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魔物に良い奴なんて居ない
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少し期待していたが、カタラはまだ宿に戻っていなかった。扉が閉じた途端、ローブを脱がされ、頭の羽を引っ張られる。
「痛いっ! ちぎれるっ……やめろっ! それ、強度分かってないんだよっ!」
抵抗すると更に強く引っ張られる。本当にちぎる気かと思える表情とミシミシという音と痛みに怯えて抵抗をやめると、パッと手が離れた。
「ひっ……ぅ、痛いぃ……」
「サク、これは何だ?」
「は……? 剣、だろ? お前の……」
ネメスィは鞘に入ったままの長剣を俺に見せる。短い物もあったと思うが、今は見当たらない。
「そう。魔物を大量に切った。柄で魔物の頭を大量に割った。刃先から柄の先まで魔物の血に濡れていない場所はない。鞘もな。何も感じないのか?」
ひた、と頬に当てられるが、鞘に入っているためそこまでの恐怖はない。ネメスィは無表情のままだから俺が怖がらなかったことに不機嫌になっているのかすら分からない。
「……脱げ。手を頭の後ろで組んで、脚を開いて立て」
屈辱的な命令だが従わなければ切られるかもしれない。俺は全裸になって手を頭の後ろで組み、足を開いた。
「違う。膝を曲げて、腰を落とせ。淫魔の淫魔たる部分を見せつけてみろ」
伸ばしたままだった膝を曲げて腰を落とし、性器ををより見えやすくする。この姿勢は案外キツい、筋トレになりそうだ……そんなことでも考えなければやってられない。
「……サク。分かっているな? 全部見えているぞ」
「言うなぁっ……分かってるから……ぅあっ!? いっ、たぁ……」
太腿を鞘に入ったままの剣で殴られた。鞘入りで切れないから問題ない? 鉄塊だぞ、内出血はもちろん下手を打てば骨が折れる。
「魔物であるお前が勇者である俺の前で、服も着ないで殴られてもすぐに対応できない姿勢を取っているんだ。その意味は分かるな?」
「……俺を殺したりしないだろ?」
人を襲ったこともない、襲う気もない魔物を殺す理由はない。RPGでもそういう魔物は殺さないのが定番だろう。
「…………馬鹿なのか? お前は」
ネメスィは剣を置き、俺の二の腕を摩る。その手がゆっくりと下りて腋を撫でられると擽ったさで体が跳ねた。
「動くな」
帯電しているような瞳で睨まれて膠着するも、腋を撫で回されては勝手にピクピクと動いてしまう。
「お前は何も分かっていない。俺は平和を乱した魔物が改心を叫ぼうと子供のためだと叫ぼうと靴を舐めようと殺してきた。俺がお前を殺さない? 馬鹿を言うな、そんな保障はどこにもない。今、触られているだけだと思っているのか? 突然力を込めて腕を引きちぎらないと思っているのか?」
手つきは優しく、だんだんと擽ったさではなく快感に変わっていく。後頭部を引っ掻いてしまう。スライムの触手に撫で回されはしたけれど、腋も性感帯だなんてそんなの嘘だ。
「裸になって脚を開いて、武器を持っていませんと証明して、頭の後ろで手を組んで反抗しませんと表明して…………俺に殺される可能性は考えなかったのか?」
「……考えなかった」
「…………本当にセックスしか頭にないのか?」
「そんなこと……ない。殴られるのは嫌だなって、だから従っておこうって、それだけ」
手のひらで撫で回していたのが指の腹で引っかくようなやり方になる。擽ったさが薄れたばかりで、腋も感じてしまうと分かった直後に刺激を強められては声が漏れる。
「ぁ、ゃ……やだ、そこ、嫌……ぁっ」
手が離れて安堵すれば、右の腋をゆっくりと舐め上げられる。
「ひっ……!? な、何してんだよ。俺っ、昼間結構汗かいたぞ……?」
「なら、どこならいいんだ?」
「は……?」
「どこを触って欲しいんだ? 口のきき方以外は従順になってきているご褒美だ、どこを触って欲しい?」
今一番疼いているのは、近いところを触られながら一切掠りもしなかった乳首だ。痛いくらいに赤く尖って存在を主張している。
「ち、くび……を、摘んで、欲しい……」
「…………あぁ、して欲しそうだな。膨らんでる……」
左乳首が弱く摘まれ、右乳首に息を吹きかけられる。ネメスィにこんなにねちっこく攻められるとは思わなかった。彼は前に力加減が苦手だとか言っていたが、絶対嘘だ。
「普通より大きいのは分かっているか? 見れば誰にでもバレるぞ、乳首を弄るのが好きな変態だとな」
「人前で……脱がないっ、から……」
「少し薄着をすれば勃たせていると分かりそうだな。白い服ならこの朱が浮くかもな」
「早くぅっ……くりくりしてぇ、もう陰口も悪口も言わないから」
きゅ、と左乳首を摘まれる。短く声を漏らせば不規則な休みを混ぜてくりくりと捏ねられる。
「ぁあっ……ん、ふぁあ……あっ、ん……」
「サキュバスですら滅多に子供を産まないのに、インキュバスにどうしてこんなものがあるんだ?」
お前にだってあるだろ、そう言いたい心を無視し、胸を反らして従順をアピールする。
「き、きもち……いぃ、から……」
「快楽のためだけの突起か。とんでもないな」
「んぁっ! ゃ、んんっ! はっ、弾かないでぇっ……ひんっ、らめ……ゃあぁああっ! そんなっ、強く抓らないで……イくっ……からぁっ」
ピンピンと爪で弾いたり、ぎゅうっと抓って引っ張ったり。自分で見ても痛そうだと思うのに少しも痛みはなく、ただただ気持ちいい。
潰れてしまいそうなくらい強く抓られるのが、ちぎれてしまいそうなくらいに引っ張られるのが、気持ちいい。上下左右めちゃくちゃに引っ張られても悦びの声を上げてしまう。
元々敏感な淫魔の体をスライムに調教されたんだ、仕方ない。そう思っていても自己嫌悪は止まらなかった。
「痛いっ! ちぎれるっ……やめろっ! それ、強度分かってないんだよっ!」
抵抗すると更に強く引っ張られる。本当にちぎる気かと思える表情とミシミシという音と痛みに怯えて抵抗をやめると、パッと手が離れた。
「ひっ……ぅ、痛いぃ……」
「サク、これは何だ?」
「は……? 剣、だろ? お前の……」
ネメスィは鞘に入ったままの長剣を俺に見せる。短い物もあったと思うが、今は見当たらない。
「そう。魔物を大量に切った。柄で魔物の頭を大量に割った。刃先から柄の先まで魔物の血に濡れていない場所はない。鞘もな。何も感じないのか?」
ひた、と頬に当てられるが、鞘に入っているためそこまでの恐怖はない。ネメスィは無表情のままだから俺が怖がらなかったことに不機嫌になっているのかすら分からない。
「……脱げ。手を頭の後ろで組んで、脚を開いて立て」
屈辱的な命令だが従わなければ切られるかもしれない。俺は全裸になって手を頭の後ろで組み、足を開いた。
「違う。膝を曲げて、腰を落とせ。淫魔の淫魔たる部分を見せつけてみろ」
伸ばしたままだった膝を曲げて腰を落とし、性器ををより見えやすくする。この姿勢は案外キツい、筋トレになりそうだ……そんなことでも考えなければやってられない。
「……サク。分かっているな? 全部見えているぞ」
「言うなぁっ……分かってるから……ぅあっ!? いっ、たぁ……」
太腿を鞘に入ったままの剣で殴られた。鞘入りで切れないから問題ない? 鉄塊だぞ、内出血はもちろん下手を打てば骨が折れる。
「魔物であるお前が勇者である俺の前で、服も着ないで殴られてもすぐに対応できない姿勢を取っているんだ。その意味は分かるな?」
「……俺を殺したりしないだろ?」
人を襲ったこともない、襲う気もない魔物を殺す理由はない。RPGでもそういう魔物は殺さないのが定番だろう。
「…………馬鹿なのか? お前は」
ネメスィは剣を置き、俺の二の腕を摩る。その手がゆっくりと下りて腋を撫でられると擽ったさで体が跳ねた。
「動くな」
帯電しているような瞳で睨まれて膠着するも、腋を撫で回されては勝手にピクピクと動いてしまう。
「お前は何も分かっていない。俺は平和を乱した魔物が改心を叫ぼうと子供のためだと叫ぼうと靴を舐めようと殺してきた。俺がお前を殺さない? 馬鹿を言うな、そんな保障はどこにもない。今、触られているだけだと思っているのか? 突然力を込めて腕を引きちぎらないと思っているのか?」
手つきは優しく、だんだんと擽ったさではなく快感に変わっていく。後頭部を引っ掻いてしまう。スライムの触手に撫で回されはしたけれど、腋も性感帯だなんてそんなの嘘だ。
「裸になって脚を開いて、武器を持っていませんと証明して、頭の後ろで手を組んで反抗しませんと表明して…………俺に殺される可能性は考えなかったのか?」
「……考えなかった」
「…………本当にセックスしか頭にないのか?」
「そんなこと……ない。殴られるのは嫌だなって、だから従っておこうって、それだけ」
手のひらで撫で回していたのが指の腹で引っかくようなやり方になる。擽ったさが薄れたばかりで、腋も感じてしまうと分かった直後に刺激を強められては声が漏れる。
「ぁ、ゃ……やだ、そこ、嫌……ぁっ」
手が離れて安堵すれば、右の腋をゆっくりと舐め上げられる。
「ひっ……!? な、何してんだよ。俺っ、昼間結構汗かいたぞ……?」
「なら、どこならいいんだ?」
「は……?」
「どこを触って欲しいんだ? 口のきき方以外は従順になってきているご褒美だ、どこを触って欲しい?」
今一番疼いているのは、近いところを触られながら一切掠りもしなかった乳首だ。痛いくらいに赤く尖って存在を主張している。
「ち、くび……を、摘んで、欲しい……」
「…………あぁ、して欲しそうだな。膨らんでる……」
左乳首が弱く摘まれ、右乳首に息を吹きかけられる。ネメスィにこんなにねちっこく攻められるとは思わなかった。彼は前に力加減が苦手だとか言っていたが、絶対嘘だ。
「普通より大きいのは分かっているか? 見れば誰にでもバレるぞ、乳首を弄るのが好きな変態だとな」
「人前で……脱がないっ、から……」
「少し薄着をすれば勃たせていると分かりそうだな。白い服ならこの朱が浮くかもな」
「早くぅっ……くりくりしてぇ、もう陰口も悪口も言わないから」
きゅ、と左乳首を摘まれる。短く声を漏らせば不規則な休みを混ぜてくりくりと捏ねられる。
「ぁあっ……ん、ふぁあ……あっ、ん……」
「サキュバスですら滅多に子供を産まないのに、インキュバスにどうしてこんなものがあるんだ?」
お前にだってあるだろ、そう言いたい心を無視し、胸を反らして従順をアピールする。
「き、きもち……いぃ、から……」
「快楽のためだけの突起か。とんでもないな」
「んぁっ! ゃ、んんっ! はっ、弾かないでぇっ……ひんっ、らめ……ゃあぁああっ! そんなっ、強く抓らないで……イくっ……からぁっ」
ピンピンと爪で弾いたり、ぎゅうっと抓って引っ張ったり。自分で見ても痛そうだと思うのに少しも痛みはなく、ただただ気持ちいい。
潰れてしまいそうなくらい強く抓られるのが、ちぎれてしまいそうなくらいに引っ張られるのが、気持ちいい。上下左右めちゃくちゃに引っ張られても悦びの声を上げてしまう。
元々敏感な淫魔の体をスライムに調教されたんだ、仕方ない。そう思っていても自己嫌悪は止まらなかった。
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