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従弟の後輩に迫られたので踏んでみた
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昨日から肉棒に飢えていた身体を戻ってきたばかりの怪異に弄られ、俺は見えない手に引っ張られるままに従兄に迫った。
「お兄さん……抱いてください」
従兄は床に置いているアタッシュケースに手を伸ばす。怪異を一時的に引かせるつもりなのだろう、しかし見えない手は俺の足首を掴んでアタッシュケースを部屋の端に蹴り飛ばさせた。
「……っ! 少しはご自分で抵抗してくださいよ、何怪異に賛同しちゃってんですか」
従兄は一瞬拳を握ったが、俺を殴る選択肢は取らずに拳を解いた。大人としての躊躇を俺は自分への優しさだと勘違いし、増長する。
「お兄さん……お兄さんっ、お願いします、抱いてください、お尻うずうずしておかしくなっちゃいそうなんです……! 声出さないようにしますからっ、俺が動きますからっ、人肌のオナホ使うだけだと思って目閉じて我慢してください、お願いしますっ……!」
「はぁ……ったく、精液が手に入ればいいんですから、別に俺があなたを抱かなくてもいいでしょう?」
フェラをさせてやるから我慢しろ、という意味か? 怪異はそれでもいいのだろう、見えない手達は俺を押すのをやめて早くしゃぶらせてもらえとでも言いたげに頬を叩いた。
「抱いて欲しい……」
俺は生の男根が欲しい。せめて見えない手が絶頂させてくれたら我慢出来たかもしれないけれど、腸壁を擦って焦らしただけだった。
「俺……あなたに抱いて欲しいんです」
見えない手に促されてもいないのに俺は自らポロシャツを脱ぎ、肌着を胸の上まで捲って乳首を隠す絆創膏を見せた。すぐにベルトに手を向かわせ、スラックスを膝まで下ろして膨らみ濡れた下着を見せつけた。
「お願い……もう一度だけでいいから。もう一度だけ、俺、あなたに……愛されたい」
涙で潤んだ瞳と焦れったさでとろけた思考は筋骨隆々で褐色肌の従兄をセンパイと混同する。
「國行センパイ……好きです、大好き。大好き……!」
目の前に居るのは怪訝な顔をしている従兄だというのに俺は彼の首に腕を回し、素肌を彼の服に擦り付けた。彼が着ているのは見覚えのあるブランド服、少し前にセンパイが着ていたものだ。
「はぁーっ…………分かりましたよ。脱ぐんで一旦離れてくれます?」
「あ……! センパイ大好きっ!」
膝から降りて椅子に座る。
「…………何故、椅子に座ってるんです? マゾ犬が人間様の物を使っていいわけないでしょう。床に座れ」
「えっ? ぁ……は、はい……」
センパイはそんな意地悪なプレイを好んでいたっけ? 俺を見下ろす瞳はそんなに冷たく虚ろだったか? 違う……センパイの目は三白眼だけれどもっと優しい。こんな温度も感情もない虚無の瞳孔、俺は知らない。
「あっ……ご、ごめんなさいお兄さんっ、俺っ……ぅあっ!?」
靴下を履いたままの従兄の足が床に座った俺を蹴り倒す。
「精液が手に入れば大人しくなるのでとっとと出してください。他人のものが望ましいんですが、ま、緊急ですから仕方ない。ゆーれーさーん、一旦これで我慢してくださいねー。俺の精液は物理的にあげられないので。ここ出たら適当に男引っかけてください」
俺をうつ伏せに蹴り転がした従兄は俺の右足を掴んで持ち上げ足を開かせ、尻の割れ目に踵を押し込んだ。
「ひぁあっ!? ぅ、ぁっ、ああぁっ……ゃ、やめてっ、やめてくださいっ、お兄さっ、ぁ、あっ!」
ぐりぐりと会陰を踵で踏み躙られ、下腹のときめきが増していく。酷いことをされているのに甘い悲鳴が止まらない。
「は、ぁっ、あぁっ……きもちぃっ、きもひ、よぉっ……」
冷たい床に下着越しの陰茎が擦れる。
「踏まれて感じるなんてとんでもない変態ですね」
「は、いぃっ……お尻っ、かかとでぐりぐりしゃれてっ、めちゃくちゃ感じてましゅっ」
「……誰が説明しろって言いました? 不愉快なので話さなくていいですよ」
ぐっ、ぐっ、と会陰を強く押される。腸内への刺激こそないもののセックスで与えられるリズムによく似ていて、俺は結腸で精液を欲しがる。
「は、ぁああっ……! あぁっ、あぁ……んっ、んんぅっ……! ぁ、あぁーっ……」
唾液が床に水たまりを作る。
「はぁーっ……足疲れてきたんでそろそろイってくれません?」
「ひゃ、ぃいっ……しゅいましぇんっ、イきましゅっ、今イきましゅぅぅっ……!」
下着の中に生温かい液体を零す。不快な感触の原因は床に溢れ、白い水たまりを作ってしまう。
「出ました? すいませんね、乱暴な真似して。早くご飯食べて栄養つけて、誰か適当な人とヤってくださいね」
丁寧な口調に戻った従兄は雑に俺の右足を落とし、席に座ってまた肉を焼き始めた。
「はぁっ、はぁっ……お、にぃ……さん」
俺が床に転がって絶頂の余韻で痙攣しているのに、従兄は俺を気にすることなく食事中。こんな扱いに興奮して尻穴をヒクヒクさせているなんて、俺は本当にどうしようもない変態だ。
焼肉屋を後にしてガムを噛む。膨れた腹を軽く撫で、信号待ちで従兄を見上げる。たくましい肉体と褐色の肌が俺を狂わせる。
「……………………國行センパイ」
身体が勝手に動き、従兄の手に指を絡めてしまう。恋人繋ぎをしてしまった従兄の手はセンパイとは少し違う。センパイの方が骨太で男らしい。当然従兄も十二分に男らしいのだが、ちゃんと手入れされているのか肌などは滑らかだ。
「……あんまり手スリスリしないでくれません?」
「あっ……ご、ごめんなさいっ、肌触りよくて、つい。本当に肌綺麗ですよね、レンみたい……」
「金の力ですよ」
スキンケアに金をかけていると? 意外だ、見た目に頓着なさそうなのに。
「國行、そろそろ家に帰ってると思いますし、一緒に行きます? 別の男とヤりたいってならいいですけど、國行が一番楽にヤれるでしょ。気分関係なく脱げば乗るんだから」
自分の従弟をなんだと思ってるんだ?
「……センパイと、今ちょっと……揉めてて」
「へぇ? 何かあったんですか?」
センパイにフラれたことを従兄に話してみようか? センパイからフったのだから俺に薬を盛っても無駄だし、弟可愛さに妙な真似なんてしないだろう。
「…………好きなのに、いえ、好きだから、会いたくないって……分かります?」
少し前までの俺がレンに対してそうだったように、脈ナシを確信しているなら分かる。しかし、センパイの気持ちは俺にはよく分からない。
「分かりませんね」
「……即答、ですね」
「あなたがそうなんですか? 國行がそうなんですか?」
「………………センパイの、方。今日たまたま会ったんですけど……その」
避けられたとだけ言おうか、浮気していたと言ってしまおうか、悩む。センパイが俺に会うことで傷付くのは訳が分からないが本当らしいし、レンがこの先も生きていてくれるならセンパイとは別れてしまった方がお互いのため──互いどころかレンも含めたみんなのためかもしれない。
「……月乃宮さまー? 何泣いてんですか。國行の野郎、あのガタイのくせに甲斐性ないんですねぇ」
センパイと同じ褐色の手が俺の涙を拭う。センパイはさっきしてくれなかった。
「きっと、今度も……俺、が……悪いんです。センパ……は、悪く、ない」
ポロポロと溢れる涙を従兄は両手を使って拭ってくれる。センパイがしてくれなかったことだと思うと胸が痛む。
「はぁ……浮気程度で恋人殴るし、挙句捨てるなんて……本当に情けない。國行やめとけば? 別の子に……そうだ、如月様とかどうですか? 無意識とはいえ月乃宮様のために命張ったんですから、脈アリですよ」
浮気されて傷付いた自分の従弟に大して「情けない」だなんて、酷い人だ。何股もしている俺が悪いに決まっている、センパイがナンパしていたのを思い出すだけで涙が止まらなくなるのだから、センパイはもっと傷付いていたんだ。なのに俺がセンパイの優しさに甘えていたから、有限の優しさを使い切ってしまったから、俺が全て悪いんだ。
「お兄さん……センパイに厳しいんですね。浮気したような奴捨てて当然だと思いますけど。お兄さんは奥さんに浮気されたらどうするんですか?」
二股していると宣言しているような人だから、気にしないのかな。
「………………浮気?」
ギョロッ、と三白眼に睨まれる。
「も、もしもの話でっ……!」
「俺以外の選択肢潰せば俺んとこに来るしかないんだから、それが一番手っ取り早いと思いますよ」
それ、浮気相手を殺すとか──そういう意味じゃないよな?
「……お兄さんは二股してるんですよね? 自分はよくて奥さんのはダメって、ちょっと、横暴じゃないですか?」
「俺はちゃんと土下座して許可取りましたし。ノリノリで3Pして大丈夫なんて問題ないです」
「…………じゃあ、奥さんが許可取ろうとしてきたら……あっ、その二股してる人達が、その……二人でしだしたら?」
「それはそれで興奮しますね! でも親子なんで、まずないと思いますよ」
性癖イカれてんなぁ。
「……で? 家、来ます?」
「あ……やめておきます。もう少し一人で考えてみます。お兄さんもセンパイに何か言うのはやめてくださいね」
「大人が口挟んでもダサいですしねー、余程じゃなきゃしませんよ。ぁ、これタクシー代……足りなかったら今度会った時に言ってください」
従兄は俺のポケットに札を何枚かねじ込むとすぐに黒い高級車の後部座席に乗り込み、走り去ってしまった。
「……三万って。俺の家どこだと思ってるんだ」
今度会ったら返そう。俺はそう心に決めて駅に向かった。電車の方が安上がりだし、タクシー乗り場も駅の傍にあるからだ。
「…………ん、ぁっ……ちょっと、待てよ。誰か……ぁ、んっ、誰か、根野センかミチ誘うからっ、明日まで……ひっ!? ぅうぅうぅっ……!」
痺れを切らした見えない手達に身体を弄ばれ、俺は往来で足をガクガクと震わせて座り込んでしまった。
「お兄さん……抱いてください」
従兄は床に置いているアタッシュケースに手を伸ばす。怪異を一時的に引かせるつもりなのだろう、しかし見えない手は俺の足首を掴んでアタッシュケースを部屋の端に蹴り飛ばさせた。
「……っ! 少しはご自分で抵抗してくださいよ、何怪異に賛同しちゃってんですか」
従兄は一瞬拳を握ったが、俺を殴る選択肢は取らずに拳を解いた。大人としての躊躇を俺は自分への優しさだと勘違いし、増長する。
「お兄さん……お兄さんっ、お願いします、抱いてください、お尻うずうずしておかしくなっちゃいそうなんです……! 声出さないようにしますからっ、俺が動きますからっ、人肌のオナホ使うだけだと思って目閉じて我慢してください、お願いしますっ……!」
「はぁ……ったく、精液が手に入ればいいんですから、別に俺があなたを抱かなくてもいいでしょう?」
フェラをさせてやるから我慢しろ、という意味か? 怪異はそれでもいいのだろう、見えない手達は俺を押すのをやめて早くしゃぶらせてもらえとでも言いたげに頬を叩いた。
「抱いて欲しい……」
俺は生の男根が欲しい。せめて見えない手が絶頂させてくれたら我慢出来たかもしれないけれど、腸壁を擦って焦らしただけだった。
「俺……あなたに抱いて欲しいんです」
見えない手に促されてもいないのに俺は自らポロシャツを脱ぎ、肌着を胸の上まで捲って乳首を隠す絆創膏を見せた。すぐにベルトに手を向かわせ、スラックスを膝まで下ろして膨らみ濡れた下着を見せつけた。
「お願い……もう一度だけでいいから。もう一度だけ、俺、あなたに……愛されたい」
涙で潤んだ瞳と焦れったさでとろけた思考は筋骨隆々で褐色肌の従兄をセンパイと混同する。
「國行センパイ……好きです、大好き。大好き……!」
目の前に居るのは怪訝な顔をしている従兄だというのに俺は彼の首に腕を回し、素肌を彼の服に擦り付けた。彼が着ているのは見覚えのあるブランド服、少し前にセンパイが着ていたものだ。
「はぁーっ…………分かりましたよ。脱ぐんで一旦離れてくれます?」
「あ……! センパイ大好きっ!」
膝から降りて椅子に座る。
「…………何故、椅子に座ってるんです? マゾ犬が人間様の物を使っていいわけないでしょう。床に座れ」
「えっ? ぁ……は、はい……」
センパイはそんな意地悪なプレイを好んでいたっけ? 俺を見下ろす瞳はそんなに冷たく虚ろだったか? 違う……センパイの目は三白眼だけれどもっと優しい。こんな温度も感情もない虚無の瞳孔、俺は知らない。
「あっ……ご、ごめんなさいお兄さんっ、俺っ……ぅあっ!?」
靴下を履いたままの従兄の足が床に座った俺を蹴り倒す。
「精液が手に入れば大人しくなるのでとっとと出してください。他人のものが望ましいんですが、ま、緊急ですから仕方ない。ゆーれーさーん、一旦これで我慢してくださいねー。俺の精液は物理的にあげられないので。ここ出たら適当に男引っかけてください」
俺をうつ伏せに蹴り転がした従兄は俺の右足を掴んで持ち上げ足を開かせ、尻の割れ目に踵を押し込んだ。
「ひぁあっ!? ぅ、ぁっ、ああぁっ……ゃ、やめてっ、やめてくださいっ、お兄さっ、ぁ、あっ!」
ぐりぐりと会陰を踵で踏み躙られ、下腹のときめきが増していく。酷いことをされているのに甘い悲鳴が止まらない。
「は、ぁっ、あぁっ……きもちぃっ、きもひ、よぉっ……」
冷たい床に下着越しの陰茎が擦れる。
「踏まれて感じるなんてとんでもない変態ですね」
「は、いぃっ……お尻っ、かかとでぐりぐりしゃれてっ、めちゃくちゃ感じてましゅっ」
「……誰が説明しろって言いました? 不愉快なので話さなくていいですよ」
ぐっ、ぐっ、と会陰を強く押される。腸内への刺激こそないもののセックスで与えられるリズムによく似ていて、俺は結腸で精液を欲しがる。
「は、ぁああっ……! あぁっ、あぁ……んっ、んんぅっ……! ぁ、あぁーっ……」
唾液が床に水たまりを作る。
「はぁーっ……足疲れてきたんでそろそろイってくれません?」
「ひゃ、ぃいっ……しゅいましぇんっ、イきましゅっ、今イきましゅぅぅっ……!」
下着の中に生温かい液体を零す。不快な感触の原因は床に溢れ、白い水たまりを作ってしまう。
「出ました? すいませんね、乱暴な真似して。早くご飯食べて栄養つけて、誰か適当な人とヤってくださいね」
丁寧な口調に戻った従兄は雑に俺の右足を落とし、席に座ってまた肉を焼き始めた。
「はぁっ、はぁっ……お、にぃ……さん」
俺が床に転がって絶頂の余韻で痙攣しているのに、従兄は俺を気にすることなく食事中。こんな扱いに興奮して尻穴をヒクヒクさせているなんて、俺は本当にどうしようもない変態だ。
焼肉屋を後にしてガムを噛む。膨れた腹を軽く撫で、信号待ちで従兄を見上げる。たくましい肉体と褐色の肌が俺を狂わせる。
「……………………國行センパイ」
身体が勝手に動き、従兄の手に指を絡めてしまう。恋人繋ぎをしてしまった従兄の手はセンパイとは少し違う。センパイの方が骨太で男らしい。当然従兄も十二分に男らしいのだが、ちゃんと手入れされているのか肌などは滑らかだ。
「……あんまり手スリスリしないでくれません?」
「あっ……ご、ごめんなさいっ、肌触りよくて、つい。本当に肌綺麗ですよね、レンみたい……」
「金の力ですよ」
スキンケアに金をかけていると? 意外だ、見た目に頓着なさそうなのに。
「國行、そろそろ家に帰ってると思いますし、一緒に行きます? 別の男とヤりたいってならいいですけど、國行が一番楽にヤれるでしょ。気分関係なく脱げば乗るんだから」
自分の従弟をなんだと思ってるんだ?
「……センパイと、今ちょっと……揉めてて」
「へぇ? 何かあったんですか?」
センパイにフラれたことを従兄に話してみようか? センパイからフったのだから俺に薬を盛っても無駄だし、弟可愛さに妙な真似なんてしないだろう。
「…………好きなのに、いえ、好きだから、会いたくないって……分かります?」
少し前までの俺がレンに対してそうだったように、脈ナシを確信しているなら分かる。しかし、センパイの気持ちは俺にはよく分からない。
「分かりませんね」
「……即答、ですね」
「あなたがそうなんですか? 國行がそうなんですか?」
「………………センパイの、方。今日たまたま会ったんですけど……その」
避けられたとだけ言おうか、浮気していたと言ってしまおうか、悩む。センパイが俺に会うことで傷付くのは訳が分からないが本当らしいし、レンがこの先も生きていてくれるならセンパイとは別れてしまった方がお互いのため──互いどころかレンも含めたみんなのためかもしれない。
「……月乃宮さまー? 何泣いてんですか。國行の野郎、あのガタイのくせに甲斐性ないんですねぇ」
センパイと同じ褐色の手が俺の涙を拭う。センパイはさっきしてくれなかった。
「きっと、今度も……俺、が……悪いんです。センパ……は、悪く、ない」
ポロポロと溢れる涙を従兄は両手を使って拭ってくれる。センパイがしてくれなかったことだと思うと胸が痛む。
「はぁ……浮気程度で恋人殴るし、挙句捨てるなんて……本当に情けない。國行やめとけば? 別の子に……そうだ、如月様とかどうですか? 無意識とはいえ月乃宮様のために命張ったんですから、脈アリですよ」
浮気されて傷付いた自分の従弟に大して「情けない」だなんて、酷い人だ。何股もしている俺が悪いに決まっている、センパイがナンパしていたのを思い出すだけで涙が止まらなくなるのだから、センパイはもっと傷付いていたんだ。なのに俺がセンパイの優しさに甘えていたから、有限の優しさを使い切ってしまったから、俺が全て悪いんだ。
「お兄さん……センパイに厳しいんですね。浮気したような奴捨てて当然だと思いますけど。お兄さんは奥さんに浮気されたらどうするんですか?」
二股していると宣言しているような人だから、気にしないのかな。
「………………浮気?」
ギョロッ、と三白眼に睨まれる。
「も、もしもの話でっ……!」
「俺以外の選択肢潰せば俺んとこに来るしかないんだから、それが一番手っ取り早いと思いますよ」
それ、浮気相手を殺すとか──そういう意味じゃないよな?
「……お兄さんは二股してるんですよね? 自分はよくて奥さんのはダメって、ちょっと、横暴じゃないですか?」
「俺はちゃんと土下座して許可取りましたし。ノリノリで3Pして大丈夫なんて問題ないです」
「…………じゃあ、奥さんが許可取ろうとしてきたら……あっ、その二股してる人達が、その……二人でしだしたら?」
「それはそれで興奮しますね! でも親子なんで、まずないと思いますよ」
性癖イカれてんなぁ。
「……で? 家、来ます?」
「あ……やめておきます。もう少し一人で考えてみます。お兄さんもセンパイに何か言うのはやめてくださいね」
「大人が口挟んでもダサいですしねー、余程じゃなきゃしませんよ。ぁ、これタクシー代……足りなかったら今度会った時に言ってください」
従兄は俺のポケットに札を何枚かねじ込むとすぐに黒い高級車の後部座席に乗り込み、走り去ってしまった。
「……三万って。俺の家どこだと思ってるんだ」
今度会ったら返そう。俺はそう心に決めて駅に向かった。電車の方が安上がりだし、タクシー乗り場も駅の傍にあるからだ。
「…………ん、ぁっ……ちょっと、待てよ。誰か……ぁ、んっ、誰か、根野センかミチ誘うからっ、明日まで……ひっ!? ぅうぅうぅっ……!」
痺れを切らした見えない手達に身体を弄ばれ、俺は往来で足をガクガクと震わせて座り込んでしまった。
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