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水着の中に手を

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また射精させてしまった。胸から手を離し、股間から足を離し、一歩離れて岩にぐったりともたれかかったシンヤを眺める。

「……シンヤくん、水着の中掃除させてね」

そっとシンヤの腰に腕を回し、臍まで水に沈める。水着の中に手を入れて萎えた陰茎をそっと握る。

「ひぁっ……♡」

「冷たい? すぐ終わらせるから我慢してね」

「んっ……♡ ヒロくんの手っ、あったかい……♡♡」

「そ、そう? よかった」

流水の中、人の手に握られていれば温かいに決まっている。当然のことなのに何だか嬉しい。

「こっちは多分大丈夫……水着についた分も洗っとくね」

「ん……♡ ぁ、冷たい……寒い」

陰茎を離して水着の内側を軽く擦り、ぬめりを落とす。

「寒い? 握ってて欲しい?」

「ぁんっ……♡ だめ、また勃っちゃう……♡」

「元気だね。でも勃ちそうならやめておくよ、そろそろ川遊び終わりだし」

「終わり? そっか……」

「次はお風呂だよ、川遊びの後のは部屋のお風呂使っていいらしいから二人で入ろっか」

しゅんとしていた顔がぱぁっと花が開くように明るくなる。ころころと変わる表情と、僕が変えているという事実に心中悶えてしまう。
教師の号令で川から上がり、部屋に戻る。シンヤは乳首に擦れないようになのかジャージの胸元をつまんで移動していた。擦れて喘ぎながら歩くシンヤを見たかったけれど、他人には見せたくない。これでよかったのだ。

「部屋にシャワー二つあってぇー、六人だから、三人ずつ?」
「飯まで三十分だから一人十分な」
「えー、十分とかきちぃ」

部屋に戻ると既に戻っていた陽キャ共が風呂に入る順番について話していた。水着にジャージの上という格好は同じなので、全員の生脚が拝める。うん……当然だがシンヤの足が一番綺麗だな!

「あ、俺とヒロくん二人で一緒に入るよ」

「マジ? じゃあ……え、計算ムズくなった」
「適当でいいじゃん、出来るだけ急ぐ感じで」
「順番どうする? 俺後でいいけど」
「俺一番! 他人の後とか無理なタイプ」

自称潔癖症の陽キャが風呂に駆け込み、後でいいと言った奴を抜いた二人がジャンケンを始めた。僕達を先に行かせるつもりはないらしい。

「っしゃ勝った、おっ先~」

白熱したジャンケンの後、四人が残る。この部屋は広間とシャワールーム二つ、トイレ一つ、他は収納スペースというイチャつく場所がない造りだ。設計者のバカ。

「つーかさぁ、小宅ってそんな顔してたんだな」
「目めっちゃ怖ぇ、似合わねぇ」

濡れたからとオールバックにして戻すのを忘れていた。咄嗟に返事が出来ず、変な空気が流れる。

「……いつも、ミュージシャンみたいな、なぁ?」
「ダンス上手そうな前髪してるよな」

陽キャ共はメカクレヘアをそういう捉え方するのか。

「ヒロくん毛刈り前のアルパカみたいで可愛いよね♡」

シンヤは僕をそんな目で見ていたのか。

「アルパカ……? あー……アレか、なるほど」
「分かる! それだわアルパカだわ!」

「ヒロくんちっちゃいし♡ 軽いし♡ 上とか後ろから見ると頭丸っこくて超可愛い♡ すぐ声裏返るし♡ テンション上がると何言ってんのか分かんないとこホント好き♡」

ん……? それノロケじゃないか? まずい、恋人関係だとバレてしまう。

「シっ、シンヤくんっ、やめてよ!」

「大声出るんだお前」
「さっきも出てたじゃん、芋虫ん時」

そうだ、コイツら僕が芋虫に叫んだことクラスメイトに広めてなかったか? 最悪だ、だから宿泊学習なんて嫌だったんだ。

「高いとこ苦手だったり虫嫌いだったり、ヒロくんマジ可愛い♡♡ 大好き♡♡」

「めっちゃ可愛がるじゃん」
「目隠れてたら可愛い系ワンチャンあるけどさぁ」

人前にも関わらずシンヤは僕に抱きつき、頭を撫でてきた。友達にしては距離が近過ぎるだろう僕達を見る二人の視線に、酷い恐慌状態に陥った僕はシンヤを突き飛ばした。

「やめてって言っただろ!? このっ……バカ!」

裏返った声で慣れない罵倒を叫び、直後の静寂が僕の不安を煽って恐慌を終わらせない。

「ベタベタすんなよっ、可愛いとか言うなよっ、好きとか言ってくんなよっ、嫌なんだよそういうのっ! 二度とやめろよ!」

シンヤのことを一切考えず、体裁だけを気にして昂った感情のまま叫ぶ。意図は「シンヤと恋人関係だと思われたくない」というただ一つで、当然彼を深く傷付けた。
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