陰キャな僕がエセヤンキーに攻略された話

ムーン

文字の大きさ
上 下
178 / 298

こんな関係がいつまでも

しおりを挟む
スマホの中、手のひらに隠せるサイズのシンヤを見て、本当にこの大きさならいいのにと思ってしまう。もしそうだったら彼は学校に行けないからテスト勉強で僕を放っておかないし、僕がこっそり部屋に住まわせても大丈夫だからずっと一緒に居られる。

『あぁんっ♡ はぁんっ♡ んんっ♡ んぅう……♡ ぅああっ♡ おひりめくれりゅうぅっ♡♡』

もしシンヤが手のひらサイズだったら絶対に彼を抱けないけれど、彼がずっと僕の懐に居てくれるならそれでいい。たまに綿棒だとかで犯させてくれたらいい、僕の陰茎に抱きついて全身で扱いてくれたらいい、ずっと一緒にいたい。

「……っ、ふ……はぁっ、はぁっ……ぁ……」

先走りの汁で手がベタベタだ。

『んっ♡ んんっ……♡ んぁ? あっ、ヒロくん、ヒロくんもしてるっ? 勃つんじゃん……頑張って引き止めて抱いてもらえばよかった』

「ダメ……初めては、特別な日に、特別な場所で……一生の思い出になるようにしたい」

たとえこの先シンヤと別れることになっても思い出だけは──って、何を考えてるんだ僕は。そんなこと万が一にもありえない。男同士だからも、思春期だからも、関係ない。僕達の愛情は気の迷いなんかじゃなく命が燃え尽きるまで変わらない真実だ。

『そう考えてくれるのは嬉しいけどぉ……♡』

「……さっきは急に帰ってごめん。でも、あの時帰ってないと僕の今までの我慢も覚悟も無駄になる……君を抱く日まで二度と君を抱こうとしないよ」

『…………えへへっ♡ なんか日本語おかしいよ、ヒロくんってば♡ こしこしするのに夢中になっちゃった?』

「どっちかって言うと、君に夢中かな」

シンヤの顔が真っ赤になっていく。薄らと割れた腹筋が微かに動き、直後シンヤが仰け反って射精する。指一本足りとも触れられていなかったくせに精液を放った陰茎は次第に縮み、情けなく垂れた。

『……っ、ぅ……ん、んぅ…………イっちゃったぁ……♡ ヒロくんが、嬉しいこと言うからぁ……♡』

「んっ……! ん……? 何? ごめん……僕も今イったよ」

『イく瞬間のヒロくんめちゃくちゃ可愛かった♡』

「なっ……き、君ほどじゃないよ」

精液にまみれた手で自身の陰茎を掴んだまま、シンヤはディルドを後孔で咥えたまま、僕達は性的なことなんて知らない子供のように無邪気に笑い合った。

『…………ヒロくん大好き♡ 今日はテスト勉強出来そうにないけど、でもあんまり後悔はないかも♡』

「……そう。僕も今日は夜更かしせず寝ようかな」

『明日はえっちなこと誘わないでね? ちゃんと勉強しなきゃ』

「えー……善処するよ」

『善処じゃなくて、絶対』

念押しされてしまったが、明日は今日よりチョロくなっているだろうと僕は予想する。テスト勉強しなければいけない日に恋人とペッティングに励んだという背徳感の思い出が足を引っ張るはずだ。

「明日テスト勉強出来るかどうかは君の意思次第だよ」

『……まぁ、そうだね。ヒロくんの誘惑に勝ってみせるよ』

明日もシンヤを負かしてみせる。僕は笑顔の裏で覚悟を決めた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

大学生はバックヤードで

リリーブルー
BL
大学生がクラブのバックヤードにつれこまれ初体験にあえぐ。

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

処理中です...