陰キャな僕がエセヤンキーに攻略された話

ムーン

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先日買っていただいた下着です

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空が茜色に染まる頃、僕と両親とシンヤの四人は玄関に集まっていた。

「本当に食べていかないの? ご両親帰ってこないんでしょう、一緒に食べましょうよ」

「ありがとうございます……でも、作り置きしてる料理、そろそろ食べないとまずいので」

シンヤは夕飯前に帰ると言い出した。僕は何となくシンヤは泊まっていくのだと思い込んでいたが、僕もシンヤの家に泊まったことはないし、明日は月曜なのに泊まるなんてありえない。僕はバカだ。

「駅まで送るよ」

「でも、すぐ暗くなるよ?」

「送りたいんだ。大丈夫だよ、少しくらい暗くなったって」

二人で僕の自宅を出て紙袋片手に指を絡めて手を繋ぎ、駅へと向かう。夕日に照らされたシンヤの金髪はキラキラと輝いていた。

「……ねぇシンヤくん、髪……染め直したりするの?」

「ヒロくんどうして欲しい?」

「僕はシンヤくんのしたいようにして欲しいよ」

「そう……? うーん……どうしようかな」

好みのプリン頭のカラメル部分が増えていく様子を間近で観察していられるなんて最高の気分だ。シンヤがどちらを選択するとしてももうしばらくはカラメルの浸食観察を楽しめるだろう。

「あ、駅着いちゃった……もう少し遠かったらよかったのにな」

「……ふふ♡ 明日、楽しみにしてて♡」

「そうだね、また明日会えるもんね。ばいばい、シンヤくん」

「ばいばーい♡」

改札の奥へと消えていくシンヤが完全に見えなくなるまで僕はその場から動けなかった。何とも言えない寂しさを胸に、美味しい夕飯が完成しているだろう家に帰る。その道中「シンヤは帰った後で自分で夕飯を用意しなければならないんだよな……」と憐れむでも何でもなくただ考えた。



翌日、感動的でも何でもない毎朝恒例の再会を果たし、共に学校へ向かった。隣の席なので授業中も寂しくない。休み時間になるとシンヤは僕を屋上への扉前へ連れて行った。

「シンヤくん、ここで何がしたいの? 十分しかないし、その……えっちなことは無理だと思うよ」

「見て欲しいだけ♡」

そう言うとシャツのボタンを外し、いつもよりも分厚い肌着をめくり上げて黒いレースのセクシーな下着を晒した。

「へ……? えっ、なっ、それ着てきちゃったの!?」

「うん♡ 今日は体育ないし……ヒロくん喜ぶかと思って♡」

「そりゃ喜んだけどさ……」

白い肌をまばらに隠す黒い下着は目に毒だ。鼓動は早くなり、血は下腹部へ集まっていく。

「早めに見せておいたらヒロくんずっとムラムラしてるだろうなーって思ってさ、今見せた♡ 昼休み楽しみ♡」

「……シンヤくんもそういうの分かるようになってきたんだね」

「チラチラ意識させて、授業に集中出来なくしてやる♡」

「今見ただけでも出来なくなってると思うけどね」

昼休みが楽しみということは、三時間分の僕のムラムラをぶつけられるのが楽しみということ。今日はたっぷりとシンヤを弄ってやれそうだ。
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