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後輩の家に上がり込んでみた
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一睡も出来なかった。自分に似合う服が分からなくて、センパイが喜んでくれそうな服が分からなくて、結局今は学校の制服を着ている。センパイ、制服萌えするらしいから。
「変に気合い入れてってもセンパイ困るだろうし……これでいいや」
俺はセンパイのオナホだ、恋人じゃない。センパイはただ気まぐれな優しさで俺を店に連れて行ってくれるだけなのだから、俺ばかり浮かれていたらセンパイはドン引きするだろう。
「そういえばセンパイ何時に来るんだろ」
とりあえず朝食を食べようとダイニングに入った直後、インターホンが鳴った。支度中の母に応対を頼まれ、チェーンをかけてドアを開ける。
「はーい……ぅわっ!」
ドアチェーンに制限された微かな隙間からこちらを覗くのは切れ長の三白眼。すぐにドアを閉め、チェーンを外してドアを開けた。
「お、おはようございますセンパイ……早いですね」
「……朝に出ないと兄ちゃんにサボりがバレる」
「なるほど……えっと、中へどうぞ。あ、静かにお願いします」
母に見つからないよう気を付けてセンパイと共に自室に入る。
「センパイ、朝ごはん食べました?」
「……あぁ、お前は?」
「まだです、母が出勤したら食べようと思います」
「……そうか」
センパイはダメージジーンズにタンクトップ姿、部屋に入ってすぐ脱いでしまったが薄手の上着もあった。
「制服着て出なくてもバレるんじゃないですか?」
「……兄ちゃん、朝は寝てる。あの店が開くのが十一時なんだ、それまでには起きるから出ておきたかった」
「あぁ、そういう……」
十一時まで、ということは──あと四時間強、センパイと自室で過ごすのか? いや、無理だろ、会話が続かないぞ。
「えーっと……お、お兄さんよく床で寝てますよね」
「…………今日は廊下で寝ていた」
「体痛めないんでしょうか」
「……一度、学校へ行く前に俺のベッドに寝かせたことがあるんだが……即、落ちた。床が好きなんだろ」
硬めの布団が好き、なら分かる。しかし床で寝るのが好きだなんて……体痛めるし、風邪引くし、いいことはないと思うのだが。
「あー……あっ、センパイ、その……制服ですよ、制服」
センパイの前に立ち、不器用に一回転。
「萌えます……?」
不思議そうに俺を見つめていたセンパイは不意に微笑んだ。
「…………あぁ、後ろを向け」
「後ろ? はい」
背を向けるとすぐに尻を撫でられ、思わず俯く。
「……制服が一番尻の形が分かる服だと言ったな?」
「は、い……」
首だけで振り返ってみれば、センパイの視線は真っ直ぐに俺の尻に注がれていた。
「あ、あの……俺のお尻、いい形してます?」
「……あぁ、理想的だな。ほどよく引き締まってる。俺は脂肪が付きすぎた身体は嫌いなんだ」
尻と太腿の境の部分を揉まれる。
「…………女のような顔や体をした男はダメだ」
「そう、ですかっ……」
俺は中性的な美貌のレンが好きだから、センパイの好みには同意できないな。
「……群れのトップを狙う動物的な野望を持った男が好きだ。自分の趣味でもないのに髪を染めたりピアスを開けたり……浅はかにも体を鍛えることなく見た目で周囲を威圧して、君臨なのか孤立なのかも分からない馬鹿な雄が好きだ」
俺はそんなふうに見られていたのか。ただ、レンを虐めさせたくなくて、自分も虐められたくなくて、上位グループになろうとしていただけなのに──いや、センパイの好みピッタリだな。俺は浅はかだった、見た目だけで何とかなると思っていたんだ。
「な、なんか……あんまりいい人間には聞こえませんけど、どうしてそんなのが……?」
「………………俺は雄として優秀だと思わないか?」
「へ? そりゃ……トップクラスにっ、ぁっ……」
尻を両手で鷲掴みにされ、高い声が漏れる。
「……見た目を工夫して群れのトップを狙う馬鹿を、この身一つで屈服させてやるのがたまらないんだ。野望ある雄を、俺だけの雌に……いや、ただの性処理玩具に落としてやる快感……想像出来るか?」
「俺、はっ……なんか、そんな……動物的なのっ、なかったと……思うんですけどっ」
「…………あぁ、そうだな。既に俺がトップだったから、お前は俺に憧れの目を向けた……なぁ分かるか? 好みの見た目をした男が無邪気に「センパイについて行きます」なんて言うんだ」
大きな手は力強く俺の尻を揉みしだく。ぎゅっと掴まれるのに決して痛くはない。くぱっと拡げられる穴が期待してヒクつく。
「……俺の卒業後、俺の後釜を狙う無垢な馬鹿を……俺が汚してやったんだ」
突然立ち上がったセンパイは俺を抱き締めるように右腕を回し、俺の顎を掴んだ。
「…………お前の初めては俺がもらった。お前は俺が開発してやったんだ。お前の身体には俺の所有の証がある」
センパイの左手は臍に移り、シャツ越しにピアスを探り当ててグリっと押し込んだ。すぐに臍を離れ、乳首のピアスを弾く。
「……首輪よりも、刺青よりも、焼印よりも、ピアスは所有の証になると思わないか?」
両手を使って口を開けさせられ、舌を引っ張り出されてピアスを弄られる。
「は、ぅっ……ぅ、ううっ……」
舌を引っ張り出されている俺は何も言えない。
「……お前は俺の頼みでピアスを増やした、血を流してまで俺の言いなりになったんだ。俺のために身体に穴を空けたんだ……俺のために、お前はこの穴の分の肉体を失った」
考え過ぎだ、そう言ってやりたい。
「…………お前は俺のものだ」
「ぁ、うっ……」
「………………お前は俺が好きだろ? 初めてのくせに穴を拡げて誘って……俺のものを入れただけで果てて……俺のためにピアスも増やしたし、俺のために髪も染め直したな」
センパイの唇が染め直したばかりの金髪の根元に触れる。
「……可愛いよ、月乃宮。他の男になんて渡すものか……俺のものだ、俺のもの……あんな男になんて絶対に渡さない」
「ひぇ、んっ……はいっ……」
「…………あぁ、苦しかったか?」
ようやく舌を離される。しかし今度はセンパイの両腕に胴をがっしりと捕らえられ、動けない。
「せんぱい……けほっ、ぇほっ…………國行センパイは、俺のことが好きなんですか?」
もしそうなら今感じている安心すら俺は失う。俺が傷付けてしまう心配のない強い人、それがセンパイであってほしい。
「…………そんなわけないだろ? お前はオナホだ、この世のどこにオナホを好きになる奴がいる」
あぁ……そうだ、それこそセンパイだ。俺を好きじゃないから、ミチと違って傷付けてしまう心配がないから安心できる。
「ぁ……センパイっ、センパイ、嬉しい、センパイ……それがいい、オナホがいいっ、センパイ……!」
俺はどうやら自分を好きになってくれない人が好きらしい。
「……………………やはり、そうなんだな、お前は……いいよ、分かってる、やり遂げてやるさ…………月乃宮、お前の存在意義はなんだ?」
ぶつぶつと小声で呟いていたセンパイは、不意に俺の背中に硬いものを擦り付けながら尋ねた。質問より前に何か言っていた気もするが、聞き返すとムードが壊れそうだ。
「センパイの性処理ですっ! ここにセンパイの精液を注いでもらうために俺は……あ、高い」
俺の方からも尻を擦り付けようとしたのに、俺の尻はセンパイの太腿にしか当たらない。
「センパイ背ぇ高すぎます……」
「……好きだろ?」
頭頂部に押し付けられた唇から低い声が漏れる。頭蓋骨に響くその声に脳がとろけていく。
「はい……! 物らしく持ち上げてずんずんしてください」
センパイの手が俺のベルトに降りる。ベルトを外す音に合わせて心臓が破裂しそうなほど高鳴ったその時、部屋の扉がノックされた。
「セ、センパイっ……隠れて、あぁデカいっ……扉の裏!」
センパイを扉の裏に押し、扉を少しだけ開ける。完璧な死角だ、いくらセンパイの背が扉より少し高いと言っても見えないだろう。
「ノゾム、さっきの誰だったの?」
「し、新興宗教……」
顔が半分出る程度の隙間から母と会話する。
「へぇ、よくサラッと追い払えたもんね」
早くどっか行ってくれ、もう腹の疼きが限界なんだ……そんな祈りは母ではなくセンパイに通じ、緩んだベルトを引っ張ってスラックスの中に大きな手が入ってきた。
「ちょっ……!」
「何?」
下着の中に潜り込んだ手は器用に割れ目を開き、中指で中心をなぞった。
「あ、な、なんでもないっ……まだ会社行かなくていいの?」
「まだ平気よ。何、とっとと出てけって?」
「いや、そんなっ……ぁっ……!」
つぷ……と中指が入ってくる。欲しがっていた穴は口のように吸い付き、入り口を軽くこねられるだけで腰が揺れる。
「何なの、さっきから」
「な、なんでもっ……な、ぃっ……」
第一関節だけが細かく抜き挿しされている。くちくちと水音未満の淫猥な音が下着の中に響いている。声を抑えるほどに呼吸が荒くなり、表情を保つほどに顔が赤くなる。
「なんなのほんと……気持ち悪い。ノゾムも早く学校行きなさいよ」
「う、ぅんっ……行くっ、ちゃんと、イくぅ……」
扉を閉め、センパイに抗議しようと顔を上げた直後、中指が一気に奥へ進んだ。
「あぁんっ!」
大きな声が漏れてしまい、すぐそこに居ただろう母が扉を叩く。
「ちょっと何今の声!」
「ぁ、えとっ……と、扉に指挟んで」
「はぁ? そんな声じゃ……あぁ時間やばいっ、戸締り頼んだからね!」
「は、いっ……」
母の足音が小さくなっていくのに反比例して、俺の穴を弄ぶ中指の動きは激しくなっていく。
「ぁ、んんっ、ぁああっ……いじわるっ、センパイっ……今、ほんとにぃっ、やば、かったぁっ、ぁ……ぁあんっ……!」
「…………締まりがよくなってた、バレそうなのに興奮したか?」
「して、な、ぃっ……ひぃんっ!」
中指が尻穴から抜け、手がスラックスから抜ける。それどころかセンパイは身体ごと俺から離れ、無遠慮にベッドに腰掛けた。
「……どうした? 来い」
ぽんぽんと膝を叩く仕草と愉しそうな笑顔に惹かれ、よろよろとセンパイの元へ向かった。
「変に気合い入れてってもセンパイ困るだろうし……これでいいや」
俺はセンパイのオナホだ、恋人じゃない。センパイはただ気まぐれな優しさで俺を店に連れて行ってくれるだけなのだから、俺ばかり浮かれていたらセンパイはドン引きするだろう。
「そういえばセンパイ何時に来るんだろ」
とりあえず朝食を食べようとダイニングに入った直後、インターホンが鳴った。支度中の母に応対を頼まれ、チェーンをかけてドアを開ける。
「はーい……ぅわっ!」
ドアチェーンに制限された微かな隙間からこちらを覗くのは切れ長の三白眼。すぐにドアを閉め、チェーンを外してドアを開けた。
「お、おはようございますセンパイ……早いですね」
「……朝に出ないと兄ちゃんにサボりがバレる」
「なるほど……えっと、中へどうぞ。あ、静かにお願いします」
母に見つからないよう気を付けてセンパイと共に自室に入る。
「センパイ、朝ごはん食べました?」
「……あぁ、お前は?」
「まだです、母が出勤したら食べようと思います」
「……そうか」
センパイはダメージジーンズにタンクトップ姿、部屋に入ってすぐ脱いでしまったが薄手の上着もあった。
「制服着て出なくてもバレるんじゃないですか?」
「……兄ちゃん、朝は寝てる。あの店が開くのが十一時なんだ、それまでには起きるから出ておきたかった」
「あぁ、そういう……」
十一時まで、ということは──あと四時間強、センパイと自室で過ごすのか? いや、無理だろ、会話が続かないぞ。
「えーっと……お、お兄さんよく床で寝てますよね」
「…………今日は廊下で寝ていた」
「体痛めないんでしょうか」
「……一度、学校へ行く前に俺のベッドに寝かせたことがあるんだが……即、落ちた。床が好きなんだろ」
硬めの布団が好き、なら分かる。しかし床で寝るのが好きだなんて……体痛めるし、風邪引くし、いいことはないと思うのだが。
「あー……あっ、センパイ、その……制服ですよ、制服」
センパイの前に立ち、不器用に一回転。
「萌えます……?」
不思議そうに俺を見つめていたセンパイは不意に微笑んだ。
「…………あぁ、後ろを向け」
「後ろ? はい」
背を向けるとすぐに尻を撫でられ、思わず俯く。
「……制服が一番尻の形が分かる服だと言ったな?」
「は、い……」
首だけで振り返ってみれば、センパイの視線は真っ直ぐに俺の尻に注がれていた。
「あ、あの……俺のお尻、いい形してます?」
「……あぁ、理想的だな。ほどよく引き締まってる。俺は脂肪が付きすぎた身体は嫌いなんだ」
尻と太腿の境の部分を揉まれる。
「…………女のような顔や体をした男はダメだ」
「そう、ですかっ……」
俺は中性的な美貌のレンが好きだから、センパイの好みには同意できないな。
「……群れのトップを狙う動物的な野望を持った男が好きだ。自分の趣味でもないのに髪を染めたりピアスを開けたり……浅はかにも体を鍛えることなく見た目で周囲を威圧して、君臨なのか孤立なのかも分からない馬鹿な雄が好きだ」
俺はそんなふうに見られていたのか。ただ、レンを虐めさせたくなくて、自分も虐められたくなくて、上位グループになろうとしていただけなのに──いや、センパイの好みピッタリだな。俺は浅はかだった、見た目だけで何とかなると思っていたんだ。
「な、なんか……あんまりいい人間には聞こえませんけど、どうしてそんなのが……?」
「………………俺は雄として優秀だと思わないか?」
「へ? そりゃ……トップクラスにっ、ぁっ……」
尻を両手で鷲掴みにされ、高い声が漏れる。
「……見た目を工夫して群れのトップを狙う馬鹿を、この身一つで屈服させてやるのがたまらないんだ。野望ある雄を、俺だけの雌に……いや、ただの性処理玩具に落としてやる快感……想像出来るか?」
「俺、はっ……なんか、そんな……動物的なのっ、なかったと……思うんですけどっ」
「…………あぁ、そうだな。既に俺がトップだったから、お前は俺に憧れの目を向けた……なぁ分かるか? 好みの見た目をした男が無邪気に「センパイについて行きます」なんて言うんだ」
大きな手は力強く俺の尻を揉みしだく。ぎゅっと掴まれるのに決して痛くはない。くぱっと拡げられる穴が期待してヒクつく。
「……俺の卒業後、俺の後釜を狙う無垢な馬鹿を……俺が汚してやったんだ」
突然立ち上がったセンパイは俺を抱き締めるように右腕を回し、俺の顎を掴んだ。
「…………お前の初めては俺がもらった。お前は俺が開発してやったんだ。お前の身体には俺の所有の証がある」
センパイの左手は臍に移り、シャツ越しにピアスを探り当ててグリっと押し込んだ。すぐに臍を離れ、乳首のピアスを弾く。
「……首輪よりも、刺青よりも、焼印よりも、ピアスは所有の証になると思わないか?」
両手を使って口を開けさせられ、舌を引っ張り出されてピアスを弄られる。
「は、ぅっ……ぅ、ううっ……」
舌を引っ張り出されている俺は何も言えない。
「……お前は俺の頼みでピアスを増やした、血を流してまで俺の言いなりになったんだ。俺のために身体に穴を空けたんだ……俺のために、お前はこの穴の分の肉体を失った」
考え過ぎだ、そう言ってやりたい。
「…………お前は俺のものだ」
「ぁ、うっ……」
「………………お前は俺が好きだろ? 初めてのくせに穴を拡げて誘って……俺のものを入れただけで果てて……俺のためにピアスも増やしたし、俺のために髪も染め直したな」
センパイの唇が染め直したばかりの金髪の根元に触れる。
「……可愛いよ、月乃宮。他の男になんて渡すものか……俺のものだ、俺のもの……あんな男になんて絶対に渡さない」
「ひぇ、んっ……はいっ……」
「…………あぁ、苦しかったか?」
ようやく舌を離される。しかし今度はセンパイの両腕に胴をがっしりと捕らえられ、動けない。
「せんぱい……けほっ、ぇほっ…………國行センパイは、俺のことが好きなんですか?」
もしそうなら今感じている安心すら俺は失う。俺が傷付けてしまう心配のない強い人、それがセンパイであってほしい。
「…………そんなわけないだろ? お前はオナホだ、この世のどこにオナホを好きになる奴がいる」
あぁ……そうだ、それこそセンパイだ。俺を好きじゃないから、ミチと違って傷付けてしまう心配がないから安心できる。
「ぁ……センパイっ、センパイ、嬉しい、センパイ……それがいい、オナホがいいっ、センパイ……!」
俺はどうやら自分を好きになってくれない人が好きらしい。
「……………………やはり、そうなんだな、お前は……いいよ、分かってる、やり遂げてやるさ…………月乃宮、お前の存在意義はなんだ?」
ぶつぶつと小声で呟いていたセンパイは、不意に俺の背中に硬いものを擦り付けながら尋ねた。質問より前に何か言っていた気もするが、聞き返すとムードが壊れそうだ。
「センパイの性処理ですっ! ここにセンパイの精液を注いでもらうために俺は……あ、高い」
俺の方からも尻を擦り付けようとしたのに、俺の尻はセンパイの太腿にしか当たらない。
「センパイ背ぇ高すぎます……」
「……好きだろ?」
頭頂部に押し付けられた唇から低い声が漏れる。頭蓋骨に響くその声に脳がとろけていく。
「はい……! 物らしく持ち上げてずんずんしてください」
センパイの手が俺のベルトに降りる。ベルトを外す音に合わせて心臓が破裂しそうなほど高鳴ったその時、部屋の扉がノックされた。
「セ、センパイっ……隠れて、あぁデカいっ……扉の裏!」
センパイを扉の裏に押し、扉を少しだけ開ける。完璧な死角だ、いくらセンパイの背が扉より少し高いと言っても見えないだろう。
「ノゾム、さっきの誰だったの?」
「し、新興宗教……」
顔が半分出る程度の隙間から母と会話する。
「へぇ、よくサラッと追い払えたもんね」
早くどっか行ってくれ、もう腹の疼きが限界なんだ……そんな祈りは母ではなくセンパイに通じ、緩んだベルトを引っ張ってスラックスの中に大きな手が入ってきた。
「ちょっ……!」
「何?」
下着の中に潜り込んだ手は器用に割れ目を開き、中指で中心をなぞった。
「あ、な、なんでもないっ……まだ会社行かなくていいの?」
「まだ平気よ。何、とっとと出てけって?」
「いや、そんなっ……ぁっ……!」
つぷ……と中指が入ってくる。欲しがっていた穴は口のように吸い付き、入り口を軽くこねられるだけで腰が揺れる。
「何なの、さっきから」
「な、なんでもっ……な、ぃっ……」
第一関節だけが細かく抜き挿しされている。くちくちと水音未満の淫猥な音が下着の中に響いている。声を抑えるほどに呼吸が荒くなり、表情を保つほどに顔が赤くなる。
「なんなのほんと……気持ち悪い。ノゾムも早く学校行きなさいよ」
「う、ぅんっ……行くっ、ちゃんと、イくぅ……」
扉を閉め、センパイに抗議しようと顔を上げた直後、中指が一気に奥へ進んだ。
「あぁんっ!」
大きな声が漏れてしまい、すぐそこに居ただろう母が扉を叩く。
「ちょっと何今の声!」
「ぁ、えとっ……と、扉に指挟んで」
「はぁ? そんな声じゃ……あぁ時間やばいっ、戸締り頼んだからね!」
「は、いっ……」
母の足音が小さくなっていくのに反比例して、俺の穴を弄ぶ中指の動きは激しくなっていく。
「ぁ、んんっ、ぁああっ……いじわるっ、センパイっ……今、ほんとにぃっ、やば、かったぁっ、ぁ……ぁあんっ……!」
「…………締まりがよくなってた、バレそうなのに興奮したか?」
「して、な、ぃっ……ひぃんっ!」
中指が尻穴から抜け、手がスラックスから抜ける。それどころかセンパイは身体ごと俺から離れ、無遠慮にベッドに腰掛けた。
「……どうした? 来い」
ぽんぽんと膝を叩く仕草と愉しそうな笑顔に惹かれ、よろよろとセンパイの元へ向かった。
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