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汗拭きのつもりだったのに

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僕はただ純粋にシンヤの身体を清潔に保ってやりたかっただけだ。脱がしてどうこうなんて風邪を引いている今考えるわけはないし、たとえ考えてしまってもやるはずはなかった。

「ヒロくん……はやくぅ♡ はやく乳首して♡」

シンヤの方からねだってくるなんて想定外だ。だから仕方ないんだ。そう自分に言い聞かせ、僕はゆっくりとシンヤの乳首をつまんだ。

「んぁああんっ♡♡ ぁ♡ あぁっ♡ はっ……♡ げほっ、けほっ……」

「ちょ、ちょっとシンヤくん大丈夫!? そんな大声出すから!」

「だってぇ……♡」

「だってじゃない! もう満足した?」

手を離そうとするとシンヤに手首を掴まれ、止められた。

「やだ……もっと♡」

「もっとって君……あぁもう分かった、分かったからそんな泣きそうな顔しないで!」

乳首を弄って欲しくて泣き顔の演技をするなんて、弄ってもらえると分かって満面の笑みを浮かべるなんて、僕の恋人は淫ら過ぎる。

「んぁっ♡ ぁんっ♡♡ 何、ヒロくん優しっ……♡♡ んゃんっ♡♡ ぁああっ……♡♡」

「君がちゃんと息出来るようにそっとやってるんだけど、これじゃ焦れったい?」

「ううんっ♡ 嬉しい……♡ ひぁああっ……♡♡」

「風邪引いてるくせに……えっちだなぁ君は。キスしたいよ……」

僕に風邪が伝染したらシンヤは酷く気に病むだろう。僕のように片手間の看病ではなく、身体を壊すまで付きっきりで看病しようとするのだろう。だからキスはダメだ。

「あぁっ♡ ゃあぁ……♡♡ んんっ♡♡ ひぅううんっ♡♡ イっ……くぅぅっ♡♡」

ビクンッと一際大きく身体を跳ねさせたシンヤはぐったりと身を横たえた。仰向けに戻ったシンヤの頬は真っ赤で、胸は大きく上下している。これで悪化なんてしていたら僕はもう責任を取れない。

「はぁ……上半身終わったから拭くね」

お湯を含ませたタオルで泡を落とし、二枚目の乾いたタオルで水気を取る。さっき脱いだものとは別のパジャマを着せ、毛布をかける。

「次、下半身ね」

シンヤに腰を上げてもらい、バスタオルをベッドに敷く。ズボンと下着を脱がしたら膝を曲げて──シンヤの下着にはねっとりと精液が付着していた。

「…………膝軽く曲げて。そう、僕が洗いやすいように……うん、ありがとう」

精液はティッシュで拭い、僕は性欲を押し殺してシンヤの足を撫で洗い、震える手で尻と陰茎を洗った。ため息をついて泡を拭い取り、水分を拭い取る。

「……ありがとう♡ ヒロくん♡ すごくさっぱりした♡」

「だろうね……」

僕は身も心も疲れてしまった。

「頭は元気になってから自分で洗ってね。熱が出てるって言っても一日二日なら大丈夫だと思うけど……痒みとかないよね?」

「ないよ、いつも通り」

「みたい……だ、ね。触り心地変わんないよ」

シンヤの世話は一通り終わったけれど、帰る時間までにはまだ余裕がある。何かしようか、シンヤと話そうか……考える僕の服をシンヤが引っ張った。

「ね、ヒロくん」

「なぁに?」

「ヒロくん……俺の身体綺麗にしてくれて、ムラムラしちゃっただろ? だから、その……口でしようかなって♡」

「………………ばいばいおやすみまた明日っ!」

膨らんだ股間を指して淫らに微笑み、指で作った輪に舌をれろんと突き入れる。そんなシンヤから逃げるように僕は彼の家を飛び出した。
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