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幼馴染のピアスの鈴揺らしてみた

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白い無地の浴衣のような服。その隙間から手を差し込むことを許された俺の手は今、極上の太腿に触れている。

「ふ、と……ももっ……!?」

『もち、足好きだよなぁ』

「さ、さわ、てる……おれ、いま、ふともも、さわっ、て、る?」

『落ち着け落ち着け、いつでもいくらでも触っていいもんなんだぞ? それに対してそんな……』

いつでも、いくらでも? あぁ、そうだな、レンは俺の嫁だ。嫁の太腿を夫が触る、何の問題もない夫婦の形だ。

「レ、レンっ、レン……りょ、両手」

『あぁ、好きにしろよ』

俺はレンの浴衣の裾を掴んで捲り、まず右足を露出させた。スラリと伸びた長い足、その太腿やふくらはぎにはほどよく肉が乗っており、ミチとは違って健康的だ。

「さ、触って……いいんだよな」

両手で太腿を包むように触れると、肌のハリや肉の弾力などの様々な情報が一気に脳に流れ込み、処理落ちを起こした。

『……もち? 何固まってんだ?』

手の中で太腿が僅かに動く。逃げられると勘違いして慌てて手に力を込める。白い肌に俺の指が沈み、柔らかな肉が俺の手に合わせて歪んだ。

『んっ』

レンが吐息混じりの声を漏らした。

『……なんだよ、そんなガン見するなよ。急に足掴まれたら変な声も出るだろ』

「レン……俺、もう何も分かんない。すごいんだ、ずっと、太腿が、太腿で」

『落ち着けよ、気持ち悪いぞ』

「まず、すべすべなんだ。でもこう、ハリがすごくて、濡らしてもなんか濡れないんだろうなって」

水を弾く元気な肌をしていると言いたかったのに、何だか変な言い方をしてしまった。

「で、ちょっと力込めるとこう、柔らかいんだ。でも脂肪オンリーじゃなくてなんかこう、むちって、あの、むちって、むにって、指が、弾力で、常に最高の情報が手から頭に来て、触覚だけでも限界なのに目でもむちむち感がエグくて、もう脳みそ止まった、止まってるのに聴覚に可愛い声来て、何? もう、何?」

『……うん』

「終わらないよレンっ、ずっとレンの太腿のすごさが伝わってきて終わらないっ、落ち着けない! 止まらない! 何も出来なくなる! 何これすごい! レンの特殊能力……!?」

『お前が変態なだけだよ』

レンは深いため息をついて俺の手首を掴み、足の付け根を触らせた。内側の付け根は肌も肉も非常に柔らかく、俺は再び処理落ちを起こす。俺の硬直を無視してレンは足を閉じ、俺の手をきゅっと締め付けた。

「……っ!?」

『着替えらんなくてごめんな。帰ってきたらお前の好きな服着てやるよ。ホットパンツでもミニスカでも、好きなの履いてやる……もち? おい、もちっ!』

顔が熱い。頭も熱い。もう、熱以外何も分からない。



まさか比喩ではなく本当に処理落ちを起こすとは思わなかった。

『……大丈夫か?』

気が付けば俺はベッドに寝かされていた。レンに聞いたところ、手を太腿に挟まれて顔を真っ赤にして倒れた俺をベッドまで運んだそうだ。

「ごめん、ありがと」

『まさか足触らせただけでぶっ倒れるとは思わなかったよ』

呆れた顔のレンの足はもう布の下に隠されている。

『……何? またぶっ倒れる?』

チラ、と眩しい太腿が微かに覗く。それだけで俺の首から上は一気に熱くなる。

『…………なぁ、ノゾム』

愛称ではなく名前を呼ばれ、突然の真剣さに驚きながらも見つめ返す。レンは無言で俺の足の上に跨った。仰向けの俺の顔の横に手をつき、鋭い爪を耳の端に触れさせた。

『……足触っただけで倒れちゃうくらい、俺のこと好き?』

「…………うん」

『ふふっ……セックスとか出来んの?』

「……無理、かも」

『あははっ、そりゃ困ったなぁ。夫婦生活暗いぜおい』

体重はあまりかけられていないが、レンは今俺に跨っている。布越しとはいえレンの股間が俺に触れている。それを意識してしまうとまた顔が熱くなってくる。

『じゃあ、俺に慣れるまでは俺からしてやった方がいい感じか?』

「うん……?」

『十何年も一緒にいるのに俺に慣れてないってどういうことだよ』

やはり、俺にとってレンは特別な人だ。惚れっぽい俺だけれど、きっとレンが一番大切で、一番好きで、一番愛して欲しい人なんだ。

「……レン、可愛いから」

レンの顔を見て、声を聞いて、彼と触れ合っていたら、レン以外どうでもよくなってしまいそうな気がする。大事な彼氏達を捨てさせられそうで怖い、だから目を逸らしてしまう。

『可愛いって言うならちゃんと見ろよ、ほーら、目逸らすな。もち、最近すぐ顔背けるじゃん、レン君悲しいなぁー?』

「ご、ごめん……」

お嫁さんに「悲しい」なんて言わせてはいけない。俺はすぐにレンと目を合わせた。優しげなタレ目、色素の薄い胡桃色の髪と虹彩、中性的な美顔は柔らかく微笑み、俺への無制限の慈愛を感じさせた。

「……可愛い」

それしか言えないのか、俺は。あぁそうだ、これしか言えない。可愛いレンが大好きなんだ。ずっと昔から俺はレンが好きで、レンは俺が好きだと決まっているんだ。

『なぁ、もち……俺と形州とミチ、誰が一番好きなんだ?』

「……レン」

『じゃあ、俺だけにしてくれないか?』

「……………………ごめん」

レンの悲しい顔は見たくない。けれど、俺はセンパイとミチとの幸せも失いたくない。二兎追うものは──なんて諺を思い出したけれど、無視だ。

『そっか……もち、俺な、お前に俺だけを選ばせる方法、考えたんだ』

「……な、何?」

従兄が妙にレンを警戒していること。ミチがレンを腹黒だと認定していること。俺の目を一日足らずとはいえ見えなくしてしまったこと。
生身よりも自由に動ける生霊の状態でやったあらゆることは犯罪にはならないこと。
それらを思い出してレンが過激な手段に出る未来を想像してしまう。

『俺がうんっと可愛くなって、お前のことうーんっと気持ちよくして、お前が俺しか見えないって感じにさせてやる』

「……え?」

『見てろよぉもちぃ、形州のこともミチのことも考えらんなくしてやる! もち……? なんだよ、間抜け面して』

「う、ううんっ、レンはレンだなって……可愛いよ、やっぱり、身も心も、全部可愛い」

何が過激な手段だ、何が裁けない犯罪だ、レンは優しい善人なんだ。そんなことするわけないじゃないか。

「ほんっと、健気だよなぁ……俺にはもったいないよ、いいお嫁さんだ」

『まだ何もしてないのに随分褒めてくれるな』

「……ごめん。レンが何か悪いことするんじゃないかって思っちゃってた、ほら、生霊なら何しても犯罪にならないみたいだし……でも、自分磨きとか、健気だなーって……可愛い」

ある意味、バカなのかもな。

『自分磨きねぇ……ま、いつも通りのケアは欠かさないけどさ。一番重要なのはテク磨きかなって思うんだよなぁ』

「テ、テク? 何の……恋愛テクかな~……なん、て……」

手を引っ張られて上体を起こす。ベッドに足を伸ばして座った姿勢だ、膝の上にはレンが乗っているが、重さはない。

『誤魔化すなよ、もちも俺にテク上げて欲しいだろ?』

鋭い爪が乳首ピアスからぶら下がった鈴をつつく。チリ、チリ……と控えめな音が鳴る。

『可愛い鈴だよなぁこれ、お前四つん這いにさせて後ろから突きたくったらチリンチリン鳴るんだろ? エッロ、最高かよ』

「……? レンは、お嫁さんだから……俺、抱かないだろ?」

『形州の趣味だろ、ってムカついてんの』

「ぁ……あぁ、うん……んっ! ぁ……!」

ピアスホールを通る金色の輪と、鈴をぶら下げる金色の輪、その間の金色の輪にレンの爪の先端がハマる。

『引っ掛かっちったなぁ、どうしよっか』

「ん、んっ……! そ、なっ……揺らし、たらっ」

『ここ引っ掛けて揺らすの嫌か? じゃ、こっちな』

短い鎖に爪を引っ掛けるのをやめたレンは、微かに揺れている鈴を爪の背で弾き始めた。

『お、こっちのが楽しいかも』

バチっ! と爪と鈴が当たる音。チリンっ! と激しい鈴の音。

「んゃっ、ぁあっ!」

間接的に乳首を引っ張られて喘ぐ、俺の甲高い声。

『……気持ちいいか?』

左乳首にぶら下がった鈴を弾きながら、レンはもう片方の手で右乳首にぶら下がった鈴をつまんだ。予想通り鈴を引っ張られ、乳首が伸びる。

「ひぁああっ!? ぁんっ! んぁっ、あぁあっ! 裂けちゃうっ、乳首っ、ひんっ、ちぎれるっ、んぁあっ……!」

『痛かったか?』

「んっ、んんぅっ……!」

ピアスホールが空いた乳首の耐久性は元の半分くらいだろうか? 引っ張られるのは痛いし、怖い、それなのに俺は何故かやめてと叫ぶほどの危機を覚えていなかった。

「き、きもちいい……」

甘やかな痛みの快感に虜になり、もっと虐めてと胸を突き出す。そんな俺の右乳首にレンは両手を近付けてきた。
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