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森も河原も二人のもの
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馬車を降りて爽やかな朝の森の空気を楽しむ。朝露に濡れた植物の匂い、土の匂い……深呼吸が捗る。
「サク、行くぞ」
「あぁ、うん。ありがとうございましたー」
馬車の御者に礼を言い、馬にも礼を言いながら顔を撫で、手を振ってカタラの元へ走った。
「愛想いいなぁお前、そんなんだから変な奴に絡まれるんだぞ」
「お礼は言わなきゃだろ」
「御者のおっさん、顔赤くしてたじゃねぇか。サクってば罪な男」
俺は「インキュバスだから」で向こうもある程度覚悟や言い訳ができると思う。本当に罪作りなのはただの人間なのに可愛らしいカタラの方だ。
「それで、マンドラゴラの群生地ってどこだよ」
「ここ。殺す前に抜いたらこっちが死ぬから気ぃつけろよ」
カタラに促されて地面に視線を移すと見慣れない形の草が大量に生えていた。人参だとかに似ている気もするが、葉はギザギザしていて色も禍々しい。
「串使うんだっけ」
「基本はな。俺は精霊を使う」
カタラの手のひらにはいつの間にか光が宿っていた。
「さ、デカいの探すぞ。サクは掘り返すの手伝ってくれな」
「あ、うん……大きいのか。葉っぱ大きいと根っこも大きいのか?」
「あぁ、単純でいいだろ?」
死の危険があるとはいえ、ちゃんと気を付けていれば問題ないようだ。散歩のついでのような、やはりレジャー気分で楽しめそうだ。
「カタラ、手繋ご」
「あ、ぅ、うん……はは、なんか照れるな」
「今更? あははっ、俺も一緒」
アブノーマルなプレイもこなした仲なのに、まるで純潔の者同士のように手を繋いだだけで顔を赤くする。紅潮した頬を見合って笑い合い、しっかりと指を絡めて爽やかな朝の森を歩いていく。
「これ大きいぞ」
「おっ……ぁー、葉が虫食ってるな、魔力弱いわ。葉っぱ元気なやつ探してくれ」
「元気なやつ……あっちのか?」
「おっ、アレはいいな。取るか」
ずっとカタラの可愛い顔を見ていたかったけれど、我慢して大きなマンドラゴラを探した。どれがいいなんて話し合うのは楽しくて仕方なかった。インキュバスの俺でも性行為前のデートを楽しめるのだと自信がついた。
「精霊を使うって具体的にはどうするんだ?」
「蒸し焼きにするんだ。見てろよ──我が求めに応じ、敵を熱せよ、炎の精──」
カタラの手から赤い輝きが大きなマンドラゴラへと移る。光が地面に潜ってしばらく、マンドラゴラのものだろう呻き声が聞こえた。
『ゥアァアアア……!』
「静かになったら抜くんだ」
「……なんかやだな」
「すぐ掘ったら手火傷しちまうから冷めるまで他の探そうか。おっ、これもいいな」
また赤い光が土の中に潜る。俺は咄嗟に耳を塞いだ。
「サク? 土の中からの声なら聞いても何ともないぞ? え……まさかインキュバスって人間より耐性低いのか?」
「い、いや……熱い熱いって苦しそうな声聞くの、嫌で……」
「ははっ、マンドラゴラだぞ? サクは優しいなぁ」
分かる言葉で苦しまれたら躊躇して当然だと思うのだが、それは俺の前世からの平和ボケした価値観なのか? あぁ……そうかもな、会話出来るのにオークとかはシャルが料理してたんだもんな、カタラ腹壊したけど。
「……なんかこう、痛がらせない殺し方ないのか? 可哀想なんだけど……」
「水の精霊で窒息とか? いや、それじゃ死なないか。植物って葉っぱで息してんだもんな、葉っぱ切るか?」
『ゥアー!』
「可哀想……」
「もー、向こう行っとけよ。俺一人でやるから」
「……なんか、ごめん」
楽しい森レジャーをしに来たのにな……と落ち込みながらマンドラゴラの群生地から離れる。ふらふらと歩いていくと河原を見つけ、涼やかな景色に夢中になった。
「わ……! 綺麗な川……」
靴を脱ぎ捨て、足を浸す。流れていく水と川底の丸石の踏み心地が楽しい。
「……後でカタラ呼ぼっかなー」
一人ではしゃぐには難易度が高い年齢だが、二人なら恋人同士の川遊びを楽しめるだろう。水を掛け合って、濡れて透けた服に照れたり──カタラの服分厚いし重ね着なんだよな、透けるの俺だけだ。
「今度みんなでバーベキューとか……ぁ、子供達には狭いか……海だな、海、砂浜ならもっと広いし、海ならアイツらも好きに泳げる。相談しなきゃ」
巨体のドラゴンである我が子達が気兼ねなく遊べる場所を用意するのは大変そうだが、魔王として母親として頑張らなければ。
平和な生活を手に入れても頑張りは終わらないのだ、むしろこれからが人生の始まりだ。
「サクー! サークー……あっ、居た。なんだ、川遊びか? 可愛いヤツだな」
「カタラ、マンドラゴラはもういいのか?」
「あぁ、もう袋に入んねぇよ」
「そっか。なぁ、カタラも川で遊ぼ、泳げるだろ?」
カタラは一瞬顔を曇らせたが、すぐに笑顔に戻って荷物を下ろし、分厚いマントを初めとして何枚も上着を脱いだ。
「……っしゃ、泳ぐぞー!」
「カタラ……川苦手だったりするのか?」
「ん? いや、ガキの頃に何度か流されたってだけだ、こんな浅い川なら大丈夫だろ」
そういえば、赤子の頃に川に流されて捨てられたとか、色々聞いたな……なんで失念していたんだ。でもまぁ、カタラは本当に平気そうだし、いい思い出で塗り潰すのもアリだよな。
「冷たっ、水綺麗だな、底が見える……ぅわっ!?」
大きな水飛沫が上がった。慌てて向かってみればカタラが尻もちをついている。川に腹まで浸かってしまっている。
「カ、カタラっ!? 大丈夫か?」
「……苔生えてるとこ踏んだみたいだ、滑っちまった」
「何度も流されるわけだな……浅くてよかった」
「服びしょ濡れだな、脱いだ方がいいぞ」
河原に戻り、カタラはぐしょ濡れの下着まで脱いで全裸になった。その肌は相変わらず白く美しい、冒険をして魔物と戦ってきたとは思えない。
「──我が求めに応じ、我が服を乾かせ、炎の精──」
精霊をドライヤー代わりに使う彼の身体にはネメスィのような傷跡がない。後衛だからか?
「ふぅっ……頼むぜ炎の精。しばらく待てば乾くだろ。何ジロジロ見てんだよサク、えっち」
「……カタラって体綺麗だよな」
「な、なんだよ……ありがと?」
「ほら……ネメスィはいっぱい傷跡あるじゃん」
くしゃみをしたカタラに彼の上着を何枚か羽織らせ、服を乾かしている炎の精の近くにしゃがませる。
「あぁ、俺怪我の治り早いんだよ……って思ってた」
「た? 過去形?」
「ほら、ネメスィ……なんかすごいスライムだろ?」
「あぁ、うん、ショゴスな」
頭羽にぶら下げたショゴスを模したストラップをつつく。
「……俺の怪我、治してたんだよアイツ。俺だって深い傷負ったり、なんなら指なくしたり目潰されたり……色々怪我したよ」
ショゴスはあらゆる細胞を再現する生物だ。カタラの細胞を再現し、欠損箇所を埋めていたということだろうか。
「…………ネメスィの野郎、自分は傷だらけだろ? アレ、多分……傷跡残らないのは人間っぽくないとか思ってるんだぜ」
「あぁ……そんな感じする」
「そのくせ、俺には傷跡残さねぇようにすんの。俺眠らせて、怪我治して……で、起きたら治り早いなって、綺麗に治ったなって、怪我したはずの場所撫でるんだ。てめぇが治したんだろってな、ははっ…………はぁ、なんで言ってくれなかったんだろうなぁ」
ネメスィがショゴスだと分かった時、カタラは彼が秘密にしていたことを怒っていた。未だに気にしていたのか。
「……カタラに嫌われたくなかったんだよ」
「そんなことで俺が嫌うわけないって、それ分からせられてなかったの、悔しいんだよなぁ」
俯くカタラに身を寄せ、彼の細い腰に尻尾を巻いた。
「…………なぁ、これ言ったら変な誤解されるかもしれないけど、違うって断っとくぜ」
「うん、何?」
「……ネメスィなぁ、俺のこと大好きなんだぜ」
「分かるよ、二人は家族みたいだもん。兄弟とか、そんな感じ……信頼し合って背中預け合ってさ、羨ましいよ」
俺は誰かに背中を任せられるほど強くないから、いつも背に庇われてばかりだ。
「そう……兄弟なんだ、家族なんだよ。ネメスィが兄貴ヅラしてるよ、ふふ……」
「……うん」
「…………あー、やめやめ! せっかくサクと二人っきりなのにネメスィの話ばっかり! サク、もうお前も脱げよ、川泳ごうぜ!」
「え、ちょっ……いや、俺は……!」
上着を跳ね飛ばしたカタラに押し倒され、脱がされ、川に引っ張り込まれた。カタラはやっぱり転んで川に浸かり、そもそも泳げる深さじゃないなと後から気付いて笑い合った。
「サク、行くぞ」
「あぁ、うん。ありがとうございましたー」
馬車の御者に礼を言い、馬にも礼を言いながら顔を撫で、手を振ってカタラの元へ走った。
「愛想いいなぁお前、そんなんだから変な奴に絡まれるんだぞ」
「お礼は言わなきゃだろ」
「御者のおっさん、顔赤くしてたじゃねぇか。サクってば罪な男」
俺は「インキュバスだから」で向こうもある程度覚悟や言い訳ができると思う。本当に罪作りなのはただの人間なのに可愛らしいカタラの方だ。
「それで、マンドラゴラの群生地ってどこだよ」
「ここ。殺す前に抜いたらこっちが死ぬから気ぃつけろよ」
カタラに促されて地面に視線を移すと見慣れない形の草が大量に生えていた。人参だとかに似ている気もするが、葉はギザギザしていて色も禍々しい。
「串使うんだっけ」
「基本はな。俺は精霊を使う」
カタラの手のひらにはいつの間にか光が宿っていた。
「さ、デカいの探すぞ。サクは掘り返すの手伝ってくれな」
「あ、うん……大きいのか。葉っぱ大きいと根っこも大きいのか?」
「あぁ、単純でいいだろ?」
死の危険があるとはいえ、ちゃんと気を付けていれば問題ないようだ。散歩のついでのような、やはりレジャー気分で楽しめそうだ。
「カタラ、手繋ご」
「あ、ぅ、うん……はは、なんか照れるな」
「今更? あははっ、俺も一緒」
アブノーマルなプレイもこなした仲なのに、まるで純潔の者同士のように手を繋いだだけで顔を赤くする。紅潮した頬を見合って笑い合い、しっかりと指を絡めて爽やかな朝の森を歩いていく。
「これ大きいぞ」
「おっ……ぁー、葉が虫食ってるな、魔力弱いわ。葉っぱ元気なやつ探してくれ」
「元気なやつ……あっちのか?」
「おっ、アレはいいな。取るか」
ずっとカタラの可愛い顔を見ていたかったけれど、我慢して大きなマンドラゴラを探した。どれがいいなんて話し合うのは楽しくて仕方なかった。インキュバスの俺でも性行為前のデートを楽しめるのだと自信がついた。
「精霊を使うって具体的にはどうするんだ?」
「蒸し焼きにするんだ。見てろよ──我が求めに応じ、敵を熱せよ、炎の精──」
カタラの手から赤い輝きが大きなマンドラゴラへと移る。光が地面に潜ってしばらく、マンドラゴラのものだろう呻き声が聞こえた。
『ゥアァアアア……!』
「静かになったら抜くんだ」
「……なんかやだな」
「すぐ掘ったら手火傷しちまうから冷めるまで他の探そうか。おっ、これもいいな」
また赤い光が土の中に潜る。俺は咄嗟に耳を塞いだ。
「サク? 土の中からの声なら聞いても何ともないぞ? え……まさかインキュバスって人間より耐性低いのか?」
「い、いや……熱い熱いって苦しそうな声聞くの、嫌で……」
「ははっ、マンドラゴラだぞ? サクは優しいなぁ」
分かる言葉で苦しまれたら躊躇して当然だと思うのだが、それは俺の前世からの平和ボケした価値観なのか? あぁ……そうかもな、会話出来るのにオークとかはシャルが料理してたんだもんな、カタラ腹壊したけど。
「……なんかこう、痛がらせない殺し方ないのか? 可哀想なんだけど……」
「水の精霊で窒息とか? いや、それじゃ死なないか。植物って葉っぱで息してんだもんな、葉っぱ切るか?」
『ゥアー!』
「可哀想……」
「もー、向こう行っとけよ。俺一人でやるから」
「……なんか、ごめん」
楽しい森レジャーをしに来たのにな……と落ち込みながらマンドラゴラの群生地から離れる。ふらふらと歩いていくと河原を見つけ、涼やかな景色に夢中になった。
「わ……! 綺麗な川……」
靴を脱ぎ捨て、足を浸す。流れていく水と川底の丸石の踏み心地が楽しい。
「……後でカタラ呼ぼっかなー」
一人ではしゃぐには難易度が高い年齢だが、二人なら恋人同士の川遊びを楽しめるだろう。水を掛け合って、濡れて透けた服に照れたり──カタラの服分厚いし重ね着なんだよな、透けるの俺だけだ。
「今度みんなでバーベキューとか……ぁ、子供達には狭いか……海だな、海、砂浜ならもっと広いし、海ならアイツらも好きに泳げる。相談しなきゃ」
巨体のドラゴンである我が子達が気兼ねなく遊べる場所を用意するのは大変そうだが、魔王として母親として頑張らなければ。
平和な生活を手に入れても頑張りは終わらないのだ、むしろこれからが人生の始まりだ。
「サクー! サークー……あっ、居た。なんだ、川遊びか? 可愛いヤツだな」
「カタラ、マンドラゴラはもういいのか?」
「あぁ、もう袋に入んねぇよ」
「そっか。なぁ、カタラも川で遊ぼ、泳げるだろ?」
カタラは一瞬顔を曇らせたが、すぐに笑顔に戻って荷物を下ろし、分厚いマントを初めとして何枚も上着を脱いだ。
「……っしゃ、泳ぐぞー!」
「カタラ……川苦手だったりするのか?」
「ん? いや、ガキの頃に何度か流されたってだけだ、こんな浅い川なら大丈夫だろ」
そういえば、赤子の頃に川に流されて捨てられたとか、色々聞いたな……なんで失念していたんだ。でもまぁ、カタラは本当に平気そうだし、いい思い出で塗り潰すのもアリだよな。
「冷たっ、水綺麗だな、底が見える……ぅわっ!?」
大きな水飛沫が上がった。慌てて向かってみればカタラが尻もちをついている。川に腹まで浸かってしまっている。
「カ、カタラっ!? 大丈夫か?」
「……苔生えてるとこ踏んだみたいだ、滑っちまった」
「何度も流されるわけだな……浅くてよかった」
「服びしょ濡れだな、脱いだ方がいいぞ」
河原に戻り、カタラはぐしょ濡れの下着まで脱いで全裸になった。その肌は相変わらず白く美しい、冒険をして魔物と戦ってきたとは思えない。
「──我が求めに応じ、我が服を乾かせ、炎の精──」
精霊をドライヤー代わりに使う彼の身体にはネメスィのような傷跡がない。後衛だからか?
「ふぅっ……頼むぜ炎の精。しばらく待てば乾くだろ。何ジロジロ見てんだよサク、えっち」
「……カタラって体綺麗だよな」
「な、なんだよ……ありがと?」
「ほら……ネメスィはいっぱい傷跡あるじゃん」
くしゃみをしたカタラに彼の上着を何枚か羽織らせ、服を乾かしている炎の精の近くにしゃがませる。
「あぁ、俺怪我の治り早いんだよ……って思ってた」
「た? 過去形?」
「ほら、ネメスィ……なんかすごいスライムだろ?」
「あぁ、うん、ショゴスな」
頭羽にぶら下げたショゴスを模したストラップをつつく。
「……俺の怪我、治してたんだよアイツ。俺だって深い傷負ったり、なんなら指なくしたり目潰されたり……色々怪我したよ」
ショゴスはあらゆる細胞を再現する生物だ。カタラの細胞を再現し、欠損箇所を埋めていたということだろうか。
「…………ネメスィの野郎、自分は傷だらけだろ? アレ、多分……傷跡残らないのは人間っぽくないとか思ってるんだぜ」
「あぁ……そんな感じする」
「そのくせ、俺には傷跡残さねぇようにすんの。俺眠らせて、怪我治して……で、起きたら治り早いなって、綺麗に治ったなって、怪我したはずの場所撫でるんだ。てめぇが治したんだろってな、ははっ…………はぁ、なんで言ってくれなかったんだろうなぁ」
ネメスィがショゴスだと分かった時、カタラは彼が秘密にしていたことを怒っていた。未だに気にしていたのか。
「……カタラに嫌われたくなかったんだよ」
「そんなことで俺が嫌うわけないって、それ分からせられてなかったの、悔しいんだよなぁ」
俯くカタラに身を寄せ、彼の細い腰に尻尾を巻いた。
「…………なぁ、これ言ったら変な誤解されるかもしれないけど、違うって断っとくぜ」
「うん、何?」
「……ネメスィなぁ、俺のこと大好きなんだぜ」
「分かるよ、二人は家族みたいだもん。兄弟とか、そんな感じ……信頼し合って背中預け合ってさ、羨ましいよ」
俺は誰かに背中を任せられるほど強くないから、いつも背に庇われてばかりだ。
「そう……兄弟なんだ、家族なんだよ。ネメスィが兄貴ヅラしてるよ、ふふ……」
「……うん」
「…………あー、やめやめ! せっかくサクと二人っきりなのにネメスィの話ばっかり! サク、もうお前も脱げよ、川泳ごうぜ!」
「え、ちょっ……いや、俺は……!」
上着を跳ね飛ばしたカタラに押し倒され、脱がされ、川に引っ張り込まれた。カタラはやっぱり転んで川に浸かり、そもそも泳げる深さじゃないなと後から気付いて笑い合った。
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