陰キャな僕がエセヤンキーに攻略された話

ムーン

文字の大きさ
上 下
235 / 298

覚悟を決めた日曜日

しおりを挟む
擦りすぎた陰茎がヒリヒリと痛い。自慰をし続けた結果だというのがカッコ悪いし、ついガニ股になってしまってカッコ悪さに歯止めがかからない。

「いってきまーす……」

シンヤのためだと言えば少しはカッコつけられるだろうか? いや、シンヤを前にしていると勃ってしまうからだなんてカッコつかない。

「ふぅ……ふぅ……」

夜遅くまで自慰をしていてほとんど眠れていない、それでも僕は早朝に自宅を出た。

「シンヤくん……」

今日はシンヤの家の前に車は止まっていない。鍵はあるが念のためインターホンを鳴らすと、すぐに扉が開いた。

「いらっしゃいヒロくん♡ おはよ♡」

「お、おはよう……随分出てくるの早いね」

「そろそろ来ると思って待ってたから♡」

「玄関で? そっか、ありがとう……でも身体冷やしちゃダメだよ」

玄関で僕を待っていただって? そんな忠犬のような健気な可愛さに僕の股間は──無反応。よしよし夜更かし自慰の効果が出ているぞ。

「この気温じゃ何やっても冷えないよ」

「そう油断してるとぶり返しちゃうから気を付けてね」

「分かったよ……それより早く上がって♡」

「うん、キッチン借りるよ」

シンヤ一人分の朝食を作り終え、美味しそうにそれを食べるシンヤを向かいの席で見守る。味噌汁を飲む口元も、箸を持つ指先も、油断しきった態度も、僕の陰茎はスルーしている。素晴らしい成果だ。

「ごちそうさまでした♡ 美味しかったぁ……♡」

二人で協力して食器を片付けたらシンヤの自室へ。部屋に入っただけで勃つこともあるが、今回は無反応。

「……ヒロくん今日なんか元気ない?」

「へっ? そ、そうかな……昨日ちょっと夜更かししたから」

夜更かし自慰は陰茎の元気だけでなく、僕からも元気を奪っていたらしい。言われてみれば頭がボーッとしてふらふらする。

「そっか、ごめんね俺のせいで早起きさせちゃって……日曜日だし昼まで寝るくらいどってことないよね♡ 一緒に寝よ♡」

「へっ? で、でも」

「いいから♡ 俺もちょっと眠いし♡」

小柄で非力な僕の抵抗なんてシンヤは感じることすらなく、僕を強引にベッドに連れ込んでしまった。

「……ヒロくんとこうやって寝るの久しぶりかも♡」

僕が彼を抱く側なのに、シンヤは僕に腕枕をしてしまった。

「僕が居眠りしたせいでシンヤくんが風邪引いちゃったんだよ……本当にごめん」

「ヒロくんの居眠りは関係ないよ。気にしないで♡」

両手で頭を抱き締められて顔がシンヤの胸に押し付けられてしまった。だが、胸に触れた程度で勃つほどウブじゃない。

「ヒロくん可愛い……♡ おやすみ…………ひぁっ♡♡ ぁ、ごめん大声出しちゃって……ヒロくんの鼻、乳首に擦れちゃって」

休みの日だからなのか、これから眠るからなのか、シンヤは絆創膏もブラも着けていない。ピンと勃った乳首はシャツに浮いている。

「ご、ごめんねっ、ちょっと顔引いとくよ」

「うん……♡ ごめんねヒロくん♡ ヒロくん優しいなぁ……♡」

先程の喘ぎ声が頭の中でぐるぐると回っている。シャツにぽつんと浮かんだ乳首から目が離れない。シンヤはもう目を閉じて眠ろうとしているのに、僕は目が冴えた上に勃起までしてしまった。

「……僕、本っ当にダメダメだな」

覚悟も努力も無駄だった、絶倫体質だって無駄なものだ。僕は自己嫌悪に苛まれながら、ヘコヘコと腰を揺らしてシンヤの太腿に陰茎を擦り付けた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

就職するところがない俺は男用のアダルトグッズの会社に就職しました

柊香
BL
倒産で職を失った俺はアダルトグッズ開発会社に就職!? しかも男用!? 好条件だから仕方なく入った会社だが慣れるとだんだん良くなってきて… 二作目です!

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

処理中です...