161 / 298
テスト勉強なんてつまらない
しおりを挟む
結局、シンヤとは駅で別れた。今日は本当に遊びに行かせてくれないようだ、理由は「テスト前だから」と妥当だし、僕の方が非常識なのに、僕は今とてもショックを受けている。
「ただいまー……」
「ヒロ、おかえり。今日は早いのね」
「……これからしばらく早いよ」
帰り道でごねてみたが、シンヤの意思は硬かった。本当に中間テストが終わるまで十日以上僕と過ごしてくれないつもりだ。
「暗い顔ねぇ。どうしたの? シンヤくんと喧嘩でもした? どうせヒロが急にお尻触ったとかでしょ、はやく謝りなさいね」
「息子を何だと思ってるんだよ……! テスト前だからってシンヤくん僕に家に来るなって言うんだよ、酷くない? 頭いいくせに勉強しなきゃってさ、嫌味かよって感じだよ」
「テスト……そう、そろそろテストなのね。じゃあやっぱりシンヤくんが正しいじゃない。ヒロも勉強しなさい、シンヤくんは嫌味じゃなくていい子なの」
「ぅ……分かってるよ、シンヤくんは嫌味なんか言えない」
母につんつんとつつかれながら、善良な天然のシンヤの可愛さを思い出し、寂しさを膨らませた。
「寂しいなぁ……」
「学校で毎日会うでしょ?」
「そうだけどさぁ……」
たっぷりシンヤと過ごした日でも夜中は寂しい、シンヤはそう思ってはいないのだろうか? だとしたらもっと寂しいな。
シンヤに家に遊びに来るなと言われた翌日、駅でシンヤと落ち合う。
「シンヤくん! おはようっ……!」
「ヒロくん♡ おはよ♡」
抱き締め合い、離し、手を繋いで電車に乗る。
「シンヤくん、昨日……どうだった?」
「勉強してたよ。ヒロくんは?」
シンヤに似ている子が主人公のBLエロラノベ読んで抜いてたとか言えないよな。
「まぁまぁ……かな」
「そっか」
「……僕、ちょっと寂しかったんだ。シンヤくんは?」
「マジで超寂しかったよ~♡」
きゅっと抱き締められ、シンヤが寂しく思ってくれていたことに安堵する。
「じゃあさ、今日は勉強会にしない? ほら、一人でするより一緒にやった方が効率いいとか言うよ?」
「……ごめんね」
「…………ぁ、いや、いいよ……僕の方こそ。なんか邪魔してるみたいだよね、ごめん」
邪魔なんかじゃないとシンヤは言ってくれたけれど、僕は勉強に集中したがるシンヤに苛立っている自分への嫌悪感でいっぱいいっぱいだった。
学校に着いてからも、シンヤは休み時間も勉強をした。話すどころか視線すらくれないシンヤに僕はもはや恨みに近い感情を抱いた。
昼休みは流石に一緒に昼食を食べてくれたし、その時には話してくれた。朝の電車ぶりの会話だ。
「ごちそうさま」
「シンヤくん、あの……」
「ごめんね、リスニングやりたいから」
変態行為をさせて欲しいなんて思っていない、純粋なスキンシップやくだらない会話がしたかった。なのにシンヤはさっさとイヤホンを付けて勉強用のアプリを始めてしまった。
「…………僕との時間より、点が大事かよ」
スマホを奪い取りたい衝動を抑え、的外れな恨みを小声で発散し、テストが終わるまでの辛抱だと自分に言い聞かせてシンヤの隣に蹲った。
「ただいまー……」
「ヒロ、おかえり。今日は早いのね」
「……これからしばらく早いよ」
帰り道でごねてみたが、シンヤの意思は硬かった。本当に中間テストが終わるまで十日以上僕と過ごしてくれないつもりだ。
「暗い顔ねぇ。どうしたの? シンヤくんと喧嘩でもした? どうせヒロが急にお尻触ったとかでしょ、はやく謝りなさいね」
「息子を何だと思ってるんだよ……! テスト前だからってシンヤくん僕に家に来るなって言うんだよ、酷くない? 頭いいくせに勉強しなきゃってさ、嫌味かよって感じだよ」
「テスト……そう、そろそろテストなのね。じゃあやっぱりシンヤくんが正しいじゃない。ヒロも勉強しなさい、シンヤくんは嫌味じゃなくていい子なの」
「ぅ……分かってるよ、シンヤくんは嫌味なんか言えない」
母につんつんとつつかれながら、善良な天然のシンヤの可愛さを思い出し、寂しさを膨らませた。
「寂しいなぁ……」
「学校で毎日会うでしょ?」
「そうだけどさぁ……」
たっぷりシンヤと過ごした日でも夜中は寂しい、シンヤはそう思ってはいないのだろうか? だとしたらもっと寂しいな。
シンヤに家に遊びに来るなと言われた翌日、駅でシンヤと落ち合う。
「シンヤくん! おはようっ……!」
「ヒロくん♡ おはよ♡」
抱き締め合い、離し、手を繋いで電車に乗る。
「シンヤくん、昨日……どうだった?」
「勉強してたよ。ヒロくんは?」
シンヤに似ている子が主人公のBLエロラノベ読んで抜いてたとか言えないよな。
「まぁまぁ……かな」
「そっか」
「……僕、ちょっと寂しかったんだ。シンヤくんは?」
「マジで超寂しかったよ~♡」
きゅっと抱き締められ、シンヤが寂しく思ってくれていたことに安堵する。
「じゃあさ、今日は勉強会にしない? ほら、一人でするより一緒にやった方が効率いいとか言うよ?」
「……ごめんね」
「…………ぁ、いや、いいよ……僕の方こそ。なんか邪魔してるみたいだよね、ごめん」
邪魔なんかじゃないとシンヤは言ってくれたけれど、僕は勉強に集中したがるシンヤに苛立っている自分への嫌悪感でいっぱいいっぱいだった。
学校に着いてからも、シンヤは休み時間も勉強をした。話すどころか視線すらくれないシンヤに僕はもはや恨みに近い感情を抱いた。
昼休みは流石に一緒に昼食を食べてくれたし、その時には話してくれた。朝の電車ぶりの会話だ。
「ごちそうさま」
「シンヤくん、あの……」
「ごめんね、リスニングやりたいから」
変態行為をさせて欲しいなんて思っていない、純粋なスキンシップやくだらない会話がしたかった。なのにシンヤはさっさとイヤホンを付けて勉強用のアプリを始めてしまった。
「…………僕との時間より、点が大事かよ」
スマホを奪い取りたい衝動を抑え、的外れな恨みを小声で発散し、テストが終わるまでの辛抱だと自分に言い聞かせてシンヤの隣に蹲った。
0
お気に入りに追加
295
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店
ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。
【BL】SNSで人気の訳あり超絶イケメン大学生、前立腺を子宮化され、堕ちる?【R18】
NichePorn
BL
スーパーダーリンに犯される超絶イケメン男子大学生
SNSを開設すれば即10万人フォロワー。
町を歩けばスカウトの嵐。
超絶イケメンなルックスながらどこか抜けた可愛らしい性格で多くの人々を魅了してきた恋司(れんじ)。
そんな人生を謳歌していそうな彼にも、児童保護施設で育った暗い過去や両親の離婚、SNS依存などといった訳ありな点があった。
愛情に飢え、性に奔放になっていく彼は、就活先で出会った世界規模の名門製薬会社の御曹司に手を出してしまい・・・。
新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~
焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。
美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。
スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。
これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語…
※DLsite様でCG集販売の予定あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる