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後輩と賭けをしてみた

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押していたバイクを停め、センパイは深いため息をついて手首をぶるぶると揺らした。

「大丈夫ですか? センパイ」

レンはファミレスの入口へと走っていったミチを追いかけに行ったので、俺はセンパイの隣に留まった。

「……あぁ、こんな長距離バイクを押すことは滅多にないからな。少し疲れた」

センパイは右腕を左手でマッサージしている。筋肉の房が集まったような腕に親指が沈む様は見ていると圧巻される。

「センパイっ、俺がマッサージしましょうか」

疲れたのかダランと腕を垂らした隙を狙い、彼の腕をぎゅっと握った。太いけれど力を入れていなければ見た目に反して柔らかい、センパイの筋肉は良質なのだ。

「…………抱かせろ」

「センパイのスイッチが分かりません。何がツボったんですか今の」

「……本気で言っているのか? 本当に分からないのか?」

センパイの欲情ポイントが特殊なのが悪いんだと思いつつ頷くと、彼は薄く笑って俺の腰に腕を回した。

「…………彼氏が増える訳だ」

「感謝したり、腕のマッサージしたりでスイッチ入るのなんてセンパイだけでしょ」

「……じゃあ如月に試してみろ。それで欲情しなかったらお前の勝ち、欲情したら俺の勝ちだ」

何の勝ち負けなんだと思いつつも賭けに乗ると、センパイは俺に小物入れを握らせた。開けてみると金色のピアスが太陽の光をキラキラと反射した。パッと見で分かる、耳だけでなく乳首や臍用のものまであると。

「……俺が勝ったらピアスをつけて俺に抱かれろ」

「そんな条件付けなくたって、俺は…………俺だって、センパイとしたいし」

「……ここで、という意味だ。トイレで抱く」

「そっ、それは嫌です!」

「…………だから、賭けに勝ったら……の話だ。勝つ自信がないのか?」

腕を握った時にレンが俺に対してムラムラしたら、賭けはセンパイの勝ちで俺はファミレスのトイレで抱かれる。

「人の気持ちを賭けにするってのは、そのー……どうなんでしょう」

「……人を特殊性癖呼ばわりするのはどうなんだ?」

「センパイは特殊性癖でしょ、金髪ピアスオンリーとか変な趣味じゃないですか」

「…………生意気な口をきけなくしてやる。で、お前が勝ったらどうする? 何か一つ言うことを聞いてやろう」

積極的にはしたくないし倫理観が疑われる行為だが、満更でもないトイレでのセックス。それに匹敵するセンパイへの要求?

「えっ……じゃあ……えっと…………お、雄っぱいを、揉んだり舐めたり吸ったり」

「……胸だな、分かった」

「雄っぱいって言った時のセンパイの汚物を見るような目、結構好きですよ」

「…………そんな目、してたか?」

「あっ、いえ、大袈裟に言いました。汚物ってほどじゃありません、えっと……動物園行ったら動物が交尾してたみたいな顔ですね」

俺の言っていることが理解出来なくて困惑する顔もセクシーだ。

「……まぁ、とにかく……さっさと店に入るぞ」

ファミレスに入ってレン達を探すと、彼らは既に席についておりジュースまで飲んでいた。

「よぉ、早かったな。駐車場でおっ始めたのかと思って先に注文しちまったぜ」

「えぇ……ちょっと駄弁っちゃってただけなのに」

ドリンクバーを活用しているだけのようで、食事はまだ届いていないようだ。

「……もう一度呼べ」

「えっ待ってください俺まだ決めてない」

慌ててメニュー表を開き、クリームチーズのパスタを選ぶ。センパイはステーキに決めているようだったので、呼び出しベルを握り締めているミチに頼んで店員を呼んでもらった。

「…………おい、ノゾム。やれ」

机の下で足をつつかれる。落ち着きなくセンパイをチラチラと見て謝罪のタイミングを伺っているレンの腕を握った。

「ん?」

華奢だけれど、ちゃんと男だと分かる腕だ。俺よりも細い腕の筋肉と骨の付き方を調べ、覚えるように揉んでいく。

「何してんだ? もち」

「腕のマッサージ……」

「別に腕疲れてねぇけど」

困惑しているようだ、やっぱりこれでスイッチが入るセンパイがおかしい。そう思っていたけれど、しばらく不思議そうに俺を見つめていたレンは急にニヤリと笑ってもう片方の手で俺の顔を艶めかしく撫でた。

「帰ったらな」

「へっ?」

「誘ってんだろ?」

「そ、そんなつもりは……なかったんだけど」

腕を離すとその腕に腰を抱かれた。

「そうなのか? でも今のはキたぜ、相手してくれないのか? 嫌なら、まぁ……一人で抜くかな。帰るまでに決めといてくれよ」

つん、と足をつつかれる。センパイの方を見ると彼は勝ち誇った笑顔を浮かべていた。

「ハハハっ、ハンバーグ来たっ」

「お前それ好きだなぁ」

料理が届き始めて会話が穏やかに緩やかになっていく。俺は軽めのものを選んだが、丸一日以上何も食べていなかったレンは二品も頼み、デザートの注文も考えているらしかった。

「…………ごちそうさま」

「早ぇな」

「……口と喉の大きさが違う」

「デザート頼まねぇの?」

レンはデザートばかりが載ったメニュー表をセンパイに渡した。

「あ、センパイ。餡子ありますよ」

センパイは生クリームやフルーツなどのスイーツはあまり好まないが、餡子は好物だったはずだ。

「今日は奢るから頼めよ、多分俺が食うと思われるから恥ずかしくもねぇだろ?」

「…………そうだな」

「今日はホントごめん、迷惑かけたよ。もちのこと守ってくれてありがとな。俺のことも……まぁ、なんだ、庇ったり……してくれて、ありがとう」

「……気にするな」

センパイが注文した餡トーストが届く。俺はパスタを食べながら横目で彼の幸せそうな顔を見た、甘味に表情を緩めることもあるんだなと思わず俺も頬が緩んだ。

「ごちそうさま」

「…………俺も食い終わった」

大きな手で太腿をぐっと掴まれる。来いと、今から抱くと、言われている。

「ご、ごめんレン、俺ちょっとトイレ」

「おぅ、よろしくヤってこい。しばらくもう何も言えねぇよ」

「き、きき、きっ、如月くん。僕パフェ食べたい」

「好きにしろぃ」

レンにこれからの行為がバレていることに照れつつ、センパイと共に男子トイレに入る。人が居なくなるのを待って個室に二人で入り、センパイを見上げる。

「ファミレスのトイレでなんて、ダメなんですよセンパイ。この不良……」

「……お前だって乗り気だろ?」

「俺は……不良ですもん、見ての通り」

「…………見た目だけのな」

ピアスは耳たぶと舌以外つけていなかったので、センパイが持ってきた金色のピアスをつけていく。まずは耳だ。

「新しいのですね」

「……少し前に買った」

感謝を告げつつシャツを脱ぎ、首に引っ掛けたままにして臍ピアスを受け取る。

「んっ……冷た」

乳首ピアスをつけるため、まず左乳首の根元から絞り出すようにしてピアスホールを目立たせる。すぐに勃ってしまう敏感さはこんな時には有用だ。

「んんっ……! これ、ちょっと重いですね。引っ張られて……なんか」

言いながらセンパイの顔を見上げる。彼は呼吸を荒くして俺の胸をじっと見つめ、普段よりも手こずりながらベルトを外しファスナーを下ろし、巨根を引っ張り出した。

「んっ」

びたんっ、と半端に勃ったセンパイの陰茎が下腹に軽く叩き付けられる。

「えっと……全部、つけられました」

「…………そうか。まずは一発抜かせてくれ」

肩を掴まれ、首筋に顔を押し付けられ、匂いを嗅がれ、陰茎を下腹に擦り付けられて少しずつ勃っていく様を教えられる。

「ど、どんどんおっきくなってきますね」

何もしないのも気まずくて、先走りの汁をダラダラ垂らす巨根をそっと握った。

「………………んっ」

するとセンパイが俺の耳元で微かに喘ぎ、俺の発情を一気に進ませた。
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