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第一子が繋ぎ止めたのは

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広いベッドの真ん中、太腿と腹がピッタリつくように身体を折り曲げられ、激しく犯される。ネメスィよりも長い舌を持っているのに舌を絡ませられると喘いでしまう。

「んっ、んんぅっ! く、ふっ……んんんっ!」

ずぼっずぼっと恥ずかしい空気混じりの淫らな音を立てて後孔を掘削されている。もっと腰を密着させて大きな音を立てないようにして欲しくて足をネメスィの腰に絡めるけれど、絶頂し続ける俺の震える足よりもネメスィの腰振りの方が強いのは当然だった。

「ん、んんっ……ふ、ぁっ、ぁああっ……!」

上も下も好き勝手に犯されるしかない。その事実に興奮して腸壁の締め付けを強くする。口が離れた後も舌を突き出し、折りたたまれた身体を仰け反らせ、絶頂を全身で表現する。

「……っ、よさそうだな、サク……いいぞ、もっとよがれ」

「イ、くっ……ぅ、んんーっ! イってるっ、イってるのにぃっ、ひ、ぃんっ! ん、んんぅっ……!」

微弱な電流まで使って俺を絶頂させ続けるネメスィの陰茎は硬く、俺の蕩けた腸壁を削るように往復する。

「サク、サクっ……いいぞ、もっとだ、もっとイけっ……! お前がイくほど、ナカが締まって痙攣する……ほら、お前の好きな電撃をくれてやる」

「ぁひんっ! んぁっ、ゃ、しょこにビリビリらめぇえっ! イくっ、イくぅっ! ぜったいイっちゃ、ぁあぁーっ! イ、ちゃっ、たぁっ……ぁ、ああっ!」

前立腺をえぐられ、そこに電流を流される。柔らかいインキュバスの身体は少し中から突き上げられただけで下腹がぼこんと膨らむ。その膨らんだ部分がネメスィの腹筋に押し付けられて気持ちいい。

「は、ぁっ……サク、サク……そろそろ出すぞ」

「んっ、ぅんっ! おくっ、奥にかけてっ、もっと奥でだしてぇっ!」

どくどくと脈打つ陰茎を痙攣する腸壁で締め付け、溢れ出した熱い精液を吸収する。

「ん……おい、しぃ」

「……どんな味だ?」

「んー……ネメスィのは、とにかく元気……今日はちょっと濃いめかも。水あんまり飲んでないんじゃないかな」

「そういえば……そうだな、分かるものなんだな」

わしわしと頭を撫でられる。自身の黒髪が瞼をつつく。撫でられる心地よさに頭羽を揺らし、目を閉じる。

「……ん?」

頭羽がぺちっと何かを叩く。ネメスィの手は俺の頭を撫でている、もう片方の手はベッドについて自身の体重を支えている。何を叩いたのだろうと横を向こうとしたが、その寸前に耳にかぷっと噛み付かれた。

「ひゃんっ!?」

ネメスィの口は俺の顔の前にある。じゃあ何に噛まれたんだ。

「……待て、サク。動くな」

首を振ろうとするとネメスィに頭を掴まれる。俺に跨ってバランスを取ったネメスィは俺の耳に噛み付いたモノを優しく取り上げた。

「ぴぅっ……!? ぴやぁーっ!」

ネメスィの手の中で暴れるのは黒いトカゲ。いや、トカゲではない。薄桃色の皮膜のコウモリのような羽が生えている。

「ぴゅっ! ぅぶ、びゃ……ぁ……」

「……ネメスィ! 多分強く握りすぎ……貸して」

ぷるぷると力なく震えるトカゲを──いや、黒いドラゴンの赤子を受け取る。両手で器を作って水を掬うように持ち上げてやると小さな爪が生え揃った手足で立ち上がった。

「ぴぃ」

「……孵ったのか。この卵だな」

ネメスィは液体を零す卵の殻を拾う。薄らと黒いハート模様がある殻だ。

「俺似のやつ……?」

それじゃあ今手の中に居る小さなドラゴンは、俺に種付けしたドラゴンと俺の子供なのか。

「ぴ……? ぴぅ! ぴぅ!」

俺の頭羽によく似た羽を背に生やしている。飛ぶことは出来るのだろうか。ドラゴンなら火を吐くのかな、俺似だから弱いのかな。

「…………可愛い」

トカゲをじっくりと見たことはないが、手のひらサイズのドラゴンを夢見たことはある。小さいのに精巧な作りだ、鱗の一枚一枚は硬く、鉤爪は鋭く、牙も生え揃っている。しかし薄桃色の皮膜は俺に似て脆そうだ。

「見せろ」

真っ黒な目と見つめ合っているとネメスィがドラゴンの胴を掴んだ。

「びゅぶっ……!」

掴まれた瞬間ドラゴンは口を開け、舌を垂らした。

「加減しろよバカ!」

強く握り過ぎたのだと察した俺はネメスィを蹴りつけてドラゴンを奪い返した。

「……悪い、次は間違えない」

「ダメ! 完璧に力加減覚えるまで触らせない! 向こういけよ馬鹿力!」

ネメスィをベッドの上から追い出し、ベッドの周囲に人が居ないことを確認した俺はうつ伏せに寝転がってドラゴンをシーツの上に下ろした。

「大丈夫か?」

「ぴや」

ドラゴンはコウモリのような羽を広げていたが、ぺたんと垂らしてしまった。やはり強く握られて苦しかったのだろう、俺は頭羽を耳に添わせて集音を助けさせ、ドラゴンの様子を伺おうとした。

「ぴ……?」

ドラゴンは首をか提げながら羽の骨部分を前足に添わせて広げる。

「もう大丈夫なのか?」

落ち込んでしまっただけで元気なのは元気なのだろう、そう察した俺の頭羽はついピンと立ち上がり、パタパタと揺れてしまう。

「ぴぃ」

ドラゴンは機嫌がよくなってきたのか羽をピンと立たせ、パタパタと揺らす。

「お前も機嫌で羽動かすのか?」

「ぴゅ?」

「ドラゴンのくせに小鳥みたいな鳴き声だな……もっと怖ーく鳴いてみろよ」

首を左右に振って傾げるドラゴンはとても愛らしい。

「怖く鳴くんだよ。ほら、がおーって……がーおーぉー」

「……ぴゃー、ぴょー、ょー」

「んふふふ……」

目を閉じて声を上げるドラゴンの様子を笑ってしまった。彼は真剣だったろうに……彼なのかな、彼女なのかな、分からないな。

「瞼は下から閉まるんだな、俺と反対だ」

ドラゴンの瞼は人間とは違い、下側が持ち上がって目を隠す。

「お腹すいてないか? まだいいか? 何食べたい?」

こちらの言葉は分かっているのだろうか、意味は流石に理解していないだろうが、ドラゴンは知能が高いそうだしいつか話せる日が来るだろう。待ち遠しいな、他の子達が生まれる日も。

「お前は一番のお兄ちゃんだなー」

子供達が生まれたら、男達に懐いたら、俺は自分を犠牲にみんなをこの部屋から脱出させなければならないのに、子供の成長を見守りたくなってしまった。
子供が居れば自ら死ぬような真似は出来ないだろうという予想は正しかった、俺にまで適用されるなんて思わなかったけれど。
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