いわくつきの首塚を壊したら霊姦体質になりまして、周囲の男共の性奴隷に堕ちました

ムーン

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幼馴染が七夕に遊びにきた

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一度家に帰って素早くシャワーを浴び、制服に着替えてレンの家を尋ねた。

「あっ、レン……レン、その……」

「……うん? レン君だぞー?」

俺がセンパイに身体をまさぐられていたのを見たくせに、レンはいつも通りだ。緊張で声が上擦ってしまう俺とは違う、レンは俺と会うことに何の緊張もない。

「庭回れよ、デッキで準備してるから」

「う、うん……」

如月家の庭にはウッドデッキがある。夏場はよくそこでキャンプもどきをする、今年からは出来そうにないけれど。

「わ……笹、本物だ。すごいな、飾りも……」

ウッドデッキの中心には俺の背よりも低い笹が立てられていた。様々な折り紙の飾りがぶら下がっており、金色の折り紙で三日月が作られて一番目立つところに飾られていた。

「これ、お前」

「…………いっつもやるよな。ありがと……」

レンは何かあると月の飾りを作り、俺だと言う。今回の飾りが金色なのは俺が髪を染めたからだろうか。

「ごめんな、今日……二人のはずだったのに。俺センパイに言ってないんだ、センパイが急に家に来てさ……あの人、意外と束縛系なんだよ、本当に意外……」

顔を見ないようにすればどもらずに話せる。けれど、月の飾りを見ていると胸が騒ぐ。恋心に気付くまでは何とも思わなかったレンのお遊びなのに、今はレンがこれを作っている時に俺のことを考えいてくれたのかと嬉しくなってしまう。

「短冊一応用意してあるけど、なんか書く?」

「うん……」

レンはクッキー缶から青い短冊を取り出し、俺に渡す。

「あ、書くもんねぇな。取ってくる」

家に入っていくレンを見送り、青い短冊を見下げる。願い事か……何にしよう。センパイとの仲? ミチとの仲? 担任との縁切り? ハスミンとの恋愛成就?

「レン……お前に、振り向いて欲しい」

俺は一体何股すれば気が済むんだろう。でも、今日会って話して分かった。レンを諦めるなんて不可能だ、たとえ告白してこっぴどくフラれたって、頬を叩かれたって、罵倒されたって、きっと俺の恋心は冷めやしない。

「はぁーっ……レン、何書くんだろ」

星を見ようと昼下がりの空を見上げて、笹に一つだけぶら下がった短冊を見つける。レンはもう書いていたようだ、まだ帰ってこなさそうなのを確認し、レンが書いただろう短冊に手を伸ばす。

「他の奴との恋愛成就とかだったら俺死ぬわ……」

短冊を引っ張って、笹を曲げて、無遠慮に覗いたレンの願い事に俺は絶句した。


『月乃宮 望が幸せになりますように 如月 蓮』


綺麗な字で綴られた願い事にはレン自身のことは書いていなかった。俺が幸せに……そういえば、レンはたまに幸せかどうか聞いてきたな。

「……自分の書けよ」

あぁ、やっぱり……好きだなぁ。どうして俺の幸せを願ってくれるくせに俺に恋してくれないんだろう。
いっそ短冊に「レンと付き合いたい」とでも書いてしまおうか。それを見せてやろうか。

「…………ピンクないかな」

馬鹿らしい。恋愛関係の願い事は青い短冊じゃなくピンク色だとかの短冊に書きたいなんて。
デッキに置かれていたクッキー缶を拾い、蓋を開けると短冊は二束あった。片方は新品、もう片方は今まで書いてきたものだ。

「……取っておいてたのか、マメなやつ」 

一番上の短冊には汚い字で「レンちゃんとけっこんする」と書かれていた、入園前の俺だ。似たような願いが続き、変わったかと思えば「レンみたいな彼女が空から降ってきますように」と書かれていた、中二のアホだ。

「レンのないかな」

そういえばレンの願い事を見たのは今年が初めてだったな。去年も一昨年もその前も、レンは「願い事を他人に見られると叶わなくなる」とか言って俺が見ようとすると怒った。
あれ……? じゃあ俺幸せになれないのか?

「お、あった……」

俺のを全てめくるとレンの短冊が出てきた。幼稚園児らしい下手な字で「おんなのこになりたい」と書かれていた。

「…………え?」

レンの短冊をめくっていく。下手な字や上手くなってきた字、綺麗な字、それらは「おんなの子になりたい」「女の子になりたい」「可愛い女の子になりたい」「女子になりたい」「女の子になりたい」としつこいくらいに願った跡だった。

「……レン、女子になりたかったのか?」

意外だ。いや、確かに顔は可愛いし中性的な見た目はしている。けれどレンの服の趣味や口調は男性的だ。

「……見て、よかったのかな、これ」

レンは願い事を見せてくれなかった、この願い事は見られたくないものなのだ。なのに毎年書くほどに本気で願っていて──あぁ、見るべきじゃなかった。俺はクッキー缶を閉じ、元の位置に戻した。

「レン……」

どうして女の子になりたがっているのだろう。心は女性だとか? いや、それらしさはない。俺が幼い頃に「女の子になって」とねだったから……自惚れすぎだ。だとしたらレンは俺が好きだということになるけれど、レンは俺に対して照れたり緊張したりしない。

「……他に、好きな男いるのかな」

まぁ、ただ単に女の子になりたいだけかもしれないけど。

「あっ、まさかハスミン……!」

レンは俺がハスミンの話をすると明らかに口数が減り、喋っても否定的なことだったりと不愉快そうにしていた。

「まさか、ハスミンが…………羨ましかったのか」

もしかするとレンは自分によく似た女の子に羨望や嫉妬の念を抱いていたのかもしれない。こんな子に生まれたかったとか、どうして自分はこの子じゃないんだとか……そう考えていたのかも。

「…………似てるとか色々言っちゃって、嫌だったのかな……レン、ごめん……」

今まで随分とデリカシーのない発言をしてきただろう、今見てしまったこともそうだし、レンには申し訳ないことばかりだ。

「もーちーっ、おまたせ」

元気いっぱいに戻ってきたレンに渡されたのは筆ペン。

「あ、あぁ……ありがとう、レン」

「もち、なんか今日ぎこちないな。形州のことなら気にすんなよ、俺も人呼んだし。人多い方が楽しいだろ?」

ぎこちないのはレンに恋しているせいだ。誰も来て欲しくない、このまま二人きりで居たい。

「…………あ、あのさっ、レン、そんな薄着で大丈夫か? 体冷やすなよ」

「ん……? うん、ありがと、平気だぞ」

俺には神の奇跡は起こせないし、性転換の手術費用だとかも出せない。だからせめて女の子扱いをして疑似体験をさせてあげよう。

「俺上着取ってこようか?」

「……七月だぞ? 暑いくらいだよ。何、俺そんなに顔色悪い? 病人っぽい? 死にそうに見える?」

「死……? い、いや……そういうわけじゃないんだ、寒くないならいいよ」

女の子扱いって何? 俺童貞なんだけど。寒さを気遣う以外にテクニック知らないんだけど。あ、いや、もう一つあった。

「…………こ、腰さすってやろっか?」

「え……? なんで?」

「……………………腰痛?」

「ねぇよ。ま、ありがとな」

これが限界だ。あと今思い出したけどこれ、常にやるべき紳士的な仕草とかじゃなくて女の子の日にやるやつだ。

「……なんだよ、今日は随分優しいんだな」

「あ、あぁ……なんか最近会ってなかったからさ。電話とかメッセとか無視しちゃうのも多かったし……お詫び的な」

「ふーん? ならお願いひとついいか?」

もちろんだと即答するとレンは両手を広げた。

「ハグしてくれよ。彼氏帰ってくる前に」

「……わ、分かった」

抱き締めろだって? 人の恋心も知らないで。

「ん……おっきくなったなぁ、もち」

ミチほどではないものの華奢な身体だ。強く抱き締めれば壊れてしまいそうな、今にもこの腕の中から消えてしまいそうな儚さがある。

「うんっ、これだけ大きくなったんだからもう大丈夫だな。いい彼氏も出来たしな」

「……大丈夫って何だよ」

「もち、俺と電話しないと寝れなかったり俺が背中叩いてやらないと寝れなかったりしただろ? 最近そんなことなくなったじゃん。もう俺が居なくても平気なんだよな、よかったよ」

俺の腕の中のレンは満面の笑みで俺から離れられることを喜んでいる。

「……俺が甘やかし過ぎたってのもあるよな。悪かったよ、本当に反省してる……もちには俺だけだとか言ったじゃん? ごめんな、もう忘れてくれ。お前は自分で仲良くする人決めていいんだぞ。あ、悪い奴はダメだからな」

レンは俺の母親代わりだった。なのに俺から離れられるのを嬉しがって笑うなんて、本当は俺のお守りが嫌だったのだろうか。

「二股してるってのはちょっと不安だけどさ……俺は解決してやれないし、自分で何とかしろよ? 幸せになれよ、もち。好きな人と付き合えてるんだから幸せだよな?」

レンは俺を疎ましく思っていたのか、俺はこんなに好きなのに。

「…………もち?」

ハグをやめ、握り締めてしわくちゃになった短冊に願い事を書く。走り書きの「レンと結婚したい」という想いをレンに押し付ける。

「もち……」

俺の短冊を見て困惑しているレンの肩を掴む。

「レンっ、俺レンが好きなんだ。ずっと昔から……そりゃミチともセンパイとも付き合ってるけど、でもっ、一番好きなのはレンで……レンと、結婚したい」

「…………何言ってんだよ。俺、そういう冗談は嫌いだぞ」

「冗談なんかじゃないっ! 俺は……俺は本気で、レンが好きなんだ。レンと居るとドキドキして息も出来なくなって……! レン、レンお願い、俺と……」

「ふざけるのも大概にしろ。いい加減に怒るぞ」

あぁ、やっぱりレンは俺が嫌いなんだ。

「…………別の書けよ。ほら、みっちーといつまでも仲良くーとか、そういうの」

俺の手を振り払ったレンは俺の短冊をビリビリに破り捨てると、新しい短冊を渡してきた。ただ言葉でフラれるだけなら泣いただけだったかもしれないけれど、酷過ぎるやり方に怒りが勝って俺はレンを押し倒した。
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