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宿泊施設は本番禁止

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筋肉も脂肪も少ない、ふにっと柔らかい白い細腕が首に絡みつく。長い舌が喉奥まで押し入って粘膜の肉壁を舐め回し、快感の中で嗚咽する俺は舌を動かせなくなる。

「んっ……ん、んんっ……!」

息継ぎなんて許されない。上顎も歯茎も舌の裏も丁寧に愛撫され、酸素不足の脳がゆっくりととろけていく。

「……っ、ん……」

頭羽の揺れも遅くなっていき、目を開けていても何も見えなくなる頃、シャルはようやく口を離してくれた。

「はぁっ、はぁっ……はぁ…………しゃ、る」

「……兄さん、ちょっと待ってくださいね。片付けちゃいますから」

シャルは裁縫道具を素早く片付けるとすぐに仰向けの俺の元へ戻ってきた。

「兄さん……キスしただけなのにトロトロですね。そんなに気持ちよかったんですか?」

唇をそっと撫でられ、無意識に口を開けてしまう。シャルは微かに笑って親指を唇の隙間から口内へ差し込んだ。

「ん……んっ、ん、ん……」

ちゅうちゅうとシャルの親指を吸う。爪と指の腹の舌触りの違いを楽しむ。

「……美味しいですか?」

「ん……別に」

「ですよね、指なんてしゃぶっても仕方ないですよ。ね、兄さん……もっと美味しいものしゃぶりますか?」

シャルは俺の左手首を掴み、ズボンの下で膨らんでいる性器の硬さを教えた。

「……セックス禁止って言ってたから」

わざわざ全員一人部屋にされたのは性行為に及ばないようにだとネメシスに説明されたばかりで違反するなんて出来ない。

「僕が言ってるのは上のお口でしゃぶりますかってことですよ」

「上のってお前……そんなオヤジ臭いこと言って……」

シャルは俺の胸の上に跨り、ズボンをズラして性器を俺の眼前に突き出した。

「ぁ…………」

凶悪な巨根に目を奪われる。雄の匂いに鼻腔を犯される。

「欲しくないんですか?」

「だっ……て、このホテルっ、セックス禁止……」

「セックスじゃありませんよ」

「で、でもっ……部屋、汚すなとか、騒がしくするなってことだろうし……」

隣室に嬌声が聞こえたらと思うとなかなか踏ん切りがつかない。

「兄さんがちゃんと全部飲めたら汚れませんし、お口を塞ぐんですから声なんて出ませんよね?」

「そ、う……だな。でも……」

渋る俺の鼻にピタッと亀頭が触れた。俺は何も考えられなくなって舌を突き出し、血管が浮いた巨根の裏筋を舐め上げた。

「は、ぁっ……ん、んんっ、はむっ、んんっ、んむ、ん、んっ……」

一度舐めると抑えが効かなくなり、俺はシャルの陰茎を犬のようにぺろぺろと舐めた。そうし始めるとシャルは嗜虐的な笑顔を浮かべて俺の胸からどいてしまう。

「あっ……や、やだっ、待って……」

陰茎しか目に入らなくなった俺は足を伸ばしてベッドに座ったシャルの足の間で土下座をするように丸まり、陰茎を咥えた。

「……可愛いですね、兄さん」

「ぁむっ、ん、んんっ……!」

喉奥まで咥えてシャルを見上げる。俺だけを見つめる紫の瞳は淫らに濡れ、頬を紅潮させ、頭羽をパタパタと揺らして上機嫌そうだ。

「ん、ぷはっ……シャルのが、可愛い……ん、んっ……」

「兄さん……またそんなこと言って」

頭羽の揺れが激しくなった。俺は亀頭だけを咥えて熱く脈打つ幹部分を握り、浮き出た血管をへこませるように扱きながらシャルの表情変化を眺めた。

「ん、んっ……ん……シャル、これ好きだろ」

「……っ、兄さん……」

シャルはいつも穏やかな微笑みを俺に見せている。しかし、カリ首に唇を合わせて長い舌で亀頭をくすぐってやると笑顔が崩れる。

「にぃ、さんっ……上手、ですよね。兄さんっ……」

笑顔を保とうとしているのか、快楽のせいなのか、口角が半端に上がって歪な笑顔になっている。余裕のなさが現れていて可愛い。

「はっ……ぁ、兄さんっ、そこ、はっ……」

「ん、ろこ? ここ?」

「咥えたまま喋らないでっ……ぁ、そこっ、そこです、兄さんっ……そこ好きです……」

裏筋のある箇所が好きらしいので、そこを親指で軽く押してやる。するとシャルは目を閉じ、口も固く閉じた。

「……っ、ん……はぁっ、ふっ……ぅ、ぅっ……」

声を上げるのは恥ずかしいのか、呼吸と一緒に微かな音が漏れるだけだ。もっと声を上げて欲しいのだが、今は頭羽の激しい羽音で勘弁してやろう。

「兄さんっ……もうっ、出ちゃいますっ」

「ん、分かった…………んゔっ! ぅ、んん……」

口内で脈打つ陰茎、喉の粘膜を叩く勢いのいい精液……食事に満足し、デザートとして尿道に残っていた精液を吸い出し、よく味わって体を起こした。

「…………可愛いなぁ、シャルは」

口と目を半端に開けて快楽の余韻に浸っていたシャルの頬を撫でると口が閉じ、垂れていた頭羽がまた揺れ始めた。

「……なぁシャル、俺のことお兄ちゃんって呼んでみ」

服を整えているシャルに思い付きの提案をしてみる。

「お兄ちゃん、ですか? 前にもそんなふうにしましたけど……失礼じゃないですか?」

「兄弟なのに失礼も何もないだろ。敬語も禁止、いいな?」

頭羽を垂らして困惑していたが、キッと覚悟を決めた目をして頷いた。そんなに気を張らなくてもと思いつつ、シャルを抱き締める。

「………………シャル?」

何か言うのを期待していたが、シャルは何も言わずに俺を見つめている。

「えっと……お兄ちゃんにぎゅっとされてるけど、何か言うことないのか?」

首を傾げている。まさか、敬語を禁止にしたらどう話していいか分からないとか?

「……シャル、お兄ちゃんはシャルの可愛い声聞きたいな」

「…………あー」

「ほんとに声だけじゃなくてな。敬語なしで話すの難しいか?」

「……すいません」

「そこはごめんだけでいいんだぞ」

困惑しながら、怯えるような仕草も見せつつ、シャルは震える声で「ごめん」と呟いた。

「よしよし、可愛いなぁ~! いい子だ、続けてみようか」

「……はい」

「はいはうんにしてみよっか」

「う、うん……分かりまし……分かった、お兄ちゃん」

「そうそう! やれば出来るじゃないか、可愛い可愛い」

大袈裟に褒めて撫でてやるとシャルは頬を緩め、甘えるような声で話すようになった。

「お兄ちゃんに構ってもらえるの嬉しい……」

「あーっ! 可愛い! 超可愛いぞシャル!」

「可愛いなんて……照れる……」

顔を赤らめて俯いたシャルの頬を優しく包んで持ち上げてやると目を逸らされる。

「あんまりじっと見ないで、お兄ちゃん……顔熱くて、変になりそう」

散々セックスをした仲なのに未だにそんなふうに照れるのか。シャルの感覚はよく分からないが、とにかく可愛い。

「……でも、お兄ちゃんに褒められるのも、撫でられるのも、大好き。お兄ちゃん……!」

シャルの腕がようやく俺の背に回った。

「お兄ちゃん、お兄ちゃん……ずっとずっと、ここに居てね。今日だけじゃなくて明日も明後日もずっとずっとずーっとここに泊まってね……お兄ちゃん」

「もちろっ……ぁ、や、そうだな、一人で寝るのも寂しいし、まぁ頻繁に来ると思う。シャルが俺の部屋に来てくれてもいいんだぞ」

粘っこく甘い声に思わず二つ返事で了承してしまいそうになったが、なんとか踏みとどまってはぐらかした。

「明日、街の方に出かけてみないか? さっきこの島の魔王さんに挨拶に行った時、ちょっと街見たんだが……色んな店があったぞ。手芸に興味あるならそういう店も探してみるか?」

「お出かけ……お兄ちゃんとお出かけは楽しそうだけど、でも……大丈夫かな。街に堂々と出て……」

「大丈夫大丈夫、ここは魔物いっぱい住んでたよ。オークもオーガもインキュバスも、みんな仲良さそうにしてた」

「…………ほんと?」

首を傾げる仕草の可愛さも普段の1.5倍の破壊力。シャルの首傾げは俺特攻の必殺技だな。

「……お兄ちゃんとお出かけ、楽しみ。早く明日にならないかな」

「今日は早めに寝るか」

「うんっ」

敬語なしに慣れてきたのか、返事が早くなってきた。可愛い弟のデートのため、俺も今日は早めに寝よう。
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