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開発者の責任は重い

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授業が終わり、教科書類を鞄に詰め、ホームルームの時間。シンヤは自身の鞄に頭を乗せて両手で乳首を弄っている。

「……っ、ん♡ ふ♡ ぅ……んっ♡」

シンヤの様子が気になり過ぎて僕も担任教師の話を聞けなかった。それほどまでに僕はじっと彼を見つめていたのに、シンヤは僕の視線に気付かなかった。

「さよーならー」

クラスメイトが揃っている教室で僕の視線に気付かないほど自慰に夢中になっているシンヤに夢中になり、僕は周囲の者が立ち上がっていることに気付かなかった。慌てて立ち上がり、礼に合わせ、鞄を持つ。


生徒達がゾロゾロと教室を出ていく。シンヤは甘い吐息を漏らしながら自慰を続けている。

「シンヤ……くん? 大丈夫?」

「ん……♡ ぁ、ひろ……くん♡♡ ヒロくん、自分でしても微妙でさぁ……ヒロくんすっごく上手かったんだなーって分かった♡ ヒロくん、して♡」

シンヤは躊躇なくシャツを肌着ごとめくり上げて勃起した乳首を晒した。教師が近付いてきているのが分かっていた僕は慌ててシンヤの服を掴んで下ろした。

「吉良、体調悪いって聞いたがどうだ?」

教師にシンヤが脱いだのは見られなかったようだ。

「せんせ……大丈夫です」

「……そう、か?」

紅潮した頬に潤んだ瞳、下がった眉に呂律の怪しい話し方──扇情的という言葉は今のシンヤのためにある。ダメだ、こんなドスケベフェイス見せたら教師が未成年淫行教師にクラスアップしてしまう。

「あ、安心してください先生! 僕が責任を持って家まで送り届けます!」

僕は咄嗟にシンヤを背に隠すように教師の前に立った。

「そうか、お前ら仲良いもんな。けど……家、結構遠いだろ。大丈夫か?」

「途中で電車降りて寄り道するだけなんで」

「寄り道するなと言いたいとこだが……」

教師は体を傾けてシンヤを覗こうとする。僕は教師に合わせて体を傾け、シンヤを隠す。静かな攻防が数十秒続く。

「…………うん、まぁ、頼むぞ小宅」

「はいっ」

モヤモヤしていますと顔に書いたままながら教師は教室から出ていった。安堵のため息をついて振り返ると、シンヤはまた乳首を弄っていた。

「シンヤくん」

「ヒロくん……♡♡ してくれる?」

「あのさシンヤくん、教室ではまずいよ。他に人も居るんだしさ、その……えっと」

なんて言えばいいんだ? エロい声出すな、そのスケベ顔何とかしろ、ちくオナやめろ──色々思い付くけれど、どれもそのままは言いたくないな。オブラートに包まなければ、でもそのオブラートが思い付かない。

「教室で乳首いじっちゃうなんてさ、俺ほんと悪い奴だよな」

「う、うん……本当にそうだよ、ダメなことだって分かってたんだ……」

「ヒロくん……♡ ヒロくんはえっちで悪いの好きなんだよな? ヒロくんはヒーローだもんな♡♡ 悪い奴は倒さなきゃ♡ 悪い俺にいじわるして♡♡」

「…………ダメだよ、ヒロくん……流石にダメ。ラインってものを分かってよ」

僕の話を聞いていないのか、それとも興奮のあまり聞こえなくなっているのか、シンヤは立ち上がってシャツのボタンを外し、肌着をめくり上げた。

「ヒロくん見てぇ♡ ヒロくんに触って欲しくてこんなになっちゃった♡ ヒロくん……♡♡」

薄紅色の乳首は卑猥に膨らんでいる。最初に見た時はもっと色が薄くて小さかった。僕がこんなにもいやらしい色と形に育ててしまったのだ。

「……………………ヒロくん?」

僕がシンヤの性格までも淫らに変えてしまった。

「な、なんで? なんで全然乗ってくんないの? ヒロくんこういうの好きじゃないの……? 俺……なんか勘違いしてる……? や、やだ、嫌わないで……」

「……シンヤくん」

「………………何?」

「窓際、行こっか」

僕が育てた? 僕が変えた? いや、違うな、まだまだシンヤは育ってないし変わっていない。僕はシンヤの開発者だ、彼をどんどんアップデートしなければならない。改良を進めるのが開発者の責任の取り方だ。
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