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もしかしてそれが本性?
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押し入れから布団を六つ引っ張り出し、うち四つは何もせずに放置し、自分達の分だけ広げて隣同士にしておく。
「ヒーローくぅーん♡ そういえばヒロくんの部屋着見るのって初めてかも♡」
敷いた布団の上に座っていたらシンヤが抱きついてきた。
「あ、あぁ……そうだね」
「部屋着はあんまりダサくないね」
オタク感を誤魔化したいがためにダサくなっているようなので、誤魔化しが必要ない部屋着は黒の無地というどっちにもならないデザインだ。
「……ねぇ、さっきなんですぐ返事してくれなかったの? みんなと遊びたかった? 迷ってたの? 俺はヒロくんと二人きりがいいって即答だけどなぁ……ヒロくんは違うの?」
僕をぎゅうっと抱き締めて僕の頭に頬擦りをしながらねっとりと話す。様子がいつもと違う、宿泊学習でテンションが変になってるのかな? それともこっちが本性?
「僕……他人が苦手でさ。シンヤくんのことも初めは避けてただろ? だから、アイツらに話しかけられて……その、緊張? して、返事出来なかったんだ。僕アイツら苦手だし、シンヤくんがこの部屋に居なくても、一人になるだけだったとしても、行きたくなかった……シンヤくんと二人になれるなら僕も即答だよ、即答……怖くて出来なかったけど」
「…………ふぅーん? そっかぁ♡ ヒロくん可愛い♡ 他の人苦手なんだ♡ 俺だけがいいんだ♡ 可愛い♡」
頬擦りが激しくなってきた。頭の左斜め上辺りの髪がぐしゃぐしゃになっていく。
「よかったぁ♡ ヒロくんがみんなと遊びたいとか言ったらやだもん、ずーっと一緒がいい♡ ヒロくんヒロくん俺のヒロくん♡ ヒロくんは俺の彼氏……♡ 俺だけのヒロくん♡」
これが本性っぽいな。僕に嫌われないように控えめになっているのは分かっていたが、僕に好かれている自信がつくとこうなるのか。
「……シンヤくん、本当は独占欲強いんだね」
「え……? ぁ、い、嫌だった?」
「ううん、今まですごく健気で控えめだったから……何かあったら勝手に身を引いちゃいそうで怖かった。そんなに想ってくれてるなんてすごく嬉しいよ」
「あ……! はぁっ……♡ あぁあ……♡ ヒロくん♡ ヒロくん好き♡ 好きぃっ♡ 大好き……♡♡」
僕の機嫌を取りたくて僕だけに張り付いていたわけではなく、本心から僕だけでいいと思ってくれていたのなら、もう──シンヤに友達を作らせるだとか、シンヤに一人の時間を与えるだとか──そんな遠慮は必要ない。
「……僕達、本当に相性がいいよ」
僕は他人が苦手で、シンヤとだけ一緒に居たい。
シンヤは他人がどうでもよくて、僕とだけ一緒に居たい。
怖いくらいに完璧な合致だ。僕とシンヤは出会うべくして出会ったのだ。
「愛してる」
「ぁ、あぁぁっ……♡ 嬉しい♡ 嬉しいヒロくんっ♡ 俺も愛してる♡ 俺以外の奴見ちゃ嫌だ!」
「見るわけないじゃん。シンヤくんも僕だけ見ててよ?」
「当たり前だよっ! 俺がヒロくん以外見るわけない!」
「嬉しい……シンヤくん、もう一回キスしよ、ううん……何回でもいい、何回もしよう」
シンヤからの返事は言葉ではなく、唇で行われた。
「ヒーローくぅーん♡ そういえばヒロくんの部屋着見るのって初めてかも♡」
敷いた布団の上に座っていたらシンヤが抱きついてきた。
「あ、あぁ……そうだね」
「部屋着はあんまりダサくないね」
オタク感を誤魔化したいがためにダサくなっているようなので、誤魔化しが必要ない部屋着は黒の無地というどっちにもならないデザインだ。
「……ねぇ、さっきなんですぐ返事してくれなかったの? みんなと遊びたかった? 迷ってたの? 俺はヒロくんと二人きりがいいって即答だけどなぁ……ヒロくんは違うの?」
僕をぎゅうっと抱き締めて僕の頭に頬擦りをしながらねっとりと話す。様子がいつもと違う、宿泊学習でテンションが変になってるのかな? それともこっちが本性?
「僕……他人が苦手でさ。シンヤくんのことも初めは避けてただろ? だから、アイツらに話しかけられて……その、緊張? して、返事出来なかったんだ。僕アイツら苦手だし、シンヤくんがこの部屋に居なくても、一人になるだけだったとしても、行きたくなかった……シンヤくんと二人になれるなら僕も即答だよ、即答……怖くて出来なかったけど」
「…………ふぅーん? そっかぁ♡ ヒロくん可愛い♡ 他の人苦手なんだ♡ 俺だけがいいんだ♡ 可愛い♡」
頬擦りが激しくなってきた。頭の左斜め上辺りの髪がぐしゃぐしゃになっていく。
「よかったぁ♡ ヒロくんがみんなと遊びたいとか言ったらやだもん、ずーっと一緒がいい♡ ヒロくんヒロくん俺のヒロくん♡ ヒロくんは俺の彼氏……♡ 俺だけのヒロくん♡」
これが本性っぽいな。僕に嫌われないように控えめになっているのは分かっていたが、僕に好かれている自信がつくとこうなるのか。
「……シンヤくん、本当は独占欲強いんだね」
「え……? ぁ、い、嫌だった?」
「ううん、今まですごく健気で控えめだったから……何かあったら勝手に身を引いちゃいそうで怖かった。そんなに想ってくれてるなんてすごく嬉しいよ」
「あ……! はぁっ……♡ あぁあ……♡ ヒロくん♡ ヒロくん好き♡ 好きぃっ♡ 大好き……♡♡」
僕の機嫌を取りたくて僕だけに張り付いていたわけではなく、本心から僕だけでいいと思ってくれていたのなら、もう──シンヤに友達を作らせるだとか、シンヤに一人の時間を与えるだとか──そんな遠慮は必要ない。
「……僕達、本当に相性がいいよ」
僕は他人が苦手で、シンヤとだけ一緒に居たい。
シンヤは他人がどうでもよくて、僕とだけ一緒に居たい。
怖いくらいに完璧な合致だ。僕とシンヤは出会うべくして出会ったのだ。
「愛してる」
「ぁ、あぁぁっ……♡ 嬉しい♡ 嬉しいヒロくんっ♡ 俺も愛してる♡ 俺以外の奴見ちゃ嫌だ!」
「見るわけないじゃん。シンヤくんも僕だけ見ててよ?」
「当たり前だよっ! 俺がヒロくん以外見るわけない!」
「嬉しい……シンヤくん、もう一回キスしよ、ううん……何回でもいい、何回もしよう」
シンヤからの返事は言葉ではなく、唇で行われた。
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