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見知らぬ寝床

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ドラゴン達は王城の庭で眠るらしい。俺達は倒壊しかけの城から離れ、無人街を歩いてヒビも入っていない民家を探した。

「この辺いいんじゃないか?」

カタラが無傷の通りを見つける。
俺が消えていた間、ドラゴン達の遊び場となった無人街は魔神王が去った後までは無事だった家もドラゴンが壊してしまっており、無事な家はかなり減っている。

「そういえばこの辺りにはドラゴン達に近寄らないよう言っておいたんだ」

「なんで?」

「鳥が巣を作っていたからだ」

「へぇー、ネメスィにも優しいとこあるんだな」

トゲのある言い方のカタラにネメスィがムッとした顔をする。

「で、部屋割りはどうする? 一つの家にこんな何人も泊まれないだろ」

「サークっ! あっ、ぁー……じゃあ僕はお兄ちゃんとでいいよ」

「でって何だ」

俺を誘おうとしたのだろうネメシスは俺が査定士に抱きついているのを見てネメスィの隣に立った。

「二人ずつくらいでいいだろ。シャル、一緒に寝ようぜ」

「え、嫌です」

部屋割りは揉めそうだな。下腹の疼きが酷いし、俺の相手は査定士に決まっている。先に眠らせてもらおう。

「なぁ、俺達この家使っていいよな? お前らも早く寝ろよ」

「あ、サク…………サク、そんなにセックスしたかったのかな」

玄関扉を閉じてもみんなの会話がうっすらと聞こえる。

「僕、あの人とまだあんまり話してないんだよね。どんな人?」

「インキュバスたらしだな」

「カタラさん……それどういう意味ですか」

まだまだ部屋割りは決まらなさそうだな、早く寝室を見つけよう。

「サク、ちゃんと着いておいで。暗いから足元に気を付けるんだよ」

「ぁ、うん」

蝋燭の火が揺らぐ優しい光で廊下を照らし、ようやく見つけた寝室に入る。ベッド脇に燭台を置いて明るさを保ち、火を眺めて呼吸を落ち着かせる。

「サク?」

「な、なにっ?」

「……随分緊張してるみたいだね」

「そんなことないけど……」

今更恥ずかしがることなんて何もない。灯りは蝋燭一本で薄暗く、互いの顔もよく見えないのだから。そう思っていたのに部屋がパァっと明るくなる。

「え……?」

眩い明るさの原因は査定士が持っている石のようだ。部屋全体を照らす輝く石を査定士が指で撫でながら何かを呟くと輝きが弱くなり、部屋の明るさは目を細めなくともいいくらいになる。

「おじさん、それ何?」

まるで電球だが、触れさせてもらった感じ何の変哲もない石に思える。

「カタラが術をかけてくれたんだよ。灯りとして使えるようにって簡単な呪文で作動するようにしてくれてね。魔力を補給してもらったばかりだから夜の間は大丈夫」

「大丈夫って……え、この明るさでするの? さっきの蝋燭の明るさがムード出ててよかったのに」

査定士は棚の高い場所に石を置くと俺の正面に戻り、上着を脱いだ。温かそうな上着の下はグレーのニットで、彼によく似合っている。

「んっ……」

手のひらに頬を撫でられ、指が耳を掠った快感に喘ぐ。

「ついさっきまでは私もそう思っていたよ。けれど……サク、君が緊張しているようだったからね。覚えているかな? 私はサクのインキュバスにはありえない恥ずかしがり屋なところがまず気に入ったんだよ」

「ぁ……」

「ふふ、思い出したかな? 久しぶりだからね……今晩はたっぷりと時間をかけて、たくさん恥ずかしがらせて、気持ちよくしてあげる」

親指ですりすりと頬を撫でられているだけなのにどんどん呼吸が荒くなっていく。俺はどうしてしまったのだろう。

「私は他の子達と違って精力的ではないからね……年齢の問題で、どうしてもね。ものも大したことがないだろう? それなのに私にもそんな顔を見せてくれる、サクは本当に可愛い子だよ」

「……お、おじさん……すごく気持ちよくしてくれるから、その……歳とか、気にしないで……」

「…………ありがとう」

査定士は一瞬目を見開き、俺の頭を撫でてクスクスと笑った。子供扱いされた気分だ、彼だけは前世の年齢を足しても歳上だから本当に子供扱いなんだろうけど。

「それじゃあ、サク、少し待ってて」

査定士は俺をベッドの前に立たせたまま部屋の端へ向かい、布を被せられていた姿見を引きずってきた。俺の真正面に姿見を置くとその隣に椅子を移動させ、座った。

「おじさん……?」

「服を脱いで」

鏡には俺の頭のてっぺんから爪先までがしっかりと映っている。紅潮した頬や緩やかに揺れる羽、全て見える。

「私の方は見なくていいよ、自分を見ながら脱ぎなさい。私の声だけをよく聞いて、私の視線だけは意識して、私の言う通りに脱ぎなさい」

「……はい」

「それじゃあまず、ベルトを抜いて」

ハート型のバックルが特徴的なベルトを抜く。ジーンズが少し下がり、鼠径部が見えた。

「上を脱いで」

肩と臍を出す丈の短いシャツを脱ぐ。

「……乳首、勃ってるね。服が擦れたりはしなかった? おや……ふふ、少し大きくなったかな。言及されて意識した?」

査定士の計算通り、彼の言葉を聞くと鏡に映る俺自身の乳首を観察してしまう。まるで果実が熟して色づくように淫らに膨らみ色を濃くし、果実が鳥を誘うように男を誘おうと目立っている。

「それにしてもサクの身体は綺麗だね、細身だけれど痩せすぎてもいないし太ってもいない。目立つほどの筋肉はないけれど、子供のようにのっぺりする訳でもない。割れてはいないけれど腹筋の在処はちゃんと分かる」

観察され語られるのは恥ずかしくて腰羽を身体の前に回してしまう。しかしそれで隠れるのはごくごく狭い範囲だ。

「おや……可愛いお臍が隠れてしまったね。でも、その羽も可愛らしい。上等な革製品のように艶やかに輝く黒い骨のところも、うっすらとハート模様が浮かんだ皮膜も、とても色っぽくて可愛くて、君らしいよ」

隠すのに使ったものまで褒められてはもうどうしていいか分からなくなり、顔がどんどん赤くなっていく。

「……それじゃあサク、下も脱ごうか」

「は、いっ……」

ジーンズを下ろす。下着は履いていないため、勃起した陰茎がそのまま露出してぷるんと揺れる。

「あぁ、ブーツが邪魔で脱げないのかい? それじゃあブーツを一旦脱いで、また履いて」

靴を脱いでジーンズを脱いで靴を履く。どうして履かされたのだろう、全裸に膝下までの長いブーツだけなんて間抜けだ。

「サク、自分の裸を見てどうだい? スラリとした綺麗なスタイルだよね」

「は、はい……そりゃ、インキュバスだし。見た目は……綺麗になってるよ、そういう生き物なんだから……」

「ふふふ……サク、知ってるかい? シャルはサクほどお尻が大きくないんだよ。ぷりんとはしている形のいいお尻だし、弾力も柔らかさも素晴らしいけれど、サクの方が少し大きいんだよ」

「え……!? そ、そんなっ、そんなこと、ない……」

シャルの姿を思い浮かべてみるが姿見に映っている俺とシルエットは変わらないように思える。しかし、査定士はシャルをよく膝に座らせているから違いがよく分かるのかもしれない。

「サクはよくお尻をぶつけるから発達したのかもね」

「ぶつけるって……」

「ぶつけているだろう? ぱん、ぱんって……よく聞いたよ」

「ぁ……! や、やだ、この話やめよ」

顔を赤くして俯くとクスクスと笑いながら「ちゃんと鏡を見て」と注意され、仕方なく鏡の中の自分と目を合わせる。

「サク、少し後ろを向いてみて」

「後ろ……? うん」

「振り向いて、鏡を見ていて」

言われるがままに鏡に背を向け、首を回して鏡を見つめる。

「可愛いお尻だねぇ。ふふ……見えるかいサク、君の太腿、濡れているよ」

後孔から垂れた潤滑剤としての体液だ。透明だが灯りを反射して目立っている。

「どこから垂れているのかな? その透明のが溢れてくる場所を教えてくれるかい?」

尻肉を自分で鷲掴みにして穴を晒し、ヒクヒクと震えながら自分の下半身を濡らす様子を見せつける。

「あぁ、そこから溢れているんだね。ねぇ、サク……どうして濡れているのか分かる?」

「せ、精液をっ……搾り取るために、おじさんの……入れてもらって、気持ちよくなってもらうためです」

「…………具体的には?」

「え……? ぁ……だ、男性器……が、俺のっ……お尻の穴の中を、動きやすくするために、濡れています」

俗にエルフ耳と呼ばれる長く尖った耳の先端まで真っ赤に染まる。

「そうなんだね。でも、それなら穴の中だけ濡れればいいんじゃないかな。どうして足にまで垂らしているんだい?」

「えっと……お、俺は……とても、淫らなインキュバスなので、待ち切れなくて、ぐしょ濡れになってしまいます」

「そう……君は淫らな子なんだね」

「は、はい……そう、です。昼間から四人の男の人に抱かれたのに、まだ……お尻の穴が、うずうずしてます」

ぱくぱくと微かに開閉して男を求める穴の様子なんて見たくないのに、査定士の視線がそこに注がれていると感じると同じ場所を見てしまう。

「そうなんだね。教えてくれてありがとう。そろそろ触ってあげようかと思うから靴を脱いでそこにそのまま座ってくれるかな」

ベッドに腰掛けると査定士が椅子から立ち上がり、俺の前で屈んだ。ベッドの縁で座る俺の前に屈むということは、陰茎や後孔を弄ってくれる気なのだろう。
査定士の行動を自分に都合のいいように解釈した俺は彼の顔を見つめながら更に後孔から潤滑剤となる液を分泌した。
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