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挿入より最中より射精がキツイ

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挿入の角度が悪いのか、俺の中でオークの陰茎はXを描くように交差し、めちゃくちゃに俺の腸壁を抉っている。人間ならとっくに腸が破れて血まみれになって本当に体内を犯されている頃だろう、しかし伸縮性に優れた淫魔の身体は無茶な挿入も抜き挿しも受け入れている。

「ぁんっ、やぁっ、ひぁああっ! やめてっ、イったとこやめてぇっ! 痛いのっ、きもちぃのぉっ! 意味分かんないのぉっ! やめてって言ってんだからやめろよぉおっ! このっ、ばけものぉっ!」

押さえる必要はないと判断されたのか開放された手でオークの身体や顔を叩いてもビクともしない。むしろ弱々しい抵抗と見なして興奮しているようで、腰振りが早くなった。

「ぁあっ! やだぁっ! ゃんっ、あっ、んぁあっ! 嫌だって、言ってるっ……ぅううっ! イっ、くぅぅっ! ぁああっ、もぉおっ! 抜けよぉおっ!」

向かい合って見つめ合うことになってしまっている顔が醜悪なのが嫌だ、身体を掴んで上下させている手がごつごつしているのが嫌だ、爪にカスが溜まっているのが、肌がヌルヌルしているのが、臭いのが嫌だ。

「はは、見ろ。キレながらイっとる。オークにヤられたら壊れるか堕ちるか泣いて反応しなくなるか……キレる奴そこそこ珍しいの。丈夫じゃな」

「大人しくて従順って聞いてたから、もうちょっとしおらしいのかと思ってましたよ」

「反応が予想外なのもコレの醍醐味じゃな」

檻の外で俺を眺めている老人と男が好き勝手話していて怒鳴ってやりたいけどそんな余裕はない。右端のオークが根元まで挿した状態で動かなくなり、真ん中のオークもそれに倣う。射精する気だと本能的に察し、精液を期待する。

「ぁ……きてっ…………んぁあっ、きたっ、いっぱい…………? 薄い……?」

精液が妙に水っぽい。しゃばしゃばしている。

「ほー、あんだけキレててもやっぱり精液飲む時だけはトロ顔見せよるわ」

右端のオークの精液も真ん中のオークの精液も水っぽい。しかし、多い、多過ぎる。

「ゃ、やめ……もう、入らない……射精やめろよっ、死ぬ……破裂するっ……嫌だっ、いやっ、抜けよぉっ、死ぬぅっ、お腹痛いぃっ!」

内側から膨らませられているのが分かる。精液が胃の方に逆流してくるのが、二本入った穴の隙間から少しずつ漏れているのが分かる。

「オークの射精ってうっすいのと濃いぃのに分かれとるんよ」

「そんな気持ち悪い情報聞きたくないです……」

太腿や腰を掴む手の力が緩んで終わりを期待するが、オーク達は更に強く掴み直して更に深く突き上げた。

「んぉっ……うぅ……嫌……ぁ、ぁあっ……濃いぃ……多い、無理ぃ……」

水っぽい精液が終わると次はドロドロと粘着質な精液を流し込まれた。蓋をされたような気分だ。腹がたぽたぽしている、吸収がなかなか終わらない。まさかの二段構えに泣き始めると陰茎が両方抜かれ、興味を無くしたとでも言いたげに床に捨てられる。すると左端のオークが俺の腕を掴んで引っ張り、持ち上げる。

「今度は……お前、か。まぁ、一匹なら……まだ」

引っくり返されて床に手を着かされ、腰だけを持ち上げられる。再び細長い性器が挿入され、精液で満たされた腸内を水音を立てながら犯される。

「ぁ、ぅあっ……はぁ…………ん?」

一本でも苦しいのは苦しい。目を閉じて苦痛に耐えていたが、不意に手が何かに触れて目を開けた。触れたのは水溜まり……小便か? いや、違う。薄暗くて分かりにくいが、この液体は赤い。

「ひっ……! ぃあっ、痛いっ……引っ掻くなばかぁっ! ぅう……」

鉄臭い匂いも気になって床を見回すと人の手首を見つけた。思わず息を飲み、深く突かれて息を吐く。二つの理由で泣きそうになりながら首を回すと隅に人の頭を見つけた。見覚えのある髪型、髪色……あの少年だ。

「ひっ……ぅぁあぁっ!? ぁっ、嫌……ぃやぁ……!」

生きているところを見た人間の死体に悲しみなのか恐怖なのか分からない負の感情が溢れ返る。頭の中を多色のクレヨンで塗り潰されたような気分だ。
怖くて怖くて気持ち悪くて、流し込まれた精液を吐きそうになっていると腰振りが止まる。射精が始まり、またあの水っぽい精液から流し込まれる。

「無理っ……もぉ、無理ぃ……破裂するぅ……」

どぷどぷと遠慮なく注がれる精液の粘性が変わり、俺はとうとう吐いてしまった。口内に広がるのは精液の臭いで、口から溢れた液体は白く濁っていた。

「うぉ……精液完全に逆流したぞ、見ものじゃな」

「さっき馬車で私も抱きましたし、競売場スタッフや配送業者に手を出されているでしょうし、流石にオークのものじゃないでしょう」

「いやいやオーク舐めちゃいかんよ」

口から溢れたのがオークの精液でもそうでなくてもどっちでもいい。陰茎は抜かれたし、もう終わりだ。再び床に転がされ、すすり泣きながら這いずって扉に向かう。しかし、足を掴まれた。

「え……?」

振り返れば右端と真ん中のオークの陰茎はそそり立っていた。

「嘘、嘘、嘘っ……うそぉっ!」

「ぁ、言い忘れてたんじゃが……精力増強と興奮剤打っとるから明日になっても止まらんよ」

「え……じゃあ私帰りますね」

「明日はオーガとの撮影じゃから見たけりゃ来い」

明日になっても? まだ日は高いぞ? このペースで犯され続けるのか?

「待って、やだぁっ! ご主人様ぁっ……!」

去っていく男に助けを求めても仕方ないのは分かっている。

「ネメスィっ、カタラぁっ、シャルぅうっ! 助けてぇっ!」

二人は俺が王都に居ることすら知らないのも分かっている。一人は俺の夢の中にしか出てこない者だとも分かっている。

「ぁ、あっ、やだ、せめて一つずつ……あぁああっ!?」

二本一気に根元まで挿入されて、再び苦痛と屈辱と快楽を覚え始めた。

「やだっ、やらぁっ、こんなのでイくのやだぁ……」

ネメスィやカタラに抱かれている時に男を欲情させてしまう俺は不幸者だなんて思っていたけれど、違った。ネメスィには叩かれたけどカタラは優しくしてくれたし、何より彼らは見た目が良く、俺を愛していた。
愛情なく肉欲だけで醜い豚に犯される、そんな未来を知っていたなら宿屋の主人の呼びかけになんて応えなかったのに。
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