いわくつきの首塚を壊したら霊姦体質になりまして、周囲の男共の性奴隷に堕ちました

ムーン

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幼馴染のとこに今戻ってきたフリしてみた

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終業式は中止になってしまった。配布物が大急ぎで配られ、下校時間が予定よりかなり早くなった。校庭に入ったパトカーにはしゃいでいる生徒も居たが、俺はそんな気になれない。

「やっぱ……俺のせいかな」

ミチに取り憑いていると俺が予想するヤンデレ幽霊はミチが勝手に拾ってきたものだろうし、教師が怪我をさせられたのは奴が恨みを買っていたからだろう。
しかし、これだけ大っぴらに怪現象が起こったのは俺のせいだ。俺が首塚を壊したから地域一帯の霊のパワーバランスが崩れて騒ぎ出し、俺が傍に寄ると眠っている霊は起きるらしい。従兄が時々仕事で居ないのは俺のせいで騒ぎ始めた霊を祓うためだ。

「いつ祓うんだろ……」

今日の分の精液はどうしようか、センパイとはもう別れてしまったし、担任は逮捕されたし、ミチしか居ないな。

「大丈夫かなぁ」

ガラスが割れる以上のことが起こらなければいいのだが。
暗い顔で校門を出るとエンジンをふかす音が聞こえ、無意識に顔を上げた。

「…………相変わらず暗い顔だな」

巨躯のセンパイに似合う大きな黒いバイクはドッドッドッ……と鼓動を思わせる音を響かせている。歩道の端に行って車道の脇に居るセンパイを真正面から見上げる。

「センパイ……何してるんですか? こんなところで」

「……朝、言っただろ」

帰りも送らせろだとか、精液が必要なら呼べなんて言われたことを思い出す。けれどセンパイをいいように利用するなんて出来ない。

「ぁ……い、いえ、一人で帰れますから」

鞄を握り締めて歩き去ろうとしたが、センパイは簡単にガードレールを跨いで俺の腕を掴んだ。

「離してくださいっ、センパイとはもう……!」

悲しそうな目を見て言葉に詰まってしまい、逃げようとするのもやめてしまう。今すぐ抱き締めてやらなければという使命感が胸の中で燃え始め、精液を集めなければ死んでしまうのだからという言い訳が頭の中で大きくなり、センパイに抱かれたいという単純な性欲がむくむくと膨らんでいく。

「………………ノゾム」

なんて優しい声で名前を呼ぶんだ、泣きたくなる。

「せん、ぱい……」

謝って許しを乞いながら彼の胸へ飛び込もう、そう決意した瞬間、俺の腕を掴んでいたセンパイの手が鞄で殴られた。

「……っ、痛っ……!」

怪我をしている部分を硬い鞄で殴られれば流石のセンパイも怯む。センパイに離された手はすぐに小さな手に握られる。

「つ、つつっ、つつ月乃宮くんっ! ににっ、逃げよっ!」

「ミチ……!?」

引っ張られて思わず数歩走ってしまったが、すぐに踏ん張った。

「つっ、つつ月乃宮くんっ!? ななな、なっ、何してるのっ、早く逃げないと!」

「お前が何してるんだよ! センパイ手怪我してるんだぞ!? 怪我してるとこ殴るとか最低だ!」

「さ、ささっ、ささ、最低!? ひ、ひひ、ひどいぃっ……! ぼ、ぼぼっ、僕は今度こそっ! きき、君を助けたくてっ!」

大きな影が太陽光を遮り、ミチと揃って見上げるとセンパイが俺達を見下ろしていた。

「……いい一撃だった。お前、ミチコ……とか言ってた奴だな? 女装趣味のチビだろ」

「しゅっ、しゅしゅしゅっ、趣味じゃないっ!」

「…………それはどうでもいい。ノゾムを守るため、的確に弱点を狙う……結構なことだ」

口では褒めているが、鋭い三白眼は明らかにミチに苛立っている。

「……お前、ノゾムが好きか?」

「あ、あっ、あぁ当たり前じゃないかっ! つつ、月乃宮くんは僕の彼氏だぁっ! お、おおっ、お前みたいな乱暴者に渡さないっ!」

ミチは産まれたての子鹿のように足を震わせながらも啖呵を切った。

「…………俺は昨日、こいつと別れた」

「えっ? そ、そそ、そうなの……? な、ななっ、なら月乃宮くんに付きまとうなぁっ! ぼ、ぼぼ、僕の彼氏なんだぞこのストーカー野郎っ!」

センパイはニヤリと意地悪な笑みを浮かべ、ミチに顔を近付けた。

「……お前もこの後フラれるんだよ。俺もお前もただのキープだ、ノゾムが本当に好きなのは幼馴染の茶髪の男だ。一度ノゾムをフっておきながら、今更付き合いたいと言い出したらしい。そんなふざけた奴がノゾムの本命、俺達は捨てられるんだよ」

「え? え? えっ? お、おおっ、ぉ、さなな…………如月くんのことっ? そ、そそっ、そっか、体治ったんだもんね……如月くんと、くっつくよね」

センパイと違いレンが余命宣告を受けて入院していたことを知っているミチは、レンのことをただ気変わりしやすい身勝手な男だなんて思わない。

「レンは……レンはっ、最近まで入院してたんです。死ぬかもって言われてて、だから俺のために俺をフってたんです…………レンのことを知らないで、ふざけた奴なんて言わないでください」

「…………そうか、そうか、よーく分かった。お前はよっぽどその男に惚れてるんだな。少し前の俺なら殴り殺してたよ」

サラリと話された残虐行為に慌ててセンパイを見上げる。睨みか、懇願か、どちらを込めた目なのかは俺にすら分からない。

「……今は、暴力を振るわないと誓ったから何もしない。病気の再発でも願ってるよ」

「なっ……なんてことをっ! 撤回してくださいセンパイっ! いくらなんでもそれは許せない!」

俺が叫んだ直後、大きな音が近くで響いた。事故でも起こったかのようなその音はセンパイがガードレールを蹴った音だ、ガードレールはへこんでいる。

「ひ、ひっ、ひぃぃっ……」

センパイの蹴りの威力に怯えたミチはその場に座り込んでしまった。

「せ、せん……ぱい……」

肩で息をし、俺を見下ろす。その三白眼からは苛立ちしか感じない。

「撤回……してくださいっ、レンは……良い奴なんです。俺が悪い奴なんです。恨みとかは俺に向けてくださいっ……! 入院中のレンは本当に辛そうでっ、しょっちゅう血吐いて、お腹とか胸掻き毟って……! あんな苦しみ二度と味わってもらいたくない!」

レンの症状は病気ではなく、再発なんてしない。分かってはいるけれどセンパイに撤回させたかった。
レンが俺を守りたい一心で怪異を喰ったように、センパイがレンへの嫉妬で生霊を飛ばしてレンを傷付けないとは限らない。

「イライラしてるなら俺に当たってください! 俺ならいくらでも呪っていい、俺なら殴り殺したっていい! だけどレンは、レンだけはっ!」

「…………っ、黙れっ!」

「黙らない! 撤回しろっ!」

「……っ!? 分かった……撤回、しよう。如月とやらの不幸は願わない、直接手出しもしない……」

安堵して胸を撫で下ろす。恐怖と興奮で脈拍は異常に早くなっており、俺はそれにも驚いた。

「ありがとうございます……すいません、センパイ…………センパイ、レンは本当に何も悪くないんです、俺の気持ちに応えてくれただけで。レンを選んだのもセンパイと別れるって決めたのも、センパイがイライラする原因も、俺なんです」

「………………ノゾム。お前は本当に酷いな」

「はい……」

言われなくても分かっている、俺には羅列するのも嫌になる量の悪い部分がある。いや、良い部分なんてない。

「……そうやって今の彼氏を守ってるつもりなんだろ? いや、実際そうか…………完全敗北だよ、お前にそこまで言わせる如月に勝てる気がしない。お前が戻ってきてくれる未来が見えない、もう希望なんてない」

単調に喋るセンパイはじっとガードレールを見つめている。

「………………ノゾム」

不意に俺の目を見つめ、優しい笑顔を向けた。

「…………幸せになれよ」

「は、はい……」

「………………二度と会うこともないだろうな、俺のことは忘れろ」

そんな寂しそうな顔をされて、そんなことを言われて、誰が忘れられると言うんだ。執拗に頭を殴られたって無理だ。

「ミチ……立てるか?」

「ぁ……うっ、うん。だ、だだっ、大丈夫……」

「ミチ、ミチ……ごめんな、ミチ、俺……レンとちゃんと付き合いたいから、別れてくれ」

「や、ややっ、やだっ! ぜ、ぜ絶対やだっ! 二番目でいいっ、都合のいい奴でいいからっ! 別れるのは嫌だぁっ!」

予想は出来ていたが、ミチはやはり俺に抱きついてきた。小さな身体は庇護欲を煽られる。

「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だぁっ! 彼氏なんだ、僕が彼氏なんだぁっ! 卒業したら月乃宮くんと暮らすんだ、月乃宮くん彼氏でいてくんなきゃやだぁっ! 月乃宮くんとずっと一緒にいるんだっ、別れるなんて絶対やだぁっ!」

「ミチ……」

駄々っ子のように泣き叫ぶミチの肩を掴む。するとミチが俺に抱きつく力は強くなった。

「死んでやる……付き合っててくんないなら死んでやるっ! 月乃宮くんの家の前で血まみれになって死んでやるぅっ! 二番目でいいって言ってるじゃん僕我慢するからぁ! 女装もコスプレもするから付き合っててよぉっ!」

死んでやるなんて言われては別れ話は中断せざるを得ない。

「分かったよ、ミチ……彼氏のままでいるから、死ぬなんて──」

『裏切り者』

「──っ!? だ、誰だよ……何なんだよ」

謎の声が聞こえた直後、腕の感覚がなくなる。俺の腕なのに俺の腕じゃないかのように勝手に動き出した、俺の意思に反してミチを引き剥がし、突き飛ばした。

「ぅあっ! い、痛い……ひどいぃ……月乃宮くんのバカぁ!」

心配の言葉も弁解の言葉も出ない。首に触れられる感覚はないのに、首を絞められている時のような息苦しさがあり、声すら出ない。

「あっ……ミ、ミチ! 待てよ、ミチっ!」

ようやく喉と腕の感覚が元に戻ったが、ミチは既に走り去った後だった。

「何なんだよ……」

俺の身体が勝手に使われた。見えない手に手首を掴まれたりして勝手に体を動かされることはあったが、今のは違う。ホラゲ知識で考えると憑依が当たる。

「誰が、なんでこんなこと」

やはりミチにはヤンデレ幽霊が取り憑いていて、俺と破局させようとしているのだろうか。しかし、裏切り者とはどういう意味だ? 俺に言ってるよな……

「ん? あ、電話」

スマホを取り出してみると「レン」と表示があった。

「もしもし、レン?」

『はうでぃ! なーんてな、すっかりアメリカかぶれだよ。こっちに居ると日本って湿っぽかったなーって思っちまうよ、単純な湿度的にも』

「レン……楽しんでるんだな、よかった」

センパイとミチと揉めたばかりなので楽しげな声に癒された。

『あぁ、そっちはそろそろ終業式終わったか? 早く俺がそっち行けるよう扉用意してくれよ』

「あぁ、うん……ガラスとか鏡とかテレビとか、何かツルツルした平面があればいいんだっけ」

『映るもんじゃなきゃダメだぜ。俺の体が通るくらいのサイズな』

「今下校中なんだ、店のショーウィンドウとかでもいい?」

快諾を得たので俺は服屋のショーウィンドウにスマホを向けた。するとレンがそこから出てくる。昨日の鏡よりも遥かに大きいものだったからか、有名なホラー映画の怨霊らしさはなかった。

『もーちぃー! あぁ、お前は可愛いなぁ。モノホンのブロンドよりお前の薄汚ぇ金髪がいいよ俺は』

「う、うん……? ありがとう……レンが好きって言ってくれるなら、汚くてもいいよ」

『かーわいいっ! 嘘だよ冗談だよもちぃ、お前の髪は綺麗に色入ってる! ごめんなぁ、可愛いなぁ、よしよしよしよしよしよし』

半透明のレンは俺の周りを飛び回ったかと思えば背後から俺を抱き締め、頭をものすごい勢いで撫で始めた。摩擦でハゲてしまいそうだ。

「あ、あのさ……レン、ちょっと相談いいかな」

『おうおうお前の話なら何でも聞くぞぉ、クソつまんねぇサメ映画の話だろうと付き合ってやっからなぁ』

「センパイとミチの話なんだけど」

『あぁ……何?』

分かりやすくテンションが落ちたレンには笑ってしまった。俺は不謹慎にもリラックスして二人のことをレンに話せた。
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