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後輩を友人達と共に救い出してみた
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先輩二人は敵から奪った鉄パイプなどを振り回し、センパイは素手で敵を投げる。
「クニちゃん絶好調じゃん! 正直クニちゃんがヤラれてたらまずいって思ってたけど、イケるイケる!」
センパイは平均を大きく越したガタイのいい男を片手で投げられるのだ。ヒビが入った疑惑もある、人差し指の爪が剥がれた右手でも。
「…………お前らが来るのが遅いから俺もノゾムも酷い目に遭った」
「夏休みによく揃ったもんだと思わない?」
「……根性焼き」
「罰決まっちゃったよ罪状は何!?」
三人は俺とミチを守るように俺達を囲み、軽口を叩き合いながらも苛烈な喧嘩に身を投じている。俺とミチの世話を任された先輩は唯一、地面に膝をついて俺達の安全を確保してくれている。
「ぁ、あっ、あんっ、んんっ……! これしゅきっ、しゅきぃっ、きもちぃいっ……! もっと、もっとぉ」
俺はその先輩の首に抱きついてぶら下がり、腰をポンポンと叩かれて快感を覚え、絶頂を重ねている。精液はトロトロと溢れっぱなしだ。
「お気に入りかお嬢、これがばぁちゃん家のネコで磨いた発情誤魔化し術よ!」
「ずっとイっちゃうぅっ……! もっと強くっ、もっとぉ、イくっ、またイくぅぅっ……! もっとぉっ」
「てめぇを殺ればっ……!」
先輩二人の隙間を無理矢理突破した男が、俺に向かって鉄パイプを振り下ろす。腰を叩いていた手が頭に移り、俺の頭には先輩の腕越しの振動が伝わった。俺を殴ろうとした男はすぐに先輩二人によって殴り倒される。
「おい大丈夫か!」
「お嬢はな。俺の腕は逝った! 享年……えっと、俺と同い年でいいのかな。まぁいいや、お嬢無事か?」
「んんっ……あぇ……? ぽんぽんはぁ?」
「お嬢……それは泣けるぜ」
腰を叩いてもらえなくなって数分が経つ頃、不良共は全滅した。俺は正気に戻れないままセンパイに抱きつき、交尾をねだる。
「せーんぱい、だいてぇ?」
「……後でな。誰かミチを抱えろ、病院に行くぞ」
「大丈夫かね、キマってるお嬢連れてって」
「…………何かあってからでは遅い」
「まぁあったことそのまま言えば大丈夫だろ。不良グループにヤク盛られてマワされてたのを助けてきましたって。俺らは疑われねぇよ流石に」
「……最悪兄ちゃんにどうにかしてもらう」
センパイの上着に包まれて幸せな気分になり、その後バイクに乗せられてエンジンの振動で絶頂したりしていたところまでしか、記憶がない。
だから、どうして病院のベッドで寝ているのか全く分からない。
「痛た……何、ここどこ……病院?」
ガンガンと頭痛がする。後孔も痛い、慣らさずに太いものを突っ込んだ時の痛みだ。
「裂けたのかな…………にしても、何だろ、何この……何」
真っ白い天井を見た俺は奇妙なガッカリ感に襲われていた。たとえるなら──涼しいスーパーから出て熱気に迎えられた真夏日。違う、もっと重い。
「死にたくなってきた……」
水族館から出てすぐに嘔吐する酔っ払い中年男性を見た。いや違う、もっと理由がないガッカリ感なんだ。
「遊園地……そうだ、遊園地。遊園地から出た後の駅の……よく分かんない、あの、虚しさ」
「クスリが切れた影響ですよ」
「薬……?」
「合成の安モンですよ。効き目が悪くて身体に悪い、最悪のヤツ。まぁそんなに心配しないでください」
「センパイっ……ゃ、お兄さん……」
ガンガンと痛む頭を揺らさないよう最大限の注意を払いつつ横を向くと、俺が寝ているベッドの隣でセンパイの従兄がパイプ椅子に座っていた。センパイの私服を着ているようで、ぶかぶかさが逆にオシャレだ。
「あなた達が攫われたグループのバックには暴力団が居ました、仁義とかない半グレもどき。不良にとってのエスカレーター校って訳です」
「そうですか……」
「國行はアイツ単体が強いだけですから、バック付きに狙われるのは困るんですよねぇ。この辺の暴力団はだいたい潰したつもりでしたが……ダメですねぇ、虫みたいに沸いてきます。都度半グレ潰すよりヤクザ一個置いとく方が楽かもしれませんね」
「はぁ……あの、センパイは、センパイは大丈夫なんですか? 俺のせいで酷い怪我をしてしまって……」
頭が痛い、視界が狭まる。脳がぎゅっと握られているような感覚に襲われている。それでも何とか思い出そうとしたセンパイの姿は、酷く痛々しいものだった。
「そうそう……近所に歯医者さんあるんで、近いうちに行ってください。話は通してありますから名前だけ言えば大丈夫です、支払いも必要ありません」
無視された。俺に話せないくらい酷い状態なのか? それとも従兄が気分で無視しただけか? 後者の方が確率が高そうなのが、この人の厄介なところだ。
「この歳で入れ歯は嫌ですね……」
「國行のお友達が拾ってくれてたので、状態によっては自前の歯でいられるかもしれませんよ」
「え、一回折れたのって繋げられるんですか?」
「そりゃ折れた骨もくっつくんですから」
そういうものだろうか。まぁ、骨と歯は似たようなものかもしれないが。
「あの……明日、日曜日なんですけど、根野と会う予定なんですけど……行けますかね」
「ダメです。一応検査したとはいえ、素人が混ぜこぜしたクスリを投与されたんですから、経過観察は必要です。最低でも一週間は入院してください、歯医者にはかかってかまいません。キメセクの体験を忘れるまでセックスも禁止です」
「そ、そんなっ……じゃあお兄さんから先生に連絡してください! 俺が言っても聞いてくれない、きっと次会った時に殺される……」
「俺はあなたの世話係じゃないんですけどね。分かりましたよ、説明は俺がしておきます。じゃ、お大事に」
パイプ椅子を持って去っていく従兄に手を振ろうとしたが、手は上がらなかった。一人になった後に改めて部屋を見回してみたが、何かがおかしい。
「何、あの窓……」
何故か窓に鉄格子がはめられていて、一人部屋であることを加味しても物が少ない。テレビや棚など普通の病室にはありそうなものが一つもない。俺が今寝ているベッド以外に物がない。
「っていうか……これ」
手がほとんど動かない。足もだ。手首と足首に何かが巻かれている感覚がある。手足を動かすとガシャンと音が鳴る。おそらく、拘束具だ。
「な、なんで……何これっ、どういうこと?」
クスリの影響で危険な行動を取らないように、だろうか? 思い当たる節はそれだけだ、強姦されたショックによる自傷行為を危惧……は俺を知っている従兄ならしないと思う。
「こっちの説明してよ……」
従兄の説明不足に文句を言い、何も出来ない退屈さにため息をつく。それから数分か、数時間か、すっかりおかしくなった体感時間では分からないけれど、ミチが部屋にやってきた。看護師も一緒だ。
「つ、つつ、つ、月乃宮くんっ……!」
「ミチ……! よかった、無事だったか? 俺のことはノゾムって呼べよ」
「ぁ、ご、ごごっ、ごめんノゾムくん……ぇへへ、まだ照れちゃう……」
ベッドに駆け寄ってきたミチはいつもと変わらない笑顔を浮かべている。ミチの少し不器用で無邪気な笑顔を見ると癒される。
「無事そうでよかった……いや、ミチ、首どうしたんだ?」
首筋にガーゼが貼ってあるのが見えた。
「く、くく、首っ? ぁ、あぁ……スス、スタンガンで火傷してたらしくてっ……つつきのっ、の、の……ノゾムくん、は?」
「分かんない。動けないし……ミチ、見てくれ」
「動けないって何さ」
「なんか拘束されてるんだよ」
ミチは「またまた~」と俺を信用しないまま毛布をめくって拘束具を見て顔を青ざめさせた。俺の首の火傷の有無についてはもう忘れてしまったのだろう。
「なっ、なな、何これっ! なな、なんでノゾムくんこんなことされてるんですか!?」
「詳細不明の薬物を投与されたとのことで、念のためだそうです。経過観察の後、解く予定だそうです」
「だ、だ、だそうですって……」
「私は彼の担当ではないので」
ミチを案内してくれただけなのか、俺との面会には立ち会いが必要なのか……まぁ、別にそれは知らなくてもいいや。
「ミチ、首以外に痛いとこないか?」
「な、なな、ないよっ……ノゾムくんこそっ、えっと……色々」
「俺は大丈夫だよ、身も心も何ともない。変な薬の後遺症も体感ではほぼないし」
ミチのホッとした顔を見ると俺も安心する。けれど、やはりセンパイへの心配は残っていて、その後のミチとの会話にも集中出来なかった。
「クニちゃん絶好調じゃん! 正直クニちゃんがヤラれてたらまずいって思ってたけど、イケるイケる!」
センパイは平均を大きく越したガタイのいい男を片手で投げられるのだ。ヒビが入った疑惑もある、人差し指の爪が剥がれた右手でも。
「…………お前らが来るのが遅いから俺もノゾムも酷い目に遭った」
「夏休みによく揃ったもんだと思わない?」
「……根性焼き」
「罰決まっちゃったよ罪状は何!?」
三人は俺とミチを守るように俺達を囲み、軽口を叩き合いながらも苛烈な喧嘩に身を投じている。俺とミチの世話を任された先輩は唯一、地面に膝をついて俺達の安全を確保してくれている。
「ぁ、あっ、あんっ、んんっ……! これしゅきっ、しゅきぃっ、きもちぃいっ……! もっと、もっとぉ」
俺はその先輩の首に抱きついてぶら下がり、腰をポンポンと叩かれて快感を覚え、絶頂を重ねている。精液はトロトロと溢れっぱなしだ。
「お気に入りかお嬢、これがばぁちゃん家のネコで磨いた発情誤魔化し術よ!」
「ずっとイっちゃうぅっ……! もっと強くっ、もっとぉ、イくっ、またイくぅぅっ……! もっとぉっ」
「てめぇを殺ればっ……!」
先輩二人の隙間を無理矢理突破した男が、俺に向かって鉄パイプを振り下ろす。腰を叩いていた手が頭に移り、俺の頭には先輩の腕越しの振動が伝わった。俺を殴ろうとした男はすぐに先輩二人によって殴り倒される。
「おい大丈夫か!」
「お嬢はな。俺の腕は逝った! 享年……えっと、俺と同い年でいいのかな。まぁいいや、お嬢無事か?」
「んんっ……あぇ……? ぽんぽんはぁ?」
「お嬢……それは泣けるぜ」
腰を叩いてもらえなくなって数分が経つ頃、不良共は全滅した。俺は正気に戻れないままセンパイに抱きつき、交尾をねだる。
「せーんぱい、だいてぇ?」
「……後でな。誰かミチを抱えろ、病院に行くぞ」
「大丈夫かね、キマってるお嬢連れてって」
「…………何かあってからでは遅い」
「まぁあったことそのまま言えば大丈夫だろ。不良グループにヤク盛られてマワされてたのを助けてきましたって。俺らは疑われねぇよ流石に」
「……最悪兄ちゃんにどうにかしてもらう」
センパイの上着に包まれて幸せな気分になり、その後バイクに乗せられてエンジンの振動で絶頂したりしていたところまでしか、記憶がない。
だから、どうして病院のベッドで寝ているのか全く分からない。
「痛た……何、ここどこ……病院?」
ガンガンと頭痛がする。後孔も痛い、慣らさずに太いものを突っ込んだ時の痛みだ。
「裂けたのかな…………にしても、何だろ、何この……何」
真っ白い天井を見た俺は奇妙なガッカリ感に襲われていた。たとえるなら──涼しいスーパーから出て熱気に迎えられた真夏日。違う、もっと重い。
「死にたくなってきた……」
水族館から出てすぐに嘔吐する酔っ払い中年男性を見た。いや違う、もっと理由がないガッカリ感なんだ。
「遊園地……そうだ、遊園地。遊園地から出た後の駅の……よく分かんない、あの、虚しさ」
「クスリが切れた影響ですよ」
「薬……?」
「合成の安モンですよ。効き目が悪くて身体に悪い、最悪のヤツ。まぁそんなに心配しないでください」
「センパイっ……ゃ、お兄さん……」
ガンガンと痛む頭を揺らさないよう最大限の注意を払いつつ横を向くと、俺が寝ているベッドの隣でセンパイの従兄がパイプ椅子に座っていた。センパイの私服を着ているようで、ぶかぶかさが逆にオシャレだ。
「あなた達が攫われたグループのバックには暴力団が居ました、仁義とかない半グレもどき。不良にとってのエスカレーター校って訳です」
「そうですか……」
「國行はアイツ単体が強いだけですから、バック付きに狙われるのは困るんですよねぇ。この辺の暴力団はだいたい潰したつもりでしたが……ダメですねぇ、虫みたいに沸いてきます。都度半グレ潰すよりヤクザ一個置いとく方が楽かもしれませんね」
「はぁ……あの、センパイは、センパイは大丈夫なんですか? 俺のせいで酷い怪我をしてしまって……」
頭が痛い、視界が狭まる。脳がぎゅっと握られているような感覚に襲われている。それでも何とか思い出そうとしたセンパイの姿は、酷く痛々しいものだった。
「そうそう……近所に歯医者さんあるんで、近いうちに行ってください。話は通してありますから名前だけ言えば大丈夫です、支払いも必要ありません」
無視された。俺に話せないくらい酷い状態なのか? それとも従兄が気分で無視しただけか? 後者の方が確率が高そうなのが、この人の厄介なところだ。
「この歳で入れ歯は嫌ですね……」
「國行のお友達が拾ってくれてたので、状態によっては自前の歯でいられるかもしれませんよ」
「え、一回折れたのって繋げられるんですか?」
「そりゃ折れた骨もくっつくんですから」
そういうものだろうか。まぁ、骨と歯は似たようなものかもしれないが。
「あの……明日、日曜日なんですけど、根野と会う予定なんですけど……行けますかね」
「ダメです。一応検査したとはいえ、素人が混ぜこぜしたクスリを投与されたんですから、経過観察は必要です。最低でも一週間は入院してください、歯医者にはかかってかまいません。キメセクの体験を忘れるまでセックスも禁止です」
「そ、そんなっ……じゃあお兄さんから先生に連絡してください! 俺が言っても聞いてくれない、きっと次会った時に殺される……」
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手がほとんど動かない。足もだ。手首と足首に何かが巻かれている感覚がある。手足を動かすとガシャンと音が鳴る。おそらく、拘束具だ。
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クスリの影響で危険な行動を取らないように、だろうか? 思い当たる節はそれだけだ、強姦されたショックによる自傷行為を危惧……は俺を知っている従兄ならしないと思う。
「こっちの説明してよ……」
従兄の説明不足に文句を言い、何も出来ない退屈さにため息をつく。それから数分か、数時間か、すっかりおかしくなった体感時間では分からないけれど、ミチが部屋にやってきた。看護師も一緒だ。
「つ、つつ、つ、月乃宮くんっ……!」
「ミチ……! よかった、無事だったか? 俺のことはノゾムって呼べよ」
「ぁ、ご、ごごっ、ごめんノゾムくん……ぇへへ、まだ照れちゃう……」
ベッドに駆け寄ってきたミチはいつもと変わらない笑顔を浮かべている。ミチの少し不器用で無邪気な笑顔を見ると癒される。
「無事そうでよかった……いや、ミチ、首どうしたんだ?」
首筋にガーゼが貼ってあるのが見えた。
「く、くく、首っ? ぁ、あぁ……スス、スタンガンで火傷してたらしくてっ……つつきのっ、の、の……ノゾムくん、は?」
「分かんない。動けないし……ミチ、見てくれ」
「動けないって何さ」
「なんか拘束されてるんだよ」
ミチは「またまた~」と俺を信用しないまま毛布をめくって拘束具を見て顔を青ざめさせた。俺の首の火傷の有無についてはもう忘れてしまったのだろう。
「なっ、なな、何これっ! なな、なんでノゾムくんこんなことされてるんですか!?」
「詳細不明の薬物を投与されたとのことで、念のためだそうです。経過観察の後、解く予定だそうです」
「だ、だ、だそうですって……」
「私は彼の担当ではないので」
ミチを案内してくれただけなのか、俺との面会には立ち会いが必要なのか……まぁ、別にそれは知らなくてもいいや。
「ミチ、首以外に痛いとこないか?」
「な、なな、ないよっ……ノゾムくんこそっ、えっと……色々」
「俺は大丈夫だよ、身も心も何ともない。変な薬の後遺症も体感ではほぼないし」
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