いわくつきの首塚を壊したら霊姦体質になりまして、周囲の男共の性奴隷に堕ちました

ムーン

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彼氏と友達のお見舞いに行ってみた

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部屋に戻って昼食を食べているとミチが俺の見舞いにやってきた。

「こ、ここっ、こんにちは……えへへへ、学校サボっちゃった」

ミチは制服を着ている、ボサボサの黒髪で目が隠れている、とても昨日の美少女と同一人物とは思えない。

「ありがとう、ミチ」

「あ、ぁ、ああっ、頭っ、大丈夫? ヒビって聞いたよっ」

「ちょっと痛いけど大丈夫、痛み止め効いてるし。ヒビっつっても大したことないんだよ」

レントゲン写真とかは見せてもらっていない。頭を打ったならCT検査くらいありそうなものだが、眠っている間にされたのだろうか。

「あ、こ、ここ、これっ、ケーキ……」

「ケーキ? ありがとう」

「ぁ、も、ももっ、もんぶらん……ダメだよっ、如月君のなんだ。後で如月君のとこ寄るからっ……モンブラン好きとか趣味悪いよね、へへっ」

「お前モンブランに家でも焼かれたのか? 俺はモンブランも好きだけどな……」

「…………モンブランもいいよねっ!」

現金なヤツ。さて、選択肢はショートケーキ一択だ。しかしまだ昼食が残っている、食べた後でいただこう。

「ありがとうな、ミチ。あのさ……俺、なんで入院してるんだ?」

「え? おっ、ぉ、おぼ、おぼ、覚えて、ないのっ? き、きき、記憶喪失っ!? そそそそんな……あっ、僕は君の許嫁のミチだよ!」

堂々と嘘をつくな。

「記憶喪失って言っても怪我した時の記憶がないだけだよ。そうめん食べようとしてて……えーっと、食べたんだっけ?」

「ほ、本当に覚えてないんだね……」

「あぁ、昨日何があったか教えてくれないか?」

「ぼ、ぼぼ、僕の説明でよければっ……ちょ、ちょっと待ってね!」

ミチは何故か病室を飛び出していった。味の薄い味噌汁を飲みながら一息ついているとミチがバタバタと走りながら戻ってくる。

「病院で走るなよ……なんだ? それ」

「ホ、ホホ、ホワイトボード……」

詳しく聞いたところ、キッズスペースに置いてあったものだそうだ。教科書程度のホワイトボードにミチは棒人間を四人描く。

「そそ、そうめんの準備はっ、僕と如月君がしてたっ」

棒人間のうち二人を円で囲む。本当にホワイトボードは必要なのだろうか。

「き、きき、君は形州と楽しそうにしてたねっ……!」

棒人間のうち一人だけ妙に大きいのはセンパイを表しているのだろうか。

「あ、ここ、これは覚えてる? 僕が形州に絡まれた時っ、如月君が僕にキスして誤魔化したの」

「……は!? キス!?」

「ほ、ほほっ、ほっぺただよほっぺたぁっ!」

「ほっぺた……? ぁ、あぁ……思い出した、やってたな」

センパイがミチを女だと勘違いし、俺を狙っているんだろと因縁をつけた時のことだな。レンがミチの頬にキスをして、俺が二人に嫉妬したのを今思い出した。

「そそ、その後、月乃宮くんがおつゆ取りに行った僕を追いかけてきて、キスして……」

「あー……やった、ような……それで?」

「ぼ、僕は逃げちゃったんだ」

ミチが逃げた後はどうしたんだっけ? レンに絡んで……確か、フラれそうになって泣き喚いたような。俺って本当にガキだな。

「……で? 俺はいつ怪我したんだよ」

「あ、あのねっ、僕がウッドデッキに戻ったら、形州が紙屑を並べてたんだっ」

「紙屑……?」

「た、短冊だよっ……君が、如月君と結婚したいって書いたやつ……それ見て形州、めちゃくちゃ怒って、その紙屑持って君の方行ったでしょ? 覚えてない?」

確かにレンと結婚したいとは書いたし、その短冊はレンに破られたが、その紙屑を集めてセンパイが解読したなんて今初めて知った。レンに迫っていたことまでは覚えているが、そこから全く記憶にない。

「……全然覚えてない」

「そ、そうなんだ……それでねっ、形州……君のこと殴ったんだ。思いっきり、グーで、頭……」

「え……? センパイが? いや、いやいやいや……嘘だろ? センパイは俺のこと殴ったりしないよ、喧嘩っ早いけど俺にはそういうことしたことないんだ。なんだかんだ優しいんだよ」

「ほ、ほほっ、本当だよぉっ! 形州に殴られて君気絶しちゃって! 形州逃げてぇっ! 君が全然起きなくて、血が出てたから救急車呼んでっ! そしたらなんか警察まで来てっ……たたた、大変だったんだからねっ!?」

痛みのある側頭部に手を当てる。すると段々思い出してきた、酷い痛みの中で見た光景を。抱き締めて慰めてやらなきゃいけないセンパイの表情を。

「……センパイ、今どこに居るんだ?」

「わ、分かんないよぉっ……今警察が探してるんだ」

「警察……」

センパイは逮捕されてしまうのだろうか。傷害罪だとかになるのだろうか。俺が被害届を出さなければいいとか、そういう話じゃないのか? よく分からない。

「……ありがとう、ミチ。よく分かったよ」

「う、うんっ……やっぱり危ない奴だったね、形州……もも、もう二度と君に近付けさせないからねっ!」

「…………ありがとな、ミチ」

ボサボサの髪を整えるように意識しながら頭を撫でてやるとミチは嬉しそうに頬を緩ませた。

「……ミチ、そろそろレンにもケーキ届けてやってくれないか? 俺ちょっとトイレ行きたいからさ、その間にちゃちゃっと頼むよ」

「あ、う、うんっ! すぐ戻るよ!」

「走るなよ! ケーキ、崩れるだろ」

「あ、え、えっと……ゆゆ、ゆっくり! 行く!」

ミチはケーキの箱を持つと慎重に部屋を出ていった。俺は素早く服を着替える、黒の上下スラックスだ。スマホと財布だけ持って部屋を出て、トイレに寄って頭の包帯をほどいた。

「ヒビって固定いらないよな……? そんなギチギチに巻かれてる訳でもないし……ぁ、ちょっと血ぃついてる」

ガーゼを剥がすと赤茶けたシミがあった。血は止まっているようなのでガーゼはゴミ箱に捨て、包帯はポケットに入れた。

「…………よし、多分いける」

俺何食わぬ顔でエレベーターに乗り、見舞いを終えて帰ってるんですよ感を出して受付の前を通り過ぎ、玄関で靴を履き替えるフリをしてスリッパのまま外に出た。

「……っし、出れた」

コソコソと病院の敷地外に出て、近所のコンビニのトイレを借りて鏡を見ながら包帯を巻き直す。固定が要らないとは予想しているがやはり怖かったのだ。

「頭蓋骨変形したりしたら嫌だしな……うん、これでいいや」

スマホを確認したがセンパイは昨日のメッセージに既読すらつけてくれていない。電話をかけるのはやめ、マップアプリを開いて位置情報を確認。

「センパイの家は……えーっと、遠いな」

財布にはセンパイの従兄にもらった多額の給料が入っている。これを使おう。


タクシーに乗ってセンパイの家に到着、この工場地帯は相変わらず空気が悪い。バイクの有無を確認するため駐車場を覗いたが、やはりない。バカ正直に家に帰ったりはしていなかった。

「ん? ぅわっ……パトカー来た」

コソコソと家の方へ近付いていくと、パトカーが一台駐車場に入ってきた。俺はすぐに玄関近くの物陰に隠れ、車から降りてきた警察が扉を叩く音を間近で聞いた。

「はいはーい……ぅおっ、ポリ公」

掠れた男の声、おそらくセンパイの父親だ。警察は手帳を見せて身分を示した後、咳払いをして父親に聞いた。

「形州 國行君、お宅のお子さんですね?」

父親に見せているのはセンパイの写真か何かだろうか。

「は、はい……うちのせがれです」

「……ご在宅ですか?」

「いやー……えーっと、昨日の昼頃出てってから帰ってきてないですね。國行、何かやらかしましたか?」

「…………立ち話もなんですし、ね?」

コートを着た刑事らしき男は父親をじっと見つめる。無言の圧力を受けた父親は刑事二人を家に上げた、残りはパトカーで待機らしい。

「……裏口あったよな」

工場に併設されているセンパイの家は工場側から入れる、俺はそちらの入口へ向かった。昼間だからか鍵はかかっておらず上手く忍び込むことができ、俺は廊下で父親と刑事達が話を立ち聞きした。

「頭蓋骨骨折ぅっ!? 國行っ……あのバカとうとう……」

俺は骨折なんてしていない、ヒビも微々たるものだ。現に今なんともない。

「そ、それで……國行が殴った子は」

「現在入院中です、命に別状はありません」

抜け出したことがバレたらまた騒ぎになるんだろうな。しかし、今戻るわけにはいかない。警察よりも先にセンパイを見つけなければならない。

「息子さんが行きそうな場所に心当たりはありませんか? 頼りそうな友人などは?」

「……分かりません」

父親に分かる訳がない。せめて従兄──そうだ、従兄はどこに行ったんだ? 仕事中か?

「…………あ、あの、國行はどうしてその子を殴ったんでしょうか」

「彼はその被害者の友人の家で七夕のパーティに参加していたようです。その場に居た少女の証言によると、彼は被害者と……その、肉体関係にあったそうです。それも彼が脅して無理矢理……と」

少女か、ミチのことかな。

「ぁー……」

「心当たりが?」

「い、いや……」

早く見つけ出してあの人を抱き締めてやらなきゃ。
センパイを誤解したままの警察に捕まったらセンパイはきっと酷い言葉を浴びせられてとても傷付くに違いない。


その後センパイの父親と刑事はしばらく話していたが、センパイの居場所を推理する情報すら出てこないまま話は終わり、刑事達は立ち上がった。俺は慌てて裏口から逃げ、ひとまず自宅に戻った。
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