いわくつきの首塚を壊したら霊姦体質になりまして、周囲の男共の性奴隷に堕ちました

ムーン

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従弟の後輩に飯奢ったら迫られた

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包帯に絆創膏、すっかり痛々しい姿になってしまった。

「おかえんなさーい」

待合室に戻ると従兄が缶ジュースを飲んで待っていた。治療費を支払ってもらい、彼と共に病院を出る。

「まぁ色々と説明したいこともあるんで、昼飯行きますか。何食べたいとかあります?」

薄く青みがかったサングラスの奥、センパイと瓜二つの三白眼が俺を見下ろす。平均からすれば大柄だが、センパイと比べれば小柄な従兄、彼と俺との身長差はセンパイと俺ほどではないから、彼との顔の距離は近い。

「……月乃宮様? どうなされました?」

ぼーっと見とれていると従兄はニコッと微笑んだ。センパイには絶対に出来ない自然で爽やかな笑顔にときめき、目を逸らしながら食べたいものを考える。

「か、辛くないもの……」

「めんどくさいんで焼肉行きましょうか、経費で落ちますから贅沢しないと損ですもんね」

「焼肉……! ごちそうさまです!」

俺も男子高校生の端くれ、三度の飯より焼肉が好きだ。

「焼肉なんて小学生ぶりです! レンのお父さんにレンと一緒に連れてってもらったんですけど、それ以来です」

「高い肉を! 高い炭で! 適切な温度で! 適切な焼き加減で! 最っ高の状況で食べるんです」

「わぁ……! あの時の肉とは違うんですかね」

「いえいえ、子供の頃にご友人と一緒になんて最高じゃないですか。よく分からない大人に連れてかれて金にものを言わされてもその思い出は超えませんよ」

いいこと言ってる、そう思いたいのだが先に「よく分からない大人」を自称しているところにツッコミたい。

「ここですか? 高そうなお店……」

「たくさん食べておくんですよ、あなたは多分大人になっても来れませんから」

「否定はしませんよ」

「ヒモになった方がいい生活出来るかもしれませんね」

見た目によるときめきを余計な一言でかき消される。ありがたいような、やっぱり嫌なような。

「個室なんですね……」

「大事な話しますから。あ、先に注文しときますね」

「あ、はい」

奢ってくれるのだし注文は従兄に任せよう。俺にだけ特盛ライスを寄越したって文句を言わないつもりだ。

「…………あ、あのっ、お兄さん? さっきから肉しか頼んでませんよね、ライスとかキャベツとか」

「焼肉屋でなんで肉以外を食べるんですか? 寿司屋でラーメンより意味不明ですよ」

「いいじゃないですかラーメン食べても……いやラーメンよりは分かるでしょ」

「悪いともやめろとも言ってません、俺には両方分からないだけで」

まぁ、肉をたくさん食べられそうなのは嬉しい。文句は言わないでおこう。

「……さ、て。本題ですね。まず鬼について」

「あ、はいっ、レンが鬼だって……どういうことですか? レンには、鬼なんて文字……」

「きさらぎって何か知ってますか?」

レンの苗字だ。

「二月? の昔の言い方ですよね。まさか節分ですか? え、鬼って……そんな連想飛ばすんですか?」

「鬼って書いてきさらぎって読む場合もあるんですよ」

「あ、あぁ……そうなんですか、知らなかった……」

「俺も失念していましたよ。しかも名前、蓮でしょう? 蓮の花はある宗教においては極楽の象徴、言霊的にはかなり強い」

蓮の花に乗る仏の絵などは俺も見たことがある。言霊って結構な連想ゲームなんだな……

「まだ確認はしていませんが、如月 蓮の家はおそらく大昔に漢字を変えているんでしょうね。でなければ怪異を喰って浄化しようなんて発想にはならない、そういう手法のお祓いを生業としていた先祖が居たんでしょう」

店員が肉を持ってくると従兄は話すのをやめ、机に生肉を並べ終えた店員が引っ込むとまた話し始めた。

「怪異を、喰う……レンが、ですか」

白昼夢だと思い込んでいたあの光景を話していれば、もっと早くに俺を助けている鬼がレンだと分かったのだろうか。

「……レンは分かってやってたんですか?」

「いえ、何も知らない様子でした。常日頃からあなたを大切に思い、守りたいと願い、無意識に先祖の技をもってあなたに害をなす怪異を喰った……いい子じゃないですか」

「…………はい、レンは本当に優しくて、とってもいい奴なんです」

「仲良いんですね。あ、そろそろいいですよ」

焼けた肉を皿に引き上げ、タレにくぐらせて口に放り込む。

「んー……!」

「んー……!」

俺と従兄はほぼ同時に口元に手をやって肉の美味さに感嘆した。

「……お兄さん、いいお肉食べ慣れてるんじゃないですか?」

「こんなふうに薄く切ったお肉を箸で食べるのは久々ですよ。やっぱり焼肉はいいですねぇ」

「普段は分厚いおステーキをナイフとフォークで食べてるんですか、いいなぁ」

「え? いえいえ、床に置いたものを手を使わずに食べるんですよ。ブロック肉やハンバーグが多いですかね」

深入りしたくない、話を変えよう。

「あの、レンは……えっと、ヘリでどこに行ったんですか?」

「社長の家系は代々霊能力者なんですけど、その中に心霊治療が得意な方がいらっしゃるんです。彼をここまで動かすわけにはいかないので、彼が移動できる病院まで運びました」

「……いつ頃帰ってくるんですか?」

「普通の傷ならすぐに治せるんですけど、霊的な傷って時間かかるみたいで……まぁ、損傷具合は俺もちゃんと聞いてないんで、どれくらいで帰ってこれるかは分かりません」

「……レン、助かるんですよね。来年も生きていけるんですよね。再来年も、ずっと……成人できますよね?」

「未来のことは断言できませんよ、事故に遭うかもしれませんし。なんて、聞きたいのはそんな屁理屈じゃありませんよね? 今回のが原因で死ぬことはありませんよ」

胸の辺りでつっかえていたものがストンと落ちた気分だ。一瞬前までよりも肉の味がよく分かる。

「よかった……本当に、よかった。レンが居ないと、俺っ…………お兄さんレバー生で食べちゃダメですよ!」

従兄は舌打ちをしてレバーを網の上に乗せた。俺の涙を引かせるためのボケなのかな……なんて考え過ぎだろうか。

「……あなたにとってはいい話ばかりじゃありませんよ。如月様が消化し切れなかった怪異全て、あなたの元に戻るんですからね」

「ぁ……そうですね、でも、レンが生きていけるならいい話です」

「そろそろ戻ると思うので、居ないうちに対策話しておきますか」

肉を並べる従兄に同意し、頷きながら肉を食べる。

「霊視は先代社長の方が得意なんですよね。あ、先代社長は俺の嫁です」

「あ、はい」

「二人きりでの旅行を条件に首塚を霊視してもらいました。手首だけが埋まってる理由は話しましたよね、覚えてますか? ちょっとおさらいしますよ」

大昔のこの地の領主が娘を殺されて狂い、大勢の男の手首を切り落としたからだと聞いた。身体の方は供養されたが大量の手首は埋められただけで、生前の記憶もなく一体化して怪異となっているらしい。

「で、その怪異を封じた修験者が居たんです。修験者分かります? 修行してる人です。シャリンシャリン鳴る杖くらいは知ってますよね? 錫杖って言うんですけど」

「シャリンシャリン鳴る杖……あっ、見ました! 会いました! 病院で……!」

俺は深夜の病院で出会った幽霊のことを話した。もっと早く話せなんて怒られることはなく、従兄は真剣に聞いてくれた。

「自分を犠牲にした首塚の封印を軽い気持ちで解いた月乃宮様に怒り、月乃宮様を新たな封印のいしずえにした。月乃宮様を痛めつけるのはいいけど、他の人に迷惑をかけるのは彼の正義に反するので、月乃宮様殺そうとしたって感じですかね」

「うーん……俺を殺したら怪異の封印が解けて、もっと多くの人に被害が出るんじゃないんですか?」

「怪異があなたを殺せばそうなりますが、封印の術者ならやりようがあります。あなたの肉体だけを殺し、半永久的に魂を縛り、あなたの魂を使って封印を完成させる……かつてその修験者が自身の命でやったように」

修験者は正義の心を持って怪異を封印した。その封印は彼自身の命を使ったもの。俺がそれを壊してしまったから、償いとして俺の命を使って封印し直す……俺はあの首塚の場所で地縛霊となる。

「…………俺が、蹴っちゃったから、その人の頑張りが無駄になったんですよね。な、ならっ……俺、償います。俺が封印になります」

従兄は三白眼を少し見開き、すぐに目を閉じて深いため息をついた。

「ガキが蹴り壊した程度で解けるような経年劣化した封印、何もなくてもそのうち解けてましたよ。あなたは悪くない」

「……いえ、俺が悪いんです。レンは俺のせいで死にかけて、ミチも殺されかけて、センパイも傷付けちゃったし……地縛霊にされるのが俺の罰なら、受け入れます」

舌打ちに驚いて見上げると俺を睨む三白眼と目が合った。

「お兄さん……?」

「ったく、このガキは……いいですか? 生きていないモノが生きたモノに手を出す、これは違法なことなんです。私刑を受け入れないでもらいたい」

「…………ありがとうございます、でも俺は」

「勘違いするなよ、バカガキ。俺は社長というこの世で最も尊い法律を執行する法の番犬。立場上お前を殺させるわけにはいかない、俺のために死ぬなって言ってんですよ自惚れんな」

あぁ、そうだな……従兄は霊障に遭う人間を助けるのが仕事なんだ。俺が自分から被害に遭ったら従兄は任務失敗になってしまう。これまで世話になった彼に汚名を着せるのはよくないことだ。

「……ごめんなさい」

「分かればいいんです。上カルビどうぞ」

従兄に勧められた肉を網から引き上げ、タレをつけて食べる──腰を触られた感覚があって下を見るが、何もない。

「あー……戻ってきましたね。月乃宮様、以前通り精液を集めてください。ひとまず怪異が大人しくしていれば修験者も静観するでしょうから、まずは怪異をなだめるために精液を……」

俺の元に戻ってきた手首だけの怪異に引っ張られ、従兄の隣に倒れ込む。不機嫌なのか俺の扱いが乱暴だ。

「お、おにぃ、さっ……ぁ、あぁあっ!? ひっ、んんんっ……!」

ごつごつとした太い指が後孔を掘削する。手荒に穴を拡げ、腸壁を擦り、前立腺をつまみ、俺を欲情させる。

「おにぃっ、さん……! たすけっ……ゃ、あっ……ちがう……抱いてっ、おねがいっ、おねがいしますっ、抱いてくださいっ!」

今日はまだ誰にも抱かれていないし、昨日の晩はレンとのペッティングのみ。淫らに開発された俺自身も肉棒を求めている。その欲望を怪異に引き出された。

「すぐに入れられるからっ、お願いお兄さん……抱いて」

「………………あなた自我ってもんがないんですか」

センパイと同じ目をした従兄、センパイ以上の色気を持つ彼が隣に居て、センパイに振られたばかりの俺に我慢なんて出来るわけがなかった。
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