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飲むのは自分のものばかり

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ベッドの上で猫が伸びをするような体勢を取り、査定士に穴を優しく丁寧に弄り回されて甘やかな絶頂を迎えた。

「はぁ、はぁ……おじさん、お腹減った……おじさんの欲しい……」

ぱくぱくと収縮して男根を欲しがる穴を目立たせるように尻尾と腰を揺らし、挿入をねだる。

「おじさん……入れて?」

「まだまだ夜は長いんだよ、サク。君が今食べるべきなのはこっちなんだ、ごめんね」

査定士は俺の穴の縁に指を当て、くぱぁっと穴を開いた。

「んゃっ……恥ずかしい…………ひぁっ!?」

ぽっかりと空いた穴のようにされた後孔にコップに溜めさせられていた俺自身の精液が注がれる。

「ゃ、あぁっ! やらっ、美味しくないっ、これ嫌! これ嫌ぁっ!」

どこにも伝わせずに穴の奥へと落とされる精液は腸壁に当たってビチビチと下品な音を立てる。粘っこく不快な味の精液でも空腹の身体は吸収してしまい、腹が満たされていく。

「やだぁ……まずい……これきらい……」

「ごめんね……これで全部だからね、サク。そんな声を出さないでおくれ」

コップに出した精液を全て後孔から体内に戻された。

「よしよし、全部飲めたね。えらいよサク」

頭を撫でられる幸福感では自分の精液を後ろから飲まされた不快感は拭い切れない。

「サク……まだご機嫌ななめみたいだね」

困った顔の査定士には悪いけれど、ムスッとした顔は戻せそうにない。

「……なでなで、別のところにしてあげれば機嫌よくなってくれるかな?」

たった今精液を注がれていた穴に査定士の指が入る。不快感からやる気をなくしていた腸壁も快楽を与えてくれる存在を感じ、ちゅうちゅうと吸い付く。

「んんっ……!」

「すごく吸い付いてきてるよ、サク……機嫌はどうだい?」

「……よしよし、してくれたら……治る、かも」

「なら、よしよししてあげないとね。でも……進むのも退くのも楽じゃないね、締め付けが強すぎるよ」

ただの肉壁なのに吸盤のように査定士の指にへばりつき、彼の指と共に奥へ向かおうとする。しかし入口付近の腸壁が奥へ進めるわけもなく、途中で査定士の指から引き剥がされてしまう。

「んぅっ、んんぅう……めくれ、てりゅっ……ひんっ! んん、んっ、んんっ!」

吸い付いてめくれて剥がれて、それを繰り返して快感を堪能する。腸壁の動きは自分の意思ではないけれど本能ではある、羞恥心程度が本能に勝てるわけがない。

「ふぅっ、ぅうぅ……ひぁんっ!」

「……ここだね」

査定士の二本の指が前立腺に再びたどり着いた。今度もまた表面だけを撫でる優しい快感をもらえるのだろう。

「よしよしして欲しいんだね」

「ぅんっ、して、よしよししてぇ……ぁひんっ!?」

ぐちゅっ、と前立腺を指の腹で押し潰された。査定士の指はそのまま前立腺を押し回し、強い快感を与える。

「んぅうんっ! んっ、ひぃんっ! ちがっ、ぁあっ……これっ、よしよし、じゃないぃっ……!」

「これではダメかな?」

「らめぇっ! こりぇっ、ぐりぐりっ、ぐりぐりらめっ! ぐりぐりっ、しゅぐイっちゃうぅぅっ……!」

発射した精液は再びコップに受け止められ、今度はすぐに穴に注がれる。査定士の指を伝った精液は吸収の寸前に潤滑油としても働き、査定士の指はより滑らかに動いた。

「んんぅっ! ふっ、くぅうんっ……! ゃあぁっ、まずいぃ……!」

「そんなに味が違うものなのかい?」

「ちぁうぅっ! 俺のもぉやだっ、おじさんの欲しい……」

味自体は変わらないが何故か不快感を覚えるのだ。たとえるなら──そうだな、精液が料理だとしたら、他人の精液は普通の料理、自分の精液は料理人が食材を落としたけど慌てて拾って調理を続けたのを目撃してしまった料理、と言った感じかな。
味は変わらないけれど後者は食べる気が失せるだろう。

「そんなに嫌なんだね……なら射精を我慢してみようか、サク」

「がまん……?」

「そう。ほら、自分で握って」

陰茎を両手で握らされてしまう。査定士の前立腺弄りが再開され、俺は射精を防ぐため陰茎の根元を強く握った。

「んっ、んぁああっ! ぐりぐりっ、ぐりぐり、きもひっ……! んひゃあぁんっ! ちゅまむのらめぇっ!」

二本の指で前立腺を挟まれ、膨れたそこをくりくりといじめられる。

「んぁああっ! くりくりっ、ひぃんっ! んにゃあぁっ……おにゃかっ、びくびくしゅるっ、イくぅぅっ!」

前立腺ばかり責められて下腹全体に快感が広がると共に、前立腺に快感がある度に陰茎がピクリと跳ねる。手の中でピクピクと震える陰茎の疼きに耐えられずに扱いてしまい、俺はまたコップの中に精液を吐き出してしまった。

「イっ、ぁあぁんっ! イったのにっ、今イったのにぃっ! らめ、らめぇっ! また、イっちゃうぅぅ……! 止まんないっ、手ぇ止めらんないっ! ずっと、しこしこぉ……やだっ」

絶頂しても射精しても査定士の指は俺を無視して前立腺を弄り回し、俺を絶頂させ続けて大量の精液を溜めた。学習能力の低い俺は自分の精液を飲まされると分かっていながらも陰茎を扱き、射精を手助けした。

「自分で触っているの止められないのかい? 可愛いね」

「イくっ……! ぅ、ふぅっ……んんんっ! ぁんっ、やぁぁっ……自分のもう嫌っ! おじさぁん……おじさんの欲しい……」

「サク……? あぁごめんね、泣かないでサク、そんな意地悪をしたつもりはなかったんだよ。許してくれるかい?」

精液欲しさに泣き出すなんて情けない話だ、快感を与えられ過ぎて思考能力が低下していると思おう。

「おじさんのくれたら、ゆるす」

「……泣くほど求めてくれるなんて、もう……私は明日死んでも後悔はないよ」

「やだっ、死んじゃやだ……」

「ふふ……もののたとえだよ、でも……私みたいな人間とは違ってインキュバスには寿命がない。きっと私の残りの時間は、君たちにしてみれば短いものだろうね」

尻に硬く膨らんだものが触れる。査定士の陰茎だろう。俺の尻の割れ目を開いて挟ませ、幹の部分に後孔を吸い付かせて遊んでいる。

「んっ……ぅ、やだ……そんな話しないで」

「…………ごめんね」

「ん、ん……ぁ、シャル……シャルと結婚すればいいじゃんっ、アルマも……えっと、オーガは寿命短いけど、俺と結婚して、なんか……不老不死になったって」

「……命を折半する婚姻の契約というものかい? でも……シャルは嫌だろう、こんな歳を食った人間と結婚なんて」

「シャルっ、おじさんのこと好きだから……多分っ、いいって言うよ……別に、結婚したら浮気できなくなる訳でもないし、だからっ」

「…………考えておくよ。ありがとうサク、私のことを気にかけてくれる……それだけで私は嬉しいよ」

亀頭が後孔に押し当てられ、呼吸が荒くなる。

「君を売ってしまった私に、君を助け切れなかった私に……君は優しくしてくれるね。愛しているよサク、きっともう私には何も出来ないしやる必要もないんだろう。でも、君のことは……君たちのことは、我が子のように愛おしいよ」

「んっ……ぁああんっ! ん、んんっ……我が、子にっ……入れるの? 変態……」

「言葉のあやだよ、見逃してくれないかい?」

「……いーよ、ぱぱ」

「…………ふふふっ、見逃してくれないんだね。嘘つきなサクにはお仕置きをしないと」

査定士は腰を細かく動かして俺の弱点を探り当て、前立腺を押し潰すように突き上げた。

「ひぁあんっ! んっ、んああっ! ぐりぐり、らめっ……やぁっ、しゅぐっ、イっちゃうぅぅっ……!」

コップに受け止められた俺の射精はまた後孔に注がれたが、その不快感は肉棒を挿入されていることによる多幸感にかき消された。
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