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もしかして「口の方がキツい」

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そっと亀頭にキスをして、手を幹の部分に添える。片手で作った筒には陰茎が入らない、この長さを口に入れるのは不可能だ、両手で擦るのが楽だし愛撫しやすいだろう。

「サクっ……! あぁ、サク……」

「ん……すぐにイかせてやるから、ちょっと待ってろ」

自分の精液を口に入れるのは嫌だ。幸い、俺の精液はアルマの陰茎の中程にかかっており、亀頭にはあまりない。僅かに飛び散った分を指で拭い、亀頭に付着した精液を拭っている間に口に溜めた唾液を垂らす。

「……知ってるか、アルマ。インキュバスやサキュバスの体液には媚薬効果があるんだ」

魔力封印の首輪を着けられた今も効果は出るのか、飲まなければ効果がないのか、塗っても効果が出るのかは知らないけれど、もし媚薬効果がなかったとしてもプラシーボ効果くらいは期待できるだろう。

「…………たっぷり塗り込んでやるよ」

挑発するように見上げ、尖らせた舌を鈴口に触れる寸前に伸ばして唾液を垂らし、ローション代わりに陰茎を濡らしていく。
俺の唾液と精液にまみれた、俺の手首よりも太く俺の肘から先よりも長い陰茎。手のひらで根元から亀頭の下までを擦り上げるとちゅこちゅこと音が鳴る。粘性のある水音は俺の興奮を加速させる。

「……あぁ、サク、サクが……俺のを」

興奮しているのはアルマも同じのようだ。
アルマが息を荒らげているのは俺のテクニックではなく、俺に扱かれている事実に興奮しているからだ。不思議なくらいに俺に惹かれてくれているアルマに応えるためにも、しっかりと陰茎を攻めなければ。

「アルマ……舐めて欲しい?」

舌を限界まで出して上を向く。俺を見つめるアルマは俺が見た中で彼の中で最も欲情した表情をしていた。

「ぃ、いや……大丈夫。綺麗なものじゃないし、サクが嫌なことはしなくていい」

俺は舌を亀頭に押し当てた。味蕾の粒の並びがアルマに分かるくらいに押し付け、数秒保ってから亀頭だけを舐め回す。

「サク……!? しなくていいって……」

「ん……ちょっとしょっぱい。でも……ん、ぅ……ふふ、美味しい……」

先走りの汁すら美味しく感じて、淫魔の本能に従って舌先で舐め回す。

「あぁ……サクが、舐めてっ……こんな、はぁっ……サク、サクっ……!」

「ん……アルマ? そろそろ出そう?」

「あぁ、もう……出るっ……!」

「ぁ、く、咥えるまで待って……」

慌てて咥えようとするも、自分の握り拳とほぼ同じ大きさの亀頭を口に入れるのは難しい。顎を限界まで開けて、歯を立てないように気を配りつつぐりぐりと押し込んで、嘔吐いてしまった。

「ぅあっ! ぁ……サク、そんな、強くっ……」

まだ準備が出来ていないから、まだ出して欲しくないからと幹の部分を強く押さえてしまっていた。慌てて手を離し、自分の頭の後ろで手を組み、アルマの亀頭を口内に無理矢理押し込んだ。

「……あぅぁ、ぁぃて…………ん、ゔぅっ! ふゔぅうっ!」

出しても大丈夫だと言おうとして、その口の動きによる刺激でなのか射精が始まった。下を向いているから口をすぼめなければ出てしまうし、飲み込むのも難しい。それなのに後から後から溢れてくる。
頬が痛い、口が破裂してしまう。俺は喉に直接流し込んでもらえば吐いたりしないと考えて、アルマの陰茎をより深く飲み込んだ。

「んぐっ……! ぅ……ぉ……」

ごっ、と喉の奥に当たる亀頭に、食道に流し込まれる精液。その二つの衝撃は俺を息苦しさからの意識喪失に近付けるには十分過ぎた。

「ふぅ…………ん? サク! サクっ、サク……大丈夫か?」

俺の様子がおかしいのに気付いたアルマに頭を掴んで持ち上げられ、射精を終えて萎えた陰茎が口から出ていった。

「だ、大丈夫……か?」

口に溜まっていた精液が零れてしまった、もったいない。
ぼうっとする俺の唇を親指で優しく撫でるアルマの表情は心配に染まっていた。

「んぅ…………ん、む……ふ」

俺は無意識にアルマの親指にしゃぶりつき、鋭く伸びた爪の裏側を舐めた。

「こら……指をしゃぶるな。爪が伸びているんだ、舌を切ったらどうする。大丈夫なのか? サク……苦しかっただろう?」

「んー……だい、じょーぶ…………多分」

アルマに支えられていた頭を自分の首で支えるようになるとアルマは安心したような顔をして俺の頭をくしゃくしゃと撫で回した。

「……アルマ」

脳と視界をぼやけさせていた快楽の霧が晴れ始めて、頭を撫でられた喜びで緩んだ顔でアルマを見上げる。

「…………好き」

はっきりとした頭で考えて改めて出た結論を呟く。彼に触れられて湧き出る快感以外の暖かな心地好さの正体を俺は好意だと解釈した。
言葉に詰まったまま震える腕で俺を慎重に抱き締めるアルマの首に腕を回して、彼の耳元で囁く。

「……俺は、優しいアルマが大好き」

「………………何十年もの恋が叶った気分だ」

「会って何時間かだろ?」

「それくらい嬉しいんだ……サク、もう絶対にお前に涙は流させない」

優しく逞しい愛情が嬉しくて仕方なくて、一筋の涙が頬を伝った。
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