いわくつきの首塚を壊したら霊姦体質になりまして、周囲の男共の性奴隷に堕ちました

ムーン

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幼馴染を起こしたい(レン視点)

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師匠が秘書を連れて戻ってきた。その間も俺と形州とミチはずっともちに呼びかけていたが、起きる気配がない。

「多分、昨日報告されたヤツですね」

「睡眠中の心臓麻痺?」

「はい、まだ続報がないので怪異が原因か分からず、依頼は海難事故を起こす怪異の討伐だけなので、放置して帰ろうと社長が言っていたアレです」

「じゃあ……報告が来た時点でちゃんと調べて対応してたらっ、もちはこんなことにはならなかったんじゃ……!」

「いえ、報告が来たのは怪異の討伐真っ最中、それが終わった直後に一睡もすることなく調べるのは不可能だと思いますよ」

強く拳を握る。あの時数珠を交換しなければ、取り憑かれたりなんてしなかったのではと昨晩の俺を恨む。怒りや後悔などの重苦しい感情が湧き出たが、数珠の色は一つも変わらなかった。

「とにかく霊視をしてみよう、集中したいから静かにしててね。霊視はあまり得意じゃないから、ちゃんと集中しないと成功しない」

「…………心臓麻痺、と言っていたが……大丈夫なのか?」

「今のところ月乃宮様の心臓は正常に動いている。目を覚まさなくなって衰弱死、ではなく心臓麻痺……単に怪異の侵食が進めばそうなるのか、他に何か条件があるのか……まだ何も分かってない」

形州に返事をしながら秘書はもちの額に目のマークが描かれた札を貼る。

「今は何より早く霊視を済ませるべきだ。社長の邪魔すんなよ、國行。大人しくしてろ」

「…………分かった」

「社長、準備出来ました」

秘書は師匠の前髪をかき上げ、額にもちと同じ札を貼った。

「霊視を始める。静かにしていろ」

改めて俺達にそう注意すると、師匠はベッドに腰を下ろして目を閉じた。札に描かれた目がぼんやりと光り始め、やがてもちの額に貼られた札に描かれた目も光を放つ。

「もち……」

顔の前で手を組み、祈る。秘書は神妙な顔で腕を組み、ミチは声を殺して泣き、形州はそんなミチの頭を撫でている。俺はもちだけを想い、目を閉じて祈った。神や仏にではない、そんなこと考えている余裕もない、ただただ無事に彼が目を覚ます未来を想像し続けた。



十数分後、ぺりっと何かを剥がすような音がして目を開けると、師匠が自身の額に貼った札を剥がしていた。

「ふぅ……」

「し、師匠っ、もちは? もちはっ、どうなって……」

「ちょっと待って、疲れた」

師匠は手で目をぐっと押さえている。ゲームを長時間遊んだ後のもちを思い出した。もち……俺の何よりも大切な人、父親よりも自分の命よりも大事な人。彼を救うためなら何でもする。

「大丈夫ですか? 社長」

「ん……」

秘書は師匠を抱き上げて膝に乗せ、水を飲ませた。

「師匠……もちは」

「取り憑かれてるね」

「分かってます!」

「月乃宮は今夢を見せられている状態だ。この怪異は取り憑いた者に理想の世界の夢を見せる、現実を忘れ夢を受け入れれば抵抗力が下がるから、そうして魂を啜る……って習性みたいだね」

「無理矢理食えないってことは非力なタイプですね」

「そうだね、策を弄するタイプ……厄介だ。そもそも僕は取り憑いた怪異には何も出来ない、器がどうなってもいいなら別だけど」

見たモノを物体霊体問わず破壊する、師匠の霊力はそれに特化している。取り憑かれた人間を破壊してからでなければ取り憑いた怪異を破壊出来ない、融通の効かない不便な力だと以前師匠はボヤいていた。

「じゃあ俺が引っ張り出せばいいってことですか?」

「そういうことだね」

なら、と早速幽体離脱をしようとすると師匠に「待て」と止められた。

「何ですか」

俺は少し苛立って師匠を睨む。

「ただ取り憑いているだけなら、君ならただ掴んで引っ張り出せばいいだけだ。でもコイツは月乃宮の霊体に癒着して夢を見せ、魂を啜れるほど彼が怪異をの見せる夢を受け入れるタイミングを伺っている。無理に引き剥がせば月乃宮の霊体も裂ける」

「なっ、さ、先に言ってくださいよ……じゃあどうすれば」

「月乃宮に損傷を与えず怪異を引き剥がすには、月乃宮自身が怪異を……怪異の見せる夢を拒絶させる必要がある。君が夢に侵入して、月乃宮を起こすんだ。但しその場合、君も取り込まれる危険性がある。二人助かるか、二人死ぬかの二択だ。ハイリスクハイリターン……鬼の末裔の君を失うのは僕としては惜しい。無理矢理引き剥がすのをオススメするよ、月乃宮は廃人になるだろうけど霊媒体質はそのままだろうから問題なく使える」

「…………お前っ!」

師匠の発言に形州が激怒し、腕を振り上げる。しかしその拳は師匠に触れることはない、秘書があっさり受け止めた。

「國行、可愛い弟に酷いことさせないでくれ」

「何、君は如月に死ぬかもしれないことをさせる気でいるの?」

形州の目が俺に向く。

「…………そういう、訳じゃ……」

もちが形州を見捨てられない理由が今の視線だけで分かった。強面のくせに、二メートル超えの大男のくせに、あんな捨てられた仔犬のような目をするなんて卑怯だ。

「形州、やめとけ。師匠……本当にもちを見捨てる方がいいと思ってるなら、わざわざ別の方法言う必要ないですよね。俺は無理矢理引き剥がそうとしたんですから……」

師匠はふいっと顔を背ける。

「分かりにくいツンデレやめてくださいよ。こんな時に」

Sっ気たっぷりの態度や言動のせいで鬼畜な男だと思ってしまいがちだが、師匠は案外優しい。

「師匠、俺やりますよ。もちを起こしてきます。もちが起きなかったり死んだりするなら……そんな世界、生きてる意味ない」

「そう」

「夢への入り方教えてください」

「取り憑くのと同じ感覚で出来ると思うけど……僕そういうの出来ないから分からないな」

「取り憑くって……んー……どうするのかな」

とりあえず幽体離脱をしてっと。

「…………如月っ!」

名前を呼ばれて驚いて振り向けば、形州が俺の身体を抱き支えていた。

「その身体は抜け殻だ、ベッドにでも寝かせておけ」

あぁそうか、形州は零感だから俺の霊体が見えず、俺が幽体離脱をしたと分からなかったのか。突然倒れたと思って俺を支えてくれたのか……まぁ、頭打ったらまずかったし、後で礼を言っておこうかな。


もちの身体に重なるようにベッドに上がり、ゆっくりと目を閉じて集中する。吸い込まれるような感覚が終わって目を開けると、俺は自宅のベッドに寝転がっていた。
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