223 / 604
脱出には力づくが一番
しおりを挟む
扉までの道は狭い、全員で扉を前に考えることはできないので、部屋で円を描いて座って考え込む。
「……あ、扉閉まったな」
兵士達が査定士を連れて家を出ていった。鏡の破片を見ていたカタラがそう伝える。
「早く……早く行かないと、おじさん死んじゃいます、兄さんっ……!」
シャルは査定士に懐いていた。少し前からずっと泣きそうな顔をしている。抱き締めて頭を撫で、俺も彼との思い出を巡る。
「そうだ……なぁ、ネメスィ。電気を操れるなら扉の仕掛け動かせないか? 磁力とかどうにかして」
「……ここの仕掛けは木製だ。手動で歯車だな、どうにもできない」
「マジかよ……」
なら、ネメスィが溶けて隙間から外に出て仕掛けを動かすのはどうだろう。液体が通り抜けられるような隙間すらないのなら俺達はとっくに窒息しているだろうし、この手しかない。
「……兵士達は出ていったんだよな?」
俺が頭の中の案を自画自賛しているうちにアルマが立ち上がり、狭い通路を進んで扉の元へ行ってしまった。
「なぁネメスィ、お前が溶けて隙間から出れば」
何の特殊能力もないアルマが行っても開けられないだろうとネメスィに策を共有する。その途中、轟音が響いた。
「な、何っ!?」
「開いたぞ」
階段の先からは光が射し込んでいる。順番に外に出て見れば内側から殴り壊された仕掛け扉の残骸が散らばっていた。
「さっすがオーガ! やるじゃん旦那!」
「……オーガも悪くないものだな」
アルマが自慢げだからいいか。査定士には後で謝ろう。
「早く追いかけましょう!」
「あっこらシャル待て! ダメだ、速い……カタラ頼む!」
実体化した魔力による半透明の紐がシャルを縛り、その場に転がした。まるでイモムシのようなぐるぐる巻きには色気の欠片もない。
「シャル、いいか、よく聞いてくれ。ネメスィとアルマが王都に来た時、兵士に囲まれただろ? あの時も逃げるのがやっとだった。連れてかれた先に乗り込めばあの時より兵士は多いし、この家には帰れないし、王都の外に逃げるまでの距離も長い……今俺達が全員で行ったとしても助けられない。まずは策が必要なんだ。分かるな? シャルは賢いいい子だろ?」
紫の瞳に浮かんだハート模様が薄まったのを確認し、カタラに拘束を解くよう目配せする。シャルは暴れることなく俺に抱きついてすすり泣いた。
「……大丈夫、必ず助けよう」
「少し先の話になるが、彼を助けた後どうするんだ? 彼を助けたら彼と俺達の関わりを証明することになって、この家には戻れなくなるんだ。どこに逃げるべきだろうか」
アルマの言葉にカタラが深いため息をつく。
「そうなんだよな……王都の魔術師は魔力を封印するような術も使うって話だし。助け出すのも難しいのに逃げるのなんて不可能に近い……奇跡的に王都の外に逃げられたとしてもこの島にいる限り逃げ切るのは本当に無理だ」
「箱庭の離島と名付けられているくらいだからな。この島は断崖絶壁の岩山に鎖された監獄……山を越えなければ海に出られない、険しい崖を降りて海に出られたとしても船がない」
脱出経路が絶たれている。シャルの時は実験体にされていたから買い取れたが、査定士は罪人として連れて行かれたのでその手は使えない。
「……全員殺せばいいじゃないですか。王も、兵士も、全員……逃げられないなら逃げなければいいんですよ」
俺の腕に抱きついたままのシャルが過激な提案をするが、誰も頭ごなしには否定しない。
「その手に出るなら俺はお前と敵対する。俺は叔父上にこの島を任された、たった一人のために大量殺人なんてさせられない」
「……じゃあ最初はあなたですね」
「シャル! やめてくれよ……」
小さな声で謝ったシャルは俺の肩に顔を押し付け、声を殺して泣き始めた。
「ネメスィ、と言ったか。少し聞きたい、魔神王とは数でしか物事を測らないのか? 生贄だとか聞こえたぞ、そんな暴君を倒すのが……そんな暴君に忠実な者を蹴散らすのが、本当にそんなにダメなことなのか?」
「叔父上は……この島の平和を守れと」
「平和、とは……暴君が民衆を少しずつ犠牲にしつつ成り立つ表面ですらサビが浮いているようなもののことか?」
「…………分からない。けど、勇者の俺が先頭に立って革命なんて」
ネメスィはもう二言三言話そうとしていたが、言葉が出てこなかったようで口をパクパクさせながら俯き、暗い顔のまま動かなくなってしまった。
「おじさんの処刑日っていつなんでしょうか。こうやって話してる暇、あるんでしょうか」
「逃げ道とか、革命とか……そういうのも考えなきゃならないのかもしれないけど、最優先はそうだよな」
最優先は査定士の救助、それは皆分かっている。だが、方法やその後の問題が折り重なっていて最優先事項だけをこなすなんて器用な真似はできない。
「…………なぁ、シャル。シャルは人間を眠らせられたよな」
「はい、インキュバスなので……」
「兵士とかを全員眠らせたら楽に侵入できないか?」
「理論上は……でも、魔力が足りませんよ」
インキュバスが魔力を手に入れる方法は大きく分けて三つ。性行為による快楽から、精液を始めとした体液から、そして樹液から。
「樹液がどれだけあれば足りるかな」
「何人いるか分からないので分かりません」
「王都の広さと兵舎の数とかから計算はできるぜ。最小予想と最大予想出すからちょっと待ってくれ」
カタラはポーチから紙と筆を取り出し、計算式を書き始めた。
「一区域に一兵舎、兵舎の規模はまちまちだけど……そこは仮定を入れて、王都の広さ……えーっと」
しばらくすると計算が完了したようで、その答えを聞いたシャルがまた計算を始める。
「樽に満杯だとして、最低十樽は欲しいですね……可能なら二十」
樹液の正式な値段は知らないが、かなり高価だとは聞く。査定士には俺を売った時の大金があるはずだ。家にも高価そうな物がたくさんあるし、どうせもう家に戻れないのだから全て換金させてもらおう。
「ま、全ての兵士を相手にするってのは考えなくてもいいんじゃないか? 王都は広いんだし」
「だな……しかし、処刑がどこで行われるか分かるか? 処刑場はいくつもあるし、散らばってる。処刑場でなく王城かもしれない」
手段は思いついたが、その手段を使う場が絞れない。いくつも襲撃していては報告が届いて査定士が殺されてしまうかもしれない。密偵──スパイが必要だ。
「そ、それなら俺に考えがある」
これまで俺は一切働いてこなかった、未だ残る社畜精神が罪悪感を産む。男にモテる俺はスパイに向いているし、今度こそ役に立ちたい。
「なんだ? サク」
スパイをすると正直に言えば止められるに決まっている、嘘をつかなければ。
「…………レコードアイだよ、あの人に改造コード教えてもらったんだ。シャルを取り返した時にも使ってて……あの改造をすれば楽に情報を集められると思う。さっきカタラがやってたみたいな繊細な操作とかはいらないし、レコードアイ飛ばすのは俺にやらせてくれ。改造するの時間かかるし、やり方の説明難しいし……その、みんなは別のことしててくれ」
「レコードアイか、なるほどなー、意外にいい案出すじゃんサク」
意外は余計だ。嘘だとはバレなかったみたいだな、レコードアイの改造なんて俺が出来るわけないのに。
「……それじゃ、まとめるぞ。ネメスィは顔とか髪色変えられるよな?」
別の生き物になれるのだから別の人間にくらいなれるはずだ。
「短時間なら」
「なんで短時間?」
「一日以上やると元の顔を忘れる気がする」
一日以上変える必要はないだろうから大丈夫だ。
「ネメスィは樹液を買いに行く。アルマはこの家にある金庫とか壊して金を探す。シャルは樹液が届き次第飲んで瞑想。俺はレコードアイの改造」
カタラがスっと手を挙げる。
「俺は?」
「カタラはシャルが暴走した時の拘束役、あとアルマが困ってたら助けてやってくれ」
「……兄さんは僕を信用してないんですね」
「悪いけどそっち方面の信用はないなぁ……ごめんな、シャル。シャルはいい子すぎて暴走しちゃうからなぁ」
シャルを抱きしめ頭を撫で回し、機嫌を取る。
「改造って結構緻密な作業だし、専用の道具があるの地下だから……しばらく籠るな。レコードアイ飛ばすのは通気口でも使うよ」
「……兄さん一人でいて大丈夫ですか?」
「集中したいからさ、何日かは一人にしてくれよ。絶対地下室には入るなよ? じゃ、解散!」
俺は適当な部屋に向かって地下室への入り口を作動させたフリをして物音を立て、誰にも見つからないよう気を付けながらネメスィの部屋へ向かった。
「……あ、扉閉まったな」
兵士達が査定士を連れて家を出ていった。鏡の破片を見ていたカタラがそう伝える。
「早く……早く行かないと、おじさん死んじゃいます、兄さんっ……!」
シャルは査定士に懐いていた。少し前からずっと泣きそうな顔をしている。抱き締めて頭を撫で、俺も彼との思い出を巡る。
「そうだ……なぁ、ネメスィ。電気を操れるなら扉の仕掛け動かせないか? 磁力とかどうにかして」
「……ここの仕掛けは木製だ。手動で歯車だな、どうにもできない」
「マジかよ……」
なら、ネメスィが溶けて隙間から外に出て仕掛けを動かすのはどうだろう。液体が通り抜けられるような隙間すらないのなら俺達はとっくに窒息しているだろうし、この手しかない。
「……兵士達は出ていったんだよな?」
俺が頭の中の案を自画自賛しているうちにアルマが立ち上がり、狭い通路を進んで扉の元へ行ってしまった。
「なぁネメスィ、お前が溶けて隙間から出れば」
何の特殊能力もないアルマが行っても開けられないだろうとネメスィに策を共有する。その途中、轟音が響いた。
「な、何っ!?」
「開いたぞ」
階段の先からは光が射し込んでいる。順番に外に出て見れば内側から殴り壊された仕掛け扉の残骸が散らばっていた。
「さっすがオーガ! やるじゃん旦那!」
「……オーガも悪くないものだな」
アルマが自慢げだからいいか。査定士には後で謝ろう。
「早く追いかけましょう!」
「あっこらシャル待て! ダメだ、速い……カタラ頼む!」
実体化した魔力による半透明の紐がシャルを縛り、その場に転がした。まるでイモムシのようなぐるぐる巻きには色気の欠片もない。
「シャル、いいか、よく聞いてくれ。ネメスィとアルマが王都に来た時、兵士に囲まれただろ? あの時も逃げるのがやっとだった。連れてかれた先に乗り込めばあの時より兵士は多いし、この家には帰れないし、王都の外に逃げるまでの距離も長い……今俺達が全員で行ったとしても助けられない。まずは策が必要なんだ。分かるな? シャルは賢いいい子だろ?」
紫の瞳に浮かんだハート模様が薄まったのを確認し、カタラに拘束を解くよう目配せする。シャルは暴れることなく俺に抱きついてすすり泣いた。
「……大丈夫、必ず助けよう」
「少し先の話になるが、彼を助けた後どうするんだ? 彼を助けたら彼と俺達の関わりを証明することになって、この家には戻れなくなるんだ。どこに逃げるべきだろうか」
アルマの言葉にカタラが深いため息をつく。
「そうなんだよな……王都の魔術師は魔力を封印するような術も使うって話だし。助け出すのも難しいのに逃げるのなんて不可能に近い……奇跡的に王都の外に逃げられたとしてもこの島にいる限り逃げ切るのは本当に無理だ」
「箱庭の離島と名付けられているくらいだからな。この島は断崖絶壁の岩山に鎖された監獄……山を越えなければ海に出られない、険しい崖を降りて海に出られたとしても船がない」
脱出経路が絶たれている。シャルの時は実験体にされていたから買い取れたが、査定士は罪人として連れて行かれたのでその手は使えない。
「……全員殺せばいいじゃないですか。王も、兵士も、全員……逃げられないなら逃げなければいいんですよ」
俺の腕に抱きついたままのシャルが過激な提案をするが、誰も頭ごなしには否定しない。
「その手に出るなら俺はお前と敵対する。俺は叔父上にこの島を任された、たった一人のために大量殺人なんてさせられない」
「……じゃあ最初はあなたですね」
「シャル! やめてくれよ……」
小さな声で謝ったシャルは俺の肩に顔を押し付け、声を殺して泣き始めた。
「ネメスィ、と言ったか。少し聞きたい、魔神王とは数でしか物事を測らないのか? 生贄だとか聞こえたぞ、そんな暴君を倒すのが……そんな暴君に忠実な者を蹴散らすのが、本当にそんなにダメなことなのか?」
「叔父上は……この島の平和を守れと」
「平和、とは……暴君が民衆を少しずつ犠牲にしつつ成り立つ表面ですらサビが浮いているようなもののことか?」
「…………分からない。けど、勇者の俺が先頭に立って革命なんて」
ネメスィはもう二言三言話そうとしていたが、言葉が出てこなかったようで口をパクパクさせながら俯き、暗い顔のまま動かなくなってしまった。
「おじさんの処刑日っていつなんでしょうか。こうやって話してる暇、あるんでしょうか」
「逃げ道とか、革命とか……そういうのも考えなきゃならないのかもしれないけど、最優先はそうだよな」
最優先は査定士の救助、それは皆分かっている。だが、方法やその後の問題が折り重なっていて最優先事項だけをこなすなんて器用な真似はできない。
「…………なぁ、シャル。シャルは人間を眠らせられたよな」
「はい、インキュバスなので……」
「兵士とかを全員眠らせたら楽に侵入できないか?」
「理論上は……でも、魔力が足りませんよ」
インキュバスが魔力を手に入れる方法は大きく分けて三つ。性行為による快楽から、精液を始めとした体液から、そして樹液から。
「樹液がどれだけあれば足りるかな」
「何人いるか分からないので分かりません」
「王都の広さと兵舎の数とかから計算はできるぜ。最小予想と最大予想出すからちょっと待ってくれ」
カタラはポーチから紙と筆を取り出し、計算式を書き始めた。
「一区域に一兵舎、兵舎の規模はまちまちだけど……そこは仮定を入れて、王都の広さ……えーっと」
しばらくすると計算が完了したようで、その答えを聞いたシャルがまた計算を始める。
「樽に満杯だとして、最低十樽は欲しいですね……可能なら二十」
樹液の正式な値段は知らないが、かなり高価だとは聞く。査定士には俺を売った時の大金があるはずだ。家にも高価そうな物がたくさんあるし、どうせもう家に戻れないのだから全て換金させてもらおう。
「ま、全ての兵士を相手にするってのは考えなくてもいいんじゃないか? 王都は広いんだし」
「だな……しかし、処刑がどこで行われるか分かるか? 処刑場はいくつもあるし、散らばってる。処刑場でなく王城かもしれない」
手段は思いついたが、その手段を使う場が絞れない。いくつも襲撃していては報告が届いて査定士が殺されてしまうかもしれない。密偵──スパイが必要だ。
「そ、それなら俺に考えがある」
これまで俺は一切働いてこなかった、未だ残る社畜精神が罪悪感を産む。男にモテる俺はスパイに向いているし、今度こそ役に立ちたい。
「なんだ? サク」
スパイをすると正直に言えば止められるに決まっている、嘘をつかなければ。
「…………レコードアイだよ、あの人に改造コード教えてもらったんだ。シャルを取り返した時にも使ってて……あの改造をすれば楽に情報を集められると思う。さっきカタラがやってたみたいな繊細な操作とかはいらないし、レコードアイ飛ばすのは俺にやらせてくれ。改造するの時間かかるし、やり方の説明難しいし……その、みんなは別のことしててくれ」
「レコードアイか、なるほどなー、意外にいい案出すじゃんサク」
意外は余計だ。嘘だとはバレなかったみたいだな、レコードアイの改造なんて俺が出来るわけないのに。
「……それじゃ、まとめるぞ。ネメスィは顔とか髪色変えられるよな?」
別の生き物になれるのだから別の人間にくらいなれるはずだ。
「短時間なら」
「なんで短時間?」
「一日以上やると元の顔を忘れる気がする」
一日以上変える必要はないだろうから大丈夫だ。
「ネメスィは樹液を買いに行く。アルマはこの家にある金庫とか壊して金を探す。シャルは樹液が届き次第飲んで瞑想。俺はレコードアイの改造」
カタラがスっと手を挙げる。
「俺は?」
「カタラはシャルが暴走した時の拘束役、あとアルマが困ってたら助けてやってくれ」
「……兄さんは僕を信用してないんですね」
「悪いけどそっち方面の信用はないなぁ……ごめんな、シャル。シャルはいい子すぎて暴走しちゃうからなぁ」
シャルを抱きしめ頭を撫で回し、機嫌を取る。
「改造って結構緻密な作業だし、専用の道具があるの地下だから……しばらく籠るな。レコードアイ飛ばすのは通気口でも使うよ」
「……兄さん一人でいて大丈夫ですか?」
「集中したいからさ、何日かは一人にしてくれよ。絶対地下室には入るなよ? じゃ、解散!」
俺は適当な部屋に向かって地下室への入り口を作動させたフリをして物音を立て、誰にも見つからないよう気を付けながらネメスィの部屋へ向かった。
10
お気に入りに追加
1,787
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
【第1章完結】悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼第2章2025年1月18日より投稿予定
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる