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全員にお昼ご飯作ってやった
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コトン、コトン、と机に昼食が並べられる。いつの間にかミチが向かいに座っていた、レンは隣に座るようだ。
「お、ぉ、お、美味しそう……すす、すごいね如月くんっ」
「それほどでも~。冷めないうちに食えよ、もちもな」
手を合わせて食前の挨拶。箸を持ち、食事を開始。生身のレンが作った料理は何ヶ月ぶりだろう、美味さと嬉しさで涙が滲んできた。
「もち、ちゃんと噛んで食べろよ? 一口三十回だぞ」
「三十はキツい……二十くらいにしてくれよ」
この注意も昔からよく受けてきたが、唯一レンに反抗し続けている。無意識に。
「んひ、にぃ、はん、ほん、ぉー、ぉく……」
「ミチ、数えるなら黙って数えろ」
「えっ、こ、ここ、こ、声出てた!? ごごごめんっ!」
「あざとい……」
顔を赤くするミチをレンはため息をついて見つめている。そんな横顔が俺に見られているのに気付くと笑顔を返してきた。
「おい形州ー、食わねぇのかー?」
俺に微笑みかけた直後、レンはソファでくつろいでいるセンパイに呼びかけた。机に並べられた料理は一人前余っている。
「……俺の分は作らないんじゃないのか?」
「レンにツンデレ属性が……!」
「俺がお前意外にデレるか!」
少しズレているながらも嬉しいツッコミだ。
「…………ありがとう。作ってくれるなら作ると言え」
「一言余計なんだよ」
センパイはミチの隣に座り、遅れて昼食を食べ始めた。何度見ても大きな手で器用に箸を使っている様はどこか不思議だ、失礼な気がするので言ったことはないけれど。
「センパイも美味しそうにしてる、やっぱりレン料理上手いよ」
「アレ不味い時の顔だろ?」
「ちょっと表情柔らかいじゃん、美味しい顔だよ」
「柔らかい……? もちの基準ってダイヤモンドとかだったりする?」
やはりセンパイの表情変化は微細過ぎて俺以外には分からないようだ。何かと察しのいいレンでも分からないのなら、俺が気付けるのは愛の力的なことで──照れるなぁ。
「だ、だだっ、誰か来たっ」
インターホンが鳴るだけでミチは身体を跳ねさせて怯える。可愛く見えるが、普段の来客が恐ろしい人ばかりなのかなと考えると可哀想に思う。
「……俺のピザだ」
「お前人の家でんなもん頼むなよ」
「……お前が素直に言わないからだ」
「飯作んねぇって言ったら帰ると思ってたんだよ! 帰る様子ねぇから作ってやったのにお前!」
俺の母やレンの父には礼儀正しくしていたくせに、今は何故か無礼なセンパイへのレンの怒りはピザを一切れ分けるという契約で治まった。
「サラミとチーズの組み合わせは最高だな……で、形州。お前はなんで飯も出されねぇ家に居座ろうと思ったわけ? 謎すぎる思考にレンくん好奇心が止まらねぇよ」
「…………京都ではお茶漬けを出すのは「帰れ」という意味だと聞いた」
謎すぎる回答だ。
「飯出されるのが帰れって意味なら、飯出されないのは帰るなって意味って? 俺はっきり言葉に出したよ? 帰れって。ここ京都じゃねぇし」
「……まぁ、今思い付いた理由だからな。単にノゾムと居たかっただけだ」
「おちょくりやがって…………照れんなもち!」
顔が赤くなったのを誤魔化そうと俯いたのが逆に目立ち、照れたのがバレてしまった。
「ったく、食ったら帰れよ」
「……嫌だが?」
「だが? じゃねぇよ帰れよ」
昼食をレンに作ってもらったのだから、昼食の片付けは俺がやるべきだ。昼食後の三人は全員そう考え、四人がキッチンに密集した。
「狭いな、なんなんだよお前ら」
「ささ、皿洗いしようと」
「右に同じ」
「……下に同じ」
「ししし、下って言うなぁ!」
レンは深いため息をついて俺達の顔を順に見ると、濡らした台拭きと乾いている台拭き、除菌スプレーをミチに渡した。
「ミチ、お前は机拭いてこい」
皿を割りそうだからだなと考えていると、次にレンはセンパイを押して食洗機の前に立たせた。
「大きい汚れ軽く流したやつ渡すから、並べてってくれ」
「……分かった」
「レン、俺は? 俺何すればいい?」
「テレビでも見とけ」
俺はソファの上に蹲って面白くもない昼のニュース番組を眺め、みんなが後片付けを終わらせるのを待った。
しばらく待っているとレンが勝手にテレビを消し、俺の手に軽く手を添えた。
「もち、続きしようか」
「え……! う、うんっ、する……!」
てっきり今日は昼食前の行為だけで終わりだと思っていた。あの続きとなればもうセックスしかない。
「レンっ、優しくするからな」
俺はレンの手をぎゅっと握り、これから抱かれることへの不安や恐怖心を拭ってやろうと微笑みかけた。
「あぁ、うん……? ありがとな」
反応が薄い、照れているのだろうか? 可愛いな。微笑ましく思いながらレンと共に彼の自室に入ると女物の服に着替えたミチがいた。
「あ、きき、如月くんっ、着替えたよ。どぉ、似合う?」
膝丈の黒いフレアスカート、襟の大きな白いシャツ、可愛らしい格好だ。
「ミチ? その服は……?」
「つ、つつっ、月乃宮くん……! ぁ、あ、あのねっ、きき、如月くんが僕に似合いそうな服あるからって、これ似合いそうだから着てみろって」
レンは後片付けを終えた後すぐに俺の元に来てくれたわけじゃないのか。
「そっか、似合うよ」
一言褒めただけでミチはパァっと笑顔になる。釣られて俺も笑顔になっていると、レンに手を引かれてベッドに座らされた。
「ミチ、もいっこいいか?」
「な、なな、なぁにっ? まだ服着せてくれるのっ?」
「もちを抱け」
「へ……?」
ミチは笑顔のまま固まってしまった。俺はかろうじて話すことは出来た。
「レンっ? な、何言ってるんだ?」
「いやぁ、俺ってセックスの経験ないだろ? このままもちとしても、もちを満足させられないなーって……お嫁さんとしては最初からある程度は、な」
レンはミチの後ろに回り込んで両肩に手を置き、俺の目の前まで押した。
「昨日はヤってないんだよな? ミチもそろそろ溜まってるだろ?」
「ちょちょ、ちょっと如月くんっ!」
レンの白魚のような指がフレアスカートの中に潜り込み、内側から黒く柔らかい布が淫猥に動く。スカートの下で何が起こっているのかと妄想が加速する。
「んゃっ、きき、ききききっ、如月くんっ、だ……めっ、そこ、弱いから……!」
おもむろにスカートがめくり上げられ、根元の方からゆっくりとミチの陰茎が見えていく。臍に触れそうなくらいに勃った陰茎が。
「ほら、ミチもしたがってるぞ? お前もさっき指だけで終わらされたの不満だったんだろ、形州とヤってたもんな。見えないとでも思ったか? 残念、あの死角は窓に反射して見えるんだよ、次からはカーテンでも閉めるんだな」
下腹を強く押しながら撫で回され、そそり立った陰茎を眼前に突き出されて匂いを嗅がされ、そんな気分になるなという方が無茶だ。
「未経験の俺に、お手本見せてくれよ」
レンは俺に抱かれるのだから、見本にするのは俺の方だ。しっかりしなければと考えていると押し倒された。ミチはすっかりやる気だ
「わ、つつ、つ、月乃宮くんっ……こんなとこ、汚してる」
ミチとレンに尻から垂れたセンパイの精液で汚れた下着を見られてしまった。
「形州にちゃーんと中出しされてんだな。ミチ、ぬめりは十分なんじゃないか? もちの腹ん中、上書きしてやれよ」
「う、うんっ……!」
ベッドの上で膝立ちになったミチは俺を真っ二つに折り曲げ、太腿の裏を押さえた。二人の目の前で開脚させられ、腹と太腿が触れ合うようにされて、恥ずかしいことこの上ない。
「あぁそうそう二人とも、俺はセックスの勉強したいんだからさ……ミチはどこにどう気を付けてもちを抱いてるか、もちはどこをどうされてどんな気分か、全部詳しく説明しながらヤってくれよ?」
要求された恥辱プレイに俺とミチは揃って顔を青ざめさせた。
「お、ぉ、お、美味しそう……すす、すごいね如月くんっ」
「それほどでも~。冷めないうちに食えよ、もちもな」
手を合わせて食前の挨拶。箸を持ち、食事を開始。生身のレンが作った料理は何ヶ月ぶりだろう、美味さと嬉しさで涙が滲んできた。
「もち、ちゃんと噛んで食べろよ? 一口三十回だぞ」
「三十はキツい……二十くらいにしてくれよ」
この注意も昔からよく受けてきたが、唯一レンに反抗し続けている。無意識に。
「んひ、にぃ、はん、ほん、ぉー、ぉく……」
「ミチ、数えるなら黙って数えろ」
「えっ、こ、ここ、こ、声出てた!? ごごごめんっ!」
「あざとい……」
顔を赤くするミチをレンはため息をついて見つめている。そんな横顔が俺に見られているのに気付くと笑顔を返してきた。
「おい形州ー、食わねぇのかー?」
俺に微笑みかけた直後、レンはソファでくつろいでいるセンパイに呼びかけた。机に並べられた料理は一人前余っている。
「……俺の分は作らないんじゃないのか?」
「レンにツンデレ属性が……!」
「俺がお前意外にデレるか!」
少しズレているながらも嬉しいツッコミだ。
「…………ありがとう。作ってくれるなら作ると言え」
「一言余計なんだよ」
センパイはミチの隣に座り、遅れて昼食を食べ始めた。何度見ても大きな手で器用に箸を使っている様はどこか不思議だ、失礼な気がするので言ったことはないけれど。
「センパイも美味しそうにしてる、やっぱりレン料理上手いよ」
「アレ不味い時の顔だろ?」
「ちょっと表情柔らかいじゃん、美味しい顔だよ」
「柔らかい……? もちの基準ってダイヤモンドとかだったりする?」
やはりセンパイの表情変化は微細過ぎて俺以外には分からないようだ。何かと察しのいいレンでも分からないのなら、俺が気付けるのは愛の力的なことで──照れるなぁ。
「だ、だだっ、誰か来たっ」
インターホンが鳴るだけでミチは身体を跳ねさせて怯える。可愛く見えるが、普段の来客が恐ろしい人ばかりなのかなと考えると可哀想に思う。
「……俺のピザだ」
「お前人の家でんなもん頼むなよ」
「……お前が素直に言わないからだ」
「飯作んねぇって言ったら帰ると思ってたんだよ! 帰る様子ねぇから作ってやったのにお前!」
俺の母やレンの父には礼儀正しくしていたくせに、今は何故か無礼なセンパイへのレンの怒りはピザを一切れ分けるという契約で治まった。
「サラミとチーズの組み合わせは最高だな……で、形州。お前はなんで飯も出されねぇ家に居座ろうと思ったわけ? 謎すぎる思考にレンくん好奇心が止まらねぇよ」
「…………京都ではお茶漬けを出すのは「帰れ」という意味だと聞いた」
謎すぎる回答だ。
「飯出されるのが帰れって意味なら、飯出されないのは帰るなって意味って? 俺はっきり言葉に出したよ? 帰れって。ここ京都じゃねぇし」
「……まぁ、今思い付いた理由だからな。単にノゾムと居たかっただけだ」
「おちょくりやがって…………照れんなもち!」
顔が赤くなったのを誤魔化そうと俯いたのが逆に目立ち、照れたのがバレてしまった。
「ったく、食ったら帰れよ」
「……嫌だが?」
「だが? じゃねぇよ帰れよ」
昼食をレンに作ってもらったのだから、昼食の片付けは俺がやるべきだ。昼食後の三人は全員そう考え、四人がキッチンに密集した。
「狭いな、なんなんだよお前ら」
「ささ、皿洗いしようと」
「右に同じ」
「……下に同じ」
「ししし、下って言うなぁ!」
レンは深いため息をついて俺達の顔を順に見ると、濡らした台拭きと乾いている台拭き、除菌スプレーをミチに渡した。
「ミチ、お前は机拭いてこい」
皿を割りそうだからだなと考えていると、次にレンはセンパイを押して食洗機の前に立たせた。
「大きい汚れ軽く流したやつ渡すから、並べてってくれ」
「……分かった」
「レン、俺は? 俺何すればいい?」
「テレビでも見とけ」
俺はソファの上に蹲って面白くもない昼のニュース番組を眺め、みんなが後片付けを終わらせるのを待った。
しばらく待っているとレンが勝手にテレビを消し、俺の手に軽く手を添えた。
「もち、続きしようか」
「え……! う、うんっ、する……!」
てっきり今日は昼食前の行為だけで終わりだと思っていた。あの続きとなればもうセックスしかない。
「レンっ、優しくするからな」
俺はレンの手をぎゅっと握り、これから抱かれることへの不安や恐怖心を拭ってやろうと微笑みかけた。
「あぁ、うん……? ありがとな」
反応が薄い、照れているのだろうか? 可愛いな。微笑ましく思いながらレンと共に彼の自室に入ると女物の服に着替えたミチがいた。
「あ、きき、如月くんっ、着替えたよ。どぉ、似合う?」
膝丈の黒いフレアスカート、襟の大きな白いシャツ、可愛らしい格好だ。
「ミチ? その服は……?」
「つ、つつっ、月乃宮くん……! ぁ、あ、あのねっ、きき、如月くんが僕に似合いそうな服あるからって、これ似合いそうだから着てみろって」
レンは後片付けを終えた後すぐに俺の元に来てくれたわけじゃないのか。
「そっか、似合うよ」
一言褒めただけでミチはパァっと笑顔になる。釣られて俺も笑顔になっていると、レンに手を引かれてベッドに座らされた。
「ミチ、もいっこいいか?」
「な、なな、なぁにっ? まだ服着せてくれるのっ?」
「もちを抱け」
「へ……?」
ミチは笑顔のまま固まってしまった。俺はかろうじて話すことは出来た。
「レンっ? な、何言ってるんだ?」
「いやぁ、俺ってセックスの経験ないだろ? このままもちとしても、もちを満足させられないなーって……お嫁さんとしては最初からある程度は、な」
レンはミチの後ろに回り込んで両肩に手を置き、俺の目の前まで押した。
「昨日はヤってないんだよな? ミチもそろそろ溜まってるだろ?」
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「んゃっ、きき、ききききっ、如月くんっ、だ……めっ、そこ、弱いから……!」
おもむろにスカートがめくり上げられ、根元の方からゆっくりとミチの陰茎が見えていく。臍に触れそうなくらいに勃った陰茎が。
「ほら、ミチもしたがってるぞ? お前もさっき指だけで終わらされたの不満だったんだろ、形州とヤってたもんな。見えないとでも思ったか? 残念、あの死角は窓に反射して見えるんだよ、次からはカーテンでも閉めるんだな」
下腹を強く押しながら撫で回され、そそり立った陰茎を眼前に突き出されて匂いを嗅がされ、そんな気分になるなという方が無茶だ。
「未経験の俺に、お手本見せてくれよ」
レンは俺に抱かれるのだから、見本にするのは俺の方だ。しっかりしなければと考えていると押し倒された。ミチはすっかりやる気だ
「わ、つつ、つ、月乃宮くんっ……こんなとこ、汚してる」
ミチとレンに尻から垂れたセンパイの精液で汚れた下着を見られてしまった。
「形州にちゃーんと中出しされてんだな。ミチ、ぬめりは十分なんじゃないか? もちの腹ん中、上書きしてやれよ」
「う、うんっ……!」
ベッドの上で膝立ちになったミチは俺を真っ二つに折り曲げ、太腿の裏を押さえた。二人の目の前で開脚させられ、腹と太腿が触れ合うようにされて、恥ずかしいことこの上ない。
「あぁそうそう二人とも、俺はセックスの勉強したいんだからさ……ミチはどこにどう気を付けてもちを抱いてるか、もちはどこをどうされてどんな気分か、全部詳しく説明しながらヤってくれよ?」
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