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本人の好みも尊重したい
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鼻血が止まったらバックヤードを出て下着売り場に戻った。着いてきたシンヤは不思議そうな顔をしている。
「ヒロくん、俺下着もう買ったよ?」
「普段使いのやつ欲しいでしょ? ごめんね僕の趣味に合わせてもらっちゃって……だからシンヤくんが本当に欲しいのは僕が買う、これだっけ?」
イチゴ柄の下着を取るとシンヤは首を横に振った。
「……イチゴ柄は、流石に恥ずかしい。シマシマの方がいいな」
「欲しい物でいいんだよ、僕しか見ないんだから」
「体育で着替える時とか見られるかもしれないし」
男性用なのだが女性物の下着を着ている同級生を見た男子高校生がどうなると思う? 性癖がひん曲がってその同級生に襲いかかるようになるんだ、そうに違いない、シンヤを襲わせてたまるか。
「見せない! 僕が見せない、絶対見せない!」
「えっ、ぁ……そ、そう? まぁでも、どっちも似たような着心地だったし、これから暑いから涼しそうな見た目のシマシマがいいな」
「シンヤくんがそれでいいならこれ買うよ」
ボーダーとか言わずにシマシマって言うところ、シンヤの可愛いところだよなぁ。
「お会計?」
「ベビードール欲しいなぁ」
ベビードールとは女性用の寝間着で、大抵リボンやフリルで飾られた、丈の短いワンピースのような、丈の長いキャミソールのような……まぁそんな感じのやつだ。シースルーも多く、僕はそれを望んでいる。
──という具合にシンヤに説明した。
「どう? 分かった? っていうか見た方が早いよ、これこれ」
「え……俺これ着るの? 似合わないと思うけど、冷静に考えたらこの下着も似合ってないと思うけどっ……ヒロくんの趣味分かんないよ俺」
分からなくてもいいからベビードールを着て僕に抱かれてくれ、出来ればバックで。なんて言えたら陰キャなんてやってない。
「似合うよ、少なくとも僕はこれを着たシンヤくんは可愛いと思う」
「うーん……まぁ、俺はヒロくんにさえハマればいいから別にいいけどさぁ」
嫌とまでは言わないが、気が乗らない。そんなところだろうか。
「……で、どれ買うの?」
「ベビードールはやっぱピンクでしょ! ピンクピンク……あった、これ! このフリッフリの可愛いの! これ着たシンヤくん後ろからガンガンっ……あぁ想像するだけでもうっ!」
「…………ガンガン、なぁに? ヒロくん」
「へっ? ガンガン? ぁ……声、出てた?」
心の声が丸ごと外に出てしまっていたようだ。僕の卑猥な妄想はあまりシンヤには知られたくないのに、僕の口は脳と繋がりが強すぎる。
「俺を後ろからガンガン……♡ 何しちゃうの? ヒロくん俺に何する気?」
「ゃ、あの……ガンガン、ガンガン、その……」
「んー?」
見た目にあった挑発的な笑顔を浮かべ、顔を近付けて僕をからかうシンヤの腰に手を回す、尻を鷲掴みにしてやる。
「ガンガンっ……このケツ突きまくってやるから覚悟しとけよ吉良深夜っ!」
ヤケになって叫び、目を見開いて驚いているシンヤを見て後悔する。しかし──
「ヒロくぅぅん……♡♡♡ うん♡♡ 突いて♡♡♡」
──今回は怪我の功名、僕はほぅっと安堵のため息をついた。
「ヒロくん、俺下着もう買ったよ?」
「普段使いのやつ欲しいでしょ? ごめんね僕の趣味に合わせてもらっちゃって……だからシンヤくんが本当に欲しいのは僕が買う、これだっけ?」
イチゴ柄の下着を取るとシンヤは首を横に振った。
「……イチゴ柄は、流石に恥ずかしい。シマシマの方がいいな」
「欲しい物でいいんだよ、僕しか見ないんだから」
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男性用なのだが女性物の下着を着ている同級生を見た男子高校生がどうなると思う? 性癖がひん曲がってその同級生に襲いかかるようになるんだ、そうに違いない、シンヤを襲わせてたまるか。
「見せない! 僕が見せない、絶対見せない!」
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「シンヤくんがそれでいいならこれ買うよ」
ボーダーとか言わずにシマシマって言うところ、シンヤの可愛いところだよなぁ。
「お会計?」
「ベビードール欲しいなぁ」
ベビードールとは女性用の寝間着で、大抵リボンやフリルで飾られた、丈の短いワンピースのような、丈の長いキャミソールのような……まぁそんな感じのやつだ。シースルーも多く、僕はそれを望んでいる。
──という具合にシンヤに説明した。
「どう? 分かった? っていうか見た方が早いよ、これこれ」
「え……俺これ着るの? 似合わないと思うけど、冷静に考えたらこの下着も似合ってないと思うけどっ……ヒロくんの趣味分かんないよ俺」
分からなくてもいいからベビードールを着て僕に抱かれてくれ、出来ればバックで。なんて言えたら陰キャなんてやってない。
「似合うよ、少なくとも僕はこれを着たシンヤくんは可愛いと思う」
「うーん……まぁ、俺はヒロくんにさえハマればいいから別にいいけどさぁ」
嫌とまでは言わないが、気が乗らない。そんなところだろうか。
「……で、どれ買うの?」
「ベビードールはやっぱピンクでしょ! ピンクピンク……あった、これ! このフリッフリの可愛いの! これ着たシンヤくん後ろからガンガンっ……あぁ想像するだけでもうっ!」
「…………ガンガン、なぁに? ヒロくん」
「へっ? ガンガン? ぁ……声、出てた?」
心の声が丸ごと外に出てしまっていたようだ。僕の卑猥な妄想はあまりシンヤには知られたくないのに、僕の口は脳と繋がりが強すぎる。
「俺を後ろからガンガン……♡ 何しちゃうの? ヒロくん俺に何する気?」
「ゃ、あの……ガンガン、ガンガン、その……」
「んー?」
見た目にあった挑発的な笑顔を浮かべ、顔を近付けて僕をからかうシンヤの腰に手を回す、尻を鷲掴みにしてやる。
「ガンガンっ……このケツ突きまくってやるから覚悟しとけよ吉良深夜っ!」
ヤケになって叫び、目を見開いて驚いているシンヤを見て後悔する。しかし──
「ヒロくぅぅん……♡♡♡ うん♡♡ 突いて♡♡♡」
──今回は怪我の功名、僕はほぅっと安堵のため息をついた。
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