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後輩について従兄に相談してみた

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目を覚ますとセンパイはいなかった。身体は綺麗にされてセンパイのトレーナーだけを着せられており、立とうとすると足腰が震えて倒れてしまった以外に不満点はない。

「あぁー……やらかした」

センパイの部屋で一人、先程のセックスを猛省する。正確にはセックス中の発言だ。

「付き合ってないとか好きなわけないとか言っちゃったぁ……やべぇ、クソ……今日失言多すぎるだろ」

快楽に脳の容量が圧迫されて思考能力が下がっていた。先程のセックスが妙に激しかったのはセンパイを怒らせたからだろう。

「尻痛い……中も外もいたぁい……ちくしょぉ……気持ちよかったのがムカつく……なんで叩かれてイくんだよ、このド変態…………センパイ、なんで怒ったんだろ」

付き合ってないのは事実だ、俺がセンパイと付き合っていると思っていた方がセンパイは鬱陶しがるだろう。

「他の男に抱かれたからだけにしては怒りすぎだし……センパイおこなの俺の失言が原因だよなぁ」

好きなわけないと言ったから? 別にセンパイは俺の心なんかどうでもいいだろう、見た目が好きなだけなんだし、オナホって呼ぶし。

「あんな抱き方するくせに……割と優しくしてくれるくせに……オナホって、なんだよ、惚れるなって牽制かよ、ちくしょう……」

出会ってすぐの頃、なかなか名前を覚えてくれなかった。今でも下の名前を覚えているかは怪しい。
俺が他の男に抱かれたら怒るけれど、センパイは他の金髪の男を抱いているかもしれない。ピアスホールの関係で俺に会っていなかった間、代理のオナホが居たかもしれない。
なんでだろう、その可能性を考えるだけで胸が痛くなる。

「フルーツ白玉…………食べたいなぁ、センパイに連れてって欲しい……セックス以外のことしたいよ……センパイ」

ぶつぶつ独り言を呟いていた俺は、センパイに機嫌を治してもらう方法を探して自分の記憶を漁った。そしてセンパイの従兄と話していた時に怖めの心霊現象が起きたことを思い出した。

「せ、せんぱい……?」

幽霊避けにはタバコ、幽霊を怒らせないにはセックスが有効だと聞いた。常にセックスしているわけにはいかないから、タバコの匂いをまとうセンパイの傍に居たい。

「センパーイ……うぅ……クソ、足ガクガクする……」

膝立ちで壁伝いに廊下を進むと、リビングにセンパイを見つけた。従兄と話しているようだ。邪魔するのは悪いかな、隣に座るくらいはいいかな……ぐるぐる考えながら話を立ち聞き、いや、膝立ち聞きする。

「…………どう謝ればいいのか分からない。セックス中にすぐに謝ったが、覚えているか分からないからもう一回謝りたい。でも……改まってとなると、どうすればいいのか」

「気持ちよさそうにしてたんならいいんじゃねぇの」

「……叩くなんて、ダメだ」

どうやらセンパイはセックス中に俺を叩いたのを悔いているようだ。平気で人にタバコを押し付けるくせに、どうしてそんなこと気にするんだろう。

「…………親父と一緒になる。母さんは親父が暴力的なのが嫌で出ていったんだ、俺は親父と一緒になりたくない」

「喧嘩やめれば? 筋肉落としてさ。ちょっとは闘争本能的なん薄れるやろ」

「……向こうから来るんだ、殴られる前に殴らなければ怪我をするだけだ。筋肉は……カッコイイって言ってたから、嫌だ」

「じゃあ体位を工夫するとかどうよ、背面座位とかなら叩きにくいだろ。あとほら、手ぇ繋ぐやら抱き締めとくやらして手の動き封じるとか」

「…………なるほど、ありがとう兄ちゃん」

解決したかな? 今なら入ってもいいだろうか。しかしセンパイ、かなり気遣ってくれているみたいだな。
セックス中もよく痛くないかとか聞いてくれるし、やっぱり根はいい人なんだ。俺のことオナホって呼ぶけど。

「ま、とりあえず二人で話せよ。ちょうどそこ居るし」

従兄からは見えない位置に居たはずなのに、彼は俺を見つけていた。そんなに物音を立てたつもりもないのに。
困惑するうちにセンパイが俺の前に屈む。感情が読めない三白眼でじっと見つめられ、怖さから愛想笑いを返す。

「………………叩いて、悪かった」

「あ、いえ……大丈夫です。俺の方こそすいません、なんか怒らせちゃったみたいで」

「…………月乃宮、お前は……俺が、嫌いか?」

「え? いや、嫌いだったら抱かれませんよ」

「………………好きか?」

俺はただのオナホなのに、好きだって答えたら「面倒臭い奴だ」と捨てられないだろうか。

「……月乃宮? 俺のこと……好きじゃないのか」

見つめ合ったセンパイの顔は残念そうに見える。でも、表情筋の動きが鈍いセンパイのことだから、そう見えるのは俺の願望かもしれない。恐る恐る首を横に振った。

「…………違うのか? 好きなのか?」

俺が好きなのはレンだ。でも、レンはきっと俺を好きになってくれない。

「………………月乃宮?」

震えながら頷く。

「……好きか?」

再び頷くと大きな腕に捕まえられ、分厚い胸筋に呼吸を禁止される。

「…………お前はレイプされたのに、俺は責めてしまったから……拗ねて、好きじゃないなんて言ったんだな? 悪かったな……でもな、お前も言い方には気を付けろ。担任だったか? 力づくでなくても成績だとかで脅されたならそれは強姦だ、ちゃんとそう言え」

脅されたなんて言ったっけ? センパイ、自分の中で物語を作りがちなんだよな。一応確認はしてくるから訂正しない俺が悪いけど。

「被害者責めたのかよ」

「……こいつが、セフレみたいになってたって言うから……勘違いして」

「叩いたんよりそっち重点的に謝っとけよ」

「…………ごめんな、月乃宮。お前がもう二度と誰かに襲われないよう、ずっと傍に居てやる。朝は家まで迎えに行く、帰りは家まで送ってやる。学校は……休み時間になったらお前の教室に行く、引っ張り出されそうになっても俺が来るまでなら耐えられるな? 移動教室は事前に言えよ」

「國行めっちゃ喋るじゃん。めっずらし……とりあえず廊下に座り込むんやめたら?」

従兄に促されたセンパイは俺を抱きかかえてソファに移動した。俺は何故か従兄とセンパイの間に座らされた。従兄はセンパイよりは細身とはいえ十分に筋骨隆々、ごつい男に挟まれて窮屈だ。

「さ、國行。落ち着いたところで……ちゃんと気持ちいいスパンキングの力加減ってやつをお兄ちゃんが教えてやろう」

「スパンキングってなんですか?」

「叩くってことですよ。月乃宮様、気持ちよくなってたって國行から聞きましたから、ちゃんと教えておいてあげないとなっと思いまして」

「えっ……い、いや、俺叩かれるのは、ちょっと」

「……月乃宮が嫌ならいい、俺は兄ちゃんと違ってSMの趣味はない」

センパイがSMに興味がないのは意外だな。センパイ自身に快感はないのに俺を指だけでイかせまくったりするし、前に土下座させられたし、そもそもオナホって呼ぶし……どう考えてもSなのになぁ。

「…………痛いのはなしで月乃宮がもっと喜びそうなのはないか?」

「月乃宮様、何か好みあります?」

「な、ないですよ……別に。センパイ、俺今のままでいいですって、失神するくらいイかせてくれるじゃないですか、十分ですよ」

むしろ今以上になってもらっては困る。

「だってよ國行。じゃあ俺そろそろ仕事行ってくる」

「…………兄ちゃん、待ってくれ、まだ相談がある」

「なんだ?」

センパイは無言のまま目を泳がせ、最終的に俺を見つめた。従兄は少し笑って立ち上がり、ポンっとセンパイの頭を撫でた。

「またな、國行」

「………………ばいばい、兄ちゃん」

軽く手を振って見送ったが、リビングの扉が閉じた瞬間にセンパイは深く俯いて分かりやすく落ち込んだ。

「センパイ、もしかしてお兄さんと話したかったんですか? すいません……なんか、俺が話切り上げちゃったみたいで」

「…………いや、いい」

雨雲を背負っているような落ち込み方だ。いいと言われても気になってしまう。

「センパイ……元気出してください。また来てくれますよ、その時までに話すこと考えておきましょう?」

「…………落ち込んだ、から……揉む」

「あ、はい……とりあえずそっちですね。どうぞ…………ぁっ」

ソファを降りてセンパイの前に立つと抱き寄せられ、センパイの膝に右膝を乗せさせられた。センパイの首に腕を回し、足を軽く開いた状態の尻を揉まれる。

「んっ……センパイ、國行センパイのっ……手、すごいですね。おっきくて、力強くて……俺の……こんなに形変わって……」

自分の尻肉がセンパイの手に形を変えられるのが不思議に思える。

「……お前の尻が柔らかいんだ。ずっと触っていたいな」

「そんなっ……こと、な、ぁっ……ん、んんっ……」

「…………尻を少し揉まれただけで喘ぐのか。狙われるわけだ、ちゃんと守ってやらないとな……」

さっき部屋で同じように色んなところを揉まれていた時のことを思い出す。

「セ、センパイっ……あの、白玉……食べたいです」

「…………あぁ、さっき言った店のことか。行きたいのか?」

「は、いっ……」

「………………分かった。今度行こう」

嬉しいけれど、返答の遅さと声の低さが不安になる。センパイは本当は行きたくないのかもしれないとか、オナホのくせにワガママだとか思われたかもしれないとか、不安が後から後から湧いてくる。

「セ、センパイっ……センパイ、あの」

「……ん? あぁ……キスか」

「へ? ち、ちが……んむっ、ん、んぅ……」

唇を重ねながら尻穴の縁を指で軽く擦られると膨らみかけていた陰茎が完全に勃ち、寝ている間に着せられていたセンパイのトレーナーを押し上げる。

「……勃起したな。次、どうして欲しいかねだってみろ」

むにむにと尻肉を揉みしだかれながら耳元で囁かれ、俺は快楽を求める本能のままに愛撫をねだった。
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