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身も心もとろけさせて

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肩を揺さぶられて目を覚ますと鋭い金眼に見つめられていた。少しずつ身体の感覚が回復し、尻尾がくたびれて動かず陰茎が痺れていることに気付く。

「ね、め……し?」

ネメスィの名を呼ぼうとして声が枯れていることに気付く。

「……悪い、やり過ぎた」

ネメスィは俺の太腿の上に跨っている。何があったか思い出してきた。陰茎と尻尾ばかりを弄られて連続で絶頂し、失神したのか。

「ん……のど、かわいた……ちゅー、して」

シーツを掴んでいたのだろう手も疲れている。ネメスィに向かって伸ばすとネメスィは上体を倒して唇を重ねてくれた。意識して分泌される唾液に優しさを感じながら飲み、喉を潤す。

「んー……ありがと、ネメスィ」

「……可愛いな、サク」

頬を撫でて起き上がったネメスィの笑顔は今まで見た彼の表情のどれよりも穏やかだった。視線を下ろすとズボンの中で窮屈そうにしているものに気付く。

「ネメスィ、次はそっちの飲ませて?」

股間の膨らみを指差すとネメスィはズボンと下着をズラして性器を露出させた。血管が浮くほどに勃起したそれを見るだけで下腹がきゅんきゅんと疼く。

「……入れて」

自分自身が淫らに変わっていく恐怖はもう感じない。俺の現世はこの異世界なのだから、好きな男に愛される悦びを覚えやすくなる身体を嫌がる必要なんてない。そう開き直った。

「あぁ、横を向け」

ネメスィがどいてから横向きに寝返るとネメスィが背後に寝た。二人で右半身を下にして寝転がり、足を絡めながら挿入された。

「んぁあっ……! ぁ、はぁっ……ネメスィ、これ、腰振りにくくない?」

「俺は腰を振らない。言っただろう、朝までイかせ続けてやると。普通にやったのでは俺の体力が先に尽きてしまうからな」

深くまで挿入されたネメスィの陰茎は俺の前立腺を押し上げている。だが、それ以上の刺激はない。

「もう少し頭を後ろに……そうだ」

ネメスィの二の腕に頭を置き、目の前で肘が曲がるのを見る。腕のたくましさにときめいていると腕枕をしているその手に胸を撫でられた。

「ぁ……!」

「苛烈な罰を好むのは分かったからな、今度は優しくしてやろう。以前は優しくしてくれと言っていたのだから優しいのも好きだろう?」

もう片方の手は下腹を撫でている。臍の下辺りをぐっと押し込まれると陰茎によって中から押し上げられていた前立腺が潰され、俺は容易に絶頂を迎えた。

「今まで酷くして悪かったな。好きな者には優しくする……当然のことだ。お前を優しく撫でよう、サク」

「ぁ、ああっ……ひぁ、あ……」

ネメスィは優しくと言っているが、彼の手は動きが遅いだけで力は強い。下腹は挿入されている陰茎の形が浮くくらいに強く押さえられている。

「イ、くぅぅっ……!」

ピンと伸ばしてしまう足はネメスィの足に絡め取られており、まともに動かせない。

「ひぁあっ……!? ぁ、やっ、胸……ひ、ィ、ぁ、あっ……乳首っ、乳首、やらぁあっ……!」

尖った乳首をゆっくりと弾く手をどかせようとしてもネメスィの力には叶わない。密着しているから体温が背中に伝わって否応なしにときめかされるし、熱い吐息がうなじにかかってくすぐったい。

「ぁ、あーっ……! ねめ、しぃっ……これっ、俺……ずっと、なんかっ……イってる……!」

常に感じている強い快感は絶頂の最中のものとほぼ同じだ。ぐりぐりと撫でられる前立腺から波紋のように伝わる快楽は俺の身体を痙攣させている。

「……少し話してもらおうか。お前は夫にどんなふうに抱かれているんだ?」

「ふぇ……? ありゅま……? ぁ、あっ……あるま、は……おっきい、のっ……」

ぐっと少し強めに前立腺を押し込まれ、身体が勝手に仰け反ってしまう。

「イぐぅっ……! ぁ、ふっ……あぁ……」

「続けろ」

「そ、んにゃっ……俺、イってるのに……ぁあっ!? ひぐっ、ぅ、うぅっ……」

「続けろ。大きいの……で、なんだ?」

下腹に深く沈んだネメスィの手を弱々しく引っ掻いても何も変わらない。

「おっき、ィっ……の、でぇっ……おなか、パンパンにされてっ……ぁ、あ……は……おくまでっ、ごりごり、ごぢゅごぢゅ、しゃれるっ……のぉ……」

「気持ちいいのか?」

「ぅ、んっ……めちゃくちゃ、イイ」

きゅっと乳首を摘まれ、頭を後ろに振ってしまってネメスィの鎖骨に頭突きをしてしまう。

「んぁっ……ごめん」

「構わない。それで? 腹の中を擦られて夫とのセックスは終わりか?」

「んーん……おなか、ぎゅって掴まれて、内臓全部ぺったんこにされるのぉ……おなか全部アルマのになってぇ、すごいの……」

「……流石はオーガだな、乱暴だ」

頭蓋骨に響かせられる低い声に脳まで蕩けてしまう。

「あっ……ぁ、ぁーっ……ねめしぃ、より、優しい……アルマ、は……一番、優しいもん……」

「そうか? まぁ、オーガにしては温和そうな奴だったな。それで、夫の横で弟に抱かれたというのは?」

「んっ、ぅ……シャル、ね? 寝てるアルマの隣で、俺に入れたの……」

「どうして拒否しないんだ?」

もう絡められた足を気紛れに締められるのにすら感じてしまう。鈍重な快楽のせいで全身が敏感になっている。

「らってぇ……シャル、かわいいもん……かわいいからぁ、許しちゃう……ん、ぁあっ! ぁ、はっ……シャル、お願い聞いてあげないと、ぉっ……ほ、ぉ……ん、んっ……きいて、あげないとぉ……すね、ちゃうっ……かりゃぁ……」

「拗ねたら何が悪いんだ」

「すね、たりゃっ……かわい、そ……らからぁっ……はぅっ! ぁ、ひぁあっ……!」

ピンッと乳首を弾かれて久しぶりの一瞬だけの刺激に身体が震える。

「お前は弟を甘やかしすぎだ、それはいけないことだな、仕置きだ」

「そんなっ……ひぁああんっ! イぐっ、イぐぅぅうっ!? なんれっ……こんにゃあっ、ぁああぁあっ!?」

ネメスィがゆっくりと腰を回しただけで俺の身体は簡単に絶頂に押し上げられ、絶頂から降りられなくなった。

「イぐっ、イって……ぁああっ!」

「もうイきたくないなら弟に毅然たる態度を取ってみろ。次、夫の横で抱かれそうになったら断るんだ。それを約束したら腰を止めてやってもいいぞ?」

あの紫色の丸い瞳が潤んで「僕のこと嫌いになったんですか」と震える声で尋ねる様子が脳内で鮮明に再現された。

「ゃ、らっ……しょんなっ、ひどいこと、できなぃ……ぁああっ、ぁああーっ! イぐっ、らめっ、イぎ、死ぬっ……!」

「……ダメな兄貴だな、朝までイき続けろ」

「ゃああぁあっ! 死ぬっ、ぅゔぅぅっ……!」

「なら……」

俺はネメスィの言葉を待たずに首を横に振った。シャルを泣かせるなんてもう二度としたくないし、腰を止められたくもなかった。ネメスィの腕から逃れようともがいても、口でいくら嫌だと呻いていても、俺は朝まで絶頂させ続けて欲しくてたまらなかった。
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