自称不感症の援交少年の陥落

ムーン

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実は私も自分勝手派

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男は忙しい身の上らしく、早く結論を出せと急かしてきた。俺は一晩考えさせてくれと頼み込み、ひとまず一週間の猶予をもらった。

「一週間……一週間、父さんどっかに監禁されるのかな」

男を見送って三階に戻り、父への罰を法に任せるか私刑を下すかキョウヤと顔を突き合わせて考えることにした。

「……キョウヤさんは訴えた方がいいと思う?」

「私の立場としては訴えるべきだと思うし、君にいい大人だと思われたいから訴えるべきだと言いたい。けれどねレイン……彼があまりにもひねくれている上にその思考でレインを穢そうとしたから反論もしていたけれどね、私がまず君の父親を消そうと思い立ったんだよ」

「あ……そういやそうだったね」

「殺したいよ……今すぐにでも、私がこの手で殺したい。君の健全な成長のためには訴えるべきだと思う、でもあの男が君に健全な成長をさせなかったんだから殺してしまえばいいじゃないかとも思うんだ」

頭で考えた結論と感情が導き出した結論が違い、その矛盾の苦しさからかキョウヤは頭を抱えている。

「いいこと尽くめなんだ。君の売春や殺人未遂をヤツが話すこともがなくなるし、出所後にこの事務所に火をつけにくる心配もない。君は普通に大学を卒業して、会計士になって、私のところで働ける……クズを一人殺す覚悟さえ出来れば、ずっと幸せな日々が待ってる」

殺人を依頼した罪悪感と過ごすか、実刑を受けた後も父の行動に怯えて過ごすか、その二択しか俺達には用意されていない。

「……俺が首絞めたりなんかしなきゃよかったのかな」

一週間の猶予は短過ぎる。きっと一生かかっても俺は答えを出せない。

「あの時、我慢出来てれば……キョウヤさんがもう知ってるって知ってたら、首絞めたりなんかしなかったのに……」

背の高い椅子の上で膝を抱え、すすり泣く。キョウヤに出会うまでは感情の起伏は平坦だったのに、キョウヤに出会ってから幸福度の乱高下が激しくて感情も思考も追いつかない。

「……泣かないで、レイン」

「キョウヤさん……キョウヤさんと離れたくないよ、刑務所やだぁっ、ずっと一緒にいたい、普通に勉強してキョウヤさんとこ居たいよぉっ……」

「じゃあ……頼んでしまおうか?」

「ぁ、ぅ、でも、それじゃ……俺、俺本当に悪いヤツになっちゃう……」

「私もお揃いだよ」

父を訴えて俺の殺人未遂や売春が暴かれてキョウヤに降りかかる不利益と、殺人を依頼した罪悪感、どちらの方がキョウヤにとって辛いことなのだろう。

「……私はね、あんな父親のために心を痛める優しく純粋な君を愛しているよ。私ならあんなクズ殺させたって大した罪悪感はないだろうね、バレたらどうしようっていう焦りはずっとあるけれど…………レイン、私は君の決定を尊重する。君がどちらの選択肢を選んでも私は君を全力で応援するよ」

「………………ありがとう」

身体を丸めるのをやめるとキョウヤに背後から抱き締められ、彼の体温と鼓動を教えられた。

「少し、休憩しないかい? レイン」

カリッ、と乳首を服の上から引っ掻かれた。こんなことをしている状況ではないと俺は思っているのに、性的なちょっかいをかけてくるキョウヤへの驚きもあって声は出ないし動くことも出来なかった。

「考え過ぎては頭が痛くなって熱が出てくるだろう、少し問題から離れてみようじゃないか。一旦別のことに集中してから戻れば、また違ったことが見えてくるんじゃないかな」

「で、でも……ひぁっ!?」

すっかり勃起してしまった乳首をキョウヤの指が布越しに弾いた。

「……ベッドに行こう、レイン」

「そんなことしてるっ、んっ! 場合、じゃ、ぁあっ……! ゃ、んっ……んんんっ……! それだめぇええっ……!」

今度は一転、キョウヤの指は優しく俺の乳首を撫で回した。下から、上から、横から、乳輪だけを、すりすりすりすり……様々な方向から責められた。ザラザラとした服の裏地が乳首への刺激を増やし、ゾワゾワとした快感も増えて自然と胸を突き出してしまう。

「…………レイン」

乳首への快感も、キョウヤの低い声も、何もかも前立腺に響く。結腸まで疼く。

「……続きが欲しければベッドに来なさい」

きゅっと絶頂しない程度に乳首をつねり、キョウヤは俺の乳首を責めるのも俺を抱き締めるのもやめてダイニングから出ていった。

「はぁ……はぁ……」

まだ呼吸が荒いままだ。だが、邪魔をするキョウヤが居ない今なら一人でじっくり二択のどちらを選ぶか考えられる。

「…………キョウヤさん、ずるい」

乳首が疼く。勃ってしまった陰茎が痛い。前立腺が熱い。後孔全体が肉棒を寄越せと騒がしい。

「キョウヤさぁん……」

俺はふらふらとダイニングを出てベッドルームに入り、ラフな格好で雑誌を読んでいるキョウヤに声をかけた。

「来てくれたね、レイン。ごめんよ、卑怯な手を使って」

「ホントだよ。二択は徹夜で考えるから……寝不足になったらキョウヤさんのせいだからな」

「ふふっ、寝かしつけてあげないとね。さ、レイン、早く服を脱いでベッドにおいで」

「ぁ……あの、さ……服の上から乳首するのよかったから、その……上だけでも着たままでして欲しい」

キョウヤは灰色の目を丸くした後、穏やかに微笑んだ。

「分かった。じゃあ服を着たままおいで。着衣プレイだね、ふふふ……」

ベッドに片膝を乗せ、まずは抱き締め合ってキス。慣れた舌が俺の口を犯す。不慣れな俺の舌を弄び、上顎を撫でて快感を与え、呼吸を荒くさせる。

「んっ、んん……!」

キスだけで蕩けた俺をキョウヤは強く抱き締めて引っ張り倒し、寝返りを打って俺をベッドに仰向けに転がした。

「んっ、はぁっ……ぁ……」

前後不覚になっている間にベッドとキョウヤに挟まれてしまった。歳上の男とのセックスには慣れているはずなのに、キョウヤとももう何度もしたのに、顔が熱くなる。

「服の上からするのがお気に入りだったね」

「ひんっ……! ぅ、うんっ、服のザラザラがっ……よく、て」

曲げた人差し指の背で軽く乳首を撫でる。ただそれだけの行為で俺の乳首は硬く尖り、快感を享受する。

「……すっかり性感帯だね、可愛いよ」

キョウヤの指が俺の乳首の上を何往復もする。焦らすような快感は前立腺を疼かせ、陰茎の勃起を加速させる。

「ぁ、はっ……ぁあぁっ……乳首っ、もっと強くしてぇっ……つねってよぉっ……!」

射精出来るほどの快感がなくて、勃起したままの陰茎が痛くて辛くて苦しくて、自然と動いた手がベルトを緩める。

「……こら、ダメだよレイン」

「あっ……」

ベルトを緩めて下着の中へと潜り込もうとした手がキョウヤに捕まった。

「乳首だけでイけるようになったんだから、下を触っちゃもったいないだろう? ほら、力を抜いて……」

両手首を頭の上で押さえられ、ベッドの柵に引っ掛けられた手錠で拘束される。手を動かそうとしてもガシャガシャと金属音が鳴るだけで頭の下には向かわない。

「ひぁんっ! んぁっ、あぁっ……こんなんじゃイけないっ、もっと強くぅっ!」

俺の拘束を終えたキョウヤの指がまた乳首を淡く責める。

「強く? こうかな?」

人差し指の先端が乳首を引っ掻く。服越しにカリカリ、カリカリ……両方の乳首の先端だけに強く素早く連続的な快感が注がれる。

「ひぁっ、あぁあっ!? これすきっ、かりかり好きっ、乳首がっ、ぁあぅっ! うっ、んんっ、んぁあんっ!」

喋る暇もなく喘がされる。胸が反る、足が跳ねる、声が勝手に媚びる、陰茎から精液が迸る。

「イくぅうっ……!」

「……出たね。あーぁ、下着ぐちゃぐちゃだ。ふふふ……でもこれが着衣プレイの魅力だよねぇ?」

「はっ……はっ…………きょーやさん、乳首もっとぉ」

「おやおやおやおや……乳首、気に入ってしまったかい?」

「うんっ、入った。気に入ったからぁ……」

絶頂したばかりの乳首にまたキョウヤの指が触れる。まだ服越しに、今度は先端ではなく乳首の根元を探るようにカリカリと引っ掻く。

「ひぁっ! ぁあんっ! すぐイきそぉっ、これやばいぃっ! きもちぃっ、もっと、キョウヤさんもっとぉ!」

「うんうん、可愛いね。ねぇレイン? もしお父さんを法に任せて、殺人未遂の罪で君が捕まってしまったりしたら、こうやって君をイかせてあげることは何年か出来なくなるんだよ?」

「んっ、んんっ……!? やだっ、イきたい、イかせてよぉっ!」

「おやおや、私の話あんまりよく分かってないね。可愛いよレイン、罪を受け入れる君の強さと偉さは素晴らしいけれど、罪から逃れる強かさと狡さも身に付けて欲しいところだね」

「イくっ、もぉイっちゃ……イくぅうんっ! んっ、んぁっ、ゃ、今イったばっかぁっ!」

乳首の根元をほじられて絶頂するとキョウヤは指を二本ずつ使うようになり、絶頂の余韻が残る乳首を強く挟んで弄んだ。連続絶頂にはめられた俺は何に悩んでいたのかも忘れ、手錠を鳴らして善がり狂った。
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