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後輩を縄で縛ってみた
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体がおかしい。腹を少し撫でられて、耳元で命令されただけで絶頂するなんて、俺は異常だ。
「ふ、ふふっ……イっちゃった、俺の身体、すごいことになってますね」
タオルでの拘束と目隠しが外され、センパイの顔が見えて安心する。
「いい調子ですよね、これ……」
センパイは何も言わずに俺を見つめている。鋭い三白眼と目を合わせているだけで穴が疼き、太腿を擦り合わせてしまう。
「……なぁ、月乃宮……あの茶髪の男が好きなのか?」
「へっ?」
「…………以前、女の好みを聞いた時……茶髪で茶色い目の子が好きだなんて言っていただろう」
「それは女の子の好みでしょ。レンはただの友達です」
腹に手を置かれ、ぐっと押し込まれる。
「……本当に?」
俺はレンが好きなのに、レンはセンパイと俺のセックスを聞いても何の反応もなかった。
俺はレンが好きなのに、レンは俺を見てくれない、レンだけは俺に欲情してくれない。
「レンはただの友達ですって、信じてください」
俺は友達じゃ嫌なのに、レンは俺のこと友達としか思ってくれない。
「……好きな女は別の奴か。お前はもう俺以外じゃ満足出来ない、早く諦めるんだな」
快楽でとろけた頭でも何とか隠し通せた。安心したせいか、しなくてもいい反論をしてしまう。
「諦める……恋ってそんな楽なもんじゃありませんよ。センパイには分かりませんよね、恋なんてしたことないでしょ、無理矢理抱いて写真撮って脅してオナホにするようなあんたには! 俺の気持ちなんて絶対分からないっ!」
「…………月乃宮」
大好きなレンに他の男とのセックスを聞かせてしまった気持ち、センパイに分かるわけがない。反応してくれなかった痛みなんて、きっともっと分からない。
好きな男にいつまでもオナホ扱いされている痛みなんて、オナホ扱いされる気楽さなんて、センパイにはきっと理解出来ない。
「……月乃宮、俺はっ……お前、が………………お前が、何を感じているか、何を考えているかなんて、どうでもいい」
センパイは言葉に詰まりながらそう言った。目を逸らしたセンパイの顔を両手で包み、唇を重ねて笑う。
「國行センパイ、それだからいいんですよ、センパイは……ねぇ、センパイ、俺ってクズなんです、最低なんですよ、人のこと傷つけて、迷惑かけて……分かってるのにどうしようもない。俺、もう人間やめたいです。センパイ……ねぇっ、國行センパイ……俺は、何になればいいんですか?」
「………………お前は俺のオナホだ」
「はい、そうです。センパイ……今日のセンパイは俺が言って欲しいこと言ってくれますね。さ、どうぞ。後輩オナホ、準備万端です」
センパイに好かれてみたかった、恋人になれと言って欲しかった。でも、そうなっていたら俺には逃げ場がなかった。
「……月乃宮」
俺の好意がレンに受け取ってもらえないように、俺は誰からの好意も受け取れない。俺を好きになってくれた人に俺が味わったような胸の痛みを感じて欲しくない。だから最近、誰に会っても辛い。
「…………縛ってもいいか?」
肉体だけの関係は最高だ。センパイはセックスが上手くて俺の思考を止めてくれるし、逃げ場として最適だ。
センパイは俺のことを好きじゃないから、そんな利用するような真似をしても罪悪感はないし、本当に最高だ。
「センパイ、どうして所有物に許可を求めるんですか?」
「……縛るぞ」
センパイはベッドの下から赤い麻縄を取り出した。
「…………兄ちゃんに縛り方を教えてもらったんだ」
右足首に縄が巻かれ、右足首を捕まえた縄は右太腿の根元に巻き付く。これで俺は右足を伸ばせなくなった。足の開閉は可能なようゆとりを持って右太腿から左太腿に縄が伸び、巻き付き、左足首を捕まえる。
「わ……足伸ばせませんね。俺、センパイに運んでもらわないとベッドからも降りられません」
「……オナホは自分で移動しない」
「そういうことですね。嬉しいです、せーんぱいっ」
今俺が浮かべている笑顔は本心からのものだ。もう愛情を求めるのも受け取るのも、恋を叶えようとするのも疲れた。人間でいたくない。
「…………腕を後ろに回せ」
うつ伏せにされ、言われた通りに腕を背に回す。
「はーいっ」
淫乱なバカにしてもらって性処理玩具として使ってもらう。今の俺にとってそれ以上の幸福はない。
「……痛くないか?」
「はい、もっとギッチギチにしてくださって構いませんよ」
「……ゆるいのか? ならこれくらいか」
胸にぴったり二の腕を添わせ、右手で左肘を、左手で右肘を掴むような辛い体勢で固定される。
「んっ……ぅ、はぁっ……ぁぁ……」
縄は体全体に及んだ、胸も締め付けられている。
「……苦しいか?」
「いえ、なんか……頭がボーッとしてきました」
「……上手く縛ると縄酔いというのをすることもあると兄ちゃんは言っていた。それか? 酒を飲んだ時のようになっているか?」
「酒、飲んだこと……ないです」
それよりベッドに顔を押し付ける体勢になっていて息苦しい。上体を起こそうと体に力を入れるだけで縄が軋み、全身が痛む。
「…………皮膚の色がおかしい。大丈夫か?」
「んー……? よく、分かりません……」
このままセックスにもつれ込んだら俺はどうなるんだ? 息をするのに胸を膨らませるのですら苦しいのに、センパイの方を見ようとするだけで痛いのに、全身を揺さぶられたらどんな苦痛が訪れるか分からない。それがSMなのか?
「……痛くないか? 苦しくないか? 本当のことを言ってくれ」
「痛いし苦しいです……けど、縛るってSMなんでしょ、痛くて苦しいので合ってるんじゃないですか?」
「……俺はお前に苦痛を与えたくはない。だから兄ちゃんに痛くも苦しくもない、それでいてマンネリ化しないために変わったやり方を聞いてたんだ」
センパイの声は必死そうで、鋭い瞳は心配そうで、センパイからの愛情なんて欲しがらないと決めたはずなのに嬉しかった。
「…………誰か帰ってきた。多分兄ちゃんだ、ちょっと待っててくれ、聞いてくる……」
ガタンと玄関扉が閉まった振動は家中に伝わる。センパイは慌てて部屋を出ていき、息苦しさを感じながらしばらく待っていると従兄を連れて戻ってきた。
「……兄ちゃん、これ、合ってる……? 月乃宮、苦しいし痛いって言ってて……」
「そう言ってんならほどいてやれよ」
しゅるしゅると縄がほどけていく。血が通っていく解放感に気分が落ち着く。
「……兄ちゃん、苦痛を伴わないセックス教えてくれるって言った」
「ちゃんとやりゃ伴わねぇの。キツく締めすぎなんだよ、言っただろ? 血ぃ止まったりして危ないから加減しろって。あと、動脈押さえんのは絶対ダメ」
「…………月乃宮がキツくしていいって言ったから」
「Mの言いなりになってどうする! いいか、MはマスターのM、SはサービスのSだとは言うし実際その側面が強い! SはMが興奮するレベルのストレスを見極めて与えてやらなきゃならない! でもな、あくまでもご主人様はSなんだよ!」
従兄は縄をほどく手を止めて熱く語り始める。もうかなりほどけていたので縄はセンパイが引き継いだ。
「危険なレベルの苦痛をMが求めだしたら「調子に乗るな駄犬」で一蹴! 放置もご褒美ですのでご心配なく! 放置されて興奮したら感度上がって微妙なやつでも痛いし一石二鳥! いや三鳥!」
「……兄ちゃん、俺は別にSMがしたいんじゃない」
「はいはい分かってるよ、ド素人のお前に縄渡した俺も悪かった」
「…………動けない、くらいでいい」
「さっきお前がやってたのでいいな? 今回は俺がやってやるけど、次からは拘束衣でも買えよ。月乃宮様、縛る前に軽くストレッチしてください」
従兄はセンパイから受け取った縄をほぐしている。従兄に言われた通りに伸びをしているとセンパイが俺を優しく抱き締めた。
「………………ごめん」
「センパイ? なんで謝るんですか……なんか俺が言っちゃったせいみたいですね、ごめんなさい」
センパイは縄の跡が残る俺の肌を力強く撫でている。血行をよくしたいのか、アザを消したいのか、両方なのか……どちらにしても嬉しくて、浅黒い頬に唇を触れさせた。
「よし、國行、どけ」
「……緩く、頼む」
従兄はセンパイと同じ縛り方をしたが、センパイにされた時と違って苦痛はない。動けない不快感くらいのものだし、センパイに頭を撫でられると動けないのは安心感に変わった。
「センパイ……頭、ふわふわする」
「……兄ちゃん」
「普通より緩めにやってる。興奮してるだけだろ」
「…………これが縄酔い?」
「お、よく覚えてたな。そうかもな、俺は月乃宮様じゃないから分かんないけど。首とかにかけてないから平気だとは思うけど、やばかったら縄切っちゃえよ。じゃあな」
従兄が出ていくとセンパイは縛られた俺を自分の膝の上に乗せた。
「センパイ……」
腕を背で固定され、足を折り曲げて開脚したあられもない姿を三白眼に曝される。
「…………小さいのが震えてるな、可愛い」
低く甘い声で囁いて、太い指で俺の陰茎を軽くつまむ。その瞬間、精液が噴き出した。
「……イったのか? 触っただけだぞ」
「え……? な、なん、で……? ぁ……なんか、ふわふわして……センパイ、なんか、感覚が変です……」
「…………大丈夫か?」
センパイは心配そうに眉を下げ、白濁液に汚れた俺の腹を撫でた。優しくだが力強い愛撫は外側から俺の性感帯を刺激し、俺を絶頂させた。
「ひぐっ……! ぅ、あ……? また、イった……せ、せんぱい、せんぱいぃっ……俺、変……」
「……そうだな。縄をほどくか、多分原因は縄だ」
「え……? や、やだっ……センパイ、縄が原因ならこのまま抱いて……俺を変にしてください。センパイ……俺、センパイに気持ちいいことして欲しい……」
「……苦しくないか?」
「敏感になってるだけですから……苦痛は全くないです」
敏感すぎて快楽が拷問のように訪れるかもしれないけれど、そう考えると何故か胸が弾む。
「…………分かった。どうなっても文句は言うなよ」
「言いませんよぉ……早く、入れて」
センパイは薄く笑って俺をベッドに置いた。仰向けにされると背に回して固定された腕が邪魔に思えたが、これから挿入されると思うとどうでもよかった。
「早く、早くぅ、せーんぱいっ、はーやーくっ」
縛られた身体を揺らしても今度は痛くない、縄がほどよく皮膚にくい込むのが気持ちよく思える。
「センパイ……? なんで脱がないんですか?」
純粋な疑問を口にした瞬間、乳首をつねられて絶頂した。
「ふ、ふふっ……イっちゃった、俺の身体、すごいことになってますね」
タオルでの拘束と目隠しが外され、センパイの顔が見えて安心する。
「いい調子ですよね、これ……」
センパイは何も言わずに俺を見つめている。鋭い三白眼と目を合わせているだけで穴が疼き、太腿を擦り合わせてしまう。
「……なぁ、月乃宮……あの茶髪の男が好きなのか?」
「へっ?」
「…………以前、女の好みを聞いた時……茶髪で茶色い目の子が好きだなんて言っていただろう」
「それは女の子の好みでしょ。レンはただの友達です」
腹に手を置かれ、ぐっと押し込まれる。
「……本当に?」
俺はレンが好きなのに、レンはセンパイと俺のセックスを聞いても何の反応もなかった。
俺はレンが好きなのに、レンは俺を見てくれない、レンだけは俺に欲情してくれない。
「レンはただの友達ですって、信じてください」
俺は友達じゃ嫌なのに、レンは俺のこと友達としか思ってくれない。
「……好きな女は別の奴か。お前はもう俺以外じゃ満足出来ない、早く諦めるんだな」
快楽でとろけた頭でも何とか隠し通せた。安心したせいか、しなくてもいい反論をしてしまう。
「諦める……恋ってそんな楽なもんじゃありませんよ。センパイには分かりませんよね、恋なんてしたことないでしょ、無理矢理抱いて写真撮って脅してオナホにするようなあんたには! 俺の気持ちなんて絶対分からないっ!」
「…………月乃宮」
大好きなレンに他の男とのセックスを聞かせてしまった気持ち、センパイに分かるわけがない。反応してくれなかった痛みなんて、きっともっと分からない。
好きな男にいつまでもオナホ扱いされている痛みなんて、オナホ扱いされる気楽さなんて、センパイにはきっと理解出来ない。
「……月乃宮、俺はっ……お前、が………………お前が、何を感じているか、何を考えているかなんて、どうでもいい」
センパイは言葉に詰まりながらそう言った。目を逸らしたセンパイの顔を両手で包み、唇を重ねて笑う。
「國行センパイ、それだからいいんですよ、センパイは……ねぇ、センパイ、俺ってクズなんです、最低なんですよ、人のこと傷つけて、迷惑かけて……分かってるのにどうしようもない。俺、もう人間やめたいです。センパイ……ねぇっ、國行センパイ……俺は、何になればいいんですか?」
「………………お前は俺のオナホだ」
「はい、そうです。センパイ……今日のセンパイは俺が言って欲しいこと言ってくれますね。さ、どうぞ。後輩オナホ、準備万端です」
センパイに好かれてみたかった、恋人になれと言って欲しかった。でも、そうなっていたら俺には逃げ場がなかった。
「……月乃宮」
俺の好意がレンに受け取ってもらえないように、俺は誰からの好意も受け取れない。俺を好きになってくれた人に俺が味わったような胸の痛みを感じて欲しくない。だから最近、誰に会っても辛い。
「…………縛ってもいいか?」
肉体だけの関係は最高だ。センパイはセックスが上手くて俺の思考を止めてくれるし、逃げ場として最適だ。
センパイは俺のことを好きじゃないから、そんな利用するような真似をしても罪悪感はないし、本当に最高だ。
「センパイ、どうして所有物に許可を求めるんですか?」
「……縛るぞ」
センパイはベッドの下から赤い麻縄を取り出した。
「…………兄ちゃんに縛り方を教えてもらったんだ」
右足首に縄が巻かれ、右足首を捕まえた縄は右太腿の根元に巻き付く。これで俺は右足を伸ばせなくなった。足の開閉は可能なようゆとりを持って右太腿から左太腿に縄が伸び、巻き付き、左足首を捕まえる。
「わ……足伸ばせませんね。俺、センパイに運んでもらわないとベッドからも降りられません」
「……オナホは自分で移動しない」
「そういうことですね。嬉しいです、せーんぱいっ」
今俺が浮かべている笑顔は本心からのものだ。もう愛情を求めるのも受け取るのも、恋を叶えようとするのも疲れた。人間でいたくない。
「…………腕を後ろに回せ」
うつ伏せにされ、言われた通りに腕を背に回す。
「はーいっ」
淫乱なバカにしてもらって性処理玩具として使ってもらう。今の俺にとってそれ以上の幸福はない。
「……痛くないか?」
「はい、もっとギッチギチにしてくださって構いませんよ」
「……ゆるいのか? ならこれくらいか」
胸にぴったり二の腕を添わせ、右手で左肘を、左手で右肘を掴むような辛い体勢で固定される。
「んっ……ぅ、はぁっ……ぁぁ……」
縄は体全体に及んだ、胸も締め付けられている。
「……苦しいか?」
「いえ、なんか……頭がボーッとしてきました」
「……上手く縛ると縄酔いというのをすることもあると兄ちゃんは言っていた。それか? 酒を飲んだ時のようになっているか?」
「酒、飲んだこと……ないです」
それよりベッドに顔を押し付ける体勢になっていて息苦しい。上体を起こそうと体に力を入れるだけで縄が軋み、全身が痛む。
「…………皮膚の色がおかしい。大丈夫か?」
「んー……? よく、分かりません……」
このままセックスにもつれ込んだら俺はどうなるんだ? 息をするのに胸を膨らませるのですら苦しいのに、センパイの方を見ようとするだけで痛いのに、全身を揺さぶられたらどんな苦痛が訪れるか分からない。それがSMなのか?
「……痛くないか? 苦しくないか? 本当のことを言ってくれ」
「痛いし苦しいです……けど、縛るってSMなんでしょ、痛くて苦しいので合ってるんじゃないですか?」
「……俺はお前に苦痛を与えたくはない。だから兄ちゃんに痛くも苦しくもない、それでいてマンネリ化しないために変わったやり方を聞いてたんだ」
センパイの声は必死そうで、鋭い瞳は心配そうで、センパイからの愛情なんて欲しがらないと決めたはずなのに嬉しかった。
「…………誰か帰ってきた。多分兄ちゃんだ、ちょっと待っててくれ、聞いてくる……」
ガタンと玄関扉が閉まった振動は家中に伝わる。センパイは慌てて部屋を出ていき、息苦しさを感じながらしばらく待っていると従兄を連れて戻ってきた。
「……兄ちゃん、これ、合ってる……? 月乃宮、苦しいし痛いって言ってて……」
「そう言ってんならほどいてやれよ」
しゅるしゅると縄がほどけていく。血が通っていく解放感に気分が落ち着く。
「……兄ちゃん、苦痛を伴わないセックス教えてくれるって言った」
「ちゃんとやりゃ伴わねぇの。キツく締めすぎなんだよ、言っただろ? 血ぃ止まったりして危ないから加減しろって。あと、動脈押さえんのは絶対ダメ」
「…………月乃宮がキツくしていいって言ったから」
「Mの言いなりになってどうする! いいか、MはマスターのM、SはサービスのSだとは言うし実際その側面が強い! SはMが興奮するレベルのストレスを見極めて与えてやらなきゃならない! でもな、あくまでもご主人様はSなんだよ!」
従兄は縄をほどく手を止めて熱く語り始める。もうかなりほどけていたので縄はセンパイが引き継いだ。
「危険なレベルの苦痛をMが求めだしたら「調子に乗るな駄犬」で一蹴! 放置もご褒美ですのでご心配なく! 放置されて興奮したら感度上がって微妙なやつでも痛いし一石二鳥! いや三鳥!」
「……兄ちゃん、俺は別にSMがしたいんじゃない」
「はいはい分かってるよ、ド素人のお前に縄渡した俺も悪かった」
「…………動けない、くらいでいい」
「さっきお前がやってたのでいいな? 今回は俺がやってやるけど、次からは拘束衣でも買えよ。月乃宮様、縛る前に軽くストレッチしてください」
従兄はセンパイから受け取った縄をほぐしている。従兄に言われた通りに伸びをしているとセンパイが俺を優しく抱き締めた。
「………………ごめん」
「センパイ? なんで謝るんですか……なんか俺が言っちゃったせいみたいですね、ごめんなさい」
センパイは縄の跡が残る俺の肌を力強く撫でている。血行をよくしたいのか、アザを消したいのか、両方なのか……どちらにしても嬉しくて、浅黒い頬に唇を触れさせた。
「よし、國行、どけ」
「……緩く、頼む」
従兄はセンパイと同じ縛り方をしたが、センパイにされた時と違って苦痛はない。動けない不快感くらいのものだし、センパイに頭を撫でられると動けないのは安心感に変わった。
「センパイ……頭、ふわふわする」
「……兄ちゃん」
「普通より緩めにやってる。興奮してるだけだろ」
「…………これが縄酔い?」
「お、よく覚えてたな。そうかもな、俺は月乃宮様じゃないから分かんないけど。首とかにかけてないから平気だとは思うけど、やばかったら縄切っちゃえよ。じゃあな」
従兄が出ていくとセンパイは縛られた俺を自分の膝の上に乗せた。
「センパイ……」
腕を背で固定され、足を折り曲げて開脚したあられもない姿を三白眼に曝される。
「…………小さいのが震えてるな、可愛い」
低く甘い声で囁いて、太い指で俺の陰茎を軽くつまむ。その瞬間、精液が噴き出した。
「……イったのか? 触っただけだぞ」
「え……? な、なん、で……? ぁ……なんか、ふわふわして……センパイ、なんか、感覚が変です……」
「…………大丈夫か?」
センパイは心配そうに眉を下げ、白濁液に汚れた俺の腹を撫でた。優しくだが力強い愛撫は外側から俺の性感帯を刺激し、俺を絶頂させた。
「ひぐっ……! ぅ、あ……? また、イった……せ、せんぱい、せんぱいぃっ……俺、変……」
「……そうだな。縄をほどくか、多分原因は縄だ」
「え……? や、やだっ……センパイ、縄が原因ならこのまま抱いて……俺を変にしてください。センパイ……俺、センパイに気持ちいいことして欲しい……」
「……苦しくないか?」
「敏感になってるだけですから……苦痛は全くないです」
敏感すぎて快楽が拷問のように訪れるかもしれないけれど、そう考えると何故か胸が弾む。
「…………分かった。どうなっても文句は言うなよ」
「言いませんよぉ……早く、入れて」
センパイは薄く笑って俺をベッドに置いた。仰向けにされると背に回して固定された腕が邪魔に思えたが、これから挿入されると思うとどうでもよかった。
「早く、早くぅ、せーんぱいっ、はーやーくっ」
縛られた身体を揺らしても今度は痛くない、縄がほどよく皮膚にくい込むのが気持ちよく思える。
「センパイ……? なんで脱がないんですか?」
純粋な疑問を口にした瞬間、乳首をつねられて絶頂した。
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