冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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今日はこの辺で (〃)

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射精を遂げた歌見は荒く呼吸をしながら俺を驚いた目で見つめている。

(ふふ……フェラ後のもぐもぐゴックンまでしっかり見せて差し上げましたぞ。さぁ歌見殿、興奮したでしょう!?)

口に残る異物感と精液の味、匂い。ぺろりと唇を舐め、無言のままの歌見に微笑みかけた。

「先輩、本当に全然抜いてなかったんですね、ゼリーみたいなの出てましたよ。口に残っちゃいました」

「……の、飲んだのか? 本当に?」

口を開けて舌を突き出し、飲精の証拠を見せつつ欲情を煽る。

「こんなことされたの初めてだ……」

また元カノの話か? 誰と何回付き合ったのかは知らないが、俺よりもブサイクで気が利かないのは確実なのだからさっさと忘れて欲しい。

「お前、そんなに俺を……水月、悪かった……男の身体じゃ興奮できないなんて言って。もう一度触ってもいいか?」

「えぇ、どこでもお好きなように触れてください」

歌見は嬉しそうに頬を緩めて俺の胸を服の上から鷲掴みにした。歌見のようにゴツくはしていないが、結構身体を鍛えている方だとは思う。胸筋もそこそこの揉みごたえがあるはずだ。

「少し、腰を浮かせて……」

膝立ちになって歌見の肩に手を置いてバランスを取ると、胸を揉んでいた手が尻に移った。揉まれるくすぐったさに力が入ってしまうのを必死に我慢して、柔らかさを楽しんでもらう。

「水月……」

「どうですか? 先輩。俺のこと気に入ってくれました?」

歌見は無言で俺を抱き寄せて唇を重ねた。フェラをした後に躊躇わずキスをしてくれるなんて、なかなか見所がある。

「……嬉しいです、先輩」

口でも言って欲しかったななんて思いつつ、歌見の豊かな胸筋に顔を寄せる。

(雄っぱい! 雄っぱい! 小躍りしたい気分ですなどぅうふへへへへ)

こんなことを考えていても表情には気を遣っているので、歌見には綺麗で美しくてカッコよくて可愛い後輩が健気に寄り添っているふうに映るだろう。

「……精液臭かった。水月、後でうがいでもした方がいいぞ」

「はい。先輩の痕跡がなくなっちゃうのなんか嫌ですけど」

「水月……はぁ、ぁあ……幸せだ、水月。手の怪我も全っ然気にならなくなってきた、こんな美人が俺を好きになってくれたなんて……子々孫々語り継がなきゃならないな」

「子孫出来ますかね?」

技術の発展が早まりでもしない限り、歌見は一生子供を抱けない。歌見はなかなかノンケ気分が抜けきらないな。

「妹に子供がいるから歌見家は一応続くぞ」

「え、妹さんに? お姉さんでなく? っていうか……婿入りなんですね、珍しい」

「いや、相手の男に逃げられたらしくて……妹は高校も退学になったし、家は修羅場だ。大学入学で一人暮らしが出来てよかったよ、気楽だ、はははっ」

笑っていいのか分からないな。

「……お前はいいな、いくらヤっても孕みゃしない」

「クズ発言ですねー」

冗談として流しながらも俺は「セックスする気があるってことですな!」と心の中でガッツポーズを決める。歌見は自分がタチだと思っているようだから、そこは気を付けなければな。

「…………確認しておくが、本当に俺を好きになってくれたんだよな? お前が警察に駆け込んだら俺は問答無用で社会的に死ぬんだ、少しは疑わせてくれよ」

「大好きですよ。社会的に死ぬって……そんな歳離れてないし、先輩有名人でもないんですし、大袈裟ですよ。そんな遊びするなら自分の学校の教師とか狙いません?」

「……手、出して大丈夫なんだな? 歳上としては成人まで待つとか、そういうことをするべきなんだろうが……分かってはいるが、ダメだな。お前は美人過ぎる」

「手出してくれるんですか? 嬉しい」

悪ぶった笑顔を浮かべていた歌見は調子が狂うとでも言いたげに頭をかいた。

「まぁ、今日は無理だろ。泊まってくるとか家に言ってないよな?」

「はい」

「なら帰れ、あまり遅くなると危ない」

腹が減っているし言われなくても帰るつもりだが、歌見は俺を可憐な少女が何かと勘違いしていないか? そこそこガタイのいい超絶美男子だぞ?

「先輩、俺を女の子扱いしないでくださいよ。少しくらい遅くなっても大丈夫です」

「お前……その顔で歩いてたら昼間でもハイエされるだろ」

「ハイエって略します? いや、今まで無事に生きてきましたけど」

「この辺は治安がいいんだな」

歌見は一体どこに住んでいたんだ。まぁ、女の子扱い云々は俺の過剰反応だったみたいだ……それは反省しよう。歌見が元カノの話なんてするからいけないんだなんて拗ねてもいいけれど。

「本当にそろそろ帰った方がいい。俺も名残惜しいがな」

「はい、じゃあまたバイトで……ですか? しばらく休みます?」

「相談中だ。気を付けて帰れよ、お前は美人なんだからな、何にさらわれてもおかしくない。トンビとかもありえる」

「トンビを何だと……じゃ、先輩、さようならです」

玄関まで見送ってくれた歌見に手を振り、一応レイに家に帰ることを連絡し、自宅に戻った。母からのお叱りと、夜遅いからという理由での夕飯の減少があったが、それ以外は特に変わりなく過ごした。

「腹減りましたぞ……うぅ、お夕飯あれで足りるわけありませんぞ。ママ上様は育ち盛りの男子高校生を何だと思ってらっしゃるのでしょう」

ベッドの中で愚痴を言っても腹は膨らまない、朝食までの体感時間を短くするためにもさっさと寝よう。

「おやすみなさいでそ……」

一人部屋で呟き、明日はカンナの家に遊びに行く日だったなと胸を弾ませた。
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