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ようやく……?

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昼食を食べ終わった僕達は部屋に戻り、またベッドを背にして床に座った。恋人同士なのに手を繋ぎもせず、共にゲームや映画を楽しむでもなく、ただ座ったまましばらく過ごした。

「……あ、あのさっ、ヒロくん」

静寂が嫌になったのか、シンヤは唐突に切り出す。

「筋トレ……しないの?」

「え? あぁ、食べてる時話してたヤツ? あれは……また今度しよっかってくらいだったんだけど、シンヤくん今筋トレしたいの?」

「出来ればしたくないかな……食べたばっかりで動いちゃお腹痛くなっちゃうし」

「じゃあまた今度にしようよ、僕もやりたくない」

そして有耶無耶になり、僕達に筋肉はつかない。

「それよりシンヤくん、何かしたいことかして欲しいことない?」

「……ヒロくんの腕ぎゅってしたい♡」

性的な接触か暇を潰す内容を求めていたのだが、シンヤは僕の左腕を抱き締めて満足してしまった。シンヤは僕の腕をぬいぐるみにするようにぎゅうっと抱き締め、足にも挟んでいる。少し動かせば股間に触れられそうだ。

「……………………んっ♡」

狙いに気付かれないよう少しだけ腕を動かすと、僕の手が布越しの性器に触れるのではなく、二の腕を胸に押し付けてしまった。

「ん……♡ んっ♡ ふ、ぅっ……♡ ん、んん♡」

服と絆創膏に守られているのにシンヤの乳首は二の腕に押さえつけられただけで快感を覚えたようで、性欲に関する堪え性がないシンヤはすぐに僕の二の腕に胸を擦り付け始めた。

「は♡ ぁっ♡ ふ♡ ぅんっ♡ ん♡ んんっ♡」

シンヤは僕が居るのを忘れてしまったのだろうか、乳首を擦りつけているのが僕の腕だとちゃんと分かっているのだろうか、僕の目には快楽に溺れているだけのように見える。

「ん♡ んんっ♡」

「…………シンヤくん」

もし誘惑だったら上手すぎてシンヤらしくないなと思いつつ、耳元で名前を囁く。

「ひぅっ!? あっ……! ご、ごめん……」

僕に気付いたシンヤはすぐに自慰をやめた。つまり、僕の腕を抱いたの忘れて乳首の快感だけに夢中になっていたということだ。

「シンヤくん、僕の腕使ってオナニーしてたよね」

「ごめんなさい……」

「謝って欲しくはないんだよシンヤくん、謝らなくていい。質問に答えてくれたらそれでいいんだ」

シンヤは顔を真っ赤にして頷いた。

「乳首オナニー……チクオナ、いやチクニーかな…………まぁ、どれでもいいか。一人でするの気持ちよかった?」

再び頷いたので、今度は口頭で答えろと耳元で囁いた。

「き、気持ちよかった……♡ ヒロくんの腕に乳首擦り付けて、気持ちよくなった♡」

「恋人が隣にいるのに水臭いよ、やって欲しいことあるなら言ってって言ったじゃん」

シンヤは花がほころぶようにパァっと微笑み、何度も頷いた。

「ヒロくん……♡ お願い♡♡ 俺の乳首いじめて♡♡♡」

僕が服に言及する前からシンヤは服をめくって絆創膏に隠れた乳首を見せた。

「どうして欲しいとかある?」

「…………言っていいの? 気持ち悪がらない?」

「そんなことするわけないよ、言ってみて」

シンヤは迷っているのか目を逸らした、やはり僕はまだ完璧には信用されていないらしい。

「……お、玩具とかも使って、徹底的に……しっ、して欲しい……♡♡ 簡単にはイかせないで、焦らしたりもしてっ……とにかくいじわるにして欲しい♡♡♡」

言ってくれた。信用はかなり高まっていると考えていいだろう。

「…………シンヤくんはいじめられたいの?」

「……俺いじめてる時のヒロくんの顔が好きなの♡♡」

僕はそんなに妙な顔をしていただろうか。まぁ、好きと言ってくれるなら酷い顔ではないのだろう。

「それじゃシンヤくん、まずは絆創膏貼ったまま爪と玩具で責めてあげるね。もちろんイかせないよ。絆創膏剥がしたら口と指、ここでもイかせない。僕の口が疲れたら一旦やめるから、その時にどれだけイかせて欲しいのかちゃんと説明してね。えっちに可愛くおねだり出来たらイかせてあげる」

「あ……♡ すごく、いじわる……♡♡」

「覚悟しておいてね?」

「うん……♡♡」

口ではそう言ってみたが、僕にそこまでの寸止め技術はないだろうし、シンヤも寸止めの責めには体勢がないだろう。シンヤが「いじわる過ぎるのやだ……」なんて泣かないよう、具合はしっかり見なければな。
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