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ドラゴン達の母親

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赤い大きな卵、ザラザラとした表面が特徴的なその卵はおそらくアルマの特徴を受け継いだドラゴンが生まれるはずのもの。他の卵達が次々に孵る中、ただ大きくなり続けたそれがようやく割れていく。

「……アルマっ、ダメ」

卵の中のドラゴンは厚い殻を破るのに苦戦している。手助けしようとしたアルマの腕を掴み、止める。

「こういうのは手出ししちゃダメって相場が決まってるんだよ」

「そう……だな、すまない」

二人で手を握り合って待つこと数分、ようやく落ち着いた赤色の鱗を持つドラゴンが姿を表した。

「みゃー」

猫のような鳴き声だ。

「……他のドラゴンと形が違うな」

「そうか? ちょっとごついだけだろ」

足の本数や翼などは変わらない。ただ、少し手足が太い。尻尾も太短い。角は長く鋭く、爪は既にシーツを裂いている。

「まぅ……めぁぅ……」

ドラゴンは不安げに周囲を見回している。

「アルマ、ほら、お父さん」

「あ、あぁ……初めはサクの方がいいんじゃないか?」

「いや、他の子は各々に懐いてるし、俺に懐いた子は居るから次はアルマの番だよ」

「な、なるほど……しかし、怖いな」

アルマは小さなドラゴンに触れるのを躊躇ってドラゴンのかなり手前に手を伸べた。

「お、おいで……?」

「アルマ、遠いよ」

「いや、しかし、その……怖い」

「大丈夫。他の子より大きいし手足太短いし、多分アルマに似て丈夫な子なんだよ」

他のドラゴン達は孵ってすぐは普通のトカゲ程度の大きさだったが、赤いドラゴンはチワワくらいの大きさだ。

「みぃぃ……?」

ぽすぽすとシーツを踏んで進み、ドラゴンは恐る恐るアルマの手に登る。

「…………みゃーあ!」

アルマの手の上でぐるぐると回り、いいポジションを見つけたのか上機嫌に鳴いて腰を下ろした。

「サ、サササッ、サ、サクっ……! すす、すっ、すわ、すわわっ、座った!」

「う、うん……落ち着いて、アルマ、大丈夫だから」

ドラゴンは喉をぐるぐると鳴らしながらアルマの親指に頬を擦り付けている。見た目は豪華なトカゲ、大きさはチワワ、仕草はネコ──不思議な生き物だな。

「アルマ、ほら、寝るわけじゃないみたいだし自己紹介しようよ」

「じ、こっ……しょ……?」

混乱してしまっているアルマは表情筋をコントロール出来ていない。赤子と俺に見せるための笑顔に、戸惑いと恐怖が混じって引き攣り、酷い有様だ。

「パパだよーって」

「な、なるほど……えぇと…………ぱ、ぱぱ、だよー……?」

ここまで混乱しているアルマは新鮮だ。戸惑うアルマは可愛らしいし、その理由が父親としてどう振る舞えばいいか分からないという微笑ましいもの、笑うなという方が無茶だ。

「サクっ、笑わないでくれ……! 俺は本当に困っているんだ」

「ご、ごめんごめん」

謝りながらも顔が笑ってしまい、アルマの赤い顔が更に赤くなる。

「……みゃ、みゃー?」

「え? しゃべっ、ぁ、いや、俺はパパだぞ」

「この子まだマ行しか発音できないんじゃないかな……?」

パ行などの破裂音は幼児を喜ばせると聞くが、ドラゴンの赤子にも有効なのだろうか?

「ままー」

「ママはサクだ」

「俺もママじゃないよ!?」

「……ママだろう?」

俺の性別は雄だ。男に抱かれたことしかなくても、卵を孕み、そして産んでいても、産んだ子供達のために母乳が出るように改造されても、俺は男だ。

「俺もパパがいい! 俺だって男なんだからな!」

「そうは言ってもな、サク」

アルマは両手ですくうように持ち上げていたドラゴンを左手に移し、右手で俺を抱き寄せると胸を撫でた。

「ひゃんっ……!」

「サクはここから子に乳を与えるのだから、母親なんだよ」

「ちっ、が……ぁああっ!」

否定しようとすると太い指に硬く尖った乳首をつままれる。

「……ん? 何か言ったか? 俺の妻のサク」

「お、れっ……んぁあっ! 俺もぉっ、おとこっ……やぁんっ!」

アルマは指の間に乳輪ごと挟んで弄び、俺の返事を遮っている。

「サク、ほら……俺達の可愛い子供がサクを心配しているよ」

赤いドラゴンは喘ぐ俺を見つめて首を傾げている。慌てて自分の手で口を塞ぎ、声を抑える。

「ふっ、んっ、んんんーっ!」

口を手で覆うと同時にアルマの指が俺の乳首をぎゅっとつまみ、こりこりと激しく転がし始めた。

「ママのことが心配かな? あぁ……サクはママじゃなかったね、ママのはずなんだけどなぁ……?」

「んっ、んんぅっ……いじっ、わるぅっ!」

「サクが嘘をつくからいけないんだよ。サクは俺の妻で、子供を五人も産んだすごいお母さんだ」

「ちっ、ぁ、あぁんっんんぅっ!」

口から手を離して否定しようとしても喘いでしまう。隙を伺っても、狙っても、最後まで反論出来ないまま喘がされる。

「ふぅっ、ふぅっ……ぅうぅ……」

反論が出来ないどころか、アルマは絶頂の寸前で乳首弄りをやめてしまう。じんじんと胸が痺れても絶頂には至らない、ただただ快楽が胸に溜まっておかしくなりそうだ。

「ぅ……アルマ、アルマぁ……ごめんなさい」

「サク……? どうしたんだい、サクが謝ることなんて何もないよ」

俺が謝ったのは本当に意外だと感じたらしく、アルマは俺の弱々しい様子に焦っている。

「俺、アルマのお嫁さんで、この子のお母さんでいいからぁ……もう女の子でいい、ううん、雌でいいから…………胸、もぉイかせて」

アルマの狙い通りになっただろうに、アルマは驚いて目を見開いている。

「……あ、あぁ、分かったよ。サク……すまないな、意地悪をしてしまった」

「ん……もぉいい、どうでもいいから、早くぅ……乳首、して」

「…………あぁ、妻の願いは叶えなければな」

左手にドラゴンを乗せたまま、右手で巧みに俺の乳首を責める。

「ひあぁんっ! ぁああっ……! ちくびっ、ちくびきもちぃっ! もっとっ、もっとぉっ、こりこりしてぇっ!」

「サク……ダメだろう? そんな声を出したら」

「へっ? ぁ……! やらっ、見ちゃらめっ、ゃ、あっ、んんっ、んむっ、んぅううーっ!」

赤いドラゴンが俺を見つめているのを思い出し、両手で口を押さえる。アルマは俺の限界を探るように乳首への責めを激しく変える。

「ゃ、んんっ、んんんぅっ……! ありゅまっ、イった、イったからぁっ、もぉいっ、んっ、んんぅっ!」

身体を弓なりに反らせて震わせてもアルマが考える俺の限界には程遠いらしく、乳首を弄る指は止まらなかった。
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