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七夕なので後輩彼氏に逢いに来てみた
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七夕当日、レンと二人きりで遊ぶ予定の日。俺は朝から憂鬱だった。
「レン……」
中性的な美少年のレン、あの綺麗な顔を思い浮かべるだけで鼓動が高鳴る。それなのに会って話せるとは思えない、以前までと同じように友達として振る舞うなんてきっと不可能だ。
「どうしよう……レン、好きだ、レン……!」
俺の脳内シミュレーションは下品だ。妄想の中のレンはすぐに俺にネルシャツを剥かれ、綺麗な肢体を晒してしまう。鼻血ものの柔肌の感触を堪能されてしまう。
「はぁっ……レン、レン抱きたい、レンっ……!」
ミチが着たのでは太腿の魅力を十分に引き出せなかったホットパンツとニーハイソックス、それをレンが着る妄想をする。あのムチムチの太腿が絶対領域として強調され、ニーハイソックスに肉が乗る──素晴らしい!
「ぁあ……! 太腿、レンのふとももぉ……!」
似ても似つかない感触の枕を揉みしだいて身悶える。レンを目の前にしても平静を保てるように何か手を考えるべきなのに、理性の声は小さい。
ベッドの上でゴロゴロ転がっていると玄関扉が開く音が聞こえた、母は今日は仕事が休みのはずだが、買い物にでも出かけたのだろうか。
「ぁ……そろそろ朝飯食わないと」
母が出かけたならちょうどいい、飯を食おう。そう考えて起き上がろうとしたけれど、玄関扉が閉まる音が響き、足音が近付いてきたので寝たフリを決行。
「ノゾムー、ノゾムー? 生きてるー?」
このムカつく声は母の声だ。
「彼氏来てるんだけどー……ぁー、もう入って。いいから、おいで。大きな音出さないなら何してもいいから、ほら入った入った」
頭の上まで被った毛布から顔を出すと、部屋の扉は開け放たれており母はセンパイの背を押していた。
「でっか……あんた何センチ?」
「……二メートル四です」
「へぇー! 二メートル! バスケとかやってんの?」
「……いえ、スポーツは何も」
何を普通に会話しているんだ。母はセンパイが苦手だと言っていたくせに。
「あらそうもったいない……ちょっとノゾム、いつまで寝てんの。彼氏来てんのよ? 笑顔の一つでも見せなさいよ」
毛布を剥がした母の手には紙袋があった。母はそこからマドレーヌを取り出し、食べる。
「顔はいいしガタイもいいしお菓子も作れるって……ノゾムにゃもったいないくらいね、あんた女の子にモテたりするでしょ?」
「…………恐れられる方が多いかと」
「あーね、私もちょっと怖かったもん。ま、躾のいい子でよかったけど。じゃね、ごゆっくり」
母はホクホク笑顔で部屋を出ていった。扉が閉まるとセンパイはラグに胡座をかく。
「……兄ちゃんにマドレーヌ作ってもらったんだ。お義母さん、説明する暇くれなかったから……俺が作ったと思ってしまってる。俺はそんな器用じゃない」
俺が聞きたいのはそれじゃない、いやそれも聞きたかったけど。
「な、なんで……今日何か約束してましたっけ」
「…………約束がないと来ちゃいけないのか?」
センパイはしゅんとしながら首を傾げる。厳つい顔には似合わないはずの仕草なのに、可愛い。
「………………茶髪の男と会うんだろ? 覚えてるぞ、七夕に約束があるって」
「え……? セ、センパイに言いましたっけそれ」
「……体育館倉庫でお前を抱いた時、電話をかけさせたことがあったろ? その時に聞いた、記憶力はいいんだ」
なんてことだ。
「い、いや、あの……レンは幼馴染ですよ、友達です、浮気とかじゃなくて……」
「……分かってる。友達よりも恋人を優先してくれるだろ?」
「え……い、嫌です。レンとはずっと前から約束してたし、毎年の恒例だしっ……俺もレンも楽しみにしてたし、レンは色々準備してくれてるのにドタキャンとか無理ですっ……!」
センパイの顔が目に見えて曇る。怖くなって媚びを売ってしまいそうになったが、久しぶりにレンの笑顔を見たい一心で毅然とした態度を取った。
「俺には友達が居るんです! 恋人が出来たからって友達をないがしろにしたくない、約束を軽んじるなんてもってのほかです!」
「…………俺より、その男の方が好きなのか」
「なんで分かってくれないんですか! レンと先に約束してて、レンは今日のために色々準備してくれてるんですって! そうめんとか買ってくれてて……だからドタキャンなんか出来ないって、そう言ってるだけでっ……!」
立ち上がったセンパイに見下ろされ、本能的な恐怖が目を覚ます。逃げることなんて出来ないままにセンパイが覆いかぶさってきた。
「ゃっ……嫌っ、嫌ですっ! やめて! やだぁっ……!」
「……暴れるな、嫌がるな、お前は俺だけ見てればいいんだ。いい機会だ、友人とは手を切れ」
「そんなっ……! 横暴過ぎますよっ! そんなセンパイ俺は嫌いだ!」
俺を押さえつけるのも、脱がそうとするのもやめた。硬直してしまったセンパイは瞬きすらしていない、今のうちに足の間から抜け出してしまおうとすると動き出し、両手を頭の横で押さえられた。
「………………じゃあ、どうすればいいんだ。俺は……お前が好きなんだ、大好きだ、お前に嫌いだなんて言われたらっ、俺は……」
「だ、だから言ってるじゃないですか……俺は約束破るのが嫌なだけで、友達と遊びたいだけで……浮気とかそんなんじゃないんだから、今日は帰ってくれればそれでいいんです」
「…………嫌だ。好きだ、ノゾム……離れたくない」
センパイは俺の上で小さく丸まって俺に体重をかけないよう気を付けつつ俺を完璧に押さえつけた。
「センパイ……センパイだって、お兄さんと二度と会うなって俺が言ったら「ふざけんな」って思いますよね? 俺にとってレンは家族みたいな親友なんです」
そんな親友に恋しているのはどこのどいつだ。勘のいいセンパイはきっと俺の心がレンに向いていることを無意識下で察しているんだ、だから止めてくるんだ。
「…………分かった」
「よかった……じゃあ、すいません。今日のところは……」
「……茶髪の家は隣だったな」
「え? な、なんで知ってるんですか?」
「…………昨日、お前の家の前に居た時に見た。コンビニの袋を持ってたな」
買い物に行ったのだろう。そんな一瞬を見逃さないなんて、それをレンだと覚えているなんて、とんでもない人だ。
「……直接話をつけてやる」
「え……ちょ、ちょっと待ってください! 待ってくださいよセンパイ!」
センパイは俺の上からどいてさっさとを部屋を出てしまう。俺は慌てて彼の後を追い──脱げかけたパジャマでレンに会うのは嫌だ。
「ま、待って! 本当に待って、着替えるからぁ!」
咄嗟に着られたのは部屋着のスウェットだったが、はだけたパジャマよりはマシだ。慌ててセンパイを追う、センパイはもうレンの家のインターホンを押していた。
「センパイ! やめてください! レンがせっかく準備してくれたからってのだけが理由じゃありません、俺だって親友と遊ぶ今日を楽しみにしてたんです! だからっ……!」
玄関扉が開き、レンが出てくる。
「はーい……ぅわっ、ぁ、形州センパイ……こんにちは」
「…………ノゾムは俺のものだ」
センパイは俺の腰を抱き、レンを冷たい目で見下ろした。
「はぁ、そうですね?」
「……今日は俺と過ごすことになった。七夕は恋人達の日だ、文句はないよな?」
茶色い綺麗な瞳が俺を見つめる。穏やかなタレ目は不機嫌そうに見えた。
「どこか行く予定でもあるんですか?」
「……いや? 家でダラダラするつもりだ」
センパイはレンの目の前だと言うにも関わらず俺のスウェットの中に手を入れてきた。レンに分かるように、見せつけるように下着越しに陰茎を握る。
「ゃ、あっ……! やだっ、センパイ、ぃやぁっ!」
「もち、嫌がってません?」
「……照れ隠しだ」
俺に嫌がる声ではなく甘えた声を出させたいのか、下着越しのまま陰茎を扱いてきた。布と擦れるザラついた新感覚の快楽だ。
「ゃ、あ、ぁあっ! あぁんっ……! やだっ、ぃやっ、センパイぃっ……やめてっ、やめてくださいっ!」
「照れ隠しには見えませんよ、離してやったらどうですか?」
「……お前に何が分かる」
「何も分かっていないあなたよりはマシなつもりです」
レンはわざとらしく鼻で笑い、センパイの手を掴んだ。俺の陰茎を扱いていた手だ、扱くのは止まったがぎゅっと握られたままで気持ちいい。
「もち……ノゾムから手を離してください」
センパイはもう片方の手でレンの胸ぐらを掴む。
「…………お前が俺に勝てるとでも?」
「殴りたいならどうぞ。それで勝ったつもりになれるなら」
俺はレンの胸ぐらを掴んでいるセンパイの手を掴んだ。
「センパイっ、やめて……お願い、レンに酷いことしないで」
歯を食いしばっているのか頭上からギリッ……と不快な音が聞こえる。
「形州センパイ、そんなにもちと一緒に居たいならうちに来たらいいじゃないですか。なぁ、もち? 俺と二人より彼氏と楽しみたいよな?」
「え……?」
そんなに俺に興味がないの? 俺はレンが好きなのに、今日は二人きりで楽しめるんだと心臓が破裂しそうなくらいに高鳴っていたのに。
「そうめん準備しちゃったし、七夕のケーキも予約しちゃってるし……笹も用意してあるし、短冊も切ったし……どうですか、形州センパイ。俺も友達呼ぶんで二人の邪魔はしませんよ」
「………………いいだろう」
「じゃ、追加の買い出しに行ってもらえます? 二人だけの予定だったんで、四人に増えるなら食料が足りない……メモしてくるんで、ちょっと待っててください」
レンは家の奥へと引っ込んでしまった。
「……お前と二人きり、友人だけのパーティにしては準備が随分と念入りだな?」
「センパ……ゃんっ! ゃ、あぁっ……!」
陰茎を扱く手が再び動き出す。もう片方の手も服の中へ入り、胸をまさぐる。
「…………お前は俺のものだ、誰にも渡さない」
「ゃ、んんっ……! だからっ、レンはちがうっ……ぅ、あぁっ……!」
「……ここで出せ。買い出しに行ってる間に着替えるんだな」
俺がレンと二人きりにならないための措置だろうか。センパイがこんなに嫉妬深いなんて知らなかった、疑われ束縛されるのがこんなに悲しいなんて思いもしなかった。
「ゃだっ、いやぁっ……でちゃうっ! いやっ、扱くのやめてっ、でちゃうっ、でちゃうってばぁっ!」
「…………出、せ。と言ってるんだ、出せ」
「ぃ、やっ……いやっ、やだぁっ、ぁ、あっ、イくっ、でちゃうっ、イくぅっ!」
下着が精液で濡れていく。不快感と共に脱力し、力の抜けた身体は抱き締められ唇を塞がれた。
「レン……」
中性的な美少年のレン、あの綺麗な顔を思い浮かべるだけで鼓動が高鳴る。それなのに会って話せるとは思えない、以前までと同じように友達として振る舞うなんてきっと不可能だ。
「どうしよう……レン、好きだ、レン……!」
俺の脳内シミュレーションは下品だ。妄想の中のレンはすぐに俺にネルシャツを剥かれ、綺麗な肢体を晒してしまう。鼻血ものの柔肌の感触を堪能されてしまう。
「はぁっ……レン、レン抱きたい、レンっ……!」
ミチが着たのでは太腿の魅力を十分に引き出せなかったホットパンツとニーハイソックス、それをレンが着る妄想をする。あのムチムチの太腿が絶対領域として強調され、ニーハイソックスに肉が乗る──素晴らしい!
「ぁあ……! 太腿、レンのふとももぉ……!」
似ても似つかない感触の枕を揉みしだいて身悶える。レンを目の前にしても平静を保てるように何か手を考えるべきなのに、理性の声は小さい。
ベッドの上でゴロゴロ転がっていると玄関扉が開く音が聞こえた、母は今日は仕事が休みのはずだが、買い物にでも出かけたのだろうか。
「ぁ……そろそろ朝飯食わないと」
母が出かけたならちょうどいい、飯を食おう。そう考えて起き上がろうとしたけれど、玄関扉が閉まる音が響き、足音が近付いてきたので寝たフリを決行。
「ノゾムー、ノゾムー? 生きてるー?」
このムカつく声は母の声だ。
「彼氏来てるんだけどー……ぁー、もう入って。いいから、おいで。大きな音出さないなら何してもいいから、ほら入った入った」
頭の上まで被った毛布から顔を出すと、部屋の扉は開け放たれており母はセンパイの背を押していた。
「でっか……あんた何センチ?」
「……二メートル四です」
「へぇー! 二メートル! バスケとかやってんの?」
「……いえ、スポーツは何も」
何を普通に会話しているんだ。母はセンパイが苦手だと言っていたくせに。
「あらそうもったいない……ちょっとノゾム、いつまで寝てんの。彼氏来てんのよ? 笑顔の一つでも見せなさいよ」
毛布を剥がした母の手には紙袋があった。母はそこからマドレーヌを取り出し、食べる。
「顔はいいしガタイもいいしお菓子も作れるって……ノゾムにゃもったいないくらいね、あんた女の子にモテたりするでしょ?」
「…………恐れられる方が多いかと」
「あーね、私もちょっと怖かったもん。ま、躾のいい子でよかったけど。じゃね、ごゆっくり」
母はホクホク笑顔で部屋を出ていった。扉が閉まるとセンパイはラグに胡座をかく。
「……兄ちゃんにマドレーヌ作ってもらったんだ。お義母さん、説明する暇くれなかったから……俺が作ったと思ってしまってる。俺はそんな器用じゃない」
俺が聞きたいのはそれじゃない、いやそれも聞きたかったけど。
「な、なんで……今日何か約束してましたっけ」
「…………約束がないと来ちゃいけないのか?」
センパイはしゅんとしながら首を傾げる。厳つい顔には似合わないはずの仕草なのに、可愛い。
「………………茶髪の男と会うんだろ? 覚えてるぞ、七夕に約束があるって」
「え……? セ、センパイに言いましたっけそれ」
「……体育館倉庫でお前を抱いた時、電話をかけさせたことがあったろ? その時に聞いた、記憶力はいいんだ」
なんてことだ。
「い、いや、あの……レンは幼馴染ですよ、友達です、浮気とかじゃなくて……」
「……分かってる。友達よりも恋人を優先してくれるだろ?」
「え……い、嫌です。レンとはずっと前から約束してたし、毎年の恒例だしっ……俺もレンも楽しみにしてたし、レンは色々準備してくれてるのにドタキャンとか無理ですっ……!」
センパイの顔が目に見えて曇る。怖くなって媚びを売ってしまいそうになったが、久しぶりにレンの笑顔を見たい一心で毅然とした態度を取った。
「俺には友達が居るんです! 恋人が出来たからって友達をないがしろにしたくない、約束を軽んじるなんてもってのほかです!」
「…………俺より、その男の方が好きなのか」
「なんで分かってくれないんですか! レンと先に約束してて、レンは今日のために色々準備してくれてるんですって! そうめんとか買ってくれてて……だからドタキャンなんか出来ないって、そう言ってるだけでっ……!」
立ち上がったセンパイに見下ろされ、本能的な恐怖が目を覚ます。逃げることなんて出来ないままにセンパイが覆いかぶさってきた。
「ゃっ……嫌っ、嫌ですっ! やめて! やだぁっ……!」
「……暴れるな、嫌がるな、お前は俺だけ見てればいいんだ。いい機会だ、友人とは手を切れ」
「そんなっ……! 横暴過ぎますよっ! そんなセンパイ俺は嫌いだ!」
俺を押さえつけるのも、脱がそうとするのもやめた。硬直してしまったセンパイは瞬きすらしていない、今のうちに足の間から抜け出してしまおうとすると動き出し、両手を頭の横で押さえられた。
「………………じゃあ、どうすればいいんだ。俺は……お前が好きなんだ、大好きだ、お前に嫌いだなんて言われたらっ、俺は……」
「だ、だから言ってるじゃないですか……俺は約束破るのが嫌なだけで、友達と遊びたいだけで……浮気とかそんなんじゃないんだから、今日は帰ってくれればそれでいいんです」
「…………嫌だ。好きだ、ノゾム……離れたくない」
センパイは俺の上で小さく丸まって俺に体重をかけないよう気を付けつつ俺を完璧に押さえつけた。
「センパイ……センパイだって、お兄さんと二度と会うなって俺が言ったら「ふざけんな」って思いますよね? 俺にとってレンは家族みたいな親友なんです」
そんな親友に恋しているのはどこのどいつだ。勘のいいセンパイはきっと俺の心がレンに向いていることを無意識下で察しているんだ、だから止めてくるんだ。
「…………分かった」
「よかった……じゃあ、すいません。今日のところは……」
「……茶髪の家は隣だったな」
「え? な、なんで知ってるんですか?」
「…………昨日、お前の家の前に居た時に見た。コンビニの袋を持ってたな」
買い物に行ったのだろう。そんな一瞬を見逃さないなんて、それをレンだと覚えているなんて、とんでもない人だ。
「……直接話をつけてやる」
「え……ちょ、ちょっと待ってください! 待ってくださいよセンパイ!」
センパイは俺の上からどいてさっさとを部屋を出てしまう。俺は慌てて彼の後を追い──脱げかけたパジャマでレンに会うのは嫌だ。
「ま、待って! 本当に待って、着替えるからぁ!」
咄嗟に着られたのは部屋着のスウェットだったが、はだけたパジャマよりはマシだ。慌ててセンパイを追う、センパイはもうレンの家のインターホンを押していた。
「センパイ! やめてください! レンがせっかく準備してくれたからってのだけが理由じゃありません、俺だって親友と遊ぶ今日を楽しみにしてたんです! だからっ……!」
玄関扉が開き、レンが出てくる。
「はーい……ぅわっ、ぁ、形州センパイ……こんにちは」
「…………ノゾムは俺のものだ」
センパイは俺の腰を抱き、レンを冷たい目で見下ろした。
「はぁ、そうですね?」
「……今日は俺と過ごすことになった。七夕は恋人達の日だ、文句はないよな?」
茶色い綺麗な瞳が俺を見つめる。穏やかなタレ目は不機嫌そうに見えた。
「どこか行く予定でもあるんですか?」
「……いや? 家でダラダラするつもりだ」
センパイはレンの目の前だと言うにも関わらず俺のスウェットの中に手を入れてきた。レンに分かるように、見せつけるように下着越しに陰茎を握る。
「ゃ、あっ……! やだっ、センパイ、ぃやぁっ!」
「もち、嫌がってません?」
「……照れ隠しだ」
俺に嫌がる声ではなく甘えた声を出させたいのか、下着越しのまま陰茎を扱いてきた。布と擦れるザラついた新感覚の快楽だ。
「ゃ、あ、ぁあっ! あぁんっ……! やだっ、ぃやっ、センパイぃっ……やめてっ、やめてくださいっ!」
「照れ隠しには見えませんよ、離してやったらどうですか?」
「……お前に何が分かる」
「何も分かっていないあなたよりはマシなつもりです」
レンはわざとらしく鼻で笑い、センパイの手を掴んだ。俺の陰茎を扱いていた手だ、扱くのは止まったがぎゅっと握られたままで気持ちいい。
「もち……ノゾムから手を離してください」
センパイはもう片方の手でレンの胸ぐらを掴む。
「…………お前が俺に勝てるとでも?」
「殴りたいならどうぞ。それで勝ったつもりになれるなら」
俺はレンの胸ぐらを掴んでいるセンパイの手を掴んだ。
「センパイっ、やめて……お願い、レンに酷いことしないで」
歯を食いしばっているのか頭上からギリッ……と不快な音が聞こえる。
「形州センパイ、そんなにもちと一緒に居たいならうちに来たらいいじゃないですか。なぁ、もち? 俺と二人より彼氏と楽しみたいよな?」
「え……?」
そんなに俺に興味がないの? 俺はレンが好きなのに、今日は二人きりで楽しめるんだと心臓が破裂しそうなくらいに高鳴っていたのに。
「そうめん準備しちゃったし、七夕のケーキも予約しちゃってるし……笹も用意してあるし、短冊も切ったし……どうですか、形州センパイ。俺も友達呼ぶんで二人の邪魔はしませんよ」
「………………いいだろう」
「じゃ、追加の買い出しに行ってもらえます? 二人だけの予定だったんで、四人に増えるなら食料が足りない……メモしてくるんで、ちょっと待っててください」
レンは家の奥へと引っ込んでしまった。
「……お前と二人きり、友人だけのパーティにしては準備が随分と念入りだな?」
「センパ……ゃんっ! ゃ、あぁっ……!」
陰茎を扱く手が再び動き出す。もう片方の手も服の中へ入り、胸をまさぐる。
「…………お前は俺のものだ、誰にも渡さない」
「ゃ、んんっ……! だからっ、レンはちがうっ……ぅ、あぁっ……!」
「……ここで出せ。買い出しに行ってる間に着替えるんだな」
俺がレンと二人きりにならないための措置だろうか。センパイがこんなに嫉妬深いなんて知らなかった、疑われ束縛されるのがこんなに悲しいなんて思いもしなかった。
「ゃだっ、いやぁっ……でちゃうっ! いやっ、扱くのやめてっ、でちゃうっ、でちゃうってばぁっ!」
「…………出、せ。と言ってるんだ、出せ」
「ぃ、やっ……いやっ、やだぁっ、ぁ、あっ、イくっ、でちゃうっ、イくぅっ!」
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