自称不感症の援交少年の陥落

ムーン

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上納の時間

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家に帰って俺はようやく正気に戻り、キョウヤとの時間が天国などではなく地獄だったと思い知った。
不感症だったはずの身体を開発され、弄ばれ、連続絶頂で何度も失神させられ、挙句の果てに顔と裸と個人情報を晒した動画を撮られ、住所まで知られてしまった。

「クソやべぇ……」

狭いワンルームで俺は絶望していた。キョウヤはあの動画をどう使うのだろう、晒されたら俺は終わりだ。六十万ももらってしまったけれど、あの動画をネタに強請られて六十万を取り返され、それ以上の金を要求されるかもしれない。

「どうしよう……どうしよう……ちくしょう、ちくしょうちくしょうっ……あんなのに会うんじゃなかった……!」

俺はようやく後悔という言葉の意味を実感した。



キョウヤから六十万という大金を渡された翌日、金を納めなければならない日、俺は三十万円を床に置いてその前に土下座していた。

「……こ、今月分です……ご確認ください」

「おーぅ……上等上等、しっかり稼いできたな」

タバコ片手に俺の頭を踏み、金を数えているのは俺の実の父親だ。

「はーっ、しっかしケツ使わせてこんだけ稼ぐとか、お前すげぇなぁ……やっぱ母親似だわ。てめぇのツラ分かってる美人ってタチ悪ぃよなぁ」

俺の整ったルックスは母親似らしい。俺を産んで死んだ彼女を見たのは写真でだけだったが、確かに俺にそっくりの美人だった。

「ほら、とっととこれ被ってこれ着ろ」

父は毎月約三十万の金の他に、俺に女装をしての奉仕を要求している。母の形見のワンピースを着て黒髪ロングのウィッグを被り、犯される。それが毎月の恒例行事……初めて犯されたのは小学生の時だったかな、あの頃はほとんど毎日だったから、一人暮らしをしている今の方がいくらかマシだ。

「めぐみっ……! クソ、てめぇ本当にそっくりだわ……ちきしょう、それ以上ガタイよくなんなよ、ヒゲも生やすな、ほら声作れ、得意だろ女声」

「…………あ、あなた……」

「めぐみ……めぐみっ、めぐみぃっ!」

母の名前らしい言葉を叫びながら、フローリングに俺を押し倒す。せめて布団くらい敷いて欲しいと思うだけ、不感症の俺は父の手が尻穴をほじくったってなんとも──

「んぁあんっ! ぁっ……? え……?」

──なんともない、はずだったのに。

「あ……? お前、不感症とか言ってなかったか? なんだ今の声」

「…………し、知らないっ、俺不感症で……あ、急に、急に指入れられたから、びっくりしただっ……け、ぇっ……ぁひっ、ひぃっ!」

三本の指が尻穴の中で蠢き、ぐちぐちと音を立てて俺の穴を犯す。何も感じなかったはずの腸壁が敏感な性感帯になっている。

「しっかり感じてんじゃねぇか」

「そ、んな……嘘だ、嘘だ、こんなの……」

キョウヤのテクニックで絶頂を味わったのは認めよう、キョウヤが上手かったんだ、俺は負けたんだ、それは認めよう。
でも、キョウヤに本当に身体を開発されたなんて、不感症を治されたなんて、そんなの認めない。認めたくない。

「ぁひぃんっ! んゃああっ……嘘っ、嘘だぁっ……不感症っ、だもんんっ……俺っ、ふかっ、んゃあんっ! やぁあっ! 感じたのっ、キョウヤさんだからだもんっ! 不感症治ってないもぉんっ! やだぁあっ!」

「きょーやさん? はははっ、なんだ、とんでもねぇ客でも引っ掛けたか? めぐみもあったんだよ、知らねぇ男に開発されて帰ってきて、俺に変なプレイやらせたこと。そんなとこまで似てるとはなぁ」

「ひぃんっ……んゃああっ! こねないでぇっ、俺のお尻変にしないでっ、父さんやめてぇっ!」

尻穴をほじくり回す父の手を掴み、泣きながら懇願すると顔を思い切り殴られた。

「…………ケツ使ってるって思わせんじゃねぇ、父さんなんて呼ぶんじゃねぇ! 今のてめぇはめぐみだ、めぐみ! 俺の女だ、女の声出して媚びろ!」

「ご、ごめんなさい、あなた……ごめんなさい……殴らないで……」

「めぐみ…………あぁ、ごめんなめぐみ、痛かったか? ごめんな……」

殴られたばかりの頬に父の唇が触れる。

「よしよし、もう痛くしねぇからな。こっちもしっかりほぐしてやる」

「……っ、あぁんっ! ひんっ、んんっ、ぁあんっ! んっ、んんんっ……!」

前立腺を弄られていないのに、腸壁を雑に撫でられただけなのに、俺はなんでこんな甲高い声で喘いでいるんだ?

「よさそうだなめぐみぃ……おらっ、Gスポえぐってやるよ」

「ぁひぃいんっ!? んぁああっ! そこっ、そこダメっ、ダメなとこぉっ! ぉっ……おっ、だめっ、らめっ、イくぅううっ!」

父の指が前立腺に辿り着くと数秒で絶頂を迎え、ワンピースの中に射精してしまった。今までは勃起すらしなかったのに、とうとう母の形見の服を汚してしまった。

「潮吹きか? へへ……めぐみ、今日は敏感だな」

「んぁっ! ぁ、はぁっ、はぁ…………んぁああぁあっ!?」

指が三本とも抜けて油断し、息を整えていると肉棒がとろけた尻穴に突き入れられた。

「どうだめぐみぃ、めぐみの大好きな俺の生ちんぽだぞ? 嬉しいか? あぁ? 嬉しいだろ」

いつもは何も感じない穴に陰茎を突っ込んでヘコヘコ腰を振る父をバカにしながら高い声を作って媚びてやるだけなのに、今日の俺は──いや、今日からの俺は違う。本当に喘いでしまう。

「ふぅっ、ふぅゔっ……うれ、しぃっ、嬉しい、あなたぁ……」

「売女、棒なら誰でもいいんだろ……媚びやがって。ぶち殺してやる」

ワンピース越しに腰を掴まれ、尻穴を激しく掘削される。スカートの中でじゅぼじゅぼと卑猥な音が鳴っている。

「ぁあんっ! ぁひんっ! ひぃいんっ! きもちぃっ、きもぢっ、ぃいいっ……! んぁっ! あぁっ、あぁあっ!」

父の陰茎はそれほど大きくないけれど、前立腺には届くし体位のせいか前立腺を押し潰してしまう。だから突き上げられる度にぷしゅぷしゅと精液だろう液体を吹き出して絶頂してしまう。

「イくぅうっ! イくっ、イくぅっ! いやぁあっ……もぉいやっ、きもちぃのいやぁっ!」

「いつもより締まりいいぜめぐみぃ……おらっ、おらっ! 種付けしてやっからもう一匹産めっ!」

「んぁあっ! ぁっ、ぉひっ……ひぃんんっ! イ、くぅぅっ……!」

父の陰茎が俺の体内でドクドクと脈打ち、俺の腹の奥へ精液を流し込む。

「ふーっ…………はぁっ、はぁ……はははっ、まさかてめぇがオナホじゃなくなるとはな。おい、てめぇそれならもっと稼げんだろ。今日から一日一万五千だ、分かったな」

「え……? そっ、そんな……」

「一ヶ月でだいたい四十五万だな。じゃ、また来月。さーて、新台でも打ってくるかな」

鉄製の扉が閉まる重たい音が部屋中に響く。ウィッグを外し、ワンピースを脱ぎ、すすり泣く。

「なんなんだよ、この身体ぁ……ふざけんなよっ、あのクソ野郎……クソ、クソっ、クソぉっ、ノルマ増えたしっ、ふざけんなぁっ、こんな身体でウリなんかできるかっ、ちきしょぉっ……クソ、クソクソクソっ!」

鼻を鳴らしながら無様に泣き、握り締めたワンピースがぐしゃぐしゃになっているのに気付く。

「…………母さん。ごめん、母さん……すぐ洗うから……」

ゼリーのように濃い精液を尻穴から零しながら浴室へ向かい、汚してしまった母のワンピースを手で洗う。

「なんで……なんで、こんなことに…………どうすればいいの……俺、これからどうすれば……四十五万なんて、ほんとにもう勉強する時間なくなっちゃう……」

ついたばかりの精液は比較的楽に排水溝に流れてくれて、ワンピースが綺麗になるのは早かった。

「母さん……」

ぐしょ濡れのワンピースを抱き締めて、記憶にない母の温もりを探る。

「…………母さんのとこ、いきたい……連れてってよ……もう、こっち居るのやだ……」

未来は闇に鎖されて見える。元々希望なんて見えていなかったけれど、何も感じなかった日常が地獄に変わるなんて、無警戒の代償には高過ぎる。
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