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攫った後輩を抱いてみた

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担任のマンションまでの道を歩く。太陽光を指輪の宝石に反射させながらぽてぽて歩く。スマホが鳴る。

「もしもし? あ、お兄さん」

『月乃宮様? すいません、部屋に帰したはずの國行が居なくて……多分あなたを追ってます。ま、そう簡単に見つけないと思いますけど、早めに帰ってください。國行と復縁したいってなら止めませんが』

「センパイが……はい、分かりました、ありがとうございます。大丈夫ですよ、もう家着きましたから」

通話を切ってマンションを見上げる。ポケットから鍵を出す。大きなバイクのエンジン音が近付き──止まる。俺は振り返らずにマンションへ走った。襟首を掴まれて強く引っ張られる。

「は、離してっ! はな、しっ……」

首に何かが押し当てられて、バチバチと破裂音のようなものが耳の真横で響いて、全身から力が抜けていって視界が暗転した。



目が覚めても視界は暗いままだ、目隠しを巻かれているらしい。手も後ろで縛られている。柔らかいものの上に裸で寝かされている、人の気配がある。

「だ、誰ですか……? センパイ? 國行センパイ……ですよね?」

センパイだろうと思い込んで相手の顔を見ていなかった。けれど、よくよく考えればセンパイではないただの誘拐犯の可能性もある。

「居ますよね……そこに。あの、お願いだから何か言ってくれませんか」

足音が近付いてくる。俺の傍に膝をついたらしい気配がある、軋む音がしなかったからベッドに居るのではなさそうだ。

「………………ごめんな」

「センパイっ……! センパイ、怖いじゃないですかっ! 早く話してくださいよ、もぉ……」

大きな身体に抱き締められて安心してしまった。

「…………自己犠牲をした気になっていたが、俺は自分勝手だったな……お前から離れるのがお前のためだなんて思い込んで……ごめんな、もう、もう……お前を離したりしない」

担任の元に帰るつもりだったのに、優しい声に心が揺らぐ。

「…………愛してる」

左手をぎゅっと握って指輪を確かめ──ない、指輪がない。右手で左手薬指に触れても何もついていない。

「……お前に触れるのは怖い、また傷付けてしまいそうで……でも、もう……自分の気持ちを殺したりしない。愛してる、愛してる、愛してる……お前には俺が必要だ、俺はお前しか要らない」

「セ、センパイ……指輪は? 俺の指輪、どこやったんですか?」

「…………指輪? あぁ……欲しがってたな、ちゃんとしたのを後で買ってくる」

「ほんと……? あっ、ち、違う! そうじゃなくて、つけてた指輪は!?」

優しく抱き締めていてくれた腕が離れて一人横たわる。

「………………酷い身体だな。そんなふうに虐める奴のところへ行くほど、俺はお前を追い詰めてしまったんだ……すまなかった。いくら謝っても謝り切れない」

「指輪! 指輪どこやったんですか!? 俺の指輪ぁ!」

「……指輪一つで最低な男に騙されたのか。そんなに……あの時の一件はお前の心に深く残ったのか。ノゾム……あぁ、すまない、謝るべきことなのにそんなにもお前が俺を想っていてくれたことが嬉しくてたまらない」

指先でハートの痕の縁をなぞっているのだろう。二の腕や太腿に何度も何度もハート型を描かれている。

「センパイっ……なんなんですか? 俺のために生まれてきたとか言って! 俺のこと無視して、フって! それで今……な、何してるんですかこれ! 誘拐とか、監禁とかっ、そんなの俺嫌ですよ!」

肩に大きな手が触れる。

「……お前をレイプしてしまっていたと知って、ショックだったんだ。罪悪感に耐えられなかった。だからお前の傍に居るのは辛い、でもお前が傍に居ないのはもっと辛かったんだ、息が出来なくなる」

首筋に唇が触れる。

「……お前に似た男を何人も口説いた。でも、ダメだった。俺はもうお前以外なんてダメなんだ。お前が居ないとダメなんだ」

頬に擦り寄せられたセンパイの頬は濡れている。

「…………ノゾム、ごめん。本当にすまない……酷いことをした、許してくれなんて言わない。だが、謝らせてくれ。ノゾム……悪かった、ごめんなさい…………お前は俺をまだ好きでいてくれてるんだろう? また俺と付き合ってくれ」

ちゅ、ちゅ、と頬に唇が何度も触れさせられる。

「國行センパイ……俺、センパイに捨てられたんですよね」

「…………今拾った」

浮気した俺は捨てられても仕方ない。でもセンパイは自分からフったくせに一週間と経たずに復縁を迫ってきている。
俺はどうすればいい? すがればいいのか? 強気に出ていい立場なのか? 今どっちが優位に立つべきなんだ?

「分かんない……分かりません、もう何が何だか、どうすればいいのか全然分かりませんっ! もぉやだっ…………ひぁっ!?」

手を縛られて動けない、目隠しのせいで何も見えない。どこに居るのかも分からない、状況もセンパイの心境も理解出来ずに混乱する俺の身体に触れたのは体温のないゴツゴツとした手。

「……ノゾム? どうした?」

「やっ、やめろっ、やめろよぉっ! なんなんだよぉっ! やだぁああっ!」

「……ノ、ノゾム? 俺は何もしてないっ! ほら、俺は手を離したぞ、ノゾム……?」

無数の手が俺の足を掴んで開く。鞭で打たれた痛みがまだ取れていない陰茎を扱かれ、痛みと快感に喘ぐ。

「……………………誘ってるのか?」

「ぃ、やぁあぁ……センパイっ、幽霊、幽霊今来てるっ! 見えてないだろうけど、いっぱいのおっさんの手が俺触ってるのぉっ! 何とかしてせんぱぁいっ!」

「……霊? ぁ、あぁ、そうか、聞いている……えっと、どうすれば……? 俺には除霊なんて」

「せん、ぱっ……抱いてっ、抱いてセンパイっ! 精液くれたらこいつら大人しくなるからぁ!」

俺がその気になったからか怪異達が愛撫の手を緩める。俺の尻穴に指を突き入れ、ぐちぐちと掻き回しながら拡げていく。

「あっ……ゃ、あぁあんっ……や、らぁっ…………センパイはやくぅっ!」

「…………い、嫌だ。初めての時と同じだ……霊に襲われたお前を、強姦した。俺はあの二年の連中と同じだ……嫌だ、もうお前を傷付けたくない……」

ぐぱっと拡げた尻穴を晒すように腰を上げさせられる。怪異達もセンパイをその気にさせようと必死だ。

「ゔっ、んんんっ……ゃ、ぁあっ…………ご、かんじゃっ、ないっ……俺がいいって、してって言ってるんだからぁっ、和姦っ……!」

「…………お前の心はまだ俺に戻っていない。いや……俺の元にあったことなんて、きっと一瞬たりとも」

「俺センパイ好き! 何回も言ったじゃんっ、色んなとこでイチャついたじゃん! なんで分かってくんないのぉっ、俺ちゃんとセンパイ好き、好きぃ……大好きなのにぃっ、捨てないでよぉ……殴ってもいいからっ、何してもいいからぁ、捨てないで」

「……っ、俺はお前を殴ったりしたくない! だから、だから離れて……!」

「俺は殴られるより離れられる方が嫌! おねがい、せんぱぁい……好きって言うなら一緒にいてよぉ、違うならもぉセンセの家帰してよぉっ……どっちも嫌ならもぉ殺せよぉっ!」

威勢よく叫んだ瞬間、骨張った手が俺の首を絞め始めた。肺の空気を全て使った魂の叫びの直後に首を絞められては、すぐに金魚のように口をぱくぱくと開くようになる。

「…………ノゾム? ノゾムっ、どうしたんだ、ノゾムっ!」

一音も声が出ない。

「…………首の、このへこみ……まさか手か? 絞められているのか、霊に…………ノゾム、今からお前を抱く。俺の罪悪感よりお前の命が大切なのは当たり前だったんだ……すまない」

体温のある手が腰を掴み、怪異に拡げられた穴に熱い肉棒が挿入される。怪異の手が俺の首から離れ、気道が一気に広がって咳き込む。

「……ノ、ノゾムっ? 大丈夫か? あぁ……首から離れたんだな、今抜いたらまた……? ノゾム、このまま抱く。いいな? これは……強姦じゃないんだよな」

誘拐しておいて、目隠しをして拘束までしておいて、強姦かどうかを気にするなんてセンパイの心情は本当に分からない。

「は、ぁっ……センパイ、センパイぃ……はやく動いて……全部入れてよぉっ」

「………………ありがとう」

腰を掴む力が強くなり、極太の肉棒が腸壁を削りながら結腸まで進む。

「んっ、あっ、ぁああっ!? ぁ、あっ、かはっ、ぁ……ふっ、とぉ……おっき、しゅぎっ……」

「……そんな嬉しいことを言わないでくれ、我を忘れてしまいそうだ」

「ぁ、あぁっ……しきゅ、押されてりゅ……きもひぃ」

担任に勘違いさせられた子宮の在処、結腸口がヒクついて亀頭に吸い付く。

「…………全部入れて欲しいんだったな、入れるぞ」

「へ……? ぁっ!? ぁ、ぁああっ!? いっ、ひ、ぎっ……! ん、ゃああっ! らめっ、らめぇっ! ひきゅっ、潰れちゃ、ぁああっ!」

陰茎の先端が結腸口を超えた。担任のものでは届かなかった子宮の中だ。

「……もう動いて平気か?」

「は、ぁあっ、ぁあ……らめっ、らめぇ、やだ、産めなくなっちゃう……やだっ、抜いてぇ……」

「…………あぁ、抜くよ」

カリ首が結腸の境目のひだに引っ掛かる。内臓全体が揺さぶられる重たい快楽が全身を襲う。

「ひっ、ぃいいっ!? イくっ、イく、だめっ、抜いたらイぐぅうううっ!」

結腸から陰茎が引いた瞬間に絶頂したが、陰茎はまだまだそれより浅い部分の腸壁を擦っていく。

「イぐっ! まだイぐぅうっ! ぁ、あぁあぁーっ!? ぁ、ひぃっ!」

ごりゅっと前立腺をえぐったところでセンパイは腰の動きを止める。

「…………また入れてもいいな?」

「ふぇ……?」

「……動かないと出してやれないからな」

たったの一往復で何回も絶頂を迎えたばかりなのにセンパイは腰振りを始めた。手を縛られていなくても抵抗できないのに、後ろ手に拘束された今は快楽に仰け反って嬌声を上げることしかできない。

「イぐっ! イぐっ、イぐイぐぅぅうっ……! ぁああっ! イぐっ! まらイぐっ、ぅゔぅんっ! ぁ、ひっ、ひぃっ、イってりゅっ、ずっとイっでりゅぅうっ……!」

「…………締まりが、強いな。こんなものだったか、久しぶりだからか……? あぁ、ノゾム、可愛いな、可愛い……気持ちいいか?」

「イっ、ひ、ぃいっ……! ぎもぢっ、ぎもひぃいっ! しゅっ、ごぉっ、ぉ、ほぉおっ……奥っ、奥ずんってぇっ、越えちゃうのぉっ、しきゅうはいっちゃらめなのぃっ、ずぽずぽぎもぢぃいっ! イぐのっ、とまんにゃぃいっ……!」

「……ノゾム、ノゾムっ……愛してるノゾム、ノゾム、顔が見たい、顔を見せてくれノゾム」

目隠しがほどかれても焦点を合わせられない。明るさを感じる程度しかできない虚ろな瞳でも見られたのが嬉しかったらしく、センパイは腰振りを更に激しく変えていった。
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