要だ、前日にちゃんと母に相談しておかないとな。

「サバの味噌煮好きやわぁ、楽しみや」

「味付けは味噌ですけど、それでも好きですか?」

「えぇ? 嘘やん、なんで味噌使うねん」

「そりゃ味噌煮だからだろ……」

「サバの味噌煮は醤油と砂糖とみりんやろ」

「それじゃみりん煮だろ」

「サバの煮込みには味噌と醤油があるんですよ。醤油煮と言いますが、味噌不使用でも何故か味噌煮と呼ぶ人もいます。味噌派が多数らしいですが、私も醤油の方が好きです」

「やんな!」

どうしてシュカはこんなにサバの煮込みに詳しいんだ、サバが好きなのか? 食いしん坊だからか? 可愛いな。

「味噌煮じゃないなら味噌煮って言うなよ……なんか納得いかないな」

「さば、は……しめ、さば……が、いい」

「シメサバ食うたらなんやマヨネーズ思い出すねんなー……」

サバ談義はハルが抜けてレイが加わった下校中にまで及び、楽しかったものの恋人らしくはなかった上に腹まで減ってしまった。今日の夕飯はサバだといいな。

「配達行ってきますっすせんぱい!」

「あぁ、行ってらっしゃい」

レイは歌見の代わりの配達、俺の業務はいつも通り品出しと在庫管理、後たまに客の相手。

「はぁ……腰痛ぁ……」

品出しをある程度終えて倉庫で在庫チェック中、突然背後から抱き締められた。顎を掴まれ、斜め上に振り向かされる。

「よっ、鳴雷。いや……水月、って呼んでいいんだったな」

「先輩……! もう、驚かせないでくださいよぉ。先輩もう復帰するんですか? 怪我大丈夫ですか?」

本当に驚いたし怖かった。まだ心臓がバクバク鳴っている。

「まだ力を入れると痛いから重いものは運べなくてな……パソコン使って入荷管理とかの仕事は出来るから、店長に無理言ってそっちやらせてもらってる。働かないとまずいからなー……一人暮らしは辛いよ」

「大変ですね。またご飯作りに行かせてください」

「俺もお前の手料理が食べたい。妹が帰ったらすぐ知らせるよ」

「……先輩、俺にも抱きつかせてくださいよ」

抱き締める腕の力を緩めてもらい、歌見の腕の中で反転し、彼を抱き締め返す。分厚い身体は他の彼氏では味わえない安心感がある、これぞ歳上彼氏だ。

「甘い匂いがする……初めて嗅いだのもこの倉庫だったな」

「そうでしたね、先輩に気に入ってもらえてよかったです」

香水の香りを体臭だと嘘をついている罪悪感はあるが、歌見の心を手に入れられた喜びが勝っている。

「……先輩? ふふ、バイト中に……悪い人ですね」

歌見は右腕で俺をぎゅっと捕まえたまま、左手で俺の身体を服の上からまさぐった。腰を撫で下ろした手はすぐに尻を揉んだ。

「水月……」

機嫌を伺うような目でじっと俺の顔を見つめ、探るように手を動かす。尻肉を鷲掴みにする力が少しずつ強くなり、触り方に遠慮がなくなっていく。

「……先輩、今日上がるの何時ですか?」

「水月と同じはずだけど、それがどうかしたか?」

「俺の上がり時間知ってるんですね、調べてくれてたんですか? 嬉しいです……ね、先輩、怪我してる上に妹さんが家に居ちゃ抜けないでしょ? 三十分くらい時間ください……ダメですか?」

妖艶さを意識して笑顔を作り、手を筒にして軽く揺らす。それだけで歌見は俺の腰にゴリッと硬いものを押し付けた。
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