陰キャな僕がエセヤンキーに攻略された話

目的は見失わずに

前立腺を刺激してシンヤを絶頂させることに夢中になってしまっていたが、本来の目的は別だ。バイブを挿入出来るように後孔をほぐさなければならない。一箇所ばかり責めていたって仕方ない。

「あぁんっ♡♡　またイっちゃうぅっ♡♡　んぁっ♡　ヒロくぅん♡♡　ぐりぐり♡　そこぐりぐりして♡　んゃんっ♡　ヒロくん……？」

中指を根元から曲げて前立腺をトントンと叩いていたが、それをやめて後孔の中で指を止めるとシンヤが不思議そうに僕の名前を呼んだ。

「ヒロくん……俺もっとイきたい♡」

「今日は指だけでイかせまくる日じゃないよ、バイブ入れたままお出かけしようかって日だよ」

「……でも、ヒロくんの指……せっかくなのに」

「またいつでもこうしてあげるから」

不意打ちで前立腺を押してやると、くちゅっ……と扇情的な濡れた音が聞こえた。

「ひぁああんっ♡♡♡」

「ほぐすのが目的だからね、他のところも触るよ」

前立腺を避け、指の腹で腸壁を押していく。シンヤの腸壁は柔らかく、ローションだろうぬるぬるとした液体もあり、触れていてとても楽しいし興奮させてくれる。

「んぁ♡　あぁんっ……♡　んぅっ♡　ヒロくんっ♡　ヒロくぅん……♡　ヒロくんに触られてたらぁ、全部っ、弱いとこになっちゃう♡」

僕に触れられることに特別感を見出してくれているのか、相変わらず僕の恋人は心臓に悪い。

「そんなこと言われたら……きゅんきゅんしちゃうよ」

かなりほぐれてきた、そろそろ二本目も入りそうだ。いや、入れなければシンヤも物足りなさを感じるだろう。だが、怖い。

「…………シ、シンヤくん……指、二本目……入れていい？」

「二本？　欲しい♡　シンヤくんが増える♡」

「僕は一人のままだけどね……えっと、動かないでね。ちょっと冷たいかもしれないけど、我慢してね」

「んっ♡　抜くの？　ん、んっ……んぁあっ♡」

一旦中指を抜き、薬指を中指に添え、ローションをまぶし、再び挿入。

「……っ、あぁああんっ♡♡　んっ♡　んんっ♡　んぁ♡　あぁっ……♡　ヒロくんっ♡　指、バラバラに動かしてぇ♡」

「えっ、ぁ、う、うんっ……」

シンヤの身体の伸縮性を信じ、ぴったり添えていた二本の指を恐る恐る離す。シンヤの穴が拡がるように中で指を開いていく。

「ぁ♡　あ、あっ♡　拡がって、る……♡　ヒロくんにぃっ……なか、見られちゃう……♡」

二本の指の間からシンヤの中の様子が見える。と言っても照らしているわけでもないから穴の奥の方は見えやしないけれど、入口付近でもシンヤの腸壁が物欲しそうにうねっていることは分かった。

「……見られるの恥ずかしい？」

「恥ずかしいよ……♡　当たり前じゃん」

「ふぅん……でも、恥ずかしい？　って聞いた瞬間、シンヤくんってば僕の指、きゅうーって締め付けたよね」

ぬるぬるのローションまみれの腸壁が指に吸い付き、絡み付きながらきゅうきゅうと締め付ける感覚を味わう指に嫉妬し、僕の陰茎は硬く大きく膨らむ。

「恥ずかしいこと好きなの？　変態さん。よかったね、君はこれからバイブ突っ込んだまま人前に出るんだよ」

「そんな……♡　昼間から、そんな、俺ぇ……♡」

「みんな君の様子が変だって気付くかなぁ、変態行動発覚からの連れ込みレイプって……鉄板だもんね」

胸糞度が低めだからそこまで好きじゃないけれど、受けのキャラの感度が高いから抜きやすいジャンルだ。

「…………未開発の処女穴ぶち抜かれて血ぃ出るようなのが好きなんて、僕……本当……」

「ヒロくん？」

「……うん、シンヤくんには絶対、そんな目には……アレはフィクションだからいいんだ」

実際に危なかったことがあったのに、僕は未だにレイプからのＮＴＲ妄想をしてしまう。現実と妄想の区別がしっかりついているタイプの人間だと自負はしているが、自分の変態性が嫌なことには変わりない。

「…………シンヤくんは僕だけのものだよ」

「うん♡　そーだよ♡」

独占欲を吐き出しても無邪気な返事をされては毒気を抜かれる。

「そろそろお買い物行こうか」

「……まだヒロくんの指味わってたい♡」

「んー……でも、もう十分拡がったよね？」

「んぁっ♡　ぁ♡　あぁあっ……♡　ひゃっ！？　らめっ♡　吹くのっ、ぁああっ……♡♡」

ぐぱっと拡げた穴に息を吹きかけるとシンヤは期待以上の反応を見せた。もう僕の股間は限界だ。

「買い物行く前に僕も抜かなきゃな……」

「はぁっ♡　はぁ……♡　あ、ヒロくんのしゃぶらせてくれるんなら指終わってもいーよ♡」

「……僕にうまみしかないよ」

「俺にも♡」

つくづく相性がいいなと笑い合い、僕は指での愛撫を終えてバイブを持った。