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長い舌でお掃除します

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射精を終えたばかりの巨根は萎えて、白濁にまみれて足の間に鎮座している。俺はインキュバスらしく長い舌を伸ばし、本能のままに精液を舐め取った。

「……っ、サク……? そんなっ、出したばかりのを舐められたら……!」

筋肉質な太い足の間でうつ伏せになり、陰茎に舌を這わせる。

「ん……アルマの、美味しい」

陰茎を舐めている俺の様子を見たいのか、アルマの腹筋に力が入っている。視線を上げると苦しそうな体勢のアルマと目が合う。

「アルマぁ……アルマのせーえき美味しいよ。出す前に口に突っ込んでくれたらいいのに……もったいない」

萎えていた陰茎は少し舐めただけで大きく膨らんだ。俺は舌を引っ込めて唇を小さく尖らせ、ちゅっちゅっと音を鳴らして何度もキスをする。

「サク……そんなふうにするなんて……」

「……嫌?」

「いいや、たまらない……サクの頭を上手く撫でられないのは残念だが、俺の手が自由だったらそんな穏やかな愛撫はすぐに終わらせてしまうだろうからね」

いつの間にか上体を完全に起こし、ベッドの上に足を大きく開いて座る体勢になっていたアルマは縄で縛った手を俺の頭に乗せた。

「ん……」

手のひら同士を合わさせ、手首を遊びなく繋いでやった。けれど両手で俺の顔を挟んだり、手の甲で俺の頭を撫でたりは出来る。いつもより少しぎこちないけれど、それがまた愛おしい。

「この撫で方、嫌じゃないか?」

「ぅん……撫でてくれて嬉しい」

唇だけで挟むように太い陰茎を愛撫する。俺の口ではアルマの陰茎を咥えることは出来ない、幹部分を甘噛みすることも出来ない。だから唇で挟むように撫でるだけだ。

「ん、んっ……アルマ、気持ちいい?」

「あぁ……とても興奮する」

「ほんと? よかった、もっと頑張る」

閉じた唇を押し付け、吸い、離す。長く太い陰茎の表面にキスを繰り返していく。

「……っ、サクは……本当に愛おしそうにしてくれるね」

ちゅうっ、ちゅうっ……と音が鳴るのが少し恥ずかしいけれど、欲情した雄の顔をするアルマが愛おしくて、わざと音を大きくしていく。

「綺麗なものでもないのに、そんなっ……はぁ……母が子にするようなキスを」

「お母さんはこんなキスしないと思うけど」

亀頭に唇を移す。少し開いてカリ部分を挟み、ちゅう~っと思いっきり吸ってやる。

「……っ、あぁ、そうだな……子が妙な趣味に目覚めそうだ」

息が続く限り吸い続ける。頬をへこませて不格好になっているのは分かっているけれど、気持ちよさそうに呼吸を荒くするアルマへの愛おしさが羞恥をねじ伏せる。

「サ、クっ……そこ、ばっかり……!」

息が続かなくなったら口を離し、深呼吸をしてまたカリを吸う。少しずつ横にズレながら吸い続けるとアルマの表情からどんどん余裕が消えていく。

「んーっ……ぷはっ、アルマぁ、可愛い顔してる」

「な、何を言う……俺はオーガだぞ、可愛いなんて」

「可愛いよ、照れるとこも……顔隠さないで、いっつも俺恥ずかしいとこ見せてるんだから、アルマと少しくらい見せてよ」

縄でひとまとめにされている両手を下げさせ、元々赤い肌をしているのに更に真っ赤になっているアルマの顔をまじまじと眺める。

「ふふっ、アルマ顔真っ赤っかー、そんなによかった?」

「赤いのは元々だ、そういう肌なんだ」

オーガであるアルマの肌や髪は赤い。皮膚の赤は鮮やかなものではなく落ち着いた色、くすんだ赤だ。人によっては赤ではないと言うだろう。

「より真っ赤なんだって。もっとよく見せて……」

アルマの手を押さえる自身の手に体重をかけ、真っ赤に染まったアルマの頬にキスをする。陰茎の幹部分にした時と同じように閉じた唇を押し付け、ちゅっと吸うのだ。

「クソ、羨ましいな……俺にサクがあんなにキスしてくれたことなんてないぞ」

「そりゃ本命と間男じゃ扱いも変わるだろう」

「誰が間男だ! いいか、サクが誰と結婚しようがサクが誰を好きになろうが、サクの処女は俺がもらったんだ!」

カタラとネメスィが喧嘩を始めた。止めようかと見ていると手首を縛られた腕の輪っかの中に閉じ込められる。太い赤い腕に抱き寄せられ、耳元でそっと囁かれる。

「……今は夫の俺だけを見ろ、サク」

「は、はいっ……旦那様ぁ」

低い声に蕩けさせられてしまい、アルマの首に腕を回し、頬へのキスを再開した。

「処女か……確かにお前が奪ったな。勝手に、強引に、なぁ?」

「いやあれは同意の上だっただろ!」

「……詳しく聞かせてもらえますか?」

「うわっ、来んなシャル! 背後に立つな怖ぇよ、おっさんとこ座ってろ!」

シャルも加わった三つ巴は気になったが、ぎゅっと俺を捕まえる腕からは物理的にも精神的にも逃げられない。

「俺を見ろ、サク……今だけでいい、夫の俺だけに集中してくれ」

「してるよ、旦那様。俺はアルマだけ見てる」

瞳はしっかりとアルマに向けている。しかし、意識はふよふよと漂っている。

「博愛もいいが、少しくらい夫を優遇してくれてもいいだろ? 我儘を聞いてくれ、俺の愛おしい妻……」

「は、博愛なんて、俺はそんな綺麗じゃ……んっ、ゃ……尻尾、だめ……今日は俺がアルマにするのぉっ」

縛ったはずなのにアルマの手は大人しくなっていない。俺の尻尾を挟んで拍手するように刺激してくる。

「サク、やはり俺はサクを可愛く喘がせたい。俺自身の快感なんてさほど重要じゃない、俺は俺がサクを感じさせているということに満たされるんだ」

「や、ぁっ……ぁ、きょおっ、は……俺がぁっ……」

「…………分かった。じゃあ、俺は仰向けになって何もしないでいよう。サクが自分で俺の上に跨り、自分で好きなように気持ちよくなってくれ」

「それっ、て……騎乗位、ってこと? あんまり自信ないけど……うん、やる。今日はアルマにゆっくりしてもらいたいから」

いつもいつも俺ばかりで申し訳ないと思っている。たとえそれがアルマの趣味だとしても、いつもでは疲れてしまうだろう。

「よし。無理はしなくていいからな、サク」

アルマの手が俺の尻尾から彼自身の首の後ろへと移る。首の後ろで手を組んで仰向けで寝る、そんなリラックスした体勢のアルマの巨根は今にも精液を吐き出しそうなくらいにパンパンに膨れている。

「わ、パンパン……アルマ、すぐ入れるから」

「待て、サク。俺はもっとサクの可愛い顔を汚したい。それに俺のものは大きいからな……少しほぐさないと」

「えっと、まずぶっかけたいってこと? うん、分かった……つい舐めちゃうけど我慢する。ほぐすのはいいよ、俺インキュバスだから平気」

「……鈍いんだな、サクは。俺は俺のものに頬擦りをして汚されながら、自分の手や尻尾で俺を迎える準備をする様子が見たい……そう言ってるんだ」

「そ、そう……アルマ、意外と変態……うん、分かった、やるよ。えっと……こう座った方がいいかな、恥ずかしいけど……」

アルマの胸の上に腰を下ろし、足を大きく開いたままうつ伏せになる。目の前にきた陰茎に頬を擦り寄せ、アルマの視界を俺の尻が埋めているのを想像して恥ずかしくなり、擦り寄せる頬を熱くした。
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