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道のりは遠い
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また最低な妄想で興奮してしまった。シンヤが乱暴されるなんてあってはならない、もし暴漢に襲われたら僕は身を呈して彼を守り、逃がさなければならない。
「僕が絶対に守るよ」
でも、僕が今までにシンヤを助けたのは逃げ足の速さを利用したものだった。一度目は暴漢を引き付けて、二度目は一人で逃げて助けを呼んで──なら、三度目も?
一人で逃げて警察を連れて戻り、ボロボロにされたシンヤの後孔から垂れる血や精液を見て僕は絶望することになるのか。
「……っ、あのさ……やっぱりさ、スーパーとか行かずに、家の前ちょっと歩くくらいにしようか?」
いや、襲われて逃げ込めたとしても家がバレたら今後付け狙われる。
「あっ……いや、もうやめようか。家で軽く歩いたりするだけにしよう」
「……なんで? 俺、このまま買い物してみたい……♡」
「だ、だって! 今のシンヤくんめちゃくちゃエロいんだもん! 襲われちゃうよ!」
声が裏返るのも構わず叫び、シンヤに向き直った僕はマスクと帽子でほとんど顔が見えないシンヤを見た。
「………………ごめん。そうだよね、行ってみたいよね。行こっか」
「うん♡ もし何かあってもヒロくんが俺のこと守ってくれるし♡」
シンヤにとって僕がヒーローだ。彼の方が威圧感のある風貌であっても、彼の方が背が高くても、彼の方が力が強くても、彼を助けるのは僕の仕事なのだ。
「……行こうか」
シンヤの歩幅に合わせ、ゆっくりと歩く。
「…………んっ♡ ん……♡ んうっ♡♡」
呼吸は荒く、マスクがへこんでは膨らむ奇妙な動きを見せる。漏らす声は甲高く、僕の理性と股間に負荷をかける。
「ヒロ、くぅん……♡♡」
僕の腕をぎゅうっと掴んで服の匂いを嗅いでいる、僕が傍にいるのに僕以外で僕を感じている。
「は、ぁっ♡ ヒロ、くぅんっ♡」
「……な、何?」
「ん……♡ ぁ、ごめんっ、ヒロくんの匂いと体温……♡ ヒロくん♡ ヒロくん呼んだんじゃなくて、ヒロくん……♡ ヒロ、くん?」
快感や興奮で頭が回らないのだろう。僕を呼んだわけではないのだろうとは予想していたが、実際そうだと僕は僕自身に嫉妬してしまう。
「……僕の服着て興奮してくれてるのは嬉しいけど、僕以外で僕を見ないで欲しいな……僕はここに居るんだよ?」
「ごめんねっ、ヒロくん♡ ヒロくんがそんな俺のこと想ってくれてるなんてぇ……嬉しい♡ 幸せ♡」
自分に嫉妬する僕の不思議な精神構造は理解してもらえただろうか。
「俺ヒロくんだけ見てるな♡ スーパー行こ♡」
またゆっくりと歩き始める。今度は視線を感じる、僕を真っ直ぐ見上げている。
「んっ♡ んんんっ……♡ はぁっ……♡ ヒロくんの横で、外で、俺こんな変態なこと……♡♡」
後孔にバイブを挿入され縄で締め付けられたままの身体をくねらせ、僕をじっと見つめたままビクッと跳ね、微かに震えた。絶頂したのだろうと考える僕に正解を告げるようにシンヤは僕にもたれかかった。
「僕が絶対に守るよ」
でも、僕が今までにシンヤを助けたのは逃げ足の速さを利用したものだった。一度目は暴漢を引き付けて、二度目は一人で逃げて助けを呼んで──なら、三度目も?
一人で逃げて警察を連れて戻り、ボロボロにされたシンヤの後孔から垂れる血や精液を見て僕は絶望することになるのか。
「……っ、あのさ……やっぱりさ、スーパーとか行かずに、家の前ちょっと歩くくらいにしようか?」
いや、襲われて逃げ込めたとしても家がバレたら今後付け狙われる。
「あっ……いや、もうやめようか。家で軽く歩いたりするだけにしよう」
「……なんで? 俺、このまま買い物してみたい……♡」
「だ、だって! 今のシンヤくんめちゃくちゃエロいんだもん! 襲われちゃうよ!」
声が裏返るのも構わず叫び、シンヤに向き直った僕はマスクと帽子でほとんど顔が見えないシンヤを見た。
「………………ごめん。そうだよね、行ってみたいよね。行こっか」
「うん♡ もし何かあってもヒロくんが俺のこと守ってくれるし♡」
シンヤにとって僕がヒーローだ。彼の方が威圧感のある風貌であっても、彼の方が背が高くても、彼の方が力が強くても、彼を助けるのは僕の仕事なのだ。
「……行こうか」
シンヤの歩幅に合わせ、ゆっくりと歩く。
「…………んっ♡ ん……♡ んうっ♡♡」
呼吸は荒く、マスクがへこんでは膨らむ奇妙な動きを見せる。漏らす声は甲高く、僕の理性と股間に負荷をかける。
「ヒロ、くぅん……♡♡」
僕の腕をぎゅうっと掴んで服の匂いを嗅いでいる、僕が傍にいるのに僕以外で僕を感じている。
「は、ぁっ♡ ヒロ、くぅんっ♡」
「……な、何?」
「ん……♡ ぁ、ごめんっ、ヒロくんの匂いと体温……♡ ヒロくん♡ ヒロくん呼んだんじゃなくて、ヒロくん……♡ ヒロ、くん?」
快感や興奮で頭が回らないのだろう。僕を呼んだわけではないのだろうとは予想していたが、実際そうだと僕は僕自身に嫉妬してしまう。
「……僕の服着て興奮してくれてるのは嬉しいけど、僕以外で僕を見ないで欲しいな……僕はここに居るんだよ?」
「ごめんねっ、ヒロくん♡ ヒロくんがそんな俺のこと想ってくれてるなんてぇ……嬉しい♡ 幸せ♡」
自分に嫉妬する僕の不思議な精神構造は理解してもらえただろうか。
「俺ヒロくんだけ見てるな♡ スーパー行こ♡」
またゆっくりと歩き始める。今度は視線を感じる、僕を真っ直ぐ見上げている。
「んっ♡ んんんっ……♡ はぁっ……♡ ヒロくんの横で、外で、俺こんな変態なこと……♡♡」
後孔にバイブを挿入され縄で締め付けられたままの身体をくねらせ、僕をじっと見つめたままビクッと跳ね、微かに震えた。絶頂したのだろうと考える僕に正解を告げるようにシンヤは僕にもたれかかった。
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