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触手ものってハッピーエンド少なくない?

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俺の身体を真っ二つに裂くようにして挿入された触手はブラシ状の部分を外側にしており、敏感な腸壁を洗うように擦ってくる。

「融合を繰り返してアマルガムなんて呼ばれるようになった名無しの魔神王。彼をキミに溺れさせられたら楽だけど……彼は重度のズーフィリアだから無理なんだよね。キミを媒介に力を貯めて、ボクが直々に殺すしかない」

「ひぁっ、ああっ、やだっ、やっ……ぁああっ!? ひぃっ、なかっ、なにっ、何やだっ、なか変っ、いやぁあっ!」

柔らかなブラシは抉るようにしたりはせず、伸縮性に定評のある淫魔の腸壁を丁寧に擦っている。そうされると細かな弱点が際立って、今まで性器を挿入されただけでは感じなかった快楽を覚え始める。

「直々に手を下すのは趣味じゃないんだけど、ポリシー守ってちゃ生きてけないからね。キミだって本当はこうして手を出さずに精神崩壊メス便器堕ちルートを見守りたかったんだよ? なのに正気保って満喫し始めるからボクがこんなことしなくちゃならなくなったんだ」

「やだぁあっ! イかせないでっ、もぉイかせないでよぉっ、変になるっ、おかしくなりゅからぁっ、ゆるして、言うこと聞く、なんでもするからもぉやめてぇっ!」

細かな弱点を目覚めさせられ、下腹に溜まっていく快楽が解放される時が怖い。次の絶頂で俺は本当に狂うかもしれない。

「いいかい? キミは男共の性欲のはけ口になっていればいい、一人一人と睦言を交わさなくていい。キミを求め互いに嫉妬し合う男共をキミは止めなくていい、争う男共を放って別の男と寝ればいい。分かった?」

「分かった! 分かったからっ……分かったからっ、やめて……!」

「そう、よかった。なら前立腺から結腸から弱点ぜーんぶガン突きやってあげるね、嬉しいでしょ」

絡み合っていた触手が解けるのが分かる。花びらが開くように腸内で広がっていくのが分かる。

「ゃ……やめてっ、ゆる、じて……」

「許すも何もないよ」

「なんで、なんで俺がこんな目に……」

「キミが酷い目に遭うのはキミが悪いんだ。ボクの求める条件に合っているのに、ボクが探してたタイミングで死んだキミが、悪いんだ。死ななきゃこんなことにはならなかったよ? ね? キミが悪いだろ? ボクは何も悪くないのさ、なんてったって善良な女神様だからね、ボクが悪いなんてありえないのさ」

触手は先程までの優しい擦り方を忘れ、俺の腹を突き破って出ようとするように突き上げた。女神の言う通り、特に敏感な箇所を的確に狙って突いている。

「んぉっ……ぁひっ!? ひぐっ、ゔ、ぁあっ!」

下を見れば自分の腹が変形しているのが分かって、凶暴な生き物を孕んでいるような気分になって、それから与えられる衝撃や刺激を全て快楽として捉える自身の脳まで恐ろしくなってくる。

「ひぐぅうっ! あぁあっ……イくっ、イぐぅっ! ひぁあんっ! イっでりゅのにぃっ、まらイぐっ!」

「ふふ……どーぉ、サッ君。普通に生きてちゃ味わえない快楽は。気持ちいい? 嬉しい?」

自分が狂うことに感じていた恐怖も快楽に押し出され、邪悪な笑みを浮かべる女神への怒りを抱く知能もなくなる。

「ぅんっ……ぎもぢぃっ! うれひぃっ、おなかっ、がんがん突かれりゅのっ、イきまくるのっ、しあわせっ……!」

「うん、うん、よしよし、狂ってきた狂ってきた。もうちょっとかなー?」

ブラシ状の触手が体内で好き勝手暴れ回っても、俺はそれに犯される悦びを覚える。蕩けるような快楽の熱が下腹から全身に広がって、叩き込まれる快楽の電撃が脊椎を駆け回り、俺に幸福を覚えさせる。

「ぁ、あぁっ、ひっ、ぐぅう……ん、ぉおおっ……はっ、ひっ……あぁああっ!」

「そうそうその調子……ん? やばっ!」

女神が慌てた様子で暗闇へと消えていく。直後、本物の雷撃が暗闇を切り裂き、俺を触手から解放した。

「サク、サクっ……起きてくれ、サク……! 頼む、目を覚ましてくれ……」

誰かに強く抱き締められている。瞼越しに感じる光に恐る恐る目を開ければ、俺にすがりついて胸元に顔を埋めたネメスィの金髪があって、その金色に夢の中で見た雷撃を思い出して、何となく髪を撫でた。

「サクっ……!? サク、起きたのかサク! よかった……」

「…………ネメスィ?」

「何があった? お前から嫌な気配がしていて……そうだ、あの女神の気配だ。何かされていなかったか? 今はもう感じない、きっと追い払えたんだ、サク……よかった」

追い払えてなんかいない、干渉を弱めただけだ。

「……カタラもお前の夫もまだ眠っている。疲れているならもう少し休め。悪かったな、こんなに早くに起こして」

ネメスィが立ち上がると馬車にもたれて眠るアルマと地面に転がっているカタラが目に入った。ネメスィは俺を抱えて馬車に入り、毛布の上に俺を転がすと馬車を出ようとした。

「待って、ネメスィ」

「なんだ?」

振り返った彼の首に腕を回し、唇を唇に押し付け、舌を侵入させ──られない。ネメスィは口を開けてくれない。それどころか肩を掴んで引き離された。

「…………何をしている」

それはこっちのセリフだ、どうしてキスを拒むんだ。

「お前はあのオーガの伴侶だろう。すぐそこに居るんだぞ? 何を考えている、腹が減ったならアイツを起こせ」

「……何言ってるのか分かんない」

貞淑なんてくだらない。アルマはカタラと俺を取り合って争いかけていた、なら今はネメスィと寝ておくのが効率のいいヤり方だ。

「ネメスィとしたい。お尻叩かれながら抱かれたい気分なんだ、ネメスィの入れて欲しい気分なんだよ」

「気分……? ふざけるな、お前は魔神王に誓ったんだろう、あのオーガと添い遂げると」

馬車に敷かれた毛布の上にゴロンと転がって、膝上までしかない足を開いて、尻肉を引っ張って穴を拡げる。そっと指を挿入し、自分で後孔を掻き回し、蕩けた穴から腸液を垂らす。

「俺、ネメスィが好き。ネメスィに抱かれたい。ネメスィの……欲しい」

「好き……? 本心か?」

「疑っちゃやだ……ネメスィ、好き……早く、きて?」

尻尾の先端でネメスィのズボンを押し上げている股間の膨らみを撫でると、ネメスィは馬車の扉を閉めて服を脱ぎ始めた。
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