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まるで葡萄酒

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手を両方とも指を絡めて繋いだまま、カタラはゆっくりと俺を抱いてくれた。挿入も腰振りも全て丁寧でまるで処女のように扱われ、多幸感に満ちて連続絶頂にハマってしまった俺は、それでもなお快感を求めた。

「きもちぃっ……んぁっ、あぁんっ! カタラぁっ、もっとぉ……」

カタラが腰を揺らしにくくなる想像なんて出来ない俺は、インキュバス特有の軟体を活かして彼の腰に足を強く絡み付けた。おかげでカタラと密着は出来たが、突かれる快感は弱まった。だが同じくインキュバス特有の腸壁のうねりでカタラの陰茎を扱くから、総合的な快感の量は大して変わらない。

「んぁああっ……! あっ、はぁああんっ! イくっ、またイくぅううっ!」

「サク、ちょっ、締めすぎっ……無理、出るっ……!」

びゅるるっ……と勢いよく放たれた精液に腸壁を叩かれ、その快感によがる。染み込んでいく精液の美味さをゆっくりと味わっていると、絶頂の余韻に浸って痙攣している腸壁を萎えた陰茎に撫でられた。

「ひぅううんっ……!」

「……っ、ふー……悪ぃな、イった後いつまでもお前ん中居るのキツいからよ」

人を抱いた経験はないが、そりゃ入れている穴の肉壁がぐねぐねうねって絡み付いてくるのはキツいだろうな。射精直後なら尚更、俺なら潮を吹くだろう……そういえば潮って美味いのかな? 味はなさそうなイメージがあるけれど、どうなんだろう。

「ちょっと水飲みたい」

ピクピクと震える下腹を自分で撫で、マンドラゴラブーストのかかった今までのインキュバス生で最高の味を堪能する俺の隣に足を伸ばして座る。

「──我が求めに応じ、我が手に清水を湧かせよ、水の精──」

マンドラゴラを日頃から食べているらしいから当然なのだが、前回よりも味、栄養価共に高くなっている。過去最高だった前回を更に上回る──なんて前世で聞いたワインの評価を心中で真似て遊んでみたりしてしまう。

「いつでも水飲めるのか……精霊使いは便利でいいなぁ」

両手で作った器に水を溜め、飲んでいたカタラの肩に顎を乗せる。

「サク、どうだ? 美味かったか?」

「んー……」

カタラが水を飲み干して濡れた手を自身の肌で拭ったのを確認してから、彼の肩に抱きついて引っ張り倒した。

「すっごく美味しかった……今までで一番。だから、もっかい飲みたいなぁ……?」

カタラの腰の上に体重をかけずに跨り、まだ勃っていない陰茎に尻尾を絡め、ハート型の先端で亀頭を撫でる。

「はやく勃てて」

「……っ、出したばっかのもんあんまり刺激すんなよな」

「普段イかされまくってるから、復讐みたいなもんだよ」

「復讐? はっ、喜んでるくせによ。まぁまだ勃つには勃つが……視覚的な刺激も欲しいな」

扇情的なポーズでも取ればいいのだろうか? 頭の後ろで手を組み、軽く反ってみる……微妙かな? 前世で見かけたグラドルはよくこんなポーズをしていたのだが。

「俺は身体より顔で勃つ派だな」

「顔? 顔って……」

ひとまずカタラの顔に顔を近付けてみる。尻尾の感覚で既に半勃ちになっているのは分かっていたし、このまま続けていれば完勃ちまで持っていけるとも分かっているけれど、カタラに乗ってあげたくなった。

「……もしかして、こういう顔?」

間違っていても否定されることはないだろう。愛されているという自信を胸に、きゅっと自身の乳首をつまんだ。

「んっ……! 自分で触ると、ぁ、加減っ……しちゃうからっ……あんまり、いい顔見せらんないかも、だけどっ……どう?」

聞かなくても分かる、尻尾はカタラの陰茎の様子を完璧に感じ取っている。尻にも硬く膨れた陰茎の熱が伝わっている。

「ひぅっ……んっ、あっ……カタラぁっ?」

右手をベッドに突っ張って起き上がったカタラの左手が背に添えられる。存在しない胸の谷間を舐められ、自身の乳首を離してカタラの首に腕を回す。

「ひゃうんっ! んっ、あっ……ぁあっ! んゃっ、噛んじゃ、やだっ、あっ、ぁ、あぁんっ!」

下側かられろんと舐め上げられ、はむはむと唇越しに何度も甘噛みされる。仰け反って逃げることは許されず、ビリビリと痺れるような快感を胸に溜め続ける。

「ひ、ぁあぁっ……! や、ぁ……噛むならっ、もっと強くぅ……それじゃ、イけないっ」

「……胸でイきたい?」

「イきたいっ、イかせてカタラぁ……お願い」

情けないほどに大きくぷるんと勃った乳首を突き出して快感をねだる。カタラは俺の顔を見上げて口角を吊り上げて笑った。この顔が好きなのかと現在の自分の顔を意識するも、よく分からない。目が潤んでいるのがいいのかな……?

「ぁひぃんっ! んあっ、あっ、それやばいっ、きくっ、しゅごいぃっ! きもちぃっ、きもちぃよぉっ!」

唇を挟まず歯で直接かぷかぷと甘噛みしながら、乳首の先端を舌で弄る。痛みに似た強い快感に、単純に敏感な箇所への強い快感が重なり、電流のような快感が身体中に広がる。

「あぁああんっ! んっ、ぁ、あぁっ! もっと、もっと強く噛んでぇっ? そぉっ、そっ……ぁひぃっ!? イくっ、イくイくイくぅっ!」

カタラに片手で支えられながらも仰け反って絶頂を迎えると、カタラの口から乳首が離れた。

「は、ぁ……ぁあぁん…………きもひ、よかったぁ……さいこぉ、カタラしゅごい……ぁ、お腹汚しちゃったな、ふへへっ」

「なんだよ、俺にぶっかけたのがそんなに嬉しいか?」

「うん……次、カタラの番だよ。俺のナカにいっぱいぶっかけて」

カタラの陰茎に絡めていた尻尾をほどき、後孔を陰茎に擦り付ける。先端を僅かに濡らす程度の先走りの汁なんてすぐに俺の腸液に塗り潰されただろう。

「ん、あっ……ここっ、擦るだけでもぉっ……けっこ、気持ちぃ……」

腰を細かく揺らしてカタラの陰茎に吸い付いた後孔をちゅくちゅくと刺激する。穴を引っ張られるような不思議な感覚にハマり、それを続けていると先程までよりも顔を赤くしたカタラに腰を掴まれた。

「……そんな焦らすのやめてくれよ、サク」

美少女と見紛うような美顔が雄の色気を孕み、細く滑らかながらに男らしく筋張った手が俺の腰を叩き下ろす。

「ひっ……あぁああんっ! んっ、あぁぁっ、いれただけでっ、イっちゃったぁ……一気に全部ぞりぞりってしゅんのっ、やばいよぉ……」

「ビクビク痙攣しながら絡み付いてきやがって……俺だってすぐイっちまいそうだよ。お前から乗ってきたんだから、お前が動いてくれるんだろ?」

「んっ……騎乗位はぁ……インキュバスの専売特許だもんっ、搾り尽くしてやるからなぁ……?」

「とろっとろの顔してよく言うぜ」

すぐにイってしまいそうだと言ったばかりのくせに、余裕ぶって頭の後ろに手を組んでまで寝転がったカタラにはあまり言われたくない。

「本能で割と勝手に腰動くんだからなっ……ぁ、あっ……ひぁあんっ! ぁんっ! あっ、んっ、んぁっ、ぁ……! きもちぃとこっ、全部こしゅれるっ! 前立腺っ、はじかれてっ、こにぇっ、こっ、こね、られてぇっ! きもちっ、ぁ、イくっ、しゅぐイっちゃうゔぅっ!」

勢いのない、漏らしたような精液がカタラの腹を伝っていく。正常位の時はあまり汚せなかったカタラの身体を、今なら胸まで汚せそうだ。行為中に射精して食べているのに腹が減るのは厄介な生態だが、白い肢体を汚していく今だけは長所に思える。

「……っ、ぐ……えげつない腰使いしやがって」

「カタラの魔力美味しかったからっ、も、腰止まんないっ! はやくイってっ! 俺またイっちゃうぅっ……! 出してよぉっ、カタラぁっ!」

いくら本能で身体が動くと言っても、普段なら快楽で多少はブレる。けれどカタラの精液は美味過ぎて、絶頂しながらでも意識が飛びそうでも、俺の腰は止まらない。

「ん、なにっ……言わなくてもっ、すぐ出ちまうよっ……!」

「あっ……あぁあぁぁ……おいひぃ…………もっと、ちょーだい?」

「はっ? ちょっ、待て、連続は……!」

「あぁんっ! んんっ……! イったばっかのこしゅんのっ、きもちぃっ! 朝までしようねカタラぁっ」

絶頂を繰り返し敏感になった腸壁は半勃ちの陰茎との摩擦ですら強い快感を得られる。美味い精液が手に入るとなれば尚更、俺の食欲と性欲に熱が入った。
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