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二人がかりでじっくりと

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射精欲に頭を満たされたままふらふらと歩き、裸のままベッドに腰掛ける。俺の左右に座ったシャルと査定士は服を着ており、恥ずかしさを思い出す。

「シャ、シャルっ……俺も服着たい」

「要りますか?」

「私は必要ないと思うよ」

「僕も思います。なので二対一で兄さんの負け、大人しく裸でいてください」

俺が服を着るかどうかなのに、どうして多数決で決められなきゃならないんだ。そういう理不尽大好きだ。

「そんな……」

「着てもどうせすぐ脱ぐことになるんですから、そう落ち込まないでください」

シャルの尻尾が尻尾に絡みつき、きゅうっと締め上げる。快楽神経の塊である尻尾はそんな微かな刺激でも背骨がピリピリと痺れるような快感を得る。

「ひ、ぁ」

「サク、何をして欲しいか言ってごらん?」

「射精、させっ……てぇ」

血管が浮くほどに勃起した陰茎はだらだらと先走りの汁を垂らしている。

「……でも、兄さん。兄さんは僕達へのお祝いとして兄さん自身をくださるんですよね? なら、僕達が兄さんのお願いを聞くかどうかは僕達の自由ですよね」

「そ、そんなっ」

「サク、まだ射精させないなんて言っていないだろう? シャル、決定は君に任せるよ」

「ありがとうございます、では……」

白く細く長く、ピアニストのように器用に動くその指が、白魚のような手が、俺の陰茎をきゅっと掴む。陰茎の根元に特に力を込めて。

「……おじさんは兄さんの胸をお願いします」

「分かったよ」

査定士は俺の背後に移動し、シャルはベッドから降りて俺の真正面に周り、床に膝立ちになった。

「僕はここをしてあげますね」

「あ、ありがとうっ……シャル、頼む……出させてくれ」

シャルは陰茎を掴んでいる、俺の願いを聞いて射精させてくれるつもりなのだろう。

「ふふ……兄さん、目のハート模様がとっても濃くなってますよ? まだ触ってないのに……」

強く掴まれていると陰茎の脈打ちの存在感が増す、血が止められているような気さえする。しかし、先走りの汁は溢れて止まらない。シャルの手をどんどん汚していく。

「触っちゃったらどうなるんでしょう……」

陰茎をきゅっと握っている方とは反対の手が亀頭に近付く、数センチ離れて亀頭を撫でる。

「ぁ、あ、ぁあっ……シャルぅっ、触ってくれっ、頼む、触ってくれよぉっ」

「……サ、ク」

「ひぁっ!?」

背後から耳にふぅっと息を吹きかけられた、査定士だ。

「私を忘れないでもらいたいね」

査定士の手が胸の側面を撫でる。下側を揉む。乳輪にすら触れずに肌をくすぐる。

「は、ぁっ、ふ、ぅっ……ぁああっ、おじさん、お願いっ……乳首もしてぇっ」

腕を後ろに回し、査定士の首に絡みつける。シャルに見せつけてしまうようにした腋を査定士の指が撫でる。

「ひぁっ!? ぁ、ふぁっ、ひ、ふふっ、は、ぁははっ! ゃだっ、おじさ、んんっ! こしょばっ、ぁああっ!」

指先でくすぐるようにするのではない、指の腹ですりすりと撫で回されている。しかしそれでもくすぐったく、身体を弓なりに反らしてしまう。

「ぁ、あぁあっ……んぁあっ!?」

シャルがとうとう手のひらで亀頭を擦り始めた。すぐに射精してしまいそうになるが、ダメだ。シャルはもう片方の手で強く陰茎の根元を掴んでいる、精液が外へ出ていかない。

「ぁ、あっ……? なんでっ、シャルっ? シャルぅっ、出させてっ、射精させてぇっ!」

「出していいですよ?」

「出ないのぉっ! シャルが、んぁあっ、強く握ってるからぁっ! ひぁあぁああっ!?」

シャルにばかり集中していると査定士が不意打ちで乳首をぎゅうぅっと抓られた。

「いっ、んっ、ぁあぁっ! ぁひっ!? ひぃいいっ……!」

「よく反るねぇ、気持ちいいかい?」

「き、もひっ、ひぃいっ、乳首イくっ、んゃああ出ないぃっ、手ぇはなひてシャルぅっ!」

「……っと、あんまり仰け反られると困るよサク、腹筋には自信がないんだ」

乳首は確かに絶頂を迎えたけれど、精液は出ない。シャルが強く陰茎の根元を掴んでいるため、せき止められてしまっている。生え際がぷっくり膨らんでいる気さえする。

「くる、しぃ……のぉっ! 出ないのやだぁっ!」

「……そんなに出したいんですか?」

「出したいよっ!」

シャルはにぃと笑って口を大きく開け、長さを教えるように舌を突き出す。俺の陰茎に舌を絡めてゆっくりと口内に導いていく。

「あ、ぁ、シャル……」

ぱく、と陰茎が咥えられた。激しくしゃぶられるのだろうと予想し、シャルの口腔の温かさに昂る。

「サク、可愛い弟に咥えてもらった気分はどうだい?」

「さい、こぉ……」

「シャル、聞いたかい? 最高だって」

「ん……」

小さく頷いたシャルは喉奥まで俺の陰茎を飲み込むと同時に精液をせき止めていた手を離し、俺の射精を許した。

「あっ、ぁあぁあああっ!?」

ドクドクと恐ろしい勢いで精液が流れ出ていく。尿道が痛むほどに、鈴口が開きっぱなしになるほどに、多量の精液がシャルの喉へと落ちていく。

「あ、ぁぁああ……で、てるっ、止まんな、ぁあぁあっ……ひ、ぃっ」

「……っ、サク……体勢を戻せないかい? 私も頑張るけど……」

尻を浮かせて仰け反り、査定士に全体重をかけている。申し訳ないと思っていてもピンと伸びた身体の力は抜けない。

「んっ、ん、んん……」

溢れ出る精液の量が減り、少し余裕が出来るとシャルの顔が見えた。美味しそうに目を蕩けさせ、苦しそうに眉を顰め、喉仏をごくごくと動かしている。

「しゃ、る……」

可愛い弟に精液を飲ませる背徳感は何度飲ませても薄まらない、ゾクゾクと背骨を冷やす快感がある。

「ん、ん……おい、ひぃ……れすよ、兄さん」

インキュバスにとって精液は生命だ。生命が流れ出るのが快感だなんて、死にやすいと言われるわけだ。

「もっと出ますよね?」

「ひぁっ!?」

射精が収まるとシャルは俺の陰茎に絡みつけた舌を動かし始めた。幹部分を舐め回され、亀頭を喉の内壁にごりごりと擦り付けられ、射精直後の陰茎を襲う強い快感に悶える。

「イぐっ、ぅうぅっ、ぁあぁあっ! 出るっ、ひぃいっ!? んぁあっ、ぁああーっ! むりっ、だめ、吹いちゃうぅっ……!」

精液ではなく潮を吹き、恥ずかしく思う暇もなく絶頂させられる。俺の陰茎にしゃぶりつくシャルの勢いは弱まらない。

「も、もう無理……」

俺を支え続けていた査定士の腹筋が限界を迎えたようだ。仰け反る俺に対し踏ん張ってくれていた彼はとうとう後ろに倒れ、自身の上に俺を寝かせた。

「シャルっ! しゃるぅぅっ! もぉだめっ、らめぇえっ! これ以上出たらしんじゃぅぅっ!」

いつの間にか腰にシャルの腕が絡みついている。もう俺がいくら暴れても、腰を振っても、何をしても無駄だ。シャルが飽きるまで精液を搾られるしかないのだ。

「ぁ、ひっ、ひぃいっ……! もぉっ、でな、ぁあっ……イくっ!」

死の気配を感じ始めた頃、シャルはようやく口を離してくれた。

「ひゃ、るぅ」

「美味しかったですよ兄さん。おじさんもお疲れ様です。さ、兄さん、お腹が空きましたよね? たっくさん食べさせてあげますからね」

絶頂させられまくったばかりなのに、今度は後孔をほじくられてまた連続絶頂がやってくる。そう察した俺の顔は自然と笑顔になっていた。
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