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腹いせの結果

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シンヤが自分自身にかけてしまった精液を洗い流すという名目で身体を撫で回し、それが終わったらまたシンヤを絶頂させて身体が汚れているとイチャモンをつけて身体をまさぐってまた射精させてまた──というのを繰り返した結果、シンヤを怒らせてしまった。

「シ、シンヤくん……? そろそろ機嫌直してくれた?」

隙間なく並べていた二つの布団の間には握り拳一つ分の隙間が空いている。僕がイタズラを終えて二人で温泉を上がり、新しい浴衣に着替えた後、シンヤが布団を離して僕に背を向けて寝転がったのだ。

「シンヤくぅん……」

無言の抗議の内容は完璧に分かる。イタズラの最中シンヤは「もうやめて」「本当に嫌だ」「はやく寝たい」と言っていて、僕はそれを「まぁまぁ」となだめてシンヤをイかせまくった。反省はしている、後悔はしていない。だって「もぉやだぁ……」って弱々しく喘ぐシンヤが可愛かったから、後悔は出来ない。

「……今日は、早く寝たかったんだ。明日……ヒロくんといっぱい遊びたかったから。せっかくの旅行だからさ」

ようやく口をきいてくれた。

「なのにヒロくんがちまちまえっちな嫌がらせするから……拗ねちゃった。ごめんねヒロくん……せっかくの旅行なのに、拗ねて」

ようやくこちらを向いてくれた。

「ううんっ、僕がやり過ぎたんだ。気にしないでシンヤくん、謝らないで。僕に謝らせて、ごめんねシンヤくん」

「仲直りに……一緒に寝よ♡」

「うんっ!」

「もうえっちなことしちゃダメだよ」

布団の隙間が縮まることはなかったが、シンヤは掛け布団を持ち上げて僕を誘ってくれた。二人で眠るには布団は小さく感じたが、身を寄せ合う口実が出来てよかった。

「……ねぇヒロくん。温泉の……されたことは嫌だったんじゃないよ? 明日いっぱい遊びたかったから、今日は嫌だっただけ。ヒロくんがしてくれたことは、それ自体は、すごく嬉しかったから……勘違いしないで欲しいな」

「分かってるよ、シンヤくんはえっちなこと好きだもんね」

「そんな言い方……♡ いじわる♡」

「好きじゃなかった? えっちなこと」

シンヤが僕の意地悪な言葉を本心では嫌がっていないことは分かっている。彼が好む意地悪の程度を探りながら続けてみると、シンヤにぎゅっと抱き締められた。

「俺はえっちなことが好きなんじゃなくて、ヒロくんにされることが好きなだけ……♡ 他の人にされても嬉しくない、ヒロくんにならすっごく嬉しい♡ 胸の奥から温かくなって、幸せな気分になる♡」

「シンヤくん……!」

「でも今したら流石に本気で怒るよ」

「はい」

薄い浴衣一枚で密着しているのにお触り禁止なんて……と深いため息をつく。もう眠ってしまおうかと目を閉じると、シンヤは優しく背を叩いてくれる。幼子を寝かしつけるような手つきにときめいてしまって、逆になかなか眠れなくなった。


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