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寝てる間だからノーカン
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シンヤの腕枕で眠れるなんて、最高の時間と言えるだろう。けれど僕はシンヤに欲情してしまって、虚しさと自己嫌悪に苛まれた。
「はぁっ……はぁっ、シンヤくん、シンヤくんっ……!」
情けなくヘコヘコと腰を揺らし、シンヤの太腿に陰茎を押し付ける。シンヤはもう眠ってしまっていて反応はない。
「ごめんっ……寝てる、のに……ごめんねっ」
下着とズボン越しの陰茎をズボン越しの太腿にぶつけるなんて、情けないにも程がある。大した快感もないのに腰が止まらないのもカッコ悪い。
「クソ……夜更かしの意味なかったじゃん」
一人でこんな情けない真似をするくらいなら、シンヤに手コキでもしてもらえばよかった。一緒に眠れるのは嬉しいけれど、せっかくだしもっと話したかった。
「ん……♡」
穏やかな寝顔に欲情する自分を軽蔑しながらシンヤの頬を撫でる。すべすべの感触を楽しんでいるとシンヤは微かに声を漏らし、僅かに口角を上げた。
「可愛い……シンヤくん、寝てるよね?」
返事はない。僕はそっとベッドを抜け出し、トイレに入った。
「はぁー……」
一人きりの空間に安心し、下着とズボンを足首まで下ろして自慰に励む。真新しいシンヤの匂いや体温の記憶を反芻すると、既に刺激を与えられ先走りの汁を垂らしていた陰茎はすぐに精液を吐き出した。
「…………クソ」
射精後特有の自己嫌悪感がいつもより強い。このままでは嫌な考えを持ってしまいそうだったので、手早く処理を済ませてシンヤの私室へ戻った。
「ただいま……」
数分間の自己嫌悪はシンヤの顔を見た瞬間に彼への好意的な感情に塗り潰され、何の遠慮も躊躇もなくベッドに潜り込めた。
「……おやすみ、シンヤくん」
スッキリとした気分になった僕はシンヤの腕枕で眠りに就いた。優しい体温に包まれての睡眠は毎日の自宅での睡眠以上に上質なもので、昼過ぎには心地よく目覚められた。
「おはよ♡ ヒロくん♡」
「おはようシンヤくん」
「……顔色よくなったね♡ よかった、心配だったんだよ」
「そんなに変わった?」
きっと自分では分からない差異なのだろう、両親にだって分からないかもしれない。異常とも言える愛情を向けているからこその観察力だ。
「…………あのさ、シンヤくん」
「なぁに?」
「……今度また、デートしようよ。ちゃんとしたヤツ。遊園地とか、水族館とか、動物園とか……なんか、そういうとこ行こう」
「ヒロくん……♡ 別に無理して恋人っぽいことしてくれなくてもいいよ?」
やはり外出には気乗りしないのだろうか? 笑顔を見せてくれたのは一瞬だけで、その後は眉尻を下げて困ったような顔をした。
「無理してでも君と恋人っぽいことしたいんだよ。シンヤくんが出かけるの嫌なら諦めるけどさ……前みたいな情けないデートはしない、ちゃんと楽しませる、ちゃんと手繋いでイチャイチャしながら楽しめるところ選ぶから」
「そ、そこまで言うなら……うん、楽しみに待ってる」
気を遣わせてまでOKをもらったのは正しいのだろうか、いや、もう決めてしまったのだから今更考えても無駄だ。正解だったと言えるようなデートを計画すること、これが僕の次の目標だ。
「はぁっ……はぁっ、シンヤくん、シンヤくんっ……!」
情けなくヘコヘコと腰を揺らし、シンヤの太腿に陰茎を押し付ける。シンヤはもう眠ってしまっていて反応はない。
「ごめんっ……寝てる、のに……ごめんねっ」
下着とズボン越しの陰茎をズボン越しの太腿にぶつけるなんて、情けないにも程がある。大した快感もないのに腰が止まらないのもカッコ悪い。
「クソ……夜更かしの意味なかったじゃん」
一人でこんな情けない真似をするくらいなら、シンヤに手コキでもしてもらえばよかった。一緒に眠れるのは嬉しいけれど、せっかくだしもっと話したかった。
「ん……♡」
穏やかな寝顔に欲情する自分を軽蔑しながらシンヤの頬を撫でる。すべすべの感触を楽しんでいるとシンヤは微かに声を漏らし、僅かに口角を上げた。
「可愛い……シンヤくん、寝てるよね?」
返事はない。僕はそっとベッドを抜け出し、トイレに入った。
「はぁー……」
一人きりの空間に安心し、下着とズボンを足首まで下ろして自慰に励む。真新しいシンヤの匂いや体温の記憶を反芻すると、既に刺激を与えられ先走りの汁を垂らしていた陰茎はすぐに精液を吐き出した。
「…………クソ」
射精後特有の自己嫌悪感がいつもより強い。このままでは嫌な考えを持ってしまいそうだったので、手早く処理を済ませてシンヤの私室へ戻った。
「ただいま……」
数分間の自己嫌悪はシンヤの顔を見た瞬間に彼への好意的な感情に塗り潰され、何の遠慮も躊躇もなくベッドに潜り込めた。
「……おやすみ、シンヤくん」
スッキリとした気分になった僕はシンヤの腕枕で眠りに就いた。優しい体温に包まれての睡眠は毎日の自宅での睡眠以上に上質なもので、昼過ぎには心地よく目覚められた。
「おはよ♡ ヒロくん♡」
「おはようシンヤくん」
「……顔色よくなったね♡ よかった、心配だったんだよ」
「そんなに変わった?」
きっと自分では分からない差異なのだろう、両親にだって分からないかもしれない。異常とも言える愛情を向けているからこその観察力だ。
「…………あのさ、シンヤくん」
「なぁに?」
「……今度また、デートしようよ。ちゃんとしたヤツ。遊園地とか、水族館とか、動物園とか……なんか、そういうとこ行こう」
「ヒロくん……♡ 別に無理して恋人っぽいことしてくれなくてもいいよ?」
やはり外出には気乗りしないのだろうか? 笑顔を見せてくれたのは一瞬だけで、その後は眉尻を下げて困ったような顔をした。
「無理してでも君と恋人っぽいことしたいんだよ。シンヤくんが出かけるの嫌なら諦めるけどさ……前みたいな情けないデートはしない、ちゃんと楽しませる、ちゃんと手繋いでイチャイチャしながら楽しめるところ選ぶから」
「そ、そこまで言うなら……うん、楽しみに待ってる」
気を遣わせてまでOKをもらったのは正しいのだろうか、いや、もう決めてしまったのだから今更考えても無駄だ。正解だったと言えるようなデートを計画すること、これが僕の次の目標だ。
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