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映画見ながら幼馴染とイチャついてみた
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レンは心優しく、正義感が強く、不器用なくらい真っ直ぐな人だ。中学の頃は自分の立場が悪くなるのなんて全く気にせずにイジメに遭っていた俺を庇い、俺の身代わりで怪我をしても「もちは俺が守ってやる」と笑いかけてくれた。
──といった具合に、夕飯の後に俺はレンがいかに素晴らしい人間か従兄に説明した。
『照れるなぁ』
「今言った通り性格はいいし、頭もいいし、見ての通り顔もいい! 太腿なんて世界遺産レベル……! つまりお兄さんはレンを警戒しなくていいんです」
センパイは今日皿洗い当番なので、今は気にせずレンと話せるしレンについて話せる。
「はいはい、脅すようなこと言ってすいませんでした。如月様の人柄を俺は知りませんし……まぁ警戒を解いたりはしませんが、表には出さないよう努めますよ」
「ありがとうございます」
表にさえ出さなければレンが居心地の悪さを感じずに済むだろう。
「で? 月乃宮様……あなた、如月様に絞るおつもりで?」
「ぁ、えっと」
『はい! もちは浮気相手とキッパリ別れて、将来は俺と暮らすって言ってくれました。なっ、もち』
満面の笑みで促され、頷く。
「ふぅん……まぁ、俺は國行にはもっといい人と付き合って欲しいですし、如月様を選ぶのはいいんですけど……あんまり酷い別れ方しないでくださいよ。俺の可愛い國行は傷付きやすいんですから」
「それは……もちろん。あの、傷付けずに別れる方法、アドバイスくれませんか?」
「生まれてこの方破局の経験はありませんから無理です」
従兄の言い草にため息をつき、テレビに視線を移す。俺も従兄も見ていない不輪もののドラマが垂れ流されている。
「子供……レンとの赤ちゃんがお腹にいるのとか言えたら……センパイどんな反応するかな」
『旦那様がお母さんやるのかよ』
「あっ、そ、そうだった……抱かれることばっかだから、ごめん……」
レンとだけ付き合うとなれば、俺はもう二度と男に抱かれなくなる。今まで使い道のなかった陰茎をレンに挿入出来るのは嬉しいが、抱かれなくなるのは少し寂しいな。
『形州かぁ……評判的には腹蹴って流した後、自分の孕ませそうだけど』
「熊みたいですね、なんか分かりますけど」
「センパイそんなことしない! お兄さんも従弟に対してなんてことを……!」
「やりそうとは言ってませんよ。そういうイメージあるの分かるなぁってだけで」
それだけでも十分酷いと思うのだが。
「……兄ちゃん、ノゾム、盛り上がってるな、何の話だ?」
嫌なタイミングでセンパイが戻ってきた。話していた内容をそのままは言えないが、咄嗟の言い訳も思い付かず、ただ戸惑う。
「いや、いい番組やってなくてさ、何見よっかなーって」
従兄はすぐにチャンネルを変え、胡散臭い笑顔をセンパイに向けた。
「…………サブスク入ってるだろ」
「そうだったな、なんか見たいもんあるか?」
「……俺は別に」
「國行、映画観るならお菓子とジュース欲しいな。なんか適当に持ってきてくれ」
素直に頷いてセンパイはキッチンに向かう。従兄はリモコンを操作しながら俺に小さな声で教えた。
「月乃宮様。國行……の、母親。不倫相手がいたから國行捨てたんで……えーと、子供いないヤツなら平気で見てるんですけど、子供いて不輪してるヤツだとめっちゃ不機嫌になるんで、お願いしますね」
「ぁ、はい……」
『地雷ってやつかぁ……俺は地雷ないぞもちぃ、不輪もの観たい時は俺と観ような』
「不輪もの観たい時あったことねぇよ……そいつらがサメかゾンビに襲われるのなら別だけど」
センパイがスナック菓子と炭酸飲料を持って戻ってくる。ソファは三人がけだが、センパイと従兄は大柄だから三人で座るのは厳しい。だから俺はセンパイの膝に座らされた。
「あ、あのセンパイ、俺床でいいんで……」
「……俺はお前が床じゃダメだ」
センパイの膝に座って背後から抱き締められるなんて、いつもならただただ幸せな時間なのに──レンが見ている今は針のむしろに座る心地だ。
「あ、コレ見ます? 濃霧でスーパーマーケットに閉じ込められるんんですけど、霧の中から奇妙な生き物が襲ってきて……! って感じの。月乃宮様好きでしょそういうの」
「パニックホラー系ですか? 好きです! CGが雑なB級なら尚更!」
「いやぁこれは名作ですよ……ふふ、たまにはしっかりしたの見ましょ」
「しっかりしたの……まぁ、クローズドのパニックホラーなら、そんなややこしい物語はありませんよね」
しっかりとしたストーリーのあるものは、映画だろうと漫画だろうとアニメだろうとゲームだろうと苦手だ。
他人の感情の機微を見せつけられて、その人生の一幕を知らされても、ただただ困る。キャパオーバーだ。フィクションの人間なんてワーキャー悲鳴あげてサメに喰われりゃそれでいい。チェーンソー振り回して人喰いサメ倒しゃそれでいい。
『ひっ……! もち、もち……怖い、ぎゅってしてぎゅって』
「ぅ、うん……」
涙声で抱きついてきたレンを抱き返し、鼓動が高鳴るのを感じる。レンほど怖がってはいないようだがセンパイの腕の力も増している、二人きりなら多分センパイに萌えて腕を撫でたりしただろう。
「センパイ……苦しいです」
「……ぁ、あぁ……すまない……つい」
センパイのことは好きだ、大好きだ、彼になら殺されてもいい。それなのにセンパイの手が触れたところはレンの手が触れたところのように熱くならない。
「ごめんなさいセンパイ……あの、やっぱり下ろしてください」
「…………すまない」
俺を膝から下ろして落ち込むセンパイを見て、流石に胸が──
『きゃあっ!? ノゾムぅっ、こわいよぉ……』
センパイの膝から下りる時に一旦離れてもらっていたレンが今度は顔に抱きついてきた、半透明の霊体越しに落ち込んだセンパイが見えているが、レンの太腿が腕を挟んでいてそれどころではない。
「……ノゾム、お前がソファに座れ。俺が床でいい」
「國行、クッションやるよ」
「…………そこは兄ちゃんが床を選ぶべきじゃないのか」
「お前が言っちゃダメだろ」
センパイは俺をソファに座らせ、自分は床に置いたクッションの上に座った。流石に邪魔だったのでレンには顔から離れてもらい、先程までのセンパイと俺のようにレンを膝に座らせた。
「レン……そんなビビりだっけ」
まさに今幽体離脱をしているくせに、とまでは言わずに半透明のレンに囁く。
『超常現象はガチであるって知っちまったから余計怖いんだよ』
「そういうもんかな……」
『そういうもんなんだ。もっとぎゅーって抱き締めてくれよもち、怖いんだよ』
レンの尻の柔らかさが太腿に、レンの腕のしなやかさが首に、レンの体温の高さが全身に伝わってくる。空気を読まずに勃起した性器に気付き、レンは俺のピアスに唇を触れさせながら囁いた。
『いいよ』
何が、なのか。言われなくても分かった。俺の手はレンの太腿へ吸い込まれ、意識せずとも鷲掴みにして揉みしだき、その体温と感触を堪能し始めた。
『太腿好きだなぁ。ふふ……もちのためにこの足作ってるんだ、お前の好きにしていいからな』
ちゅっと頬にキスされ、ときめきが加速していく。レンの背に回していた手を後頭部に移し、無言で口同士のキスを要求する。
「ん……」
静かに舌を絡め、ゆっくりと互いの唾液を味わい、太腿を強く揉んで片手では掴み切れない柔らかな肉を楽しむ。
「…………兄ちゃん、これ……よく分からない虫に襲われる映画というより、閉じ込められた人間が不仲になるのがメインじゃないのか」
「まぁ見てろよ、面白いから」
「……ノゾム、楽しめてるか?」
レンが一瞬消え、センパイが振り向いているのに気付いて舌を引っ込め、頷く。センパイがテレビに視線を戻し、安堵するとレンの手が胸に触れた。
『はは、びっくりしたなぁ、つい消えちゃった。もちもすっごい心臓バクバクいってる、映画より怖かったか?』
可愛らしい顔が再び見えて、固まっていた体がレンへの愛撫を再開する。腰を支える手でくびれをすりすりと撫で、太腿を揉むのだ。
「レン……気持ちいい?」
『ん? 俺のことは気にしなくていいぞ、もちの好きなとこ触りな』
一方的なのは嫌だし、触れているのに無反応なのも寂しい。どう言えばいいのか分からなかったがレンは俺の表情から俺の言いたいことを察してくれた。
『俺を感じさせたいなら、内っ側の上の方だな』
レンはぴったり閉じていた足を緩く開き、浴衣のような白い服を更にはだけさせて性器ギリギリまで足を露出した。もう少しなのに決して見えない性器、そのもどかしさに興奮する、きっと見えてしまうよりも扇情的だ。
『んっ……』
太腿の隙間に手を入れ、前面よりも更に手触りのいい内腿を慎重に撫でる。レンが身体をピクピクと跳ねさせ、たった今まで余裕そうに笑っていた顔が変わっていく様を見て調子に乗り、俺は足の付け根近くの内腿をつまんだ。
『ゃっ……もち、優しくして……?』
紅潮した頬、微妙に歪み下がった茶色い眉、潤んだ茶色いタレ目、震えた声──レンの全てに興奮し、また後頭部を押さえて唇を重ねた。
『んっ、ん、ぅっ……もちっ、キス上手いなぁ……気持ちいいよ』
首に絡みついた腕の力が強くなる。気持ちいいとハッキリ言われて俺は有頂天になり、レンをもっと感じさせてやるため口での愛撫を開始した。
『ぁ……ゃ、もち…………んっ……』
首に唇を押し付け、太腿と尻の境目をくすぐる。レンの上品な艶声を耳に受けてゾクゾクとした快感を覚え、更に愛撫を──
「ホラーだとイチャついてるヤツってまず死ぬよな」
──激しくしていくつもりだったが、妙に大きい従兄の声に手を止める。
「……あぁ、フラグ……とか言ったか? この映画には見当たらないな」
「メイン親子だからな」
『何か気に食わないことでもあるんですか?』
邪魔されたと感じたのかレンが従兄を睨む。従兄にそんなつもりはないのだからと宥めようとしたが、彼は口元を歪めてレンを睨み返していた。
──といった具合に、夕飯の後に俺はレンがいかに素晴らしい人間か従兄に説明した。
『照れるなぁ』
「今言った通り性格はいいし、頭もいいし、見ての通り顔もいい! 太腿なんて世界遺産レベル……! つまりお兄さんはレンを警戒しなくていいんです」
センパイは今日皿洗い当番なので、今は気にせずレンと話せるしレンについて話せる。
「はいはい、脅すようなこと言ってすいませんでした。如月様の人柄を俺は知りませんし……まぁ警戒を解いたりはしませんが、表には出さないよう努めますよ」
「ありがとうございます」
表にさえ出さなければレンが居心地の悪さを感じずに済むだろう。
「で? 月乃宮様……あなた、如月様に絞るおつもりで?」
「ぁ、えっと」
『はい! もちは浮気相手とキッパリ別れて、将来は俺と暮らすって言ってくれました。なっ、もち』
満面の笑みで促され、頷く。
「ふぅん……まぁ、俺は國行にはもっといい人と付き合って欲しいですし、如月様を選ぶのはいいんですけど……あんまり酷い別れ方しないでくださいよ。俺の可愛い國行は傷付きやすいんですから」
「それは……もちろん。あの、傷付けずに別れる方法、アドバイスくれませんか?」
「生まれてこの方破局の経験はありませんから無理です」
従兄の言い草にため息をつき、テレビに視線を移す。俺も従兄も見ていない不輪もののドラマが垂れ流されている。
「子供……レンとの赤ちゃんがお腹にいるのとか言えたら……センパイどんな反応するかな」
『旦那様がお母さんやるのかよ』
「あっ、そ、そうだった……抱かれることばっかだから、ごめん……」
レンとだけ付き合うとなれば、俺はもう二度と男に抱かれなくなる。今まで使い道のなかった陰茎をレンに挿入出来るのは嬉しいが、抱かれなくなるのは少し寂しいな。
『形州かぁ……評判的には腹蹴って流した後、自分の孕ませそうだけど』
「熊みたいですね、なんか分かりますけど」
「センパイそんなことしない! お兄さんも従弟に対してなんてことを……!」
「やりそうとは言ってませんよ。そういうイメージあるの分かるなぁってだけで」
それだけでも十分酷いと思うのだが。
「……兄ちゃん、ノゾム、盛り上がってるな、何の話だ?」
嫌なタイミングでセンパイが戻ってきた。話していた内容をそのままは言えないが、咄嗟の言い訳も思い付かず、ただ戸惑う。
「いや、いい番組やってなくてさ、何見よっかなーって」
従兄はすぐにチャンネルを変え、胡散臭い笑顔をセンパイに向けた。
「…………サブスク入ってるだろ」
「そうだったな、なんか見たいもんあるか?」
「……俺は別に」
「國行、映画観るならお菓子とジュース欲しいな。なんか適当に持ってきてくれ」
素直に頷いてセンパイはキッチンに向かう。従兄はリモコンを操作しながら俺に小さな声で教えた。
「月乃宮様。國行……の、母親。不倫相手がいたから國行捨てたんで……えーと、子供いないヤツなら平気で見てるんですけど、子供いて不輪してるヤツだとめっちゃ不機嫌になるんで、お願いしますね」
「ぁ、はい……」
『地雷ってやつかぁ……俺は地雷ないぞもちぃ、不輪もの観たい時は俺と観ような』
「不輪もの観たい時あったことねぇよ……そいつらがサメかゾンビに襲われるのなら別だけど」
センパイがスナック菓子と炭酸飲料を持って戻ってくる。ソファは三人がけだが、センパイと従兄は大柄だから三人で座るのは厳しい。だから俺はセンパイの膝に座らされた。
「あ、あのセンパイ、俺床でいいんで……」
「……俺はお前が床じゃダメだ」
センパイの膝に座って背後から抱き締められるなんて、いつもならただただ幸せな時間なのに──レンが見ている今は針のむしろに座る心地だ。
「あ、コレ見ます? 濃霧でスーパーマーケットに閉じ込められるんんですけど、霧の中から奇妙な生き物が襲ってきて……! って感じの。月乃宮様好きでしょそういうの」
「パニックホラー系ですか? 好きです! CGが雑なB級なら尚更!」
「いやぁこれは名作ですよ……ふふ、たまにはしっかりしたの見ましょ」
「しっかりしたの……まぁ、クローズドのパニックホラーなら、そんなややこしい物語はありませんよね」
しっかりとしたストーリーのあるものは、映画だろうと漫画だろうとアニメだろうとゲームだろうと苦手だ。
他人の感情の機微を見せつけられて、その人生の一幕を知らされても、ただただ困る。キャパオーバーだ。フィクションの人間なんてワーキャー悲鳴あげてサメに喰われりゃそれでいい。チェーンソー振り回して人喰いサメ倒しゃそれでいい。
『ひっ……! もち、もち……怖い、ぎゅってしてぎゅって』
「ぅ、うん……」
涙声で抱きついてきたレンを抱き返し、鼓動が高鳴るのを感じる。レンほど怖がってはいないようだがセンパイの腕の力も増している、二人きりなら多分センパイに萌えて腕を撫でたりしただろう。
「センパイ……苦しいです」
「……ぁ、あぁ……すまない……つい」
センパイのことは好きだ、大好きだ、彼になら殺されてもいい。それなのにセンパイの手が触れたところはレンの手が触れたところのように熱くならない。
「ごめんなさいセンパイ……あの、やっぱり下ろしてください」
「…………すまない」
俺を膝から下ろして落ち込むセンパイを見て、流石に胸が──
『きゃあっ!? ノゾムぅっ、こわいよぉ……』
センパイの膝から下りる時に一旦離れてもらっていたレンが今度は顔に抱きついてきた、半透明の霊体越しに落ち込んだセンパイが見えているが、レンの太腿が腕を挟んでいてそれどころではない。
「……ノゾム、お前がソファに座れ。俺が床でいい」
「國行、クッションやるよ」
「…………そこは兄ちゃんが床を選ぶべきじゃないのか」
「お前が言っちゃダメだろ」
センパイは俺をソファに座らせ、自分は床に置いたクッションの上に座った。流石に邪魔だったのでレンには顔から離れてもらい、先程までのセンパイと俺のようにレンを膝に座らせた。
「レン……そんなビビりだっけ」
まさに今幽体離脱をしているくせに、とまでは言わずに半透明のレンに囁く。
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「そういうもんかな……」
『そういうもんなんだ。もっとぎゅーって抱き締めてくれよもち、怖いんだよ』
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『いいよ』
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ちゅっと頬にキスされ、ときめきが加速していく。レンの背に回していた手を後頭部に移し、無言で口同士のキスを要求する。
「ん……」
静かに舌を絡め、ゆっくりと互いの唾液を味わい、太腿を強く揉んで片手では掴み切れない柔らかな肉を楽しむ。
「…………兄ちゃん、これ……よく分からない虫に襲われる映画というより、閉じ込められた人間が不仲になるのがメインじゃないのか」
「まぁ見てろよ、面白いから」
「……ノゾム、楽しめてるか?」
レンが一瞬消え、センパイが振り向いているのに気付いて舌を引っ込め、頷く。センパイがテレビに視線を戻し、安堵するとレンの手が胸に触れた。
『はは、びっくりしたなぁ、つい消えちゃった。もちもすっごい心臓バクバクいってる、映画より怖かったか?』
可愛らしい顔が再び見えて、固まっていた体がレンへの愛撫を再開する。腰を支える手でくびれをすりすりと撫で、太腿を揉むのだ。
「レン……気持ちいい?」
『ん? 俺のことは気にしなくていいぞ、もちの好きなとこ触りな』
一方的なのは嫌だし、触れているのに無反応なのも寂しい。どう言えばいいのか分からなかったがレンは俺の表情から俺の言いたいことを察してくれた。
『俺を感じさせたいなら、内っ側の上の方だな』
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『んっ……』
太腿の隙間に手を入れ、前面よりも更に手触りのいい内腿を慎重に撫でる。レンが身体をピクピクと跳ねさせ、たった今まで余裕そうに笑っていた顔が変わっていく様を見て調子に乗り、俺は足の付け根近くの内腿をつまんだ。
『ゃっ……もち、優しくして……?』
紅潮した頬、微妙に歪み下がった茶色い眉、潤んだ茶色いタレ目、震えた声──レンの全てに興奮し、また後頭部を押さえて唇を重ねた。
『んっ、ん、ぅっ……もちっ、キス上手いなぁ……気持ちいいよ』
首に絡みついた腕の力が強くなる。気持ちいいとハッキリ言われて俺は有頂天になり、レンをもっと感じさせてやるため口での愛撫を開始した。
『ぁ……ゃ、もち…………んっ……』
首に唇を押し付け、太腿と尻の境目をくすぐる。レンの上品な艶声を耳に受けてゾクゾクとした快感を覚え、更に愛撫を──
「ホラーだとイチャついてるヤツってまず死ぬよな」
──激しくしていくつもりだったが、妙に大きい従兄の声に手を止める。
「……あぁ、フラグ……とか言ったか? この映画には見当たらないな」
「メイン親子だからな」
『何か気に食わないことでもあるんですか?』
邪魔されたと感じたのかレンが従兄を睨む。従兄にそんなつもりはないのだからと宥めようとしたが、彼は口元を歪めてレンを睨み返していた。
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